「今、読むべき本 500冊」 と 「時間管理のおすすめ本 9冊」 その2
こんにちは。水口です。
日経ビジネスアソシエさんに載った、書籍紹介について、もう少し・・・。
(↓この記事の続きです)
「今、読むべき本 500冊」 と 「時間管理のおすすめ本 9冊」
この記事で、私がセレクトした本は9冊ありまして、記事中ではあまり
深く触れていませんが、一応、読者対象も想定して選んでいます。
□ もうひとつの「古典」
まず、「古典」に近いものとして、上の記事でも紹介した、ドラッカーと、
アラン・ラーキンの本がありましたが、もうひとつ、これもちょっと「古典」に
近い位置づけとして、『続「超」整理法・時間編』をあげています。
この本は、書かれた年代と、本の内容を考えると、敬意を表して紹介しておく
べきかと思いました。(そういう意味で古典に近いということです)
今でこそ、ビジネス本の中にも、脳の働きとか記憶のメカニズム等々を踏まえた
考察が書かれたものがたくさんありますが(←ありすぎ?)、昔はほとんどありま
せんでした。
また、時間管理についていえば、「時間管理するのが当たり前」という見方で
書かれた本が圧倒的に多く、逆に「人は、なぜタイムマネジメントに失敗するの
か?」という観点で考察された本はほとんどありませんでした。
その点で、本書は人の記憶のメカニズムを踏まえて考察されていたりと、進んだ
内容だったと思います。
「時間管理できない人」に、お説教したりして時間管理をやらせるのではなく、
「できない」のはある意味当たり前だから、そういう人にもできる方法を考える。
そんな立ち位置にあると思いますし、この立ち位置には、私自身も影響を受け
ていると思います。
本書のタイムマネジメントの「手法」だけを見れば、まだ未完成のところもあるの
ですが (・・・特に「タスク」の扱いは旧来の方法と変わらないので)、今でも
一読の価値はあると思います。
□ マネージャーが「権限委譲」を考える本
『1分間マネジャーの時間管理―部下のモンキーは部下に背負わせろ!』という
本は、まさにマネージャー向けです。
タイトルには「時間管理」という言葉が入っていますが、いわゆる時間管理のテク
ニック的なことよりも、権限委譲(部下への仕事の任せ方)について書かれた本
になっています。
「モンキー」というのは「次にする行動」のこと。
たとえば、部下から何か相談を受けて、「じゃあ、考えておくよ」と言ってしまうと、
「モンキー」を自分が背負ってしまうことになります。日本の言葉でいうなら、
「下駄を預けられた」、あるいは「ババを握ってる」という状態です。
上司が「モンキー」を何匹も背負ってしまっては、上司自身も大変ですし、
部下にとっても不幸(結局仕事が進まなくなるので)。組織にもマイナスです。
その「モンキー」の扱い方について、本書は示唆を与えてくれます。
日本の会社組織には、微妙にそぐわない点もあるかもしれませんが、
それを考慮しても、マネージャーには一読をおすすめしたい本です。
□ フレッシュマン向け時間管理本
逆に、フレッシュマン向けの本として、拙著↓を紹介しています。
『たったこれだけのことで!仕事力が3倍アップする時間活用法』
(※ 「フレッシュマン」って言葉、もしかして死語でしょうか・・・?)
手前味噌になってしまって申し訳ありませんが・・・ (汗)
時間管理に関して、新人さんに私がおすすめしたい本は、
・ 会社勤めの人に適した方法を紹介している
(割と細かいタスクが多く、突発の仕事が多くても実行できるように)
・ 「手帳への書き方」など、具体的な手法をしっかり紹介している
(その方が、すぐに実践できるので)
という二つの条件を満たした本です。しかし、こういう本は少ないです。
片方だけを満たした本でさえ、あまり無いくらいです・・・。
というわけで、この本を紹介させて頂きました。
話は少しそれますが・・・
「時間管理に関する名著」という観点で、『7つの習慣』は入らないの? と
疑問に思う人もいるかもしれません。
「7つの習慣」は私も良い本だと思いますが、これが「時間管理」の本だと
いうと違和感があります。
同書の「時間のマトリックス」はあちこちで引用されたりしていますが、
それだけに、すでに知っている人も多いかと思いますし・・・。
(ちょっと前に売れた某書にも、これのアレンジ版が載っていました)
また、具体的な時間管理を何も行わないまま、このマトリックスを見て
「分かった気になる人」もいたりする(←これが一番タチが悪い・・・)ので、
ちょっと扱いが難しいようにも感じています・・・。そんなわけで、この本は
今回紹介していません。
※ ちなみに、よく誤解されているのですが・・・
このマトリックス自体は、この本が元祖というわけではなく、
それ以前からあるものです。
同記事の話は、もう少し続きます・・・
今日の記事作成時間は35分でした。
では、また明日!
「今、読むべき本 500冊」 と 「時間管理のおすすめ本 9冊」
こんにちは。水口です。
今日、書店をのぞいてみると、この雑誌が出ていました↓
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日経ビジネス Associe (アソシエ) 2010年 5/4号 [雑誌]
販売元:日経BP出版センター
発売日:2010-04-20
おすすめ度:
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「日経ビジネスアソシエ」は、結構なじみがあるという人も多いと思います。
この号(出たばかりの号)は、「本」の特集です。
ビジネスパーソンへのアンケート調査もあったりしますが、特集の
目玉は各ジャンルの「目利き」がセレクトした「おすすめ本」。
ジャンルごとに、9〜15冊の本がセレクトされています。
実は、私もその選者を頼まれまして(ビジネススキル編の中の「時間管理」編)、
9冊の本をセレクトしています。(↓このページです)
私は、かなり数多く「時間管理」の本を読んでいる方ですが、その中からの
セレクトですから、厳選しました。この特集のために、以前読んだ本をまた再読
したりして、結構悩みましたね・・・。
もちろん、この9冊以外にも入れたい本はあったのですが・・・、最終的には
編集者さんと相談しながら、涙を飲んで決めました。
さて、このリストですが、一見して「最近の本があまり無いなあ・・・」という感じ
になっています。それにはちょっと理由があって・・・、
最近の本も、読めば役に立つ考え方などあるのですが・・・、本をセレクトする
立場から言えば、内容に類似性がある場合、やはり、その「元祖」的な存在を
紹介したいもの。
そういう意味でトップに紹介しているのが、アラン・ラーキンの本。
私は元々、『ラーキンの時間管理の法則』という古い和訳を読んだのですが、
それは当然絶版本・・・。
同書の新訳である、『時間の波に乗る19の法則』を紹介しています。
他には・・・ (最近流行りの?) P・F・ドラッカー氏の著書を一冊。
『ドラッカー名著集1 経営者の条件』です。ベタなセレクトですかね・・・?
でもこの本では、経営者やマネージャーの時間の使い方に関するいくつかの提言
がされており、その内容は、他の著者から引き合いに出されることも多いです。
そういう意味でも知っておくと良い内容かと・・・。これも年代的に『元祖』的です。
ちなみに第2章『汝の時間を知れ』が、その「時間」に関する話が多いです。
※ その章自体は、それほど長くないので(内容はいいけど)、あまり期待しすぎ
ない方がいいかも?という気はします (← 「時間本」として見た場合)。
あと、ほぼ同じ内容が『プロフェッショナルの条件』にも掲載されています。
他にも7冊紹介していますが、いずれもこのブログで多少なりとも紹介した
ことがある本です。それらも、もう少し詳しく書こうと思いますが・・・
ここまで書いて、写真を撮って、リンクを探すだけで結構時間を食ってしまい
ました・・・ (汗)。 続きはまた明日・・・か明後日あたりに。
今日の記事作成時間は68分でした。
(写真とか色々コミコミで)
では、また明日!
「あっ、ひらめいた! いい案が出せるようになるアイデア出力法」という本
こんにちは。水口です。
今日は本の話です。
■ 「あっ、ひらめいた! いい案が出せるようになるアイデア出力法」
先日、アイデアや発想、企画関係のおすすめ本(↓)を紹介しましたが、
「企画体質のつくり方 ―アイデア・発想はシステムで生み出す」 という本
今日もまたアイデア系の本です。
こちらは、私もお世話になっている実務教育出版さんから出た本。
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あっ、ひらめいた!
著者:ボブ 田中
販売元:実務教育出版
発売日:2010-03-24
おすすめ度:
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アイデアを生み出すための考え方や、ちょっとした仕事術などが、
項目別に紹介されている本です。
各トピックス(3ページくらい)ごとに、標語とイラストが入っていて、
カルタ風になっていると思ったら・・・
本当に、巻末にそれがカルタになって付いてました。
(厚めの紙に2色刷印刷。自分で切り離せばカルタ風になります)
この「アイデア」も面白いですね。
※ ちなみにこの本は全体が2色刷と、少し贅沢な造りになっています。
同社からは以前は私の本↓も全面2色刷で出させて頂いたことが
ありますが、図やイラストなどが多い本だと2色はいいですね。
たったこれだけのことで!仕事力が3倍アップする時間活用法
『アンテナの門には福来たる』
『待ちぼうけ、20分前なら待ちもうけ』
『ルール破りは名前から』
・・・等々、言葉だけでは何のことか分からないかもしれませんが、本文を
読んでみると、なるほどと思わされるものもあります。
「アイデアを出さなきゃ!」と切羽詰まったときに読むのではなく、気持ちに
余裕があるときに、「毎日を楽しくする」「アイデアに敏感になる」ための
Tipsとして読んでみるのがおすすめです。
(ちょっとずつ読むのも楽しいかも)
また、日常的に「アイデア」や「企画」などの仕事をしている人だけでなく、
「アイデアなんて、普段はあまり関係ないなあ・・・」という人にも読んでほしい
気がします。内容的にも難しくはありませんし、それでいて「なるほど」と思う
エピソードなどもあります。
日常にちょっとクリエイティブなセンスを取り入れるために、
上述の「カルタ」と合わせて使ってみてはいかがでしょうか。
Amazonの「中身を閲覧する」機能で、少しだけ本文とイラストが見られますので、
気になる方は、見てみてください。
あっ、ひらめいた!
今日の記事作成時間は25分でした。
では、また明日!
興味深い「フィンランド流の仕事術」
こんにちは。水口です。
今日は本の話です。
■ フィンランド流の仕事術
北欧の「フィンランド」という国の名前を聞くと、何を連想するでしょうか?
モータースポーツ好きな人なら、数々のトップドライバーを輩出した国として
ご存じかもしれません。F1ではミカ・ハッキネン、WRCでは(ちょっと昔ですが)
トミ・マキネンという名前を思い出すかも。
また、ビジネスの世界で言えば、携帯電話のNOKIAがあります。NOKIAの
端末は日本では目立たないものの、世界では最大のシェアを誇るという、
巨大企業です。
あるいは、IT系の人ならLinux発祥の地としてご存じかもしれません。
そして、現在特に注目されているのは、教育の分野です。
OECDが実施する「PISA」という学習到達度調査で、日本の順位が下がった
ことが以前話題になりましたが、そこでトップなのがフィンランドなんです。
(教育関係者のなかでは、このことはよく知られていていると思います)
そこで、「フィンランドではどんな教育をしているのか」という関心が高まり、
教育分野では、フィンランドに関する本が多数出版されています。
今回紹介するのは、その教育とは違って、仕事に関する本です。
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フィンランド流 社長も社員も6時に帰る仕事術
著者:田中健彦
販売元:青春出版社
発売日:2010-03-25
おすすめ度:
クチコミを見る
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フィンランドは「残業をしない国」でもあります。
しかも、1人あたりGDPでは、日本よりも高い。
そのフィンランド流の仕事術、ちょっと興味がありますよね。
この本の著者、田中健彦さんは、フィンランドでの駐在経験を持つ日本人。
フィンランドと日本の違いを知る上で、適任の著者といえるかもしれません。
「はじめに」には、こうあります。
(『』内は引用です)
『 フィンランドには、日本人からみたら不思議なことが多い。22%の付加
価値税を取られて、物価も高く、だから夫婦で働かざるを得ないのに、国民
は不満がないのだろうか。(中略) フィンランドはどうして、これほど国民が
国を信用しているのだろう。
フィンランドの教育は素晴らしいとよく言われる。高校を卒業するまでに4カ
国語を身に付ける。とくに若い人たちは英語はペラペラで、会社の中では
社員が英語で仕事をしている。大学を出ても英語すらまともに話せない日本
は、どこか教育が間違っているのだろうか。』
(6ページより引用)
こう聞くと、興味がわいてきます。
この本は、教育や歴史、文化的な面も含めたフィンランドの状況について
書かれていますが、「仕事術」についてもしっかり取り上げられています。
フィンランドの仕事術・・・というと、以前、テレビ番組(NHKの)でやって
いて見たのが、フィンランド人の会議資料の作り方。会議の資料を、文章
主体で短く簡潔に(当然短時間で)、作成する様子は、私が理想と考える
姿に非常に近いものでした。
※ 日本の社内会議の資料は、(ほとんどが)手間をかけすぎだと
私は感じています。
本書で紹介されるフィンランドの仕事術は、「言われてみれば、なるほどね」
と思えるものが多いですが、問題は、それを実践できるかどうか。
社内の風土的なものにも関わってきますから簡単ではありませんが、職場
を変えていくためには、あきらめず取り組んでみるべきではないかと・・・。
その参考になる本です。
また、著者は、フィンランドと日本には意外に共通点が多いといいます。
逆に、正反対の部分もあるわけですが、その共通点や違いを考えれば、
日本でもフィンランド流が成り立つのではないかと思えてきます。
そういう意味でも興味深い本です。
全体的には、個人的な仕事術のノウハウというよりは、組織そのものの
あり方について考えさせられる本という感じです。若い方だけでなく、
中堅〜管理職の方にも読んでみて欲しい本です。(人事関係の方も)
読みものとしても面白く仕上がっていますので、おすすめです。
今日の記事作成時間は36分でした。
では、また明日!
「企画体質のつくり方 ―アイデア・発想はシステムで生み出す」 という本
こんにちは。水口です。
今日は本の話です。
■ 「企画体質」をつくる
仕事で頻繁に「企画」を作る人以外にとって、「企画」という言葉は、
あまり身近なものではないかもしれません。
しかし、実際のところ、何かアイディアを考えたり、小さなイベントや
Web上で何か作ったり書いたりすることなどには、何らかの「企画」が
伴うものです。
仕事上、あるいはプライベートで何か考えたり、何か行動したり
することには(定型的な業務以外は)すべて「企画」があるといって
も過言ではありません。実は、「企画」って身近なものなんですよね。
その「企画」について、こういう本が出ました。
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企画体質のつくり方 ―アイデア・発想はシステムで生み出す (創元社ビジネス)
著者:藤木 俊明
販売元:創元社
発売日:2010-03-17
クチコミを見る
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著者は藤木俊明さん。
これまでにも多くの「企画」に関する本を書いておられる方です。実は、私が
(独立して)いまの仕事をし始めてから、最も長くおつきあいさせて頂いている
方でもあります。
藤木さんの著書は、これまでにも読ませて頂きましたが、今回の本は「企画」
を作ることそのものより、「企画体質をつくる(企画発想力の高い人になる)」と
いう観点で書かれているところが新鮮です。
「企画」という言葉でまとめられていますが、これを別の言葉で言うなら、
「知的生産の方法」と言われるものと共通するところがあり、直接「企画」
を扱わない人にも、役に立つ内容だと思います。
■ 3つのツールと3つの習慣
この本の中心にあるのは「企画発想システム」の話。自分の「企画発想シス
テム」を持つことが、実践的な発想力を上げるための近道だという話です。
この「企画発想システム」というのは、「発想法」の類のことではなく、日常的
に情報を収集したり、考えをまとめたり、アウトプットしたりすることを指します。
それを構成するのは「習慣」と「ツール」。
これを「インプット」「自分仮説」「アウトプット」の3つの領域で
行うことが提唱されています。
この考え方は、とても分かりやすいと思います。
それぞれの項目で、著者のやり方が紹介されていますが、それを参考に
自分なりの「ツール」を用意したり、作ったりすることもできるでしょう。
私の場合、「インプット」のツールは著者とは違うものを使用していますが、
それはそれとして、この本は参考になりました。
たとえば、「自分はインプットはしてるけど「自分仮説」の部分が弱い」とか、
「アウトプットの部分が弱い」など、気づいて、それを強化するという行動に
つながりやすいと思います。
※ 「自分仮説」というのは、自分なりにひらめいたり、考えたりした
アイデアのことです。
薄くて、さらっと読めば読めてしまう本ですが、むしろさらっと読むよりも、
自分に置き換えたり、応用を考えたりしながら読む方が、より役立つ本
だと思います。
※ 「テクニックを吸収する」ことだけ考えて読むというよりは、(いまの)
自分のやり方を再チェックしながら読むという感じです。
「発想力を上げたい」と考えている人、あるいは「自分に発想力なんてない」
とあきらめかけている人におすすめしたい本です。
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これに関連して・・・
この本の著者の藤木さんと私で5月1日に「新刊トークライブ」を
行う予定です。
週末の達人の小石雄一さんの「古民家キッチンスタジオ」で行います。
当日はストリーミング配信も行いますので、インターネット上で見ることも
可能になるはずです。。
詳しいことは、また後日紹介します
(ストリーミング予定のアドレス(USTREAM)はこちらです)
今日の記事作成時間は35分でした。
では、また明日!
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