2010年12月08日     このエントリーをはてなにブックマークこのエントリーを含むはてなブックマーク

プレゼン等における「メラビアンの法則」の嘘と、その応用


こんにちは。水口です。

「メラビアンの法則」ってご存じですか?

私は人前で話すことが多いので(というか仕事の1つなので)、この
「メラビアンの法則」はよく意識しています。 ・・・ 別の意味で。


■ 「メラビアンの法則」とは?

「メラビアンの法則」というのは・・・

一般に「話す言葉よりも、しゃべり方や表情(その他見た目)の方が重要」
「言葉だけでは7%しか伝わらない」・・・等々と言われるやつです。

なぜか、「セミナー講師」と呼ばれる人に、この「法則」が好きな人が多い
ようで、あちこちで良く聞いたり読んだりします。

しかし、これ、実は間違いです。


上記の「(俗説版)メラビアンの法則」は実は間違いというか、極端な拡大
解釈という感じなんです。メラビアン氏が実際に行った実験の話を知れば、
この「(俗説版)メラビアンの法則」は、突っ込みどころ満載という感じです。
そのことは既にネット上にもいろいろ情報がありますので、ここでは直接
触れません。(Wikipediaにも書かれていますので、興味があればご参照を)


■ 「メラビアンの法則」を応用する?

私が気にしているのは、ちょっと違った観点です。

メラビアン氏が行った実験を簡単にいうと・・・

  言葉と口調、表情のそれぞれが一致しないときに、人はどう受け止めるか?

という実験です。

これは、竹中直人さんが昔やってた『笑いながら怒る人』というネタみたいな
状況です。そのネタは、表情は笑っているのに、言葉はメチャメチャきつい口調
で怒っている・・・という「違和感」が笑いの元になっていました。

メラビアン氏の実験は、そんな「違和感」のある状況で、人はどちらを優先して
受け止めるかというもの。心理学でいう「認知的不協和」の状況での話です。

そんな状況なら「言葉が伝わらない」のも無理はありません。実際、日常生活
においても、(たとえば家族や友人が)口では「大丈夫」と言いながらも、浮か
ない表情をしていれば、心配にしますよね。それと同じことです。

また、認知的不協和の状態にあるときには、実は「口調」や「表情」も、伝わら
ないものです。たとえば、すごく爽やかな笑顔で「私の目標は、うまくお金儲け
をして、働かなくても贅沢な暮らしができるようになることです!」 と利己的
なことを宣言されると、ちょっと変な感じですよね。

実際、昔そういう人と会ったことがあって、私はちょっと引きました・・・。
爽やかな笑顔もなんとなく信用できない感じがしてしまいます。

※ 別に「お金儲けが悪い」というわけではありませんが、「私の目標は」と
  大上段に構えておいて、お金の話しか出てこないと、ちょっと引いて
  しまう人が多いのではないでしょうか・・・(私はそうです)。


つまり、「メラビアンの法則」は、言葉や口調や表情が一致しないという、
「違和感のある」あるいは「なんだか嘘っぽいと感じる」状況において、
「どちらかといえば、言葉よりも表情の方が伝わる」という話なんです。

※ ですから、この実験で「言葉は7パーセントしか伝わらない」というのは
   メチャメチャな話ですし、メラビアン氏もそんなことは言っていません。


逆に、「認知的不協和」のない状態(認知的協和?)にあれば、言葉も
表情も何倍、あるいは何十倍も伝わるわけです。

私は、プレゼン等をするときには、こちらの方がより重要だと思っています。

つまり、
――――――――――――――――――――――――――――――
自分が実感を持って言えること、嘘のないことを伝えれば、決してしゃべり
がうまくなくても、(認知的不協和がないので)聞き手にはちゃんと伝わる。
(※ 私はこれを別名「ジャパネットたかた理論」と勝手に名付けています)

逆に、「(俗説的)メラビアンの法則」を信じて「言葉より見た目が重要」と
いって、見た目や表情ばかり重視するのは逆効果になることもある。
(認知的不協和が生じると、爽やかな見た目も何だか嘘くさくなる)
――――――――――――――――――――――――――――――
ということです。

※ ジャパネットたかたの高田社長が、自分が本当に良いと思っている
   商品なら、(しゃべりのプロじゃない)自分でも視聴者にその良さを
   伝えられるし、そう思える商品じゃないと扱わない。という主旨の
   発言をされていたからです。


私の経験上も、(流暢にしゃべれなくても)熱意を持ってしゃべれたときは、
聞き手の反応が良いように感じます。

だからといって、見た目や表情やしゃべり方を軽視していいというわけでは
ないのですが(それらも気をつかう必要はありますが)、最も重要なところは
しゃべる内容が「本心から」の言葉であるかどうか、そしてそれを伝える熱意
があるかどうかではないかと思います。

と、(なかなかしゃべりに自信が持てない私は)思ったりします。
若干、言い訳が含まれているかもしれませんが・・・(汗)



今日の記事作成時間は65分でした。
では、また明日!


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Posted by 水口和彦 at 23:55│Comments(1)TrackBack(0)

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この記事へのコメント
態度と思いが違うって話しですかね
口だけ笑って目が笑ってない不自然さとか(笑)

ある本に詐欺師や占い師は外見と内面を一致するのが上手くて信用されると有りました  
Posted by るなな at 2010年12月14日 04:21
 

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