2011年01月12日     このエントリーをはてなにブックマークこのエントリーを含むはてなブックマーク

『ブラック企業の見抜き方』


こんにちは。水口です。
こんな記事↓がありました。

転職ブラック企業の見抜き方 (プレジデント) - Yahoo!ニュース

タイトルは『転職ブラック企業の見抜き方』とありますが・・・、
『転職ブラック企業』という企業があるわけではなくて、
「転職」関連の記事で、『ブラック企業の見抜き方』というタイトルです。
(間を切ってほしい・・・)

『』内は引用です)
 
『 ネットの世界で使われる「ブラック企業」という言葉をご存じだろうか。一般に
ブラック企業とは、低賃金かつ労働環境が劣悪な企業を指す。下請けを担う
IT系企業や外食系企業、訪問販売系の企業がしばしば名指しされる。』

                                 (上記記事より引用)

少し補足すると・・・ 『ブラック企業』という言葉自体は、かなり前からありますが、
昔はどちらかというと「違法行為を強制される」企業を指すことが多かったです
(一部の訪問販売や、詐欺的な商法を行う企業などです)。

それと違って、労働条件についての『ブラック企業』という言葉が、頻繁に使わ
れるようになったのは、割と最近の話(この3~4年くらい?)という気がします。


さて、上記記事の続きです。
 
『 こうした企業を事前に見抜くためにはどうしたらいいか。

 まず、求人情報から見抜く方法がある。注意すべきは5点だ。
1.求人広告を常に掲載している
2.ハードルの低さが強調されている
3.給与が異常に高い
4.仕事内容が「よくわからない横文字」である
5.社員数に対して、求人数が多い
 入社希望者がなかなか集まらない企業は、大げさな情報を流す。仮に高い
給与が掲示されていたとしても、ハードワークであるか、高い歩合給が設定
されている可能性が高い。』

                                 (上記記事より引用)

これらの条件は、割と納得ですね。特に、5番目はかなりです。

たとえば、社員数が100~200人くらいの企業が50~60人の募集をかけたり
するのは、かなり不自然です。よほどの事業拡大でもあるなら別ですが・・・。
おそらく、入社後にかなりの比率で辞めていくことを前提に募集をかけている
わけで、それだけ「ブラック企業」である可能性が高くなります。

あと、これは外部からはなかなかチェックしずらいですが、社歴の割に社員の
平均年齢が低すぎる企業も要注意です(「社歴の割に」というのがポイント)。


され、記事の続きですが、ここから急に話がアバウトになってきます・・・。
 
『 ウェブサイトを見る際は、次の3点をチェックしよう。
1.ホームページが稚拙である
2.「良い社風」だけが強調されている
3.ネット上で「ブラック」の噂がたっている
 例えば、ウェブサイトに「仕事も遊びも全力投球」というようなメッセージととも
に、にっこり笑った若手社員の集合写真が掲載されている企業は要注意だ。
それ以外にアピールできる要素がないことを疑ったほうがいい。
 また、グーグルなどで該当企業を検索し、「他のキーワード」として「評判」「2ch」
「どうよ」などの言葉が表示されたら、完全にブラックである。』

                                 (上記記事より引用)

いやいや、これはちょっと言い過ぎですね。

中小企業などで、ホームページが稚拙なところは沢山ありますし、「良い社風」を
強調するところもあるでしょう。そういう企業の「PR力」が不足していることは
間違いありませんが、それと「ブラック度」の相関はあまり高くないと思います。
(少なくとも、小ぎれいなHPなら安心できる・・・なんてとても言えません)

また、本当に『ネット上で「ブラック」の噂がたっている』なら要注意ですが、Google
の「他のキーワード」に「評判」「どうよ」が表示される=『完全にブラック』というのは
明らかに言いすぎです。その会社の労働条件ではなく、サービスや商品に対する
「評判」や「どうよ」だってありますし。(「B to B」のみ手がける企業なら別ですが)

私は「ブラック企業」を擁護するつもりは毛頭ありませんが、上記の記事は
ここらへんの記述が大ざっぱすぎる気がして、残念です。


上記記事では、他に人事担当者や面接官について、
 
『 1.応募者への配慮が足りない
 2.事業や業務内容の説明があいまい
 3.面接回数が少ない。面接時間が短い。面接中雑談ばかり。
   スケジュールに余裕がなく、次の選考を受けるように急かされる』


といった項目があげられています。

これらは確かに「あやしい企業」の見分け方としては納得ですが、必ずしも
「ブラック度」とは比例しないような気がします。


・・・とここまで書いて思ったのですが、『ブラック企業の見抜き方』を論ずるに
あたっては、まずは『ブラック企業』には2タイプあることを前提にした方がいい
んじゃないですかね。

2タイプというのは「違法ブラック企業」と「適法ブラック企業」のことです。
(といっても私が勝手に名付けたのですが (笑))

労働条件に違法性があることを分かっていて、また、人が大量に辞めていくの
が分かっていてやっている企業が『違法ブラック』です。サービス残業を「強制」
する企業なんかはこれです。

一方、労働条件に違法性が少ない(全くないとは言えないけど)企業もあり
ます。たとえば、(残業代は出るけど)長時間労働者が多い企業なんかがそう
です。あるいは、裁量労働制になっていて法的には問題ないけれど、長時間
労働する人が多い職場などもそうです(クリエイティブ系の職種では多いです)。
これらが「適法ブラック」というわけです。

前者はいかにも「あやしい企業」ですが、後者は必ずしもそうではありません。
後者は、なかなか外部からは判断しにくいので、その会社やその業界の評判
を探ってみる必要もあるんじゃないですかね。その業界全体がブラック度が
高いというケースもありますし。


また、日本の企業は数年~十年くらいさかのぼれば、大企業でも「ブラック」
な会社は数多くありました(サービス残業を容認していたり)。現在は、そういう
企業も方向転換し「脱ブラック」をはかっている状況。つまり、現在は過渡期に
当たるわけです。

こんなこというのも何ですが・・・、私が以前務めていた会社(大企業です)も、
時代をさかのぼれば(サービス残業を「容認」していたという意味では)、
ブラック企業に当たります。全社がそうとはいいませんが、おそらく、部署に
よっては「ブラック職場」があったはずです。しかし、その後、(他社と比較して
も割と早い段階で)「脱ブラック化」しています。

そんな過渡期であることを考えれば、「ブラック企業」に関しては、古い情報は
あまり当てにならないかもしれません。


うーん。ブラック企業の見分け方って、なかなか難しいのかもしれません。
(決してブラック企業を擁護するわけではないので、誤解のないように・・・)



今日の記事作成時間は55分でした。
では、また次回!


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Posted by 水口和彦 at 23:55│Comments(0)TrackBack(0)

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