2012年03月26日     このエントリーをはてなにブックマークこのエントリーを含むはてなブックマーク

育児休暇制度は不公平?


こんにちは。水口です。

日経ビジネスオンラインに、こんな記事がありました。

育休フィーバーの影で犠牲を強いられる“正直者”たちの鬱屈
:日経ビジネスオンライン


『』内は引用です)

(育児休暇の話の後に)
 
『 ところが、その一方で、育休を取得した人の仕事は、周りの人が肩代わり
することになる。

 「やっぱり〜、子供って3歳までにどれだけお母さんと一緒に過ごしたか、
ってことが将来にものすごい影響を与えるじゃないですか〜。仕事の代わり
はいても、母親の代わりはいないですから〜〜」

 これは夫が休める、休めないに関係なく、女性たちに育児に集中する権利
が与えられている大手保険会社で、ある若い女性社員がつぶやいた一言だ。
これを聞いた職場の先輩の女性は次のようにブチ切れた。

 「育休だの、時短だの、ワークライフバランスだの、あれやこれや制度が
できるのは悪いことだとは思いません。でも、会社員なんですから与えられ
ている仕事の責任を全うして、初めて権利を主張すべきだと思うんです。
なのに、最近の若い世代は、明らかに仕事よりも家庭の優先順位が高い。
仕事から逃げてる。私にはそういうふうにしか思えないんです」

 こう怒りをにじませて語った49歳の女性は、小学生の子供を持つ「母親」
でもある。

 制度が悪いわけでもなければ、「取りたい」と思うことが悪いわけでもない。
「でも、その制度を使うにしても、“使い方”がある」と彼女は言う。

 確かに数年前から、「子育て」をまるで特権のように振りかざす人たちに
へきえきしている人たちの声を耳にすることも増えてきた。

(ここから2ページめ)
 
 「なぜ、若い女性たちは母親の代わりはいないと断言し、仕事の代わりは
いて当然と信じ込んでいるのでしょうか。何か違うんじゃないかって、思えて
なりません。休んだ彼女たちの仕事は、誰かが穴埋めしなきゃいけない。
だったら、子育てに保育園とかベビーシッターとか、公的な機関も含めて利用
して、できる限り早く仕事に復帰すべきです。たとえ自分の稼ぎのほとんどが
子供を預けることに使われることになったとしてもです」

 「ところが、彼女たちはそんなことをやろうとは微塵にも思っていません。
自分が使える休みはフルに使う。それで、『3歳までに、どれだけお母さんと
一緒に過ごしたかが大事』って、しゃあしゃあと言うんですから。まるで上の
世代の人たちが、『女は家庭』って言うのと同じじゃないですか」

 「あ〜、でも、女の私がこんなこと言っちゃダメですよね。すみません。
本当は、私は彼女たちを応援しなきゃいけない立場だってことは分かって
いるつもりなんですけど」 』
   (上記サイトより引用)


記事中の女性は、育休を取る後輩たちを応援すべき立場にいることは
自覚している。けれど、職場に対する気づかいなしに、権利ばかり主張
する後輩たちの態度に「何か違うんじゃない?」と感じているわけです。

こういう話、ときどき耳にしますね。

「自分の稼ぎのほとんどが子供を預けることに使ってでも復帰すべき」
というのはちょっと極端ですが、気持ちは分かる気がします。


育休という制度は決して悪いものではない・・・というより、そういう制度
が充実することは望ましいことだ、という認識だと思います。この方は。
(私も同様の認識をしています)

つまり、制度の問題ではなく、個人のモラルの問題なんですよね。

上記の記事では、こんなふうにまとめています。

 
『 「 繰り返すが、制度が悪いわけでもないし、制度は利用すべきだ。
フルに利用することが悪いとはこれっぽっちも思わない。育休も時短
勤務も、働く人たちの権利なのだから、使える限り使えばいい。

 子育てをしている方たちだって、子育てと仕事を両立することに必死
だろうし、それこそ他人には分からない苦労もあるに違いない。でも、
そのこととカバーしてくれている方たちの気持ちを軽んじることは全く別。
代替要員が準備されない職場では、制度を利用した人たちのカバーを
強いられている人たちがいることも、また事実なのだ。 』

                       (上記サイトより引用:4ページめ)

まったく、その通りだと思います。

ただ、問題は・・・

権利ばかりを主張し、同僚に対する気づかいが全く無いような人は、
そもそも、こういった記事を読まないんじゃないですかね。残念ながら。

こういった人には、言葉で注意することも必要だと思います。
でも、言っても分からない人、逆ギレする人もいるかもしれません。

他のモラルやマナーに関することと同じで、言っても分からない人は
放っておくしかないのかなあ・・・ とも思います。個人的には。
(あまり解決策になってなくてすみません・・・)


組織としては・・・ 育児休暇で一定期間抜ける人の分の仕事を
どうやってカバーするかが問題ですよね。

育休を取ることを推奨している一方で、抜けた人の補充や何らかの
サポートもしないのでは、残った人で仕事を分担するしかないわけです。
そうなると、責任感の強い人は育休を最小限しか取らない(男性なら
まったく取らない)でしょうし、権利ばかり主張する人はフルに育休を
取るでしょうから、不公平感は高くなってしまいますよね・・・。

育休を推奨するなら、フレキシブルに人をあてがうことができる仕組み
も含めて考えていく必要があるということですね。派遣の人を頼むという
方法もあるかもしれないし、大きな会社なら、育休応援専門の社員が
いてもいいのかもしれません。

そういった対応ができれば、責任感の強い人も育休を取りやすくなるし、
不公平感もだいぶ減るのではないでしょうか?


こういった問題は今後もいろいろ話題になりそうですね・・・。



今日の記事作成時間は30分でした。

では、また次回!

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Posted by 水口和彦 at 12:00│Comments(4)TrackBack(0)

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この記事へのコメント
私は民間企業ではなく公務員ですが、私たちの組織内でも似たようなことが起こっています
職場内には育休または育休復帰をしても時短勤務で途中退庁する職員が全体の約1/3います。つい先日も時短勤務中の職員が妊娠で育休になりました。立て続けに同じくつい先日育休から復帰した職員がまた妊娠・・・
今度1人職員が復帰しますが、しばらくは時短勤務。
世の中は公務員の人員削減のため応援要員は来ません。
そのため残っている職員の負担と不満が増すばかりです。
妊娠・出産は喜ばしいことなのですが、周りの状況を考えてない権利だけを主張するような行動はそれを陰で支えている人の怒りを買うだけではないでしょうか?
このままではせっかくの育休制度自体の崩壊をも招きかねないと思っています。
私は結婚を控えている独身の男ですが、結婚後妻が妊娠した際に私が育休を取得していいものなのか悩んでいます。
Posted by とある公務員 at 2012年03月31日 22:02
水口です。
とある公務員さん、コメントありがとうございます。

『妊娠・出産は喜ばしいことなのですが、周りの状況を考えてない権利だけを主張するような行動はそれを陰で支えている人の怒りを買うだけではないでしょうか?』

というご意見、分かります。本文で紹介した状況とも似てますよね。
(それにしてもすごい状況ですね)

いろいろ考えてみると・・・

・個人としての振舞い
・組織としての制度・仕事の配分

という2つの問題に集約される気がしてきました。

組織としての問題の方は、制度として増員をしやすくするという方向もありますし、
もし増員できなくても、せめて人員の割り当てを変更して不公平感を減らす方向で
動いてくれればいいんですけどね。こういうのは、うまく調整してくれる上司と
そうでない上司の差が大きいと思います。

上司の采配の技量しだいで、ある程度改善される可能性がありますが、
それを望めない上司の場合は厳しいですね。組織の体質も影響ありそう・・。

ただ、こういった問題は(組織として)解消していくべきものですし、
個人として育休取るのを遠慮する必要はないんじゃないかと思います。
(個人が遠慮を重ねると問題の先送りになる場合があるので)
Posted by 水口和彦 at 2012年04月02日 13:29
いつも拝見させて頂いてます。

ネットでは結構話題に上りますよね。
正直、いや、そんなことが問題になること事態、うらやましいなとw

はっきりと「子供が居る人は迷惑なので、働かせられません」っていう趣旨のことを言われることの方が、正直ずっと多いです。

>責任感の強い人も育休を取りやすくなる

ああ・・・色々言い回してみても、結局そういうことですよね。
責任感が強いと、育休を取りにくいワケなんですよね…

最近では保育園でも、きっちり育休を取れるような大手で働ける環境の人しか、いれてもらえなかったりします。

どんなに「そういうわけじゃない」と言ってみたところで、最終的に「金がないならこどもを産むな!」的なところに行き着くんですよね。(書いてて悲しくなりますが。)

なんというか・・・どちらも現実に社会で起きていることなのですが、「あっち側」と「こっち側」みたいな感覚を覚えます。
Posted by 3児のオカン at 2012年04月07日 10:44
水口です。
3児のオカンさん、コメントありがとうございます。

そうですね。「育児休暇なんて取れない(許されない)」という話も確かに聞きます。
そもそも、職場(会社)による差が大きいわけですよね。

上記の本文は、制度として育児休暇があり、実際取れる環境である場合の話
(その中での育休の取りやすさや、取ることによる影響の話)
だったので、全体の考察としては足りないところがありましたね。すみません・・。

ところで、保育園での話ですが・・・、
勤務先、あるいは育休の取れる・取れないで入れるかどうか決まる、ということですか?

そうなら、ひどい話ですよね。
制度的に充実していない職場にいる人の方が、より保育園を必要としているのに・・・。


たとえば「ワーク・ライフ・バランス」に対する取り組みなどで、
企業による差(概して大手の方が充実している)を感じますが、
子育てはもっと切実な問題ですよね・・・。
Posted by 水口 和彦 at 2012年04月09日 15:57
 

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