2008年04月22日     このエントリーをはてなにブックマークこのエントリーを含むはてなブックマーク

「目標設定」の方法にもいろいろあるけれど・・・


こんにちは。水口です。

今日は、「目標設定」の話です。


■ 先々週のセミナー

昨日、セミナーでのご質問の話をしましたが、
今日はその続きで、もう1つ、アンケートでご記入頂いた話です。

セミナーのアンケートで、「今回の内容以外に知りたいこと」という項目に
「長期的な計画(1〜2年くらい)をレベルアップする方法」という内容で
頂いています。

長期的な計画の立て方は、↓この本でも少し触れていますが、この本では
計画表の作り方、使い方についての内容が主になっています。

amazon
たったこれだけのことで!仕事力が3倍アップする時間活用法
やるべきタスクをらくらくこなすシンプルな原則


それ以外には、「時間管理基礎講座B(長期スケジュール)」でも、目標設定の方法
を紹介しています。こちらは目標をより具体化・明確化するプロセスや、挫折しにくい
目標の立て方について紹介しています。

(この講座は5月に再度行います)
時間管理基礎講座(A・B・C)のご案内

※ 5/16の講座(E講座)でも関連する話が少し入ります。


それはそれとして・・・今日は、私自身の目標の立て方について、
少し紹介してみたいと思います。


■ たとえば、「年収」を目標にするのって・・・どうなの?

「目標設定」については、こんなふうに言われることがあります。

たとえば、「豊かになる」ということを目標とするならば・・・
自分が得たいと思う年収を具体化して、紙に書いたり、その年収を得た自分を
具体的にイメージする(映像化する)ことによって、その目標が達成できる。

なんて言われます。これは古くからある自己啓発の手法の1つを
応用したものです。


そして、実は私も、独立する前にこういった目標を立てたことがあります。
しかし、その目標(それこそ、年収うんぬんというものです)は、結局
忘れることにしました。

厳密にいうと、まだ覚えているので、完全に忘れたわけではありませんが、
普段は意識しないようにしていますし、もう少し短期的な(数ヶ月の)目標
にはリンクさせていません。

なぜ、そうしているかというと、なんだかしっくりこないと思うことが多く
なったからです。


「しっくりこない」と思った一例をあげます。

あるセミナーで(私が受講者として参加したセミナーです)、ある参加者の方が、
こんな意味のことを言いました。

「私は(金銭的に)豊かになって、自分も周りの人も幸せにします」
それが、目標なんだそうです。

(別に「自己啓発」セミナーではなかったのですが、そういうワークがあったんです)


それを聞いて感じました。

 「目標を持つ」ことはいいことかもしれないけど・・・
 本当にそんな目標しかないんだろうか?
 そんな目標だけじゃつまらないんじゃないかな・・・?

直感的にそう感じたのです。


もちろん、「豊かになる」ことも大事なのですが、それだけが目的だったら、
なんだか自分のことしか考えてない人みたいですよね。

おそらく、その目標を言った人は、「自分のことばかり考える」タイプの人
ではないと思うんです(そういう印象を持ちました)。

それでも、「豊かになる」という目標を掲げると、言葉の上ではその1点に
フォーカス(焦点)が絞られてしまうわけです。その目標に忠実に行動する
ならば、極論すれば、(儲かるなら)どんな仕事をしても構わない。という
ことになってしまいます。


独立してから特にそう思うのですが・・・、それだけの目標だと
物足りないと感じますし、自分のやる気を高めるためにも、決して
効果的とは思えません。

もちろん、将来設計のためにも、年収を高めるという目標を持つことは
いいことではあるのですが・・・、それだけじゃダメだと思うんです。


■ 「○○のために」を考える

これは私自身の感じ方も含めての話ですから、万人に共通するとは
限らないかもしれません・・・ ということを前提にして言うと、

自分のやる気を引き出すためには、「自分のこと」よりも、
「人のこと」を考えるべきだ。 

というのが私が感じている結論です。
これは別にカッコつけて言っているわけではありません。

たとえば、「接客や販売をして、お客さんが喜んでくれたらうれしい」とか、 
「仕事がうまくいって、職場の仲間が喜んでくれたらうれしい」という思い
って、あるじゃないですか。私は、これこそが「やる気・モチベーション」の
一番の根源にあるものじゃないかと考えています。

こういう「人が喜んでくれる」ことによるモチベーションは、即効性が高く、
強烈なものです。(逆に、収入が増えるのはあまり即効性はありません。
むしろ、ジワジワと効いてきます。「やりたい理由」というよりも、「やめられ
ない理由」に近いものだと感じます)

これには同意してくれる人が多いと思うのですが・・・いかがでしょう?


一説によると、人の脳は、「利他」、つまり、他の人のために何かをしてあげる
ことに喜びを感じるよう、本能に刻み込まれていると言われています。

こういう本能は、「個体の保存」という意味では不利ですが、「種の保存」と
いう意味では有利になる場合があります。だから、そういう本能があるのでは
ないかと言われています。

私はこれは本当だと思っています。人間の行動には、「個体の保存」を優先して
いるとしたら説明がつかないことが多すぎますから。


ただ、「利他=人のために」という目標にも、いろいろな表れ方があります。
たとえば、目の前のお客さんに喜んでもらうことが好きな人もいますし、
「未来の人たち」のために貢献したいという人もいます。

※ 後者の典型が「科学者」です。もちろん、科学者は「自分の知的好奇心」も
   原動力にしているわけですが、それ以外に「科学の体系を積み上げていく」
   ことに喜びを見出している人たちです。大きな石垣のなかのたった1つの石
   でも積みあげることができれば、そこにやりがいや満足を見出すわけです。


話が長くなりましたが、私自身のことに戻って・・・

私は、現在は5年後にこうなる、10年後にこうなる、という
定量的な目標はあえて持っていません。

もっと先のビジョンとしては、

・世の中に時間管理が普及して、「当たり前」のスキルになる

・「1日の計画を立てなさい」「優先順位をつけなさい」というだけの、
 使いにくくて理不尽で、実践的じゃない時間管理・・・ ではなく、
 本当に実践的な(無理のない)時間管理が広まる

というビジョンは持っています。
 (期限付けと定量化がないので、これは「目標」ではなく「ビジョン」です)


そして、もっと近い目標として、「この3ヶ月でこう」「さらに次の3ヶ月は
こう」という目標は具体化してあります(最低でも半年先まではあります)。

(1年2年後、5年10年、といったレベルも考えることはありますが、
 まだ先が見えないところが多いので、定量的な目標にはしてません。)


「ビジョン」+「数ヶ月先の目標」という目標設定は、ちょっと変則的なやり方
かもしれません。普通は、「5年先」、「10年先」などの目標を設定するほうが
一般的です。

しかし、私の場合は現在のやり方が、最もしっくりきますし、最もやる気も
高まると感じています。

これは、仕事の内容や参入した分野によっても違ってくると思いますから、
このやり方が常にベストとは限りません。長期的な目標設定は、「現在の
自分自身にしっくりくるやり方」を探すことが大事なのではないでしょうか。


あまり一般的な話ではないかもしれませんが・・・
参考になれば。ということで。



ちなみに、どんな仕事や業種であれ(プライベートでも)、「3ヶ月単位」の目標を
設定することは、確実に役に立つ(ハズレがない)と確信しています。まずは、
それをしっかり立ててみることは、強くおすすめしておきます。

今日の記事作成時間は73分でした。

では、また明日!
  

このエントリーを含むはてなブックマークこのエントリーをはてなにブックマーク
Posted by 水口和彦 at 23:56Comments(4)TrackBack(0)
2008年03月13日     このエントリーをはてなにブックマークこのエントリーを含むはてなブックマーク

この本への評価でビジネス経験がわかってしまう? 『1ページマネジャー』


こんにちは。水口です。

本の話が続いたところで、ふと気づいたのですが、
最近、読んだ本の紹介記事をあまり書いていないですね・・・。

というわけで、今日は本の話です。


■ 評価が分かれる本 「1ページマネジャー」

今日紹介したいのは↓これ。
amazon
1ページ・マネジャー

「1ページマネジャー」という本です。
(リアズ・カデム (著), ロバート・ローバー (著), 小林 薫 (翻訳) )

このタイトルを見て、K.ブランチャード氏の『1分間マネジャー』という本を思い出す
人もいると思います。今回の著者の1人は、かつてK.ブランチャード氏と共に、
『1分間マネジャー』シリーズの1冊(一分間マネジャー実践法)を書いた人です。
(K.ブランチャード氏も、この本に序文を書いています)

ですから、K.ブランチャード氏のファンには見逃せない本です。
(私も、「ファン」というほどではないですが結構好きで、10冊近く読んでいます)


さて、この本、まだ出て間もないせいか、あるいは話題になっていないせいか、
他のブログでは、あまり紹介されていないみたいです。amazonのレビューも
まだ付いていません。

そこで、予言です・・・(笑)

この本は、かなり評価が分かれることになると思います。 
その理由を説明するために、まずは別の本を例題にします。


■ 『デッドライン仕事術』の評価が二分される理由

このブログでも以前に紹介しましたが、『デッドライン仕事術』という本が
あります。

amazon
デッドライン仕事術 (祥伝社新書 95)

この本は非常に興味深く読みました。
(ブログでも2回に分けて↓書くほどです)。

「デッドライン仕事術」 ・・・ 形だけマネしたら、ヤケドする本です
「デッドライン仕事術」 に関する話の続き

私としては、この本には大満足なのですが、だからといって、万人におすすめ
すべき本ではないようにも感じています。上の記事でも触れていますが、その
理由は、「形だけマネする」とかなり確実に失敗するからです。

※ なぜなら、このやり方は組織のトップにかかる負担が大きいんです。
   単に「デッドライン」を決めるだけでなく(それだけなら当たり前ですよね)、
   そのデッドラインを非常に短納期にするところに特徴があるからです。

   このやり方は、「社員が大変」と見られがちですが、実際にはそれ以上に
   トップも大変になります(くわしくは上記の記事で)。 ですから、トップが
   それを理解し、覚悟を持って実行しなければ、ほぼ確実に・・・
   「絵に描いた餅」で終わります。


そんな本なので、この本がどう評価されているか興味がわいて、
この本を紹介したブログや、amazonのレビューを読んでみました。

そのなかには、
  「仕事の納期を決めるなんて当たり前」
  「なぜ当たり前のことを書いているんだ?」

という感想もありました。予想通り、評価がはっきり分かれています。

これは読解力というよりは、読み手のビジネス経験によるものです。
仕事の経験が浅い、あるいは、組織の中の仕事の実態を知らない人は、
こういう受け取り方になる場合もあるんですね・・・。


■ 「1ページマネジャー」の評価が分かれる理由

さて、話を戻しまして、「1ページマネジャー」です。
この本も評価が分かれること必至です。

この本に書かれている「ノウハウ」的なものは、非常にシンプルです。

  ・自分の目標設定を1ページにまとめる

  ・それにもとづいて、上司には1ページで報告する

  ・上司は、1ページでその報告を見る
   (各部下の1ページ報告から抽出した「全体の1ページ報告」を見る) 


たったこれだけです。基本的に、この3つのフォーマットがあるだけです。
それぞれの「1ページリポート」の内容は、ネタバレになるのでここでは
触れませんが、拍子抜けするくらい単純なものです。

過去のK.ブランチャード氏の書籍と違うのは、この本の「1ページリポート」は、
現在の仕事事情に即して、「複数のプロジェクトを抱え持つのが当たり前」と
いう状況に対応している点にあります。


このノウハウは、各構成員(上司も部下も)が、その意味をしっかり理解して
いれば、強力なメソッドになります。それはおそらく間違いありません。


というのは、「1ページ」にまとめることに大きなメリットがあることは、私も
これまでに強く感じているからです。それをこのようにシンプルな形で目標
設定(とフォロー)に使えるとは、気づきませんでした。

※ ちなみに、「1ページにまとめる」というのは、私の時間管理メソッド
   全般にも共通するものです。最初の「超カンタン!時間管理術」で
   紹介した手法では、「週」の時間とタスクを「1ページ」にしていますし、
   今月出た「仕事力が3倍アップする時間活用法」では、長期の
   スケジュールを「1ページ」にする手法を紹介しています。



ただ、先に述べたように、この『1ページマネジャー』は、評価が分かれる本です。

なぜなら、この手法自体を見ても、あまり何も感じない人もいるはずだからです。
実際に、複数のプロジェクトを並行して実行した経験のない人や、「目標設定」
そのものをあまりやったことのない人は、ピンとこないんじゃないかと思います。
そういう人にとっては、「ページも少ないし中身も薄い本」ということになります。


ある意味では、この本をどう評価するかで、その人のビジネス経験が分かって
しまうかもしれない・・・。 そんな、ある意味「危険な本」かもしれませんね。

「目標設定」と、その「フォロー」のやり方を模索している人に特におすすめです。
必ず参考になると思いますよ。



今日の記事作成時間は75分でした。
では、また明日!
  
このエントリーを含むはてなブックマークこのエントリーをはてなにブックマーク
Posted by 水口和彦 at 23:55Comments(0)TrackBack(0)
2008年03月06日     このエントリーをはてなにブックマークこのエントリーを含むはてなブックマーク

「目標」と「目的」は同じもの?違うもの?


こんにちは。水口です。
いきなりですが、「目標」と「目的」の違いって、なんでしょうか・・・?


今日は、一昨日の話に関連して、目標設定の話です。

■ 段階的に目標を設定する

一昨日の話で、大事なことを書き忘れていました。


一昨日の話というのは、「プロジェクトのフェーズごとの目標設定」という話でした。
プロジェクトのなかで、段階的な目標を設定するという話です。

たとえば、業務としてのプロジェクトの場合、途中段階での目標や、その進捗状況
を明確にするという意味で、フェーズを設定することが役に立ちます。
(プロジェクトの業務内容を整理するためにも役に立ちます)

また、個人的なプロジェクトの場合にも、段階的な目標を設定しておくと、最終の
目標にどれだけ近づいたかがわかりますし、達成感も得られます。

たとえば何かの勉強(これもプロジェクトです)という目標を設定した場合も、
途中段階での目標を設定するのは有効です。


そして、このときには、複合的な目標を設定することも大事なんです。


■ 目的は1つじゃない!

「複合的な目標を設定する」というのは、たとえば・・・

「TOEICで800点を取る」という最終目標があったとします。

さらに、その計画のなかに、途中段階の目標を設けます。
たとえば、「TOEICの模擬テストで700点を取る」とします。

これらの目標は具体的ですし、定量的な(数値化できる)目標です。
これはこれでいいのですが、その目標達成にいたるまでのプロジェクトには、
「目的」もあるはずです。これも考えておいたほうがいいということです。

・ 目標は、「TOEIC○○○点」

・ 目的は・・・いろいろあるはずです。
  「とにかく英語力をつけたい」 「英語力を客観的に示したい」
  「ヒヤリングがうまくなりたい」 「自信をつけたい」
  「継続して勉強する習慣をつけたい」   ・・・等々。
  
つまり、

 「目標」は具体的に、達成基準も明確に。

 「目的」はいくつあってもいい。達成基準がなくてもいい。

ということです。

この「目的」の部分を含めて、「目標設定」をしようというのが、
先ほど「複合的な目標」といったことの意味です。


こういう言い方もできると思います。

 「目標」: その仕事の「成果」

 「目的」: その仕事の「プロセス」で得られるものも含めた「その仕事の意味」

       ※ もちろん「仕事」じゃなくても同じことです


たとえば本を書く場合、まず「企画を通す」というフェーズの「目標」は、
もちろん、「企画が通ること」です。

しかし、それと同時に「目的」もあります。

「目的」は人によって違うでしょうが、私の場合は、企画書を作ることを通じて、
自分のアイディアをまとめたり、表現する切り口を考えたりすること自体に、
価値があると考えています。

企画を書くことで自分の頭を整理することにもなりますし、別の機会に使える
アイディアも出てくるかもしれません(本文を書くときもそうです)。


あるいは、一昨日の「材料開発」の話の場合、「要求性能を達成する」ことや、
「製品が採用される」ことが目標ですが、それ以外に、ノウハウを蓄積するという
目的もあるわけです。

仮に失敗したとしても、少なくとも「このやり方ではダメ」というノウハウは得られ
ますし、それ以上のノウハウが得られることも多いです。


こんなふうに、「目標」だけではなく、「目的」も考えておくことは、その仕事への
やる気を維持するためにも有効なことだと思います。
(結果志向とプロセス志向の違いにも似ている気がしますね)

ですから、目標だけでなく目的もフェーズごとに考えておくとベストです。

特に、個人的な目標の場合、目標以外の目的(「やる意味」や「やる価値」)も
あったほうが、より強い「やる意志」を持てるように感じます。


このことを、一昨日書いておけばよかったなと思ったので、
今日のこの話になりました。


■ 「目的」を持つことについての注意点

ただし、これには注意点もあります。私も失敗したことがありますが、やっては
いけないのは、「目標」と「目的」を取り違えてしまうことです。


たとえば、目標を達成できなかったときに、

  「今回は目標達成できなかったけど、勉強になったからいいか」

と考えるのは、ある一面では正しいです。しかし、これはある面では「自己満足」
でもあります。仕事の場でも、「まあ、いい経験になったから」 という言い方を
することはありますよね。これも同じです。

「勉強になったからいいか」と思うのが間違いというわけではありませんし、
そういう言葉も必要だと思います。

しかし、それが「目標を達成できなかった」という事実から目をそらさせることに
なるとよくないですよね。ちゃんと両方受け止めないといけないわけです。

(逆に、「達成できなかった」ということばかり考える人は、「勉強になった」
 という面にも目を向けたほうがいいと思います)



そんな注意点はあるにせよ、「目標」だけでなく、「目的」を考えるというのは、
結構使えるワザだと感じています。

「目標」だけしか設定していなかったという人は、ぜひお試しを。




今日の記事作成時間は58分でした。
では、また明日!
  
このエントリーを含むはてなブックマークこのエントリーをはてなにブックマーク
Posted by 水口和彦 at 23:57Comments(2)TrackBack(0)
2008年03月01日     このエントリーをはてなにブックマークこのエントリーを含むはてなブックマーク

「目標の本気度」を計る方法とは?


こんにちは。水口です。

今日は、昨日に続いて、昨日のセミナーのご感想アンケートから気づいた話を1つ。


■ 昨日のセミナーは・・・

昨日のセミナーというのは、「仕事の段取りと長期スケジュール」という
題目で行ったものでした。

「時間管理」というと、「時間」とつくだけに日常の時間の使い方に焦点が
絞られることが多いですし、それはもちろん大事なことです。
しかし、それに匹敵するくらいに重要なのが、長期的な視点でスケジュール
を立て、整理し、実行していくことです。

昨日の話は、前半が長期的なスケジュールを立てるための技術としての
「段取り」の話で、後半が長期スケジュールの話でした。

長期スケジュールの話は、もちろん「スケジュールの作り方」の話が多い
ですが、「目標設定」の部分にも結構時間を割いています。

アンケートを見ていたら・・・この後半のほうが、より評価が高かったようです。


■ その目標は、「本気の目標」ですか?

「目標設定」の話に時間を割いたのは、もちろん、そこがより重要だからです。

私もたくさん経験がありますが、たとえば、お正月に

  「今年の目標は○○にしよう!」

と目標を立てたりしても、3月頃(ちょうど今頃?)には、すっかり忘れて
しまっていた・・・という話は、よく聞きます。


そうなる理由はいろいろあって・・・

・目標を忘れてしまう
・目標を具体的な計画に落とし込んでいない

等々の理由があります。しかし、それ以前の問題として、目標設定の時点に
問題があるというケースも、かなり多いと思います。

たとえば、「お正月の目標」には、本気でやるつもりがないのに、なんとなく
立てた目標もあります。これでは途中で忘れてしまうのも、無理はありません。
(たとえ忘れなかったとしても、達成できないでしょう)

ですから、その目標が「本気の目標」なのかどうか、確認しておくことが、
とても重要になるわけです。特に、個人的な目標の場合に要注意です。

それも、「目標設定」のなかで必要なことなんです。


■ SMARTな目標設定

ちょっと話は変わって、「目標設定」というと、
「SMARTに設定しましょう」という話があります。

この話、ずいぶん前にもこのブログでも書いたことがありますが、

SMARTとは、次の要件を満たすように目標を設定しましょう、という
項目の頭文字をまとめたものです。

(SMART その1)
□ Specific    (具体的であること)
□ Measurable  (計測できる、数値化できること:定量的な目標)
□ Achievable  (達成可能である:現実性がある)
□ Relevant   (関連性がある)
□ Time-bound (期限が決まっている)

この「SMART」には、諸説あります。

(SMART その2)
□ Specific    (具体的であること)
□ Measurable  (計測できる、数値化できること:定量的な目標)
□ Agreed upon(合意されている)
□ Realistic(現実的である)
□ Timely(タイムリーな、時を得た)

他にもいくつかあり、全部で何種類あるか分からないくらいです。
(たいてい最初の2つは共通していて、あとの3つが違います)


それはともかく、このSMARTのなかに、

・本気でやろうと思っているか?
 = やらなければいけない・あるいはどうしてもやりたいという
    思いや切迫感があるか?

という項目も入れたほうがいいのではないか・・・なんて思います。
(Agreed uponが近いけど、まだちょっと違うような気がします)


■ 本気の目標かどうかのテスト

話は戻って・・・

立てた目標がどこまで本気なのか、事前に確認することは、とても
重要なことです。私も、ちょっと大変な仕事のときには、この確認の
ための作業をしています。

いろいろな人のやり方を参考にしたりして、1つの手法にまとめたもの
を使っています。そのやり方をあまり詳しく言いすぎると、ネタバレに
なってしまうのですが・・・ なかの1つの要素を紹介しておきます。


たとえば、私が何度かやっている「本を書く」という仕事があります。

この仕事は楽しいことも多いですし、やりがいのある仕事ですが・・・
行き詰ってしまったりした場合などは結構苦しみますし、長く続く作業
でもあるので、途中でしんどくなってくることもあります。

もちろん、投げ出すことはありませんが、「投げ出したい気分」くらい
にはなることも・・・たまにあります。


そんな、やや難易度が高い目標ですから、スタートさせる前には、
それに伴なう困難やデメリットを予想して、書き出すことにしています。

「こんなことになったら、大変だろうな・・・」
「途中でこんなことが起こるかもしれないな・・・」

という困難をあらかじめ想定します。そして、それを見つつ・・・
「それでもやりますか?」と自分に問いかけるわけです。

「それでもやる」という決意ができるならば、その目標は
「本気の目標」である可能性が高いです。

もし、「やっぱり、やめようかな・・・」と思うようであれば、もしかしたら、
その目標には手を出さないほうがいいのかもしれません。

そうやって、目標に対する「本気度」を事前に計っておくわけです。



そうやって書き出したものは、その場の決意のためでもあるのですが、
後でも使います。

実際に困難に当たったときに、書き出したものを見るんです。

そうすると・・・自分は困難がある(かもしれない)ことを承知で、
「やる」と決めたことを思い出します。

もちろん、実際に遭遇する状況と、事前に想定した困難は違うことも
ありますが、「困難を承知で決意した」ということは思い出せます。

これが、めげないために、やる気を引き出すために、役に立つんです。


  別の言い方をすれば・・・

  実際に計画を実行し始めたあとで、自分自身が、
  「こんなはずじゃなかった・・・」という言い訳をしないように、
  事前に手を打っておく、という感じでしょうか。


そんな単純なことで効果があるのか? と思うかもしれませんが、
私は、これが何度も役に立った経験があります。

どちらかというと、目標や計画を設定するときに、いいことばかり
考えてしまう(浮かれてしまう?)タイプの人におすすめです。
(もちろん、私を含め・・・ (笑))


大した手間がかかる話ではありませんし、どちらにしても目標設定は
慎重にやるべきものですので、目標を設定するときには、ペンを持って
ちょっと考えてみてはいかがでしょうか。 ぜひお試しを。



今日の記事作成時間は50分でした。
では、また明日!
  
このエントリーを含むはてなブックマークこのエントリーをはてなにブックマーク
Posted by 水口和彦 at 23:55Comments(0)TrackBack(0)
2007年12月29日     このエントリーをはてなにブックマークこのエントリーを含むはてなブックマーク

「2007年にやれたこと」と「2008年にやりたいこと」


こんにちは。水口です。

2007年も、残すところ、あと2日となりました。
というわけで、ちょっと、今年を振り返ってみましょうか。


■ 2007年の出来事

ちなみに、ネット上にはこんな「10大ニュース」もあります。

毎日jp,Yahoo JAPANの10大ニュース投票結果
年末年始特集2007-2008 - Yahoo! JAPAN

読売新聞「日本10大ニュース」投票結果
2007年読者が選んだ10大ニュース(日本編) : 特集 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

この2つは、どちらも投票によるものですが、
結果は対照的ですね。


個人的には、食品関係の偽装や管理の問題のニュースが印象的でした。

私は品質管理関係の仕事をしていたことがあるので、
考えさせられることが多かったですね。

  事後の対応としては、「白い恋人」は、見事だったと思います。

  こういう問題は、商品を回収するなどの、緊急的な対処と
  同時に、確実な「再発防止策」が必要です。

  個別包装に賞味期限を印字する、という、
  分かりやすく・確実な再発防止策は、評価するべきだと思いました。


■ 2007年を振り返る

このブログをお読みのみなさんの、2007年はどうだったでしょうか?

今年やれたこと、今年(やりたかったけど)やれなかったことを
振り返ってみると、2008年を迎える上での指針になるかも
しれませんので、ちょっと振り返ってみてはいかがでしょうか?



というわけで、私も今年を振り返ってみたいと思います。

■ 2007年にやれたこと −1  このブログについて

私が今年やれたこと・・・を振り返りますと、
まずは、このブログのことをあげておきましょうか。

このブログ自体は、2005年からスタートしているのですが、
毎日更新するようにしたのは、昨年の9月頃からです。

ですから、今年は「毎日更新」を徹底した最初の年ということになります。

夜に更新することが多く、更新が日付をまたいでしまうことも、
ありましたが、1日1回(以上)の更新を続けることができました。
(まだ2日ありますけど・・・)

文章を書くのが苦手だった私としては「快挙」だと、
大げさに評価しておきましょう・・・(笑)


■ 2007年にやれたこと −2  本を出したこと

今年やれたことのもうひとつは、2冊目の本を出したことですね。

実は、昨年、1冊目の本を出したあとに、すぐに2冊目の本の話が
あったのですが、その本は、本の狙いについて、いろいろと
思惑の違いがありまして・・・、結局出ないことになりました。

その話は、今でこそいい教訓になったと感じますが、
正直、そのときはもどかしさを感じたり、落ち込んだりもしましたね。

その後、研修用の教材を執筆し(これも本のような感じです)、
この2冊目の本になったわけです。


この本(「宝くじを買う人は、仕事ができない 」)は、タイトルからして
過激ですし、内容もややきついところがありますので、賛否両論
あると思います。

ノウハウ的には、1冊目の本よりも、幅広く、実践的なものを
書けたと思います。ただ、「言い方」は、もう少し考えたほうが
良かったかな、という反省点はあります。

それも含めて、「書く」ということについては、
まだまだ修行していかないといけませんね。


■ 2007年にやれたこと ー3 セミナー開催

今年やれたことの3つめは、自社主催のセミナーを開催するように
なったことです。

昨年も、依頼されればしゃべりに行くことは行っていたのですが、
自社主催でセミナーを開催するようになったのは、今年からです。

お伝えしたいことがいろいろあったので、割と短期間に
新しいセミナーを次々開催しました。

本としては、まだ出せていないノウハウが、思いのほか好評だったりと、
いろいろなことが分かり、私自身も勉強になりました。



■ 2008年にやりたいこと −1 通信教材

もちろん、今年やれたこと以外に、今年やれなかったことで、
来年やりたいこともあります。

その1つが、時間管理を「いつでも」「どこでも」学べる教材の制作です。

時間管理の「通信教材」的なものは、以前から作りたかったのですが、
よくある「情報商材」のような、値段だけ高くて内容は薄いものは
作りたくありませんでしたので、まだ出すべきではないという判断をしました。

セミナーとも関連するのですが、時間管理のノウハウを体系化しておかないと、
全体像がつかみにくいし、内容にダブりが出てしまうかもしれないと考えて、
今年の後半は、その作業をしていました。

それが、形になってくるとともに、入れるべきノウハウも充実してきましたので、
来年は教材化に踏み切ります。
(それにともなって、セミナーの内容もリニューアルします)


■ 2008年にやりたいこと −2 「チーム研修」と「残業ゼロ」

もうひとつ、今年やれなくて、来年やりたいことが、
「チーム研修」です。

時間管理の研修というと、クライアントさんは、
階層別に受講者を想定されるのが普通です。

たとえば、忙しい中堅社員から希望者を集めよう、とか、
新人研修として受けさせよう、とかです。

もちろん、それはそれで効果はありますし、
いいことなのですが・・・、

時間管理という手法の効果を最大に高めるためには、同じチームの
全員が時間管理に取り組むほうが、より高い効果を発揮します。
(部または課の全員が取り組むということです)

ですから、こちらからもそういう提案をするのですが、
なかなか受け入れてもらえないのが現状です・・・(涙)

チームリーダー(部長、課長)のやる気も必要になりますので、
そこが最大のネックかもしれません。

普通の研修よりは、実行しにくいとは思うのですが、
来年は、このタイプの研修を実現させたいと考えています。

  もし、「やりたい」というチームリーダーの方がおられたら、
  ぜひご連絡ください。サービスしまっせ! (←急に関西弁 (笑) )



また、これも組織全体で動かなければ実現できないことですが、
「残業ゼロ」に取り組もうとする企業(または組織)があれば、
ぜひ、協力したいと考えています。

コンサルティング的な「残業ゼロ」戦略の構築と、
研修+フォローという形で実行していくことになりますが、
「残業ゼロ」を狙うためには、トップの意志も必要になります。

それがやれそうな、やりたそうな会社(または組織)を、
特に、取材にもご協力頂けるという方を探しております。

ご存知の方は、ぜひご紹介してください。お願いします。


■ 2008年にやりたいこと −3 書くこと

今年もやりましたが、「書く」ことについては、来年も行っていきます。

次の本は、実はもう書き終わっていまして、来年(2月か3月)に出ます。
(といいながら、少しページを増やしたいという話もあり、
 これが冬休みの宿題となっています(笑) )

その本は、「基礎編」的な内容のものなので、他に「応用編」または
「実践編」の内容の本を書きたいと考えています。


ブログについては、「毎日更新」を続けるつもりです。
(相変わらず、3ヶ月単位で決めるようにしていますが)

ただ、このブログ以外に、書く場所を増やそうかとも考えています。
(このブログ自体が記事数が多くなりましたから、もう少しテーマ別に
 分けたいと考えています。これはまだ未定ですが)


あとは、某メーカーさんが運営するサイトに連載することになりました。
これは月イチ、4ページくらいの内容です。
(2月頃にスタートしますので、あらためて報告します)



こういう形で、あらためて書き出してみると、
いろいろ考えるものがあって、いいものですね。

みなさんも(公開しなくてもいいですから)、
「2007年にやれたこと」「2008年にやりたいこと」を
書いてみてはいかがですか?




今日の記事作成時間は102分でした。
(ひさびさに長いですね)

では、また明日!
  
このエントリーを含むはてなブックマークこのエントリーをはてなにブックマーク
Posted by 水口和彦 at 23:59Comments(0)TrackBack(0)

時間管理術研究所の無料メールマガジンで
モチベーションアップしてみませんか?
メールアドレスを入力すれば登録できます! → 

Copyright (c) 2005-2014 BizARK Inc. All rights reserved.