「敗因」の分析が「言い訳」にならないためには?
こんにちは。水口です。
今日は「会議」に関係した話です。
■ 「完璧な言い訳」なんて必要ないのでは?
こんな記事がありました。
反省と自己分析はくせになる - 記者の眼:ITpro
「反省と自己分析」と聞くと、個人的なものを想像してしまいますが、
この記事中で言われているのは「組織として」の話です。
『 連載企画を立てるにあたり,寄稿者に「IT業界の営業会議に特徴的なこと
はありますか?」と聞いた。すると寄稿者はこう言った。「反省や敗因分析,
自己分析がくせになっている感じです。営業会議がすぐ反省会になる。そも
そも分析スキルが非常に高いので,完ぺきに敗因を分析する。でもそれで終
わってしまうんです」。』
『高い分析スキルをもってすれば,物やサービスが売れない理由を上手に説明
できるかもしれない。それを寄稿者は「完ぺきな言い訳」と呼ぶ。完ぺきな言い
訳がなぜ必要なのか。それは「自分のせいではない」ということを証明するため
であるという。』
(上記サイトより引用)
「分析」をすることは大事ですが、それが「言い訳のための分析」になっては
意味がないということですね。
しかし、組織の中の「会議」では、こうした「言い訳のための分析」は結構
多いものです。
「失敗したが」「業績が上がらなかったが」、それはこういう事情があって・・・
そういう感じです。
その「完ぺきな言い訳」のために悩んだり、頭をひねったり・・・ それなら
その頭とエネルギーを他のことに使った方が、もっと業績は上がるのでは?
なんて思ったりもします・・・。
ちなみに、上記の記事では「敗因分析」よりも「勝因分析」を重視すべき
とまとめられているのですが・・・ 私はそう単純ではない気がします。
「勝因分析」も確かに必要ですが、だからといって「敗因」を分析しなくて
いいという話にはならないでしょう。
本来は「勝因」も「敗因」も見なければいけないものです。
また、上記記事で「言い訳」とされる「敗因分析」も、ちゃんとやれば
有意義なものです。
■ 分析が言い訳にならないために
私は以前、「品質保証」という部門で仕事をしていたことがあります。
工場で品質トラブルなどが起こった際、それを再発防止させないために
分析する(または分析してもらう)こともある仕事です。
起こったトラブルを把握し
↓
その要因を分析し
↓
再発防止策を取る
ということをしなければいけない。そういう仕事です。
上記の言葉で言えば、まさに「敗因分析」の方です。
(いわゆる「なぜなぜ分析」などを用います)
この「敗因分析」は意外に難しいものです。慣れない人だと、どうしても
問題の要因を変なところに持っていってしまいがちになるんです。
たとえば、何かの品質トラブルが起こった場合に、
―――――――――――――――――――――――――――
不良品が次工程に流れてしまったのはなぜか?
↓ (その要因は)
作業者の不注意で、不良品を見落としてしまった
↓ (その要因は)
人員が不足ぎみで時間がなく、あわてて作業してしまった
↓ (その要因は)
そもそも、人員不足なのが悪い (=上司が悪い?)
―――――――――――――――――――――――――――
なんて分析になってしまうこともあります。真面目な話。
もちろん人員不足は良くないことですし、是正が必要なのですが、
それはそれ、これはこれ。この分析は正しくありません。
なぜなら、
―――――――――――――――――――――――――――
では、人員が充分なら、この問題は再発しませんか?
―――――――――――――――――――――――――――
と聞かれると、自信が持てないからです。
人員が不足していなくても同じ問題が起こる可能性が消せないなら、
真の原因は別のところにあるわけです。
※ たとえば、作業方法が悪かったり、あるいは作業方法が決められて
いなかったり、決められていても守っていなかったり、などです。
真の原因を見つけ対策した上で、人員を増強するのと、
単に人員を増やせばいいというのではまったく違いますよね・・・。
敗因分析(問題点の要因分析)を行うためには、
「他部署のせいにしない」
という意識が必要です。
なぜなら、人はどうしても「他人のせいにしたがる」ものです。
組織の中では特にそうです。(↑経験談として)
別に無責任な人、自己中な人に限らず、誰にでも(もちろん私も)
そういう傾向がある。というのが私の経験談です。
だからこそ、分析の際には「他部署のせいにしない」という意識を
持っておくべきだと私は考えています。
※ もちろん、ちゃんと分析した結果、他部署や取引先などに原因が
ある場合もありますから、なんでも「自分たちのせいにしろ」という
わけではありません。
営業部門などでは「要因分析」に難しさがある場合もありますが、
だからといって要因分析に意味が無いわけではありません。
有意義な「敗因分析」のためには、論理的な「分析能力」も必要ですが、
それ以前の部分として、「他人のせいにしない姿勢」が最大のポイント。
私はそう考えています。
実際の分析はなかなか難しいですし、人による能力差もありますが、
まず「他人のせいにしない姿勢」を持っているかどうか。ここが大きな
分かれ道になると感じています。
今日の記事作成時間は44分でした。
では、また明日!
Posted by 水口和彦 at 23:55│Comments(0)│TrackBack(0)
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