2011年06月24日     このエントリーをはてなにブックマークこのエントリーを含むはてなブックマーク

「スペシャリスト」が注目されない時代?


こんにちは。水口です。
こんな記事がありました。

Business Media 誠:
新入社員の間で、“管理職志向”が強まっている (1/2)


この春に就職した新入社員に対するアンケートで
「管理職志向」が高まっているという記事です。

『』内は引用です)

『 この春に就職した新入社員は、仕事に対しどのような考え方をしている
のだろうか。将来の進路はどのような方向を望んでいますかと聞いたところ
「管理職として部下を動かし、部門の業績向上の指揮を執る」という
“管理職志向”が過去最高だった昨年から、さらに3.9ポイント上昇し
48.1%であることが、産業能率大学の調査で分かった。』

                                  (上記サイトより引用)

最近は新入社員に限らず「管理職になりたくない」という人が増えている
と言われていましたから、この変化は前向きな感じがします。

会社に入った瞬間から「管理職になりたくない」あるいは「自分はなれない」と
思う人が多いとしたら、ちょっと残念な感じがしますからね・・・。


ただ、ちょっと気になることもあります。

この数年(十年くらい?)の「脱管理職志向」には、二つの側面があると
私は見ています。

ひとつは、人員削減の影響などで実際の管理職の負荷が増えていて、
そんな管理職を見て「管理職は大変だ」「管理職になっても報われない」
と思う人が増えたことです。

残業もつかないのに、いつも遅くまで残っているし・・・、
「管理職」といいつつ、いつも自分の仕事に追われているし・・・、
(いわゆる「プレイング・マネジャー」です)

そういう管理職を見ていると、管理職になんてなりたくないと思う。
そんな気持ちです。


もうひとつは、管理職ではなく「スペシャリスト」として会社に貢献すると
いうあり方が注目を浴びたことです。

たとえば、2002年にノーベル化学賞を受賞した田中耕一さんが
会社が用意した管理職のイスを蹴り、研究者として活動できる立場
でありつづけることを望んだという話は、当時話題になりました。

その影響もあってか、技術者に対して、いわゆる「管理職」ではない
「スペシャリスト」としての役職を用意する会社も出てきました。

そういう動きもあって「スペシャリスト志向」としての「脱管理職志向」が
高まる動きがあったんですよね。(最近はあんまり聞かないような・・・)


というわけで、上記記事にある「管理職志向」が「やる気のあらわれ」で
あるならいいのですが、これが「スペシャリスト志向」の衰退であるなら、
ちょっと寂しい気がします。


私も前職では技術者でしたし、社内、社外含め、たくさんの技術者と
接してきました。そのなかで感じたのは、

・優秀な技術者が必ずしも優秀な管理職になるとは限らない
・「生涯一技術者」であることを望む人は少なくない

ということでした。(もちろん、そうじゃない人もいますが)


ですから、私は「スペシャリスト」的な(技術者としての)役職が
また注目されるといいと思っているのですが・・・。

「キャリア」に対する考え方や志向は、人それぞれですからね。



今日の記事作成時間は20分でした。
では、また次回!


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Posted by 水口和彦 at 23:30│Comments(0)TrackBack(0)

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