2009年04月18日     このエントリーをはてなにブックマークこのエントリーを含むはてなブックマーク

今年最初の本が出ます:『理系的仕事術』という本


こんにちは。水口です。
今日は本の話です。


■ 「理系的仕事術」もうすぐ発売です!

もうすぐ、私の今年最初の本が発売になります。

まだ店頭には並んでいないのですが、amazonにはすでに
登録されていました(←早くてびっくり)

こちら↓です。
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「理系的」仕事術「理系的」仕事術
著者:水口和彦
販売元:すばる舎
発売日:2009-04-17
クチコミを見る


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ちなみに、正式な発行日は4/29、店頭にはその2、3日前から
並ぶのではないかと思います。


■ 「理系的仕事術」とは?

今回の本は「時間管理」という分類ではなく、仕事術全般についての内容に
なっています(時間管理の話も少しだけ入っています)。

このタイトル「理系的仕事術」というのは、編集者さんからもちかけられた
アイディアが元になっています。

私自身は根っからの理系であり、「理系っぽい」と言われることも多いですが、
あらためて「理系っぽい」考え方や仕事のやり方というのは、どんなものか?
と考えてみると、なかなか奥深いです・・・。

たとえば、「数字に強い」なんてのは、理系っぽいようでいて、実はそうでも
ありません。文系でも経済を専攻していれば数字に強いですし、理系の人
でも「経理」的な数字には弱い人もいます。

では、「理系」の人には、どんな特徴があるのか?

私は、一言で言うなら「プロセス」に対する興味の度合いで計れると思います。


■ 「プロセス」に注目する人、しない人

たとえば、「電子レンジ」という機械があり、それを使えば物を温めることが
できます。その使い方を覚えれば、便利に使えますし、使う上では、その原理
を知らなくてもまったく問題ありません。

実際、世の中には、電子レンジの原理を知らないけれど、ちゃんと使いこなし
ている人が多いわけです。

そこであえて、

  「なぜ電子レンジで物が温まるのか?」

ということをあえて考えてしまう人、理系ではそういう人の比率が高いです。
(そういう人が理系に興味を持ちやすい、ということです)


電子レンジを使えば物が温まるという「結果」を知っていれば問題無いのに、
なぜか温める「プロセス」について知りたくなってしまう。

だから、理系っぽい人は、実用上まったく必要のないことに興味を示したり、
変なことにこだわったり、「理屈っぽい」と言われたり、妙にオタクっぽかったり
するわけです・・・。

※ もちろん、人は「理系」「文系」と明確に区切ることができるものではあり
   ませんし、学生時代の専攻をいつまでも引きずるわけでもありません。
   文系出身で「理系っぽく」なった人や、その逆もあります。
   しかし、「傾向」としてはありますし、研究者などの「純粋培養」的な理系の
   人ではその傾向が特に強いと感じます。


■ 「プロセス」に注目する

上記の本、表紙や帯を見ると「仕事を速くこなす」ことを重視しているように
見えますが、それは「結果として」そうなるということであり、本質は表紙をめく
ったところに書いてある「2つの視点」にあります。

それが、

  仕事の見方が変わる 「ホールプロセス」の視点

  仕事のやり方が変わる 「マイプロセス」の視点

の2つです。

「プロセスが大事」という話になると、抽象的な話や、精神論的な話になり
がちなので・・・、そうならないように、「プロセス」を大きく2つに分類すること
から話を始めています。

「ホールプロセス」というのは、自分の仕事だけでなく、その仕事や事業の
全体を見る視点。

「マイプロセス」というのは、もっと分解した具体的な「作業」に近い視点
です。

この2つの視点の話は、またあらためて紹介します。




本の狙いとしては・・・、

今回は特に「応用の利く考え方」と、「すぐやれるテクニック」の両方をバランス
良く入れるように意識してみました。ビジネス経験の長い方、浅い方どちらも
得るものがある本になっていると思います。

基本は「文系」の人に向けた本ですが、理系の人にも参考になると思います。
ぜひお読みになってみてください。(← まだ発売前ですが)



今日の記事作成時間は40分でした。

では、また明日!
  

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2009年03月29日     このエントリーをはてなにブックマークこのエントリーを含むはてなブックマーク

『社会人の常識&マナーハンドブック』に掲載のお知らせ (と「低GI食品」の話)


こんにちは。水口です。
昨日に続いて、雑誌系(ムック本)の話です。


■ 社会人の常識&マナーハンドブック

先週、こういう本↓が出ました。
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超基本!社会人の常識&マナーハンドブック (マガジンハウスムック)超基本!社会人の常識&マナーハンドブック (マガジンハウスムック)
販売元:マガジンハウス
発売日:2009-03
クチコミを見る


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「ダカーポ特別編集」のシリーズのムック本です。
(ムックといってもよくあるA4やB5でなく、A5サイズです)

「社会人の常識&マナーハンドブック」 というタイトルで、実際に基本的な
マナーの話から載っています(名刺の渡し方などから載っています)。

680円と値段が安いの割に充実した本だと思います。
新入社員の方には特におすすめです。


この本の114〜117ページに、

 「アタマひとつ抜け出す 時間管理術10ヶ条」

というページがあり、ここが私が取材を受けた内容を元にした記事が掲載
されています。

※ 他にも「アタマひとつ抜け出す ○○10ヶ条」というのがいろいろ
   載っています(全部「10ヶ条」でまとめられています。
   (他に人間関係術・営業術・会議術・情報収集術があります)


■ 時間管理術の10ヶ条

ちなみに、その「10ヶ条」とは、

□ 思いついた予定(仕事)は、その時その場で書いておく

□ タスクは「やる日にち」を決めてしまう

□ やるべきこと(アポイントメント+タスク)のメモは必ず1か所にまとめる

□ 大きなタスクは細かく分解、進めた分だけ記録する
   (分解したタスクの完了チェックを行う)

□ 手帳は「開いたまま」が理想的

□ 受信メールはその都度チェックしない

□ 仕事量を把握すれば、仕事を他人に振ることもできる
   (仕事をお願いする理由を説明しやすくなる)

□ プライベートの予定はタスクをアポイント化してしまおう
   (○時〜□時は○○をやると時間を指定。残業を長引かせないために)

□ 朝の時間は「考える仕事」のために使う

□ 腹七分目、低GIの昼食で、午後の仕事を効率化する


というものです。(括弧内は、今つけ加えた補足説明です)


■ 低GI食品が午後の頭の働きを助ける?

最後の「腹七分目」や「低GI」というのは、「生活習慣的なものを何か」という
リクエストにお応えしてお話したものです。(メルマガにもこの内容は書いたこと
があります)

昼食は軽めにした方が、午後眠くなったり効率ダウンしたりするのを避けられる
というのは経験的に分かる方も多いと思います。

経験談ですが、さらに「低GI」の食品の方がより効果的だと感じています。

「低GI」というのは、同じカロリーでも消化がゆっくりめの食品のことです。元々
ダイエット関係で話題になった「GI値」という指標が低い食品のことです。

このタイプの食品は、血糖値の上昇がゆるやかということなので、科学的根拠
もそれなりにあると思います。



私の本をお読み頂いている方には既知の内容ではありますが、本書を
手に取る機会がございましたら、ご覧になってみてください。

ちなみに本書はコンビニでも置いているところがありましたので、この
緑色の表紙(A5サイズの)を見たら、お手に取ってみてください。



今日の記事作成時間は34分でした。

では、また明日!
  
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Posted by 水口和彦 at 23:55Comments(0)TrackBack(0)
2009年01月23日     このエントリーをはてなにブックマークこのエントリーを含むはてなブックマーク

あなたは、時速何文字でしょうか?: 『時速1000字で書く技術』


こんにちは。水口です。
今日は本の話です。


■ 時速1000字で書く技術

たまたま寄ってみた駅ナカの書店で、この本↓を見つけました。

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時速1000字で書く技術時速1000字で書く技術
著者:後藤 禎典
販売元:すばる舎
発売日:2008-01
おすすめ度:3.5
クチコミを見る



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文章術の本は色々ありますが、『時速1000字で書く』と、具体的に数字で
示されると興味をひきますね。

「書くスピード」だけを取れば、私の場合は時速1000字はすでに達成して
いるのですが、気になって手に取ってみました。

※ 私の場合・・・、書くスピードは時速2000〜3000字程度です。
   行き詰まって止まってしまったり、書いたものを大幅に直したりすることも
   ありますから、現状はスピードよりもこちらの課題の方が大きいです。


この本をパラパラと見てみると、小手先の HowTo っぽいものではなく、
しっかりした本という印象だったので、買って読んでみました。

ちなみに著者は元予備校講師で、現在は文章作成の指導をされている方です。
単なる「文章自慢」の人ではなく、実際に教えることを仕事にしている人なので、
ちゃんと実用的な本になっています。



読んでみた印象は・・・、
個人的には内容にかなり共感できるところがありました。

■ 文章を書くための4つのステップ

著者が言う、文章を書くための「4ステップ」は、


  考える → メモを作る → 文章化する → 推敲する

だそうです。

「メモを作る」という項目を、わざわざ分けて挙げているところが、親切だと
思います。著者はこのメモの部分を重要視しているようで、メモの重要さ、
作り方などの説明に結構なページを割いています。


文章を書く前にメモを作ることは私も重視していますし、日々実践しています。
この習慣のおかげで、文章作成が楽になり、速くなり、本当に助かっています。

私の場合、文章を書く機会が増え、経験値を上げていく中で、自分なりのやり
方として、メモを活用するようになってきたわけですが・・・。もし、もっと以前に
この本を読み、実践していたら、上達はもっと早かったかも? と思います。


文章を書くのが苦手だったり、時速1000字にはとうてい届かない、という方
には特におすすめの本です。昔の私に読ませてあげたいです。本当に。

※ ちなみに、文章を書くスピード(時間当たりの文字数)は、Word で
   チェックできます。
   メニューの「ツール」→「文字カウント」で、文書の文字数を表示されますし、
   ツールバーとして開けば、いつでもワンクリックで文字数が出せます。
   その文字数を、要した時間で割ればいいというわけです。


■ 「文章を書くためのステップ」をアレンジすると・・・

先の、文章を書くための「4ステップ」、

  考える → メモを作る → 文章化する → 推敲する


これに異論をはさむというわけではありませんが、私の場合は、「考える」と
「メモを作る」のステップは分けていません。初めからペンとメモを持って
「書きながら考える」ことが多いです。


ありがちな失敗例として、「考えがまとまってからメモしよう」というつもりで
考えていると・・・結局考えがまとまらないことが多いです。

それよりも、最初からメモを書きながら考えた方が(意味不明のメモでも
構わないので)、時間的にも、労力的にも効率が良くなります。

ですから、「考える → メモを作る」のステップは、考えの上では分けてもいい
のですが、実践するときには同時に行うべきだと思います。


■ メモの書き方

同書には、「考えを深めるメモ」の例も載っています(97ページ)。
箇条書きと矢印、丸印などを使ったメモです。私も似たものを作ります。

しかし、(この本に限らず)例として掲げられるような「ちゃんとしたメモ」を
書かなければいけない。とかしこまって考えない方がいいと思います。


特に怖いのは、「ちゃんとしたメモを書かなければいけない」と思ってしまうと
考え込んで時間がかかりすぎてしまったり、妙に頭が固くなってアイディアが
出にくくなってしまったりすることです。

私はいつもそんな「ちゃんとしたメモ」(←変な言い方ですが)を作っている
わけではなく、もっとラフな、落書きのようなメモも書くこともあります。
(その場合、後でまとまったメモにまとめ直すこともあります)

実際、落書きっぽい、いい加減なメモから、発想がまとまりだすことは、よく
あることです。ですから、「きれいなメモ」を書こうとは意識しない方がいいと
思います。


※ もう1つ、「紙を無駄づかいしてはいけない」とも思わない方がいいです。
   「紙を無駄にしてはいけない」と思い過ぎると、出かかったアイディアを
   書く前に、無意識にふるいにかけてしまいます。しかし、そんな一見ダメな
   アイディアが、良いアイディアに化けることもあります。
   (↑これって「ブレインストーミング」と似ていますね)

   ですから、紙を無駄にしてもいい・・・とは思いませんが、節約を意識し
   過ぎるのはNGです。(そういう意味で最高のメモ用紙はA4裏紙かも)




メモの話にそれてしまいましたが・・・、戻しまして。

先の本は、文章を書くのが「遅い」「苦手」と自覚し、それを変えたいと思って
いる人におすすめです。

その境界線がどこにあるかというと・・・、自分の経験から考えてみても、
タイトルにある、「時速1000字」は、いいところを突いていると思います。

もっと速いという方も、自分自身の「文章を書く」というプロセスを見直して
みるのも良いと思います。メモの習慣が無いという方は、特にご一読を。

時速1000字で書く技術
時速1000字で書く技術



今日の記事作成時間は60分でした。

では、また明日!
  
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Posted by 水口和彦 at 23:55Comments(3)TrackBack(0)
2008年07月24日     このエントリーをはてなにブックマークこのエントリーを含むはてなブックマーク

「ワンランク上の問題解決」とは、どんな技術なのか?


こんにちは。水口です。
今日は本の話です。


■ 「ワンランク上の問題解決の技術」

こちらの本↓ディスカバー・トゥエンティワン社さんよりご献本頂きました。
(ありがとうございます)

amazon
ワンランク上の問題解決の技術《実践編》
視点を変える「ファンクショナル・アプローチ」のすすめ



タイトルは「ワンランク上の問題解決の技術」。

最近、「問題解決」に関する本が多いですから、そのなかで「ワンランク上」と
いうのはどんな問題解決法なのか、興味をそそられる方も多いかもしれません。

本の帯には、「2000億円のコスト削減を実現した」とか、
「GE流 問題発見+解決メソッド」とあり、ものものしい感じです

本書を読んでみるとわかりますが、その問題解決手法とは、
「VE」のことなんです。


■ VA/VEとは?

「VE」とは、「Value Engineering」の略です。
これと似た言葉に「VA(Value Analysis)」という言葉もあります。

※ 「VA」と「VE」の違いは・・・
   「VA」と「VE」という言葉は、基本的に同義のもの(一体のもの)と
   して扱われることもあるようですが、昔私が学んだときには、別の
   ものとされていた記憶があります。
   Web上にいい解説がないか探してみたところ、やや難解ですが、
   ↓こちらの解説が良いかと・・・。(分かりにくかったらごめんなさい)
   VA(Value Analysis)、VE(Value Engineering)とは
   | グロービス・マネジメント・スクール


こう聞いて、「なんだ、問題解決手法って、VA/VEのことかよ・・・」 と
思った方もいるはずです。

「VA/VE」は、特に製造業の中で、一時よく耳にした言葉で、現在は
やや下火になったというか・・・あまり聞かなくなっています。

(ちなみに著者は建設業界の方です。建設業界では現在VE活動が
 活発なようです)

さて、このVEとは製品の価値を高めるために、その製品の「機能」を
分析し、それを実現するためのコストを考慮して最適解を得ようと
する手法です。

低コストの材料を使って安くするのは、単なるコストダウンです。
VEはそうではなく、求める機能を得るために、製品の設計や構造
そのものを変更することも含めて検討するところに特徴があります。

※ 製造業などでは、「VA」が「コストダウン」の同義語として使われて
   いるケースもあると思いますが、それは本来の意味とは違います。
   実際、これは使いやすい言葉で、仕入先に「値下げしてよ」と言う
   代わりに「VA提案してよ」というと、ずいぶん聞こえがよくなるという
   効果があります (← もちろん、間違った使い方です(笑) )


さて、製造業にお勤めの方のなかには、「VA/VE なんて、問題解決
の手法としては使えないよ・・・」 とお思いの方もおられると思いますが、
判断するのはまだ早いかもしれません。

本書で主張されているのは、VEの中の「機能」に注目すること、つまり、
「ファンクショナルアプローチ」を、コストダウン手法としてだけではなく、
もっと広く適用しようという考え方です。


簡単にいうと、仕事の中でやらなければいけないこと(=タスクと考えて
構わないと思います)を、さらに一段さかのぼって、

  何のために(どんな機能を果たすために)それが必要なのか?

ということを考えたり、書き出して系統図化してみたりするという手法です。


一般に、「VE = コストダウン手法の一環」、と捕らえられがちですが、本当は、
「VE = 物事の本質をつかむ手法」であり、だからこそ「問題解決」にも役に
立つのだ、というのがこの本の主旨です。

ですから、VA/VEがわかったつもりになっている人も、読んでみると新鮮に
感じるかもしれません。


■ そして、読んでみると・・・

本書に書かれた「ファンクショナルアプローチ」とは、ある仕事(や物)に
必要な機能を考え、整理・体系化していく手法です。

そしてその「機能」とは、「名詞+他動詞」で表されるものとされています。
つまり、「○○を□□する」というものです。


すごく簡単にいうと、こういうことです。

たとえば、今私がやっている「ブログを書く」 というのは、あくまでも
1つの行動であって、その機能は「読者に私の考えを伝える」と考える
ことができます。(機能は1つとは限らず、他の機能も考えられます)

そうやって、機能にまでさかのぼると、「じゃあ、ブログ以外にも伝える
手段はあるよね」 ということもわかりますし、「分解した機能それぞれ
の効果をより高めるためにはどうすればいいか?」 という分析も
しやすくなってきます。

くわしく知りたい方は、本書を読んでみてください。


さて、皆さんがこの本を読んだとして・・・その中には、こういうご感想を
持つ方もいると思います。

  「・・・こんなの、当たり前のことじゃないか!」

というのは、ある仕事を、それが果たす機能にさかのぼって考えると
いう手法を、すでに頭の中で行っている人もいるからです。

それは別の言葉で、

  物事の本質を見抜く
  「何をやるか」ではなく、「何のためにやるか」を考える
  「手段」よりも「目的」を重視する
  先例にとらわれずに、仕事の本質を考えてやり方を変えてみる

と表されるものです。

私がこれまでに出会った人のなかでも、「この人はできる」と思える人は、
こういう思考方法を(傍から見ると)自然に行っています。

また、自分自身が過去に仕事で「ブレークスルーできた」と思えた経験を
振り返っても、「目的」や「機能」に目が向いていたことが多いと感じます。
(私の場合は、苦労してそこに辿りつくタイプかもしれません)


そんなふうに、「ファンクショナルアプローチ」をすでに実践している人は
少なからずいます。

それなら・・・、書き出して整理する「ファンクショナルアプローチ」が不要か
といえば、そういうわけではないと思います。


■ ファンクショナルアプローチが有効な理由

これが有効な理由の1つは、1つ1つの機能を考えていくことで、
着実に「できる人」的に思考できるようになる可能性を秘めている
ことです。

ですから、思考のトレーニングとしても有効ですし、思考過程の視覚化
にもなるので、参加者全員への教育効果が期待できます。


もう1つの理由は、いくら「できる人」とはいえ、問題や解決の過程が
入り組んでくると、頭の中だけでは処理できなくなります。
(その理由は「筆算理論」で説明できます)

ですから、複雑な問題に対しては書き出すことも必要です。
そのための方法論としてヒントになると思います。



最後に私の考えを述べておきますと・・・

基本的に、この手法自体はKJ法などと同じく、グループで実行するときに
特に効果を上げる手法だと思います。1人で行う手法としては、冗長すぎて
手間の割には効果は薄いと思います。

※ 野口悠紀雄さんがKJ法に対して指摘していたのと同じ理由です。
   (くわしくはこちらを↓)
   amazon
   「超」発想法 (講談社文庫)

しかし、KJ法にしてもそうですが、ベースとなる考え方を知っているのと
いないのでは大きく違いますし、できれば一度はきっちりやってみた経験が
あると、もっと違います。


そういう意味でも、知っておく価値がある手法だと思います。
いろいろヒントになる部分もありますし。

ご興味のある方は、ぜひ。

ワンランク上の問題解決の技術《実践編》
視点を変える「ファンクショナル・アプローチ」のすすめ




今日の記事作成時間はトータルで83分でした。
では、また明日!

  
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Posted by 水口和彦 at 23:58Comments(4)TrackBack(0)
2005年09月17日     このエントリーをはてなにブックマークこのエントリーを含むはてなブックマーク

学習力というよりは、ビジネススキルの本です ・・・ 「学習力トレーニング」

学習力トレーニング
学習力トレーニング
海保 博之 (著)


 「なぜ、この内容でビジネスパーソン向けに出版しないの・・?」


というのが、読後の私の感想です。

内容は、「学習力」というより、「ビジネススキル」と言った方が
しっくりくるものが多いです。


この本は、岩波ジュニア新書という、中高生を対象にしたシリーズの
中の1冊です。

  私がこの本を見つけたのは、著者の海保博之氏に興味があったから
  ですが、読んでみて、さっきの感想になったわけです。
  普通はビジネスパーソンは読まないですね、「ジュニア新書」は・・。


著者は認知心理学専攻の、筑波大の教授をされている方です。
この本以外にも、ヒューマンエラーなどについて、興味深い書籍を
多数書いています。


で、この本なのですが、

内容は以下の9つの能力を上げるためにはどうすればよいか、
ということが書かれています。

その9つの能力というのが、

 ・集中力
 ・記憶力
 ・問題解決力
 ・自己洞察力 (メタ認知というやつです)
 ・失敗力
 ・時間管理力
 ・文章表現力
 ・発表力 (プレゼンテーションですね)
 ・会話力 です。


・・・これって、全部ビジネスパーソンに必要なスキルの
   ような気がします。


内容は、高校生を対象にした感じで、易しく書かれています。
しかし、ビジネスパーソンが読んでも役に立つと思います。

というのは、この本は単なるノウハウ本とは違うからです。


普通のノウハウ本は、

  「こうしたら良い」

と書かれていますが、この本は、

  「なぜそうなるか?」

についても書かれているところが、とても役に立つと思います。



「こういう失敗をしないためには、こうすれば良い。」
 という説明よりも、

「人間は、元々こういう失敗をしやすいように出来ている。
 その理由は・・・」
 という説明の方が、応用が効きますよね。


そういう意味で、おすすめの本です。
ぜひ一読を。


この本は、さらっと読める本です。
しかし、自分の仕事に置き換えて、考えながら読んだ方が、
ヒントがたくさん見つかると思います。


本の評価(☆☆☆で満点)  amazonのレビューはここ
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For フレッシュマン         ☆☆☆
For バリバリビジネスマン     ☆☆
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Posted by 水口和彦 at 21:15Comments(4)TrackBack(0)

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