2010年05月21日     このエントリーをはてなにブックマークこのエントリーを含むはてなブックマーク

『約9割のビジネス書は、ゴーストライターが書いている』 という都市伝説


こんにちは。水口です。

今日は「本を書く」ことについて。
「これは、ちょっとひどいんじゃないの!」と思った記事がありました。

約9割のビジネス書は、ゴーストライターが書いている
(Business Media 誠) - Yahoo!ニュース


Business Media 誠:吉田典史の時事日想:
約9割のビジネス書は、ゴーストライターが書いている (1/3)



■ 「9割のビジネス書はゴーストライターが書いている」という都市伝説

上記記事にはこうあります。 (『』内は引用です)
 
『 しかしビジネス書の多くは、フリーライターが書いていることをご存じだろうか。
俗に言うところの“ゴーストライター”である。東京・神田近辺の大手出版社Sの
役員は、「ビジネス書の約9割はゴースト(ライター)が書いている」と言い切る。』

                                   (上記記事より引用)

この「言い切り」はちょっとひどいです。

ビジネス書の世界にも「ゴーストライター」がいるというのは聞いていますが、
「ゴーストライターが書いた本が9割」というのは言い過ぎです。


たとえば、私のように特に著名でもない人間の場合、出版社はゴーストライ
ターなんて用意してくれないのが普通です。

逆に、著名な(名前で本が売れるような)著者の場合、ゴーストライターを
起用するケースもあると聞きますが、それが9割なんてあり得ません。


上記の記事が事実なら、その役員氏のいる出版社が、著名人の本ばかり
出しているということであり、その出版社は確かにそうなのかもしれません。

しかし、ビジネス書を出す出版社には、規模がそれほど大きくないところも
多く、また「有名人」ではない人の本の方が、全体の数としては多いのです。

書店のビジネス書のコーナーをよく見てみれば、わかります。
(出版社や「有名人」著者がどれくらいあるかなど)

ですから、(ビジネス書全体として)「ゴーストライターが書いた本が9割」と
いうのは「デマ」というか、「都市伝説」だと言い切れます。


■ ゴーストライターを使う前に、ゴーストライターになれる技術が身についた?

上記記事には、こうあります。
 
『 確かに本を書いた経験のない人を著者にして書かせたところで、200ページ
にも及ぶその原稿がいつ仕上がるのか、分からない。これでは、いつどのような
本を出すのかといったその出版社の「出版計画」が破たんする。そこで、締め切
りを守れるライターが抜てきされる。』


この事情はわかりますし、実際そういう事例があるとも聞きます。

また、原稿として上がってきても、それをライターに頼んで全面修正して
もらう(そうしないと本にならない)ケースもあると聞いたことがあります。

でも、全体のなかで、それは一部だけじゃないですかね。

自分で「出せる原稿」にまで仕上げるビジネス書著者だって多いんです。
(逆に、あまり「有名人」ではない人に、そういう人が多いように思います)


ちなみに私の場合、今までに8冊の本を出しましたが、ゴーストライターに
書いてもらったことは一度もありません。

※ 『王様の時間術』という本だけは、あとがきにも記載しているように、
   「王様エピソード」の部分を別の方に書いてもらっています。


また、私の原稿は、編集者の方から「修正も少なくて済むので助かる」と
言われることも多いですし、最近は、雑誌や新聞などの媒体に応じて、
文体を使い分ける技術まで身についてきました。

文字数を調整するのもうまくなってきたので、最初から指定の文字数で
書いて、それが、ほぼそのまま掲載されるケースが多いです。

※ ここまでくると、「ちょっとやりすぎかも?」と思う部分もあるのですが(笑)
   でも、昔、変に手を入れられて、直す手間がかかってしまったことがあり、
   自分できっちり仕上げ方が、かえって仕事が早いと感じています。


そんなわけで、私の場合、「ゴーストライターを使う」というよりは、
私自身が誰かのゴーストライターをやれそうな勢いです・・・ (笑)

私の場合は、「ライター」側に寄っている特殊な例かもしれませんが、ちゃんと
自分で書いている著者は他にもたくさんいますので、上記のような都市伝説
は信じてほしくないですね。


■ 本を比較してみればわかる?

また、上記記事にはこうあります。
 
『 今後、読者がビジネス書を読むときにはその著者のブログと本の文章を読み
比べてほしい。言葉の使い方や表現の仕方が全く違うことに気付くはずだ。
さらに、著者の本が何冊もあるときも比較してほしい。それぞれ違うライターが
書いている可能性が高いので、文章が違うはずだ。本のいちばん裏のところ
(奥付)に「編集協力 ○○○○」とか「編集(執筆) ○○○○」などと書いて
あることがあるが、それらにも注目してほしい。その人たちが、ゴーストライター
である可能性が高いからだ。』


言葉(用語)の使い方が違う・・・というのは、確かにゴーストライターっぽい
ですが、表現の違いや文体の違いは、そうとは言い切れません。

私の場合、媒体によって文体は微妙に変えますし、同じ書籍でも、読者対象
によって文体を微妙に変えることもあります (← これって器用貧乏?)。
また、表現の仕方などは、試行錯誤しつつ変わっていくものでもあります。

たとえば、私の最初の本と最新の本を読み比べると、文章の印象は違うと
思います(自分でもそう思います)。ですが、どちらも自分が書いたものに
間違いありません。文章が違う雰囲気だから、違う人が書いた・・・ とは
言い切れないと思います。

※ 確かに、同じ著者で明らかに違う雰囲気の本もありますが・・・
   最近の本は、昔に比べて出来が悪い・・・というケースの場合は
   「ゴースト」かもしれませんが、単なる「手抜き」かもしれません・・・。



なんだか腹の立つ内容だったので、反論ばかり書いてしまいました・・・(汗)
こういう都市伝説は信じないで頂けるとうれしいです。

この記事の言うゴーストライター本、つまり、ライターが大幅に手を加える本が
ある・・・ここまでは確かに事実だし、私もいいこととは思いません。
(手を加えた人の名前は出すべきだという意味で)

しかし、「ゴーストライター本が9割」というのはデマです。一応、これまでに
十数社の出版社と仕事をしてきた私の感覚としては。


上記記事の最後には、こうあります。
 
『 ビジネス書を読むときに、このような裏側を知ると、これまでとは違った印象
を持つのではないだろうか。最後に聞きたい。自分で書いていないのに、著者
と言い切ることは詐欺なのか、それとも詐欺ではないのだろうか。私は、いまな
お答えることができない。』


私も同じことを思います。自分で書いていないなら「著者」ではないですよね。
そういう意味での問題提起は必要かなと思います。



今日の記事作成時間は48分でした。
では、また明日!


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Posted by 水口和彦 at 23:55│Comments(0)TrackBack(1)

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こんにちは。水口です。 ↓ このネタで引っ張るつもりはなかったのですが・・・   書き忘れていたことがあったので、もう少し。 『約9割のビジネス書は、ゴーストライターが書いている』 という都市伝説 ↑この記事は、↓こちらの記事に対しての反論です。 ...
『約9割のビジネス書は、ゴーストライターが書いている』記事は「釣り」か?【時間管理術研究所 □□ 仕事と生き方、幸せの研究所 □□】at 2010年05月24日 23:29
 

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