2005年10月08日     このエントリーをはてなにブックマークこのエントリーを含むはてなブックマーク

時間管理術の7つの嘘 その6 : 価値観・目標にもとづいて行動すればうまくいくのか? (4)

今回は、価値観や目標を持つことで失敗しないためのポイント、
その3つめについて、考えてみたいと思います。

前回述べたことは、特に価値観に関連するものでした。
今回は目標に関連するものです。

3つめのポイントは、一言で言うと、

  目標を立てるときは、構えないこと。

というものです。


これは、実感したことのある人も多いと思います。
例えば、夏休みの時間割です。


子供の頃、夏休みの時間割を立てたことのある人はいませんか?

何時に起きて、ラジオ体操に行って、朝食の後は何時までは勉強して、
午後は何時からは遊んで、夜はまた勉強して・・・という感じです。

私も、子供の時に立てたことがあります。
そして、その通りになったことは一度もありませんでした。


なぜ、その通りにならなかったのか? と今思い返してみると、


   時間管理ができていなかったから ?

   計画性がなかったから ?


どれも違う気がします。本当の理由は、


   そもそも、そんなに勉強する気がなかった。

   でも、張り切ってしまい、本当はやりたくもない
   時間割を立ててしまった。


というものだったと思います。
これでは、達成できないのは当たり前です。


これは、子供の時の話ですから、笑い話で済みますが、
大人になってからも、同じような失敗をしてしまいがちなのです。

あらたまって目標を立てようとして、失敗をするパターンには、
私は、2つのパターンがあると思います。

それぞれの問題点と解決方法について、私はこう考えます。


1−やる気が出過ぎているときに目標を立ててしまう。

 例としては、
 自己啓発書などを読んだ直後に、目標を立てるとこうなりがちです。
 ポジティブ思考に走ったときに立てた目標は、「あれもこれも」
 状態になってしまうことが多いでしょう。

 その結果、結局どれも達成できない、となってしまうことが
 起こってしまうわけです。


  Mモード、Dモードという考え方があります。
  (以前に別のブログでも書きましたが・・)

  これは、医学博士である大野裕氏の「MモードとDモードの法則」
  という本に出てきます。

  人の心は「そう(Mania) 」的な状態と「うつ(Depression ) 」的
  状態の間で常にゆれている、という考え方です。

  私の解釈で言うと、

   Mモード ⇒ ハイになる。調子に乗る。楽観的。自信がある。
           バリバリ仕事する。やる気がある。

   Dモード ⇒ ブルーになる。慎重になる。悲観的。自信を失う。
           淡々と仕事をする。腰が重い。

  という感じです。


 問題は、Mモードの自分が立てた目標は、突っ走り過ぎていて、
 Dモードの自分には、他人事のように感じられてしまう、という
 ところにもあります。

 多くの自己啓発書は、Mモードになっている人には効果的なのです。
 しかし、Dモードのときには、敬遠されがちの内容になっています。

 ですから、本を読んでやる気が出たときに、立てた目標は要注意
 なのです。持続できなくても当たり前だと思います。


     では、どうすればいいのか?


 MモードとDモードの両方に効果的な目標設定のやり方は、
 私も現時点では明確な答えを持っていません。まだ研究中です。

 現時点で言えるのは、

   Mモードで突っ走って、目標設定するのも構わないです。

   しかし、その目標はDモードの時を含めて、何度も見直すこと。
   そして、しっくりくるまでに、何度も書き換えること。

 ということです。

 どのモードの自分も納得するような目標でなければ、継続的に
 実践していくことはできないと思います。



2−「よそいき」の目標を立ててしまう。

 もう一つのうまくいかない例として、これがあります。

 例えば、

 「仕事のストレスを少なくしたい」と思って、時間管理を始めた
 はずなのに、気がつくと、「今よりも立派な人になる」的な目標を
 立ててしまっている・・・。

 ストレス解消のつもりが、自分にプレッシャーをかけることになる、
 セキ男のパターンです。


  
 「何かを始めたい」ときの、本当の動機は、本人も自覚していない
 ことがよくあります。

 自分の足元にある動機を見つめないで、目標を書こうとすると、
 人の目を意識した、「よそいき」の目標になってしまいます。

 そういう目標は、そもそも本来の自分の動機とは違います。
 ですから、達成できないのも当たり前です。


   マズローの「欲求階層説」という考え方をご存知でしょうか。
   人の欲求には5つの階層がある、と提唱したものです。
   (ピラミッド型の図で説明されることが多いです。)
  
   その中で、第1層から第4層までは欠乏欲求と名付けられており、

   生理的なもの(生存すること)→ 安全を確保すること →
   愛情や社会的な関係性、地位 といったものが含まれています。


   第5層が自己実現欲求と呼ばれており、自分が成長することや
   創造すること、人に何かを与えること、といったものが入ります。


 私たちが、何かを始めようとするときの動機に、欠乏欲求(第1〜4層)
 が含まれていないことは、ほとんど無いといっていいでしょう。

 「ストレスを減らしたい」「もっと稼げるようになりたい」
 「もっと大きな人物になりたい」「社会的に認められたい」・・・

 これらはすべて、欠乏欲求なのです。


 しかし、そういう動機からくる目標を、人に言うのは、
 ちょっと恥ずかしいものです。

 そして、人の目を気にしてしまった結果、
 「社会に貢献したい」「人を助けたい」などの、
 第5層中心の、「よそいき」の目標を設定してしまうのです。

 そうすると、本当に実現したいと思っていたはずの、自分の本来の
 目標とかけ離れていくわけです。

 動機と目標がずれるほど、達成することは難しくなります。


    では、どうすればいいのでしょうか?


 今、述べたメカニズムを考えると、自分の目標のすべては、決して
 オープンにしてはいけません。オープンにしようと考えた瞬間に
 「よそいき」の目標を書き始めてしまうからです。


 しかし、目標を公言することで、達成するパワーが得られる、
 ということを言う人もいます。

 これはこれで正しいです。例えば、

   「私は将来こうなる」「こういう会社を造りたい」という、
   将来のビジョンは人に説明できた方がいいでしょう。

   また、短期的な目標の中には、公言した方がいいものもあると
   思います。
   (私の場合、このブログを書くことも、その一つです。)


 しかし、こういう目標は、自分の真の目標の中から出てきたもの
 でなくては、達成は難しい、と私は考えます。


 まず、やるべきことは、

   人には絶対見せない!という前提で、
   自分の目標を整理すること、

 これなのです。


 その中から、公言するべき目標が見えてくる、というのが
 うまくいく目標の立て方だと思います。

 自分の目標を立てている人、これから立てる人は、
 このことを意識してみてください。


 副次的な効果として、アタマもすっきりしますし、
 目標達成へのモチベーションも高くなりますよ。



6つめの嘘はこれで終わりです。
読んでいただき、ありがとうございました。

7つめの嘘に行く前に、

  参考になった!という方は、

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  ぜひクリックをおねがいします



参考文献
大野裕
MモードとDモードの法則:やるき力と無気力を操る心理テクニック.
法研,2002
MモードとDモードの法則MモードとDモードの法則
―やるき力と無気力を操る心理テクニック


A・H・マズロー(小口忠彦訳)
人間性の心理学:モチベーションとパーソナリティ.
産業能率大学出版部,1987
人間性の心理学人間性の心理学
―モチベーションとパーソナリティ




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Posted by 水口和彦 at 19:25Comments(3)TrackBack(1)
2005年10月05日     このエントリーをはてなにブックマークこのエントリーを含むはてなブックマーク

時間管理術の7つの嘘 その6 : 価値観・目標にもとづいて行動すればうまくいくのか? (3)

今回は、前回に続いて、価値観や目標を持つことで失敗しないためには
どうすればいいか、考えてみたいと思います。


2つめのポイントは、

  価値観・目標は、アタマの中だけでは作れない。

というものです。

これが、どういうことか説明していきましょう。


ここでは、プライベートはひとまず置いておいて、
仕事の場について考えてみましょう。


仕事の場に限定した場合、

  仕事の上で何を優先するかは、自分の価値観だけで決められない。

という問題が発生します。

仕事をしていく上では、

  自分がこうしたい、という価値観と、
  組織としてこうあるべきという価値観 ※

の2つを両立させていく必要があるからです。


 ※組織に属していない人の場合は、関係先(お客さん、仕事仲間)から
  期待されていること、という意味になります。

  (また、ここで言う価値観は、普通に使われている意味です。
   前回言った、「価値」=「アウトプット」という意味とは違います。)



仕事をしていく中で、自分がこうしたい、という思いを100パーセント
実現させている人はいませんし、周りからの期待のすべてを実現させている
人もいないでしょう。

私たちは、この2つのバランスの中で、仕事をしているわけです。


そして、組織(もしくはお客さん)の価値観というものは明確に
なっていないことが多いのです。

それどころか、矛盾していることの方が多いです。
例えば、

  仕事では普通、「質を高く」「速く」生み出すことが要求されます。
  どんなに質が悪くてもいいとか、どんなに遅くてもいい、と言う
  お客さんはいません・・・当たり前ですが。

  しかし、「質も最高」「速さも最高」という要求は、それ自体が矛盾
  しているわけです。バランスが必要です。

そして、この矛盾した要求に対して、バランスをどこで取るか、
ということが「価値観」の1つなのです。



この、組織の価値観(バランス)をどこに置くか、という問題に対する答え
は、個人の経験によって得られるところが大きいです。

いわゆる、仕事の「勘どころ」などと言われる部分に含まれるものです。


このように、仕事の場で求められる価値観、それ自体が、簡単に決める
ことができず、経験から導いてくるものなのです。


ここに、さらに自分の価値観を追加すると、状況はさらに複雑に
なります。簡単に決めてもうまくいかないわけです。


私の言いたいことを整理すると、

  価値観・目標は、仕事を実践していく中で身に付けていくもの。

ということになります。これが、最初に言った、

  価値観・目標は、アタマの中だけでは作れない。

ということです。


ですから、いくつかの手帳や本で言われている、

  価値観・目標を設定すれば、仕事がうまくいく。

という考え方は、私は順番が逆だと思います。
(そういう手帳や本で、挫折したことのある人は結構多いと
 思いますが、それは、あなたが悪いわけではないと思います。)


私は、時間管理については、テクニックが先であるべきだと考えています。
そして、仕事がうまく回せるようになっていく過程で、自分なりの価値観
が見えてくると考えています。

次回は、3つめのポイントについて説明します。



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Posted by 水口和彦 at 23:53Comments(2)TrackBack(0)
2005年10月04日     このエントリーをはてなにブックマークこのエントリーを含むはてなブックマーク

時間管理術の7つの嘘 その6 : 価値観・目標にもとづいて行動すればうまくいくのか? (2)


時間管理・タイムマネジメントについて書かれた本には、


  自分の目標や、価値観を明確にする。


という話がよく出てきます。

仕事とプライベートのバランスや、目先のことと将来のバランスを
取ることが重要、という説明の中で使われることが多いです。

7つの習慣
『7つの習慣』にもそういう意味のことが書かれていますし、
一冊の手帳で夢は必ずかなう
『一冊の手帳で夢は必ずかなう』の熊谷氏も同様のことを
言っています。

しかし、この「価値観」「目標」を使い方を間違えた場合、
大変なことになるというのが、前回の「セキ男」の話でした。



今回は、価値観や目標を持つことで失敗しないためのポイント
について、考えてみたいと思います。


まず、1つめは、

  いきなり、すべての目標のバランスを取ろうとしてはいけない。

というものです。前回のセキ男の例もこれです。



価値観・目標・夢といったものは、私も必要だと思います。
特に、長期目標としては絶対に必要だと思います。

しかし、困ったことに、これらが重要だと言う人の多くは、
日々の生活の中で、それらをバランスさせろ、というのです。

これは、いきなりできるものではありません。
特に、仕事が忙しい人の場合、いきなりは、まず無理です。
セキ男のように、ストレスを倍増させてしまいます。


考えてみてください。

仕事のことに限定しても、うまくバランスが取れていない人に、
プライベートも含めてバランスを取れと言っているわけです。

綱渡りでフラフラしている人に、さらに荷物を持たせようと
するようなものです。


  もちろん、価値観・目標が重要だと言う著者たちは、別に意地悪を
  しようとしているわけではないと思います。本人たちは大マジメです。
  「名選手は名コーチにあらず」なのかもしれません・・・。


では、どうすればいいのか?


私はこう考えます。

仕事とプライベートをバランスよく充実させるためには、まずは、
プライベートの目標の一つ一つを意識してはいけません。

まずは、仕事とプライベートの境界線である、
「始業時間」「終業時間」だけを意識すべきです。

そして、仕事の上での「価値観」を徹底して磨き上げるべきです。



例えば、始業時間が決まっている場合は、「何時には仕事を終える」という
目標ラインをまず設定します。

そして、毎日の仕事の中で、その目標ラインに仕事が終われるように、
仕事を段取りすること。それが第一の目標になります。

「あれもこれも」ではなく「何時に帰る」という境界線を守ることのみに
集中するわけです。


とは言っても、仕事が忙しい場合には、なかなか思うようにはいきません。
しかし、これを続けていくことで、仕事の中での「価値観」が鋭くなって
いくのです。


あれ、結局価値観が出てくるの?・・・と思った方もいるかもしれません。
しかし、ここで私の言う価値観は「こうなりたい」とか、「こうあるべき」
といった、自分の役割や目標に関係するものではありません。

「価値」すなわち「アウトプット」の無い仕事はしない、という意味での
価値観です。

言い換えれば、時間に対する「コスト意識」「投資収益率」を重視する、
ということです。

 (余談ですが・・・)
  時間に対するコスト意識という見方について述べられた本は、
  数冊ありますが、全体から見るとまだまだ少ないのが現状です・・。


そして、こちらの「価値観」を磨くためには、仕事に投入する時間を
決めること、つまり「○時に帰るためにはどうするか?」と考えることが
最も近道だと、私は考えています。



  いきなり、すべての目標のバランスを取ろうとしないこと。
  まずは、仕事に投入している総時間を減らすことを意識する。

  そして、そのために「仕事の価値観」を磨くこと。


これが、価値観や目標で失敗しないために、私が考える
1つめのポイントです。


  私たちが行う活動の中で、一番多く時間を使うのは仕事です。

  その仕事を時間内でうまくこなすことは、あなたの生活の土台に
  相当する部分なのです。

  そして、それができてくれば、自然と他の目標についても
  考えられるようになってきます。


  たくさんの目標を実現させるためには、まず目標を一度忘れて、
  土台をしっかりさせること。

  それを意識してみることが、本当に目標をバランスよく達成
  するための近道だと思います。



参考文献
スティーブン・R・コヴィー (ジェームス スキナー、川西 茂訳)
7つの習慣:成功には原則があった!.キング・ベアー出版,1996
7つの習慣
7つの習慣―成功には原則があった!

熊谷正寿
一冊の手帳で夢は必ずかなう:なりたい自分になるシンプルな方法.
かんき出版,2004
一冊の手帳で夢は必ずかなう
一冊の手帳で夢は必ずかなう - なりたい自分になるシンプルな方法


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Posted by 水口和彦 at 22:31Comments(1)TrackBack(1)
2005年10月02日     このエントリーをはてなにブックマークこのエントリーを含むはてなブックマーク

時間管理術の7つの嘘 その6 : 価値観・目標にもとづいて行動すればうまくいくのか? (1)

時間管理・タイムマネジメントについて書かれた本には、


  価値観・目標を明確にする


という話がよく出てきます。
7つの習慣

例えば、スティーブン・R・コヴィー 著の「7つの習慣」では、
  (『』内は引用です)

 『自分の人生の目的を明確にすることにより、毎日の活動が人生全体の
  目的に対して、有意義な形で貢献できるものになるのだ。        』

  (127ページ 12行目より)
 
 『目的を持って始めるということは、生活の中での様々な役割を
  果たすときに、明確な価値観にもとづいて行動することである。』

  (140ページ 7行目より)

このように、目標や価値観を持つことの重要性を説いています。


確かに、自分の進みたい方向が決まっていれば、その方向に
少しずつでも進んでいくことができるかもしれません。

また、進みたい方向が分からなければ、時間を無駄に過ごして
しまうことが多くなる、というのも分かります。



では、目標・価値観を持つことで、
日々の時間管理がうまくいくのでしょうか?

私の答えはこうです。


  目標・価値観を意識すると、
  時間管理がうまくいかなくなる可能性が高いのです!

もう1回言います。


  目標・価値観を意識すると、
  時間管理がうまくいかなくなる可能性が高いのです!


  それどころか、逆にストレスをためる原因になるのです!


これはどういうことなのか?
セキ男の例を使って説明しましょう。


  パラッ・・・、  パラッ・・・・・・
  日曜の深夜、あるマンションの寝室で本のページを
  めくる音がしていました。

  責任感の強い、営業部門のサラリーマンのセキ男は、
  自分の人生をより良いものにしようと思い、

    『成功者の習慣 − 成功のための5原則』

  という本を読んでいました。
  (例によって架空の本です。)


  そこには、

  「自分の役割、価値観を明確にすること」「目標を立てること」
  が重要だと書かれていました。

  この本を読んで、やる気が出てきたセキ男は、まず
  自分の役割を考えてみました。

  「まず、営業担当としての自分、マネージャーとしての自分が
   いるよな。業務の管理だけでなく、部下に対してはコーチ役
   にもならないといけないし・・・、
   父親としての自分、夫としての自分もいるな。
   将来独立するためには、起業家としての自分も必要だ。  」

  セキ男はそれらの役割を書き出してみました。


  その本には、それらの役割に沿って、それぞれの目標を立て、
  バランスよく達成していくことが重要、と書かれていました。

  「今週は、目標を意識して仕事をしよう」

  そう思って、セキ男はその目標を手帳に記入して持ち歩きました。

  根がマジメな性格のセキ男ですから、毎朝その目標を見て、
  一日をスタートするようにしました。



    その結果、どうなったのか・・・? 見てみましょう。


  その週の金曜 22:10。

  セキ男はまだ仕事をしています。

セキ男価値観に翻弄される   「あと1時間はかかるな・・。
   今週はやけに忙しい。

   金曜は家族3人で食事のはずなのに。
   仕方ない、明日にしよう・・・。

   いい父親になるつもりなのに、
   こんなことでいいのかな・・・。    」

  結局、金曜の終電までに仕事が片付かず、セキ男は次の日も
  出勤していました・・・。

   ※この話は、実話に基づいたフィクションです。


なぜ、セキ男はこんなふうになってしまったのでしょうか?
理由はいくつかありますが、一番大きな理由をまず述べます。


  それは、過剰なプレッシャーです。


この週のセキ男は、確かに忙しかったのですが、価値観・目標を大事に
しようという思いが、さらにセキ男を忙しくさせていたのです。

それぞれの役割を、きっちり成し遂げなくてはいけない、という
プレッシャーを自分にかけることになってしまったのです。

その結果、ますます目標が達成できないという悪循環に陥ったわけです。


自分の役割や目標を設定することは、

 ・目標に沿わないことに時間を浪費しない

というメリットもありますが、

 ・たくさんの目標を設定して、自分にプレッシャーをかけすぎた結果、
  仕事・生活のバランスをくずしてしまう


というデメリットもあります。


もともとセキ男は、「あれもやらなきゃ、これもやらなきゃ」と
バタバタしがちな、バタ男と似た面を持っていました。
 (バタ男は、7つの嘘 その4その5に登場した人です。)

そのセキ男に「目標・価値観」というプレッシャーが重なったために、
セキ男は、バタ男を超えた「超バタ男」になってしまったのです。


      これが、セキ男の失敗例です。


私は、価値観や目標を持つことを否定するつもりはありません。
むしろ、とても重要なものだと考えています。

しかし、それらの使い方を間違えると、セキ男のように
失敗してしまうことがあると言いたいのです。


価値観や目標を持つことで、失敗しないためのポイントは、
私は3つあると考えています。

次回は、その3つのポイントについて述べてみたいと思います。



参考文献
スティーブン・R・コヴィー (ジェームス スキナー、川西 茂訳)
7つの習慣:成功には原則があった!.キング・ベアー出版,1996
7つの習慣
7つの習慣―成功には原則があった!


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Posted by 水口和彦 at 11:52Comments(4)TrackBack(1)

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