2005年09月02日     このエントリーをはてなにブックマークこのエントリーを含むはてなブックマーク

「時間管理術の7つの嘘を暴く」・・・私がこの記事を書く理由

時間管理タイムマネジメントについての情報はいろいろあります。

数多くの本が出版されていますし、解説しているサイトも多くなりました。
しかし、それらで言われていることのすべてが正しいとは限りません。
教科書的な内容ではうまくいかないことも多いのです。


私は、自分が苦労したことをきっかけに、この分野に興味を持ちました。
それぞれの著者がどんなことを言っているのか調べるために、
この分野の本を調べています。調べた本は200冊を超えました。


私をここまで駆り立てたものは何か?


 私は、時間管理でいろいろ試行錯誤してきたので、
 自分の時間管理術を確立したい、という思いは強かったです。

 しかし、それ以上に、「時間管理術の交通整理」をしたいと
 いう思いが強くなってきたのです。


「時間管理術の交通整理」とは、どういうことか?


 時間管理・タイムマネジメントは、やらないよりはやった方が
 仕事がうまくいきます。

 しかし、問題もあります。

 時間管理術の多くは「挫折しやすい」ものであり、しかも、
 「挫折した者に口なし」という傾向があるのです。

 本に書いてある通りに、時間管理をやろうとして、挫折する人は
 結構います。

 これは本当は、本に書いてあったやり方が、良くなくて、
 挫折したのかもしれません。

 しかし、こういう情報はあまり語られることはありません。

 なぜなら、この手の本に書いてあることは、たいていの場合、
 「正論」であることが多いですよね。

 また、挫折した人は、自分の意志が足りなかったのではないか、
 という負い目があります。だから、あえて自分からは語らない
 ことが多いのです。
 (私が時間管理に興味がある、という話をすると「いや、実は・・」
  と、挫折したことを話してくれる人は多いですよ。)



 つまり、現在の状況はこうなっているのです。

 ・数々の時間管理関係の本が出版されている。

 ・多くの著者は「自分の方法が良い」と主張する(当たり前ですが)。

 ・自分の方法と人の方法を比較して述べている人はほとんどいない。

 ・挫折した人の意見はなかなか聞けない(自分からは語らない)。


 これでは、どの方法が本当にいいのか調べるのは容易ではありません。
 だれも「交通整理」してくれていないのです。



 そして、時間管理術を比較、検証している人もいないのです。

 そう、時間管理・タイムマネジメントの手法自体を評論・評価している人
 がいないのです。


時間管理術評論家は居ないのか?

 時間管理・タイムマネジメントの手法自体を比較している人がいないか、
 探してみましたが、私は見つけることができませんでした。

 時間管理のツールや手帳について意見を述べている人は居ますし、
 この手の本の書評を書いている人はたくさん居ました。


 このブログにたどり着いた方の中には、今までに「時間管理」や
 「タイムマネジメント」関係の本について、書かれている書評や、
 サイト・ブログなどを見たことがある方が多いと思います。


 思い出してみてください。

 ほとんどの書評で、いいことしか書かれていないと思いませんか?

 その理由は、2つあると思います。

 ・「正論」を書いている本に対して反論するのは難しいから。

 ・時間管理術を徹底して比較してみようと、突きつめる人は少ないから。

 ということでしょう。

  
 しかし、この状況が続いていいのか? ・・・私は考えました。
  
 私が以前に悩んだような思いを持っている人は、今もいるはずです。
 しかし、その悩みに対してガイド役をする人がいない。
 

 ならば・・・私がその役をしよう。時間管理術評論家・研究家になろう!
 と考えた訳です。

 これが、私が時間管理本の収集を加速させた原動力なのです。


あなたは、時間管理に挫折したことはないですか?


 もし、あなたが時間管理・タイムマネジメントに挫折した経験があるなら、
 自分を責める前に、本当にその方法が良かったのか、疑ってみた方が
 いいかもしれません。


 実際に、私は、本に書かれていることを守ろうとして、ストレスを溜めて
 しまった経験があります。このときは、毎日会社に行くのがつらかった
 ですね。毎日が「サザエさん症候群」でした。
 (※ 本当の「サザエさん症候群」は日曜の夜に起こるものです。)

 それが、本に書かれていることの一部を破った途端に、
 ストレスが無くなり、仕事もうまく回りだしたのです。

 この経験が、時間管理・タイムマネジメントの方法に対して疑いを
 持つきっかけとなりました。


   優先順位に翻弄され、
   手帳を使ってもストレスが溜まる・・・
   なんで、自分はできないんだろうと、自分を責める・・・


 そんな悪循環に陥らないための知恵を持つことは、とても大事なこと
 だと思います。


私は時間管理の達人なのか?・・いえ、研究家です。


 こういうブログを書いていると、私のことを、

   時間管理・タイムマネジメントの達人?

 と思う方もいるかもしれません。


 でも実際は、そうでもありません。
 私が評論・研究する、究極の目的は、


  できるだけ手をかけずに時間管理・タイムマネジメントをする。

  挫折しない、しかもメチャメチャ効果がある方法を見つけ出す。


 ことなのです。



 例えば、現在の私の手帳の書き方は、結構ラフなものです。

 「スケジュールに空白を作らない」ような細かいことも、していません。
 (それが逆効果になることを知ってから、そうしています。)

 しかし、必要最小限の仕組みを使い、押さえるべきところを押さえる。
 それさえやっておけば、仕事や生活は以前と比べて、信じられないほど
 うまく回るものだということが、だんだん分かってきました。

 そして、それまでに読んできた本の中には、結構いいかげんなことや、
 読者を悩ませるようなことも書かれていると気がつき始めました。
 (もちろん、本当にいいことを書いている部分もあります。)


 そういった、時間管理・タイムマネジメントの嘘や誤解を暴いていく
 ことを、研究成果の第1弾として報告していきます。


 記事の中では、結構細かいことを言ったりもしますが、
 私の目的は、シンプルな方法を探すことです。

 時間管理やタイムマネジメントについて、もっと考えを深めたい方も、
 難しいやり方はいやだ、と考える方も、おつきあいいただければ、
 きっとあなたの役に立つことがあると思います。

 そう思って、この記事を読んでいただけると幸いです。



 ※ 追記したので、記事が長くなってしまいました。
   最後まで読んでいただき感謝致します。

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  では、続きをお読みください ↓

      【7つの嘘 その1へ 】
      【時間管理術の7つの嘘 目次へ】
  

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2005年08月23日     このエントリーをはてなにブックマークこのエントリーを含むはてなブックマーク

時間管理術の七つの嘘 その1 : 優先順位をつければうまくいくのか? (6)

この連続記事では「時間管理術」の中で重要なポイントでもある、
「何を優先すべきか?」について考察しています。

これまでに、「7つの習慣」「カエルを食べてしまえ!」など、
それぞれの著者が述べていることを比較してきました。

(今回は6回目です。過去記事へのリンクは右の「連続記事記事の目次」の中に
 あります。第1回は特に重要ですので、まだの方は読んでみてください。))


今回とりあげるのは「GTD」です。

  「GTD」って何? という方へ。

  「GTD」は、こんな記事で(↓)取り上げられたりして、最近話題の本です。
   時間と仕事の整理術『GTD』がカルト的人気

デビッド・アレン著のこの本、
「仕事を成し遂げる技術―ストレスなく生産性を発揮する方法」
タイトルである、Getting Things Done(仕事を成し遂げる)の略が
GTDというわけです。


実は、この本は時間管理術というよりは、仕事の整理術についての本です。

ただ、従来の時間管理のやり方に対して、興味深い提言が
いくつか書かれています。
今回はその中で、優先順位に関するところを見ていきたいと思います。

  ちょっと引用します。

  (『』内は引用です)
  『確かに、結果や価値観に意識を集中することは、重要な
  エクササイズではあります。しかし、それをしたからといって、
  片づける仕事が少なくなるわけでも、困難が少なくなるわけでも
  ありません。』
 (24ページ 3行目より) 

これって「7つの習慣」的な考え方にケンカを売っていますね (^_^;)。やるなあ。


では、この著者はどうすればいいと言っているのか、見てみましょう。


この本では、まず仕事や書類を整理するための、ワークフローが書かれています。
   このフロー全体を引用するのは、ここでは控えておきます。
   図のそのものの引用は著作権法上、難しいのです・・・。
   私がこれまでに出した図は、複数の人が書いている一般的な図か、
   引用文の内容を私が図に置き換えたものなので、問題ないのですが。


このワークフローは、「やる/やらない」 「捨てる/とっておく」
「自分でやる/誰かにたのむ」 「すぐやる/計画する」といった感じの
判断基準を使って、仕事を整理していくものです。

そうやって、整理した仕事のどれから手をつけるか?
著者は、こう言っています。

 (『』内は引用です)

『 大事なのは、自分の直感を信じることです。 』
  (74ページ 12行目より)

そう、この著者は「今、何に手をつけるか?」という疑問に対する、
万能の答えはないと言っているのです。

ただ、判断をするときに、次のような基準を使えばよいとアドバイス
をしています。

 (『』内は引用です)

『 行動を選択するための「四つの基準」モデル 
   1 状況       
   2 使える時間
   3 注げるエネルギー
   4 優先事項                 』

   (74ページ 12行目より)

私の言葉で言い換えると、

1は、場所的な制約を考えること。今この場で何ができるか?ということ
2は、今、どれだけの時間が取れるか?5分間か、1時間か?ということ
3は、今、それをやるだけの体力または、創造力がある状態か?ということ
4は、どの行動を取ると最も効果が高いか?ということ

という感じです。

これらを考慮して、どれに取りかかるかを決めればよい。と言っているのです。
・・・なんだか、当たり前のことのような気がしますね。


他にも著者は、仕事の種類は3つあるということを言っています。

 (『』内は引用です)
『 毎日の仕事を評価するための「三重」モデル 
   ・あらかじめ定められた仕事をする     
   ・発生した仕事をする
   ・あなたの仕事を定義する          』

    (76ページ 14行目より)

つまり、
  予定した仕事
  突発の仕事
  仕事の仕分けや計画をすること

の3つの種類があり、それぞれに対応方法を変えることを推奨しています。

ここで言っていることは、正しいと思うのですが・・・、
これも当たり前のことのような気がします。


あとは、視点を変えて考えることを推奨しています。
主に、時間の観点で、自分の人生全体のレベルから、現在の行動レベルまで
6段階に分けることを推奨しています。


実は、私はこれらの分類法のいずれも、「パッとしないなあ・・・。」と
思っています。
このやり方で、わざわざ分けて考えるメリットが感じられません。

結局、著者が言いたかったのは、
『自分の直感を信じること』 が重要だということ。
直感で判断するためには、角度を変えてみることが必要だということ。
この2点だと私は考えています。

これは、私が感じていた、「固定した優先順位をつけても意味がない。」
というのと近いですし、私はこの考えには大賛成です。

先程あげた仕事の分類分けの部分は、「直感」の重要性を比べると、
大した意味はなく、参考程度に聞いておけばよいと私は考えます。


  ちなみにこの本は、仕事の仕分けのやり方や、ファイリング方法などの
  役に立つノウハウが他にも書かれています。余裕のある方は一度読んで
  みてはいかがでしょうか。少し読みにくい本ですが、一読の価値ありです。


さて、直感の話には、まだ続きがありました。

実は、第2回から今までに紹介した、どのやり方を取ったとしても
「直感」の力を借りているのです。

  例えば、仕事の「重要性」って何で判断します?
  仮に、重要性を数字で出そうとすれば、

   ・その仕事は利益の出る仕事か、損失を防ぐ仕事か?
   ・そのどちらを優先すべきか?(今はどちらを優先すべき状況か?)
   ・やった場合の利益、やらない場合の損失は?(例えば金額で表すと?)
   ・インプットに対する、アウトプットの比率は?(投資収益率)
   ・達成できる可能性は?

  といった要素から計算する必要があります。
  重要性だけでも、考慮すべきことはこんなにあるわけです。

  いちいち計算してたらやってられませんね・・・。
  結局は、直感でやるしかないわけです。
  

直感で判断することについて、私はこう考えます。

直感に頼らずに決めることができないのであれば、
一つの見方に凝り固まるのは、とても損をしているわけです。

あなたの直感の働きは、物事を1つの見方しかできないような、
ちゃちなものではないはずです。

いろいろな見方を取り入れた上で、判断していくことが、重要だと思います。


このシリーズで紹介した、いろいろな考え方を頭に入れておくことも
いつかあなたの役に立つことがある、と思っていろいろ比較してみました。



この1つめの嘘は、今回で一旦終わります。

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参考文献
デビッド・アレン(森平 慶司訳)
仕事を成し遂げる技術:ストレスなく生産性を発揮する方法.はまの出版,2001
仕事を成し遂げる技術
仕事を成し遂げる技術―ストレスなく生産性を発揮する方法



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2005年08月22日     このエントリーをはてなにブックマークこのエントリーを含むはてなブックマーク

時間管理術の七つの嘘 その1 : 優先順位をつければうまくいくのか? (5)

前回は、「何を優先するか」についての判断基準について、


  1つですべてをカバーできている考え方は無い

そして、

  複数の考え方を頭に入れておき、
  複数の視点から判断することが重要


ということを述べました。

それでは、いろいろな考え方の紹介をもう少し続けていきます。

今回は「カエル」について考えてみたいと思います。
「カエルを食べてしまえ!」「頭がいい人、悪い人の仕事術」
ブライアン・トレーシー氏です。

ブライアン・トレーシー氏は、著書の「カエルを食べてしまえ!」の中で、
リストアップした仕事にランクをつける方法として、5段階に分ける方法を
提唱しています。

  5段階に分ける・・・? 3段階でもややこしいのに・・・。
  と私は一瞬思いました。

  だって、当時の私は、A5(Aランクの5番目)と、B1(Bランクの1番目)は
  本当にA5が優先でいいんだろうか? なんて悩んだりしていましたから・・・。


この著者が言いたいのは、そういうことではなく・・・、

 (『』内は引用です)

『 「A」は、非常に重要で、これをしなければ重大な支障をきたすもの。
  「B」は、あなたが「すべき」ものである。
  「C」の仕事は「したほうがいい」がしなくても何ら影響がないもの。
  「D」の仕事はほかの人に「任せてもいい」もの
  「E」の仕事は「しなくていい」し、しても何にもならないもの。   』

  (42ページ 9行目、43ページ 1行目、7行目、9行目、11行目より)

この本の中では図では示されていないので、簡単な図にしてみました。

ブライアントレーシー優先順位.JPG

私は前にも述べたように、ABCで分けることは重要ではないと考えています。
しかし、このDとEは重要だと思います。

残念ながら、この本ではこれ以上あまり深く述べられていません。
DとEに分類するために、私がとても重要だと思うことが書かれていないのです。

それは何かと言うと・・・、

DとEへの振り分けは、仕事が来たら、すぐにやること、なのです。

  ※ この本の中で、DとEを、ABC(自分の仕事)と分けているのも、
    最初から、自分の仕事のワクに入れない、という意味がこめられて
    いるような気がします・・・考えすぎだろうか?


では、なぜ、すぐに振り分けた方がいいんでしょうか?


例えば、Eの仕事の中にも2種類あります。
 「ほっといても全然問題のないもの」 と
 「ほっとくと誰かを怒らせたり、迷惑をかけたりするもの」
です。

後者の仕事の場合「やらない」ではなく、「受けない」という意思表示を
しておかないと、あとで面倒なことになる場合があります。


考えてみてください。


  あなたが誰かに仕事を頼んだけど、その結果が返ってこない。
  頼んだ人はやってくれるのかな?と期待をしながら待つわけです。

  そのあげく、相手がその仕事をほったらかしにしていたと分かったら・・・、
  待たされた時間が長い方が、怒りが大きくなるのが普通ではないでしょうか?

  私は、受けられない仕事はすぐに断るように、工夫することをおすすめします。
  仕事を受けないための秘訣にもいろいろあると思いますが、この話は長くなる
  ので、また今度にします。


  ちなみに、ほっといて相手が忘れてくれるのを待つ、という作戦を取る人も
  多いのですが、私はあまりおすすめしません(昔はやってました・・・)。

  その理由の1つは、上に書いたように、相手を怒らせる可能性があることです。
  もう1つは、相手が忘れてくれるのを待ってる間も、少しはその仕事のことが
  気になってしまうからです (罪悪感・・・でしょうか?)。


また、Eへの振り分けと同じように、Dへの振り分けもすぐにやった方がいいと
思います。

  Dの仕事を一度自分の手元に置いてしまうと、「これくらい自分でやって
  しまおうか・・・」という迷いが生まれてくることってありませんか?

  そうなってしまうと、人に振るのが悪いことのように思えてくるんです。
  そして結局自分でやってしまう・・・そういう経験ないでしょうか?


と、ここまでABCDE法のDとEの使い方について述べてきました。

このように、ブライアン・トレーシー氏の考え方もなかなか魅力的なところが
あります。そして、この人は、優先順位について、もう1つ言っています。


それは、タイトルにもなっている「カエルを食べてしまえ!」ということです。

ここで言う「カエル」とは、『最も難しくて重要な仕事』という意味です。
難しくて先送りしたくなる仕事から先に取り組め! ということですね。


  でも、本当にそうした方がいいのでしょうか?


私は2つのパターンに分けて考えた方がいいと思っています。

1つは「嫌な仕事」を「カエル」と見た場合。

  このときは確かに、とっととやっつけてしまった方がいいと思います。
  「案ずるより生むが易し」になることの方がずっと多いです。


もう1つは「大きな仕事」「手間のかかる仕事」を「カエル」と見た場合です。
この場合はちょっと危険です。

  「カエル」を食べるまでは、他のものを食べない、と決めてしまったことで、
  どっちも食べられなかった、という不幸な人を知っています・・・・私です。

  というのは、こういう仕事の場合、不確定要素、つまり、やってみないと
  分からないことが多いものです。何回もつまづいたり、待たされたりすること
  もあります。

  よくよく考えたら、「カエル」の間に他のものを食べる時間もあった。
  なんてことが起こりがちなのです。



では、大きい仕事と小さい仕事は、小さい仕事から片付けた方がよいのでしょうか?


この問題については、結構真剣に考えたこともあるのですが、
現在の私の現在の考えはこうです。





  「どっちでもええやん・・・」



いやいや、決していいかげんに言っているわけではありません!


時間管理関係の本の中にも、この問題について、
「大きな方からいくべきだ!」「小さな方からいくべきだ!」 
の両方の意見があります。確かに、ケースバイケースのような気もします。


ですが、自分の経験に照らしてよくよく考えてみると、これはいずれも、
「いかに目の前の仕事に集中できるか」という問題が根本にあるのです。


「やりかけの仕事がこんなにたくさんある・・・」 と気になっているのに
大きな仕事には集中できません。

また、「あの仕事、気が重いなあ・・・」 と心配事をかかえた状態で、
小さな仕事をテキパキこなすのは難しいです。


どちらにしても、「目の前の仕事に集中する」ことが必要です。

そして、私は、

「小さな仕事」対策としては、
やりかけの仕事のことを安心して忘れられるためのしくみ
(いわゆる To Do リスト的なもの)

「大きな仕事」対策は
大きな仕事のすべてを考えずに、分割して1つずつに集中するためのしくみ

が重要と考えています。


この「しくみ」をどうやって作るか? ということが重要であり、
それに比べれば、

「大きい仕事と小さい仕事のどっちを先にやるか問題」
は、ささいなことだと私は思います。

「このやり方がいい!」と決めつけている人は、それがたまたま
その人の置かれた状況や性格にあっていただけなのに、
すべての人に当てはまると思い込んでいるわけです。


ちなみに、ブライアン・トレーシー氏はどうか?

実は、「カエル」よりも後に刊行された、「頭がいい人、悪い人の仕事術」
では、どっちのやり方も「あり」ということを言っています。

考え方がいつの間に変わったんや・・・? (ーー;)
これはこれで、「どっちもあり」と言い切っている人は少ないから、
すごいことだと思いますけどね。



(気になったので、少し補足します!)
どっちでもいい。と言いましたが、一つだけ補足しておきます。

できれば、まとまった時間が取れるときに「大きい仕事」を
割り当てた方がうまくいくことが多い。と思います。
これは意識してみる価値はあると思います。


次回は「GTD」について考えます。
そもそも、このシリーズは「7つの習慣」と「GTD」の比較を
するのが目的だったのですが、なかなかたどりつきませんでした・・。



参考文献
ブライアン・トレーシー(門田 美鈴訳)
カエルを食べてしまえ!.ダイヤモンド社,2002

カエルを食べてしまえ!

ブライアン・トレーシー(片山 奈緒美訳)
頭がいい人、悪い人の仕事術.アスコム,2005

頭がいい人、悪い人の仕事術


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Posted by 水口和彦 at 23:20Comments(0)TrackBack(0)
2005年08月20日     このエントリーをはてなにブックマークこのエントリーを含むはてなブックマーク

時間管理術の七つの嘘 その1 : 優先順位をつければうまくいくのか? (4)

「何を優先するか」 を決める方法について・・・、続きです。

今回は「重要性」と「緊急性」以外の見方をしている人を紹介します。


登場するのは、ケン・ブランチャード氏です。
「1分間○○○」というタイトルの本をたくさん書いている著者です。

  私の書評記事でも2冊取り上げています。
   1分間マネジャーの時間管理
   1分間自己管理です。
  どちらも良い本です。この著者は今後も書評で取り上げていく予定です。


このケン・ブランチャード氏と スティーブ・ゴットリー氏の共著の
「1分間自己管理」という本では、優先順位について次のような
分類法が述べられています。

『』内が引用です)

 ・やりたいし、やらなければならないこと
  ・やりたくないが、やらなければならないこと
  ・やる必要はないが、やりたいこと
  ・やる必要もないし、やりたくもないこと   

   (38ページ 1行目より)

また、この4つのうち、

  最初の2つが『イエスというべき活動』
  3つめが『どちらともいえない活動』
  最後が『ノーというべき活動』

と述べられています。(同 38ページより)

本の中にはこれを表で表したものがあるのですが、
ちょっと分かりにくいので、私がマトリックス形式に
置き換えたものを下に示します。

1分間自己管理マトリックス.jpg


この分類では、仕事を

 自分がやりたいか / やりたくないか
 やらなければならないか / やる必要はないか

という2つの要素で分類しています。

 前者は、主に自分の中での重要性
 後者は、主に周りとの関係での重要性

と言ってもいいと思います。

この分類は、とても潔い感じがします

「やらなければならないこと」は、やらなければならない。
ウダウダ言わずにとっととやれ! という感じでしょうか。


この考え方は使い方によっては、とても有効だと思います。

この本の中では、これ以上深くは述べられていませんので、
有効な理由として私が感じたものを2つ述べておきます。



1つは、この考え方を取り入れることで、仕事をしていく中で
起こりがちな無用なトラブルを避けられるということです。
(この記事の第2回で述べた「デキ男」問題も避けられます。)

どういうことかと言うと・・・、

 前々回述べたような「重要性」と「緊急性」のマトリックスによる
 分類を使って、「7つの習慣」的にB領域を重視したとします。
 (B領域は「重要だが緊急性が低いこと」です。)

 結果として、C領域は優先されないわけです。
 (C領域は「重要でないが、緊急性の高いこと」です。)

 このC領域に入る仕事は、別の見方をすると

 ・周りの人はやってほしいと思っている
 ・でも、本人にとっては重要ではない

 というものが多いです。


 これをほったらかしにしておくと、組織内でのトラブルや、
 人間関係のトラブルを起こしてしまいがちなのです。

 
   例えば・・・
   あなたが子供だったころ、こんなことはありませんでしたか?

     学校で掃除の時間についつい遊んでしまった(男子生徒に多い・・)。
     (掃除は「やりたくないこと」の1つです。) 
          ↓
     女子生徒が怒りだす。
          ↓
     男子生徒は遊びをやめない。
          ↓
     先生が登場する。
          ↓
     ホームルームでこのことについて議論が始まる・・・。


 今の例は、ちょっと単純すぎたかもしれませんが・・・(^_^;)

 こんな、「やりたくない」ちょっとしたことをやらなかったために
 トラブルを引き起こした例は、数限りなくあります。
 私が原因で起こったトラブルは、幸いにして軽いものばかりでしたが、
 会社の中では、重大なトラブルに発展した例がいくつもありました。

 某自動車会社の「クレーム隠し」なども、原因をたどっていくと、
 こんな理由に行き当たるのではないか、と私は推測しています。


こういうトラブルを避けるためには、

「やりたい/やらなければならない」の分類を使い、
「やらなければならない」ことは、とりあえずやっておく。

というやり方が有効です。
こうすることで多くの無用なトラブルは避けられます。

これは、「重要性」「緊急性」だけでは抜けてしまいがちな見方です。


しかし、これでは「やることが」増える一方なのでは ?
そんな疑問も出てきます。

それに対する答えの一部は、私がこの分類を有効だと思う、
もう1つの理由の中にあると思います。



そのもう1つの理由を述べます。
この分類を意識しながら仕事をすると、

 「仕事のしくみ」について積極的に考えるようになる

という傾向があるのです。
これはどういうことか、説明していきましょう。

私の場合、この分類を意識し始めてから、予想以上に仕事の能率が
上がりました。

最初は「仕事を先延ばししない」のがその原因かと思ったのですが、
どうも、それだけでは説明がつかないのです。

よく考えてみると次に述べるようなメカニズムが働いていたのです。

 ちょっと考えてみてください。

ある仕事を、「やりたくない」という意識を持つと、
その仕事を先延ばしたくなりますよね。


では、「やりたくない」×「やらなければならない」という
意識を強くするとどうなるでしょうか ?


私の経験では、

 「やりたくないことでも、いずれやらなきゃいけない。
  だったら、さっさとやってしまおう!」
  と自分にハッパをかける効果。

が、まずありました。先延ばしを防ぐためには有効です。
そしてもう1つ、

 「やりたくない仕事だから、できるだけ早く終わらせたい。」
 「こんな仕事はできるだけ手を抜いてやりたい!」
 「どうやったら手を抜きながら素早く仕上げられるだろうか?」
  と、自分の意識を変える効果。

そんな効果もあったのです。


  「やりたくない」×「やらなければならない」
           ↓
   「前向きに手を抜く方法を探す

という方向に向かったわけです。


実際、いろいろ工夫して「ストレスの素」「めんどくさいことの素」を
減らしていく作業は、結構楽しかったですね。

「やりたくないこと」をやるのは、いやいややっているわけですから、
 工夫してやろうという意識はなかなか出てきません。しかし、
「いやなことを減らす」ために工夫するのは、やる気が出るのです。


結果として、仕事の能率は大きく上がりました。
ちょっとした意識の違いで、結果が大きく変わったのです。


このような、ある意味開き直りのような境地は、「重要性」×「緊急性」の
考え方からは絶対に出てこないと思います。

どうしても「やらなければならない」「逃げられない」と意識することが、
それを必要最低限にすませて、「やりたいこと」をやれるようにしよう、
という方向への切り替わりを生んだのです。

(「重要性」「緊急性」でのC領域の仕事を、「先延ばし」や「無視」
 ではなく、「圧縮」するというイメージです。)


   ちなみに・・・私の場合、「重要性」×「緊急性」で
   考えていた間は、どうしても先延ばし癖が直りませんでした。

   A領域・B領域の仕事が片付くまでは、C領域の仕事をする気が
   なかなか起こらないのです。そうすると、また次の日に持ち越して
   ズルズル・・・といくわけです。
   こういうときはストレスが溜まりやすかったですね・・・(涙
   


このように、「やりたい/やらなければならない」で分ける考え方は、
意外な効果を私にもたらしました。

「重要性」「緊急性」で分けるだけでは欠けているものをカバーする
ことができ、とても有効な考え方だと思います。



しかし、この分類法には致命的な欠点があります。
時間についての観点がまったく入っていないのです・・・。

だからといって、K・ブランチャードの考え方が間違っているわけではなく、
これはこれで素晴らしい考え方だと思います。


それでは、私達はいくつかある考え方について、
どう対処したらよいのでしょうか?


私は、こう考えます。これまでに紹介したものを含め、「何を優先するか」
についての判断基準は、それぞれ良いところ、悪いところがあります。


 すべてをカバーする考え方は無いのです。


 これはとても重要なことです。


 1つですべてをカバーできている考え方は無いのです。

 絶対にありません!


時間管理の本の中には、
今までのやり方は間違っている! 優先順位はこう考えるべきだ! 
と言って、別の固定した考えを押しつける本もあります。

それは間違いなく、

  「嘘つき」「単なる思い込み」

  にすぎません。

  1つですべてをカバーできている考え方は無いのです。


また、そんな考え方を作ったとしても、それは複雑すぎて使い物には
なりません。なぜなら、判断に必要な要素は他にもいくつかあるからです。
(それらの要素についてはこのシリーズの最後でも述べる予定です。)


私達ができることは、複数の考え方を頭に入れておき、
複数の視点から判断していくこと。それしかないのです。


そういう意味では、先人が述べていることをできるだけ多く
知っておくのは良いことだと思います。

  実は、私が異常なほどに時間管理に関する本を収集・読破しようと
  している理由の1つはこれなのです。



このシリーズはもう少し続きます。
今度は「カエル」と「GTD」を取り上げておこうと思っています。


参考文献
ケン・ブランチャード、スティーブ・ゴットリー (田辺希久子訳)
1分間自己管理:「先延ばし癖」を克服する3つの原則.ダイヤモンド社,2004


1分間自己管理

スティーブン・R・コヴィー (ジェームス スキナー、川西 茂訳)
7つの習慣:成功には原則があった!.キング・ベアー出版,1996

7つの習慣―成功には原則があった!


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Posted by 水口和彦 at 15:39Comments(0)TrackBack(1)
2005年08月18日     このエントリーをはてなにブックマークこのエントリーを含むはてなブックマーク

時間管理術の七つの嘘 その1 : 優先順位をつければうまくいくのか? (3)

前回に続いて、「何を優先するか」 を決める方法について
考えてみます。


「7つの習慣」で述べられている「優先順位」、つまり下の図の
Bを重視する! という考え方だけを実践すると・・・、


単なる「やな奴」になってしまう危険性がある。


と前回述べました。


 (注)「7つの習慣」がよくない、と言っているわけではありません。
     一部分だけを取り出して使うとよくない場合がある。
     と言っているわけです。


↓ 「重要性」と「緊急性」のマトリックス再び登場です。

重要緊急マトリックス.jpg


このようなマトリックスは、スティーブン・R・コヴィー 著の

「7つの習慣」や、他のいくつかの時間管理本で出てきます。

ものごとを「重要性」と「緊急性」で4分割で分類したものです。

A:重要性、緊急性ともに高い    (目の前の重要な仕事)
B:重要性が高いが、緊急性は低い (将来のための重要な仕事)
C:重要性は低いが、緊急性は高い (目の前の、割とささいな仕事)
D:重要性は低く、  緊急性も低い (「どうでもいい」仕事)

という感じです。

(各領域の呼び名や、左右の向きなどは本によって異なります。)


今回は、「7つの習慣」に限った話ではなく、上の図のような、
「重要性」と「緊急性」で分類することについて考察してみます。


「重要性」と「緊急性」で分類する、このマトリックスの考えを
最初に聞いたときは、なるほど、と思いました。


自分の経験でも、


 ・Aに分類される、重要かつ緊急なことに意識が集中しがちで、
 ・Bの、緊急ではない「重要」なことに力を注げない。
 ・かと思うと、「どうでもいい」Dに、つい意識がいってしまう。

そんなことがよくありました。それを防ぐために
この分類の仕方はすごくいい!と思いました・・・。



でも、実際に仕事をする中で、この考え方と合わない部分が

出てくるのです。


例えば・・・

次の2つの仕事があったとします。

 仕事 機明後日15時スタートの会議用の資料を作成すること

 仕事 供В各後の10時に提出する報告書を作成すること




あなたは、どちらが緊急だと思いますか?



普通は、仕事気量生綟の資料の方が緊急性が高いですよね。
仕事兇茲蠅癲納期(締め切り)が1日前ですから。


でも、機↓ が次のような場合はどうなるでしょう?


・仕事 気硫餤塚兒駑舛錬腺瓦1枚。
 1時間もあれば作成できてしまいます。

・仕事 兇諒鷙霆颪呂燭辰廚30ページの提案書。
 作成に20時間はかかります。


この場合・・・、


この前に別の仕事をやっていたとして、気房茲蠅かるのは、
明後日の14時(会議1時間前)まで、ねばれることになります。


では、もし、兇房茲蠅かるのを、同じ明後日の14時までねばったら、
どうなるでしょう?

14時から翌日の朝10時まで、20時間しかありません。


そうです。納期までに仕上げるには、ノンストップの徹夜作業を
しないといけないのです。


この兇蓮普通の勤務時間内でやろうと思ったら、
今すぐに始めないといけない仕事だったのです。

いつ始めないと間に合わないか?という意味での緊急性を考えると、
兇龍杁淦は極めて高かったのです。



ちょっと、極端な話でしたかね・・・。

でも、仕事の納期にばかりに気がとられると、
似たような失敗をする可能性があります。。


実際に、私は似たような失敗を何度もやったことがあります。
さすがに、さっきの話のような極端なことはありませんでしたよ。

深夜の残業でなんとか帳尻が合う程度ですから・・・(涙




私が言いたいことはこうです。

仕事の緊急性を考えるときには、

 ・納期(いつまでに終わらせないといけないか)に気を取られるよりも、
  「いつスタートすれば間に合うのか」を知ることが重要。


ということです。こう書くと、当たり前のことを言っているだけみたいですね。

しかし、次の2つが正確に分かっていないと、「いつスタートすれば間に合うのか」
を知ることはできません。

その2つとは、

 ・納期(締め切り)までに、自分が使える時間
  (ほかの「やること」の時間をすべて差し引いた残りの時間です。)


 ・その仕事をやるのに必要な時間


なのです。

 (8/20 追記)
 この、使える時間と必要な時間を、見積もりながら

 仕事をしている人は意外と少ない、というのが私の実感です。
 かなり「デキる」人でも、経験とカンだけで判断しているのです。

 もちろん、この2つを完璧に見積ることは実際には不可能です。
 どの程度の時間をかけて、どの程度まで精度よく見積もるか?
 ということが、時間管理の重要なポイントの1つだと私は考えます。
 (追記終り)



最初にあげたマトリックスのように、単純化した分類にそって
考えると、納期にだけ目がいってしまったりします。

このマトリックスを日々の仕事の中で適用しようとするのは
ちょっと無理があると思います。


  長期目標と短期目標のような、大きな分類をする上では
  問題ないんですけどね・・・。

  私は、あのマトリックスは仕事の優先順位を考えるための

  ものではないと思います。
  もう少し、長いスパンでの目標設定を考えるためのものでは
  ないでしょうか。


私と同じように、
単なる「緊急性」という分類では、実際の仕事の場での判断はできない!
という経験は、みなさんもすでにされているのではないでしょうか。


今回はここまでです。


「なにを優先するか」についての話はもう少し続きます。

次回は違うタイプの分類法を取り上げてみます。


参考文献
スティーブン・R・コヴィー (ジェームス スキナー、川西 茂訳)
7つの習慣:成功には原則があった!.キング・ベアー出版,1996

7つの習慣―成功には原則があった!



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Posted by 水口和彦 at 23:48Comments(4)TrackBack(0)

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