2009年05月04日     このエントリーをはてなにブックマークこのエントリーを含むはてなブックマーク

メモ術: 書いたメモの行き先について


こんにちは。水口です。
今日は「メモ術」についての話です。


■ 書いたメモはどうする?

先週、「メモ術」に関する記事を書きました。

メモ術: 仕事の指示や連絡を受けた場合のメモの取り方

仕事の指示や連絡を受けた場合に、それをその場でメモすることについて
書いたのですが、これについてご質問を頂きました。


私は自分のデスクにいる場合のメモ用に、「クリップボード」を用いるのが便利
だと感じていて、おすすめしています。

ご質問頂いたのは、「クリップボードなどに書いた後のメモはどうするの?」と
いうところです。

クリップボードには何枚か紙を束ねておくことができますが、書くのは基本的に
一番上の紙です(そこが「ノート」とは違うところです)。

ですから、1枚書いた後に別の案件についてメモしようとする場合、最初の紙
をどうにかしないといけないわけです。


■ メモの行き先

では、そのメモした紙の行き先はというと・・・、


私がおすすめするのは、仕事の案件別にまとめておくことです。

具体的には、封筒またはクリアファイルを使うのがおすすめです。

私の場合、現在はクリアファイルを使用していますが、昔(前の会社時代)は
封筒を使っていました。どちらでも構いませんが、封筒の方が安くつきます。


私が(以前)実践していた封筒の使い方は、こんな感じです。
(基本は野口悠紀雄さんの「超」整理法をベースにしています)


・ A4サイズが入る封筒を大量に用意する

  私の場合、「書類の整理方法を試す」という意味合いもあったので、
  会社の備品(封筒)を大量に使用するのは気がひけました。そこで
  自費で封筒を買って使っていました。100枚パックで買えば、そんな
  に高いものではありませんし。

  ちなみに現在はクリアファイルを使っていますが、これも100枚パック
  で購入しています。


・ 封筒の上を切る(A4の紙が2〜3センチくらい、はみ出すように)

  封筒を使う場合、最初に全部上を切ってから使っていました。
  (当時は会社の裁断機を使って切っていました)

  この方が、紙の出し入れが楽ですし、封筒が空かどうかすぐに分る
  のも便利です。また、封筒の中にはA4サイズ以外のものは入れない
  ようにします(でないと「空かどうか」の判別がつけにくくなります)。

  会社ではB5サイズはほとんど使っていなかったので、統一するのは
  それほど難しくありませんでした。たまに小さなメモ紙などがある場合
  のみ、A4サイズの紙に貼って保管することがありました。


・ 新しい仕事が発生したら、封筒を1つ使う

  ここにメモやその他の資料等を入れます。
  その仕事が完了するまでは、その封筒を使います。
  先のクリップボードに書いたメモも、この封筒に直行します。
  (指示するために人に渡す場合は別として)


・ 封筒の右横に名前を書く

  何の案件か分るように、日付(作成日)と案件名を書いておきます。


・ その仕事が終わったら、中身は廃却またはファイルする

  仕事が終わった後の封筒の中身は、不要なら捨てます。
  最終的に、仕事の結果はパソコンのデータになっていることが
  多いので、紙の書類は捨てても構わない場合も多いです。

  捨てられないものは、保管用のファイルやフォルダに移します。


こんな感じです。

特に、「封筒の上を切る」というのはかなり便利です。
(地味ですが)おすすめのテクニックです。

元々は、(封筒そのままだと)書類を出し入れしにくいのが嫌でやり始めた
ことですが、やってみると「封筒が空かどうか」が一目で分るという上記の
メリットを感じるようになりました。



進行中の仕事に関しては、デジタルよりも紙の書類の方が便利に感じる
ことも多いものです。ですから、「完全ペーパーレス」にできていない人も
多いと思います。そういう方にもおすすめの方法です。

この方法を少しアレンジして、

・ その仕事が終わったら、中身は廃却またはデジタル化する

  (捨てられないものはスキャンしてデジタルデータにする)

とすれば、進行中の仕事以外はすべてペーパーレス化することができます。
シートフィードスキャナ(何枚もまとめてセットできるタイプ)があれば、結構
実用的です。


この方が、無理して「完全ペーパーレス」を目指すよりも実行しやすい方法
だと思います。「完全ペーパーレス」も格好良くていいのですが、それで仕事
の効率が落ちるのでは本末転倒ですし。

また、特に「ペーパーレス化」しなくて構わない場合は、上記の用にファイル
するのがおすすめです。「ペーパーレス化」にも多少の手間はかかりますので。




余談ですが、シートフィードスキャナは本当に便利で重宝しています。
(富士通とキャノンが有名ですね。私はキャノンを使用しています)

やはりフラットベッドタイプのスキャナ(1枚ずつスキャンするタイプ)とは、
使い勝手は大きく違います。

予想以上に役立っているのが、本を作る仕事の中での

  朱入れしたゲラ(原稿)をスキャナでpdf化 → メールで送る

という使い方です。前は郵送していたのですが、これだと現物が手元に
残るのも助かります(以前は念のためにコピーしてから郵送してました)。

ページ数が多いとファイルが重くなるのが難点ですが、それ以外は満足
しています。

今日の記事作成時間は32分でした。
では、また明日!
  

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2009年04月26日     このエントリーをはてなにブックマークこのエントリーを含むはてなブックマーク

メモ術: 仕事の指示や連絡を受けた場合のメモの取り方


こんにちは。水口です。
今日は「メモ」に関する話です。


■ 仕事の内容はどうメモする?

メモに関して、ご質問を頂きました。
どんなご質問かというと・・・、


  仕事の指示や連絡を受けた場合のおすすめのメモの取り方


についての質問です。ただし、「自分のデスク」と「他の場所」にいるときの
2パターンそれぞれにについて、というご質問でしたので、それぞれ考えて
みたいと思います。


ではまず、前提となる「仕事の内容はどうメモするのがベストか?」ということ
について。

たとえば、「○日までに□□の資料を作成する」という仕事があった場合、その
タスクを実行する予定は、私は手帳に書くことをおすすめしています。

ただ、その仕事に関連した注意事項や、こまごまとした情報などもすべて手帳
に書こうとすると大変です。ですから、


  「何」を「いつ」やるかという情報 → 手帳に書く

  その他の仕事の内容や注意点 → メモに書く


という使い分けをするのがおすすめです。


書くタイミングですが、2パターンあります。


  手帳にタスクを書く → そのタスクに関する詳細をメモに書く

  先にメモに詳細を書く  → いつやるかを手帳を書く

  (先に仕事の内容や段取りを考えてから、手帳に書く)


順番はどちらでも構いませんが、後者の場合は手帳に書き忘れないように気を
つける必要があります。たとえば、

  「必要な情報を手帳に書きとめるまでは、そのメモをしまわない」

というルールを決めておくと、書き忘れが起こりにくくなります。


■ 自分のデスクでのメモ

このメモに何を使うかは自由ですし、仕事をする環境や、仕事の内容によって
アレンジして頂くのが良いかと思います。私が前の仕事の時に特に便利だと
感じていたのは、クリップボードに裏紙(ミスコピー紙)をはさんだものでした。

※ クリップボードは「縁あり」がおすすめです
   (ご参考に: それを紹介した古い記事です↓)
   「クリップボーダー」 になろう!


もちろん普通のメモ帳を使っても構わないのですが、仕事の内容を色々書く
には紙は大きい方が便利ですし、その後のことも考えるとA4サイズは便利です。

たとえば、

・ もし、その仕事を誰か他の人に頼む場合は、クリップボードから外した紙を
  そのまま頼む相手に渡しやすい

・ 自分が(後で)使う仕事のメモは、その仕事用のファイル(紙ファイル)に
  そのままはさんでおくと便利。(手帳に書く以外の詳細情報を残します)

こう言うときにA4サイズの紙は便利です。

自分のデスクにいるときに使えるように、クリップボード+裏紙を常備しておく
のは、口頭で受ける仕事がそこそこある場合には、とてもおすすめです。

※ 逆に、メールで受ける仕事ばかりなら、パソコン上でメモしておくのが
   おすすめです。

   この場合のポイントは、メモを1か所に集積するのではなく、各仕事の
   のフォルダにメモを入れることです。(「その仕事をやろうか」というとき
   にメモの存在を思い出せるようにしておく必要があるので)


■ デスク以外でのメモ

デスク以外で仕事の話になることもある場合には、「メモ帳」的なものを持ち
歩くことも必要になってきますが、形にこだわるよりも、とにかく大事なのは
書きとめることです。手元にメモがなければ、書けるものなら何にでも構いま
せん。

私の場合、社内ではデスク以外でもクリップボードはよく持ち歩きましたし、
手帳のメモ用ページを使うこともありました。

メモ用ページを使っていては切りがない場合もあるので、そんな時は、あらか
じめA4の紙などをたたんで持ち歩いたり、大きめのふせんをあらかじめ貼って
おいて、それを使うという方法もあります。

書いたものは、デスクに戻ったときに整理することが大事なので、ポケットに
入れっぱなしになったりしないように、そこだけは注意が必要です。


■ 「メモ」の弊害?とその対処法

マメにメモする習慣は、自分の頭を「覚えておかないといけないこと」から守る
ためにも必要なことであり、ビジネスパーソンにとって大事なことです。

「確実な仕事」をするためにも大事ですし、「覚えておかないといけない」という
わずらわしさから解放されるためにも大事です。


そういう意味で、私はメモするのが当然。と思っていますが、世の中にはメモを
取らない人も案外多いものです。そういう人は「損」をしていると私は思うので
すが・・・。そういう人の中には、困った人もいます。というのは、

自分がメモしたり覚えたりしないで済むように、ところ構わず人に指示をする
上司です。

そもそも、「上司」という立場にある人は、自分の頭の中にある情報は、早く
部下に託してしまいたいと思うものです。それ自体は当然のことですが、なか
には「ところ構わず」という感じで、どこにいても仕事の指示を出しまくる人も
います。

そういう人の下にいると、「今言わなくてもいいじゃない」と、イラッと来てしまう
こともあるかと思います。ただ、そういう上司に腹を立てても、なかなか変わる
ものではありませんし、逆に、マメにメモする習慣がつけば自分自身もそう負担
にはならないものです。あまり気にせず、さらっとメモしておくのがおすすめです。


ただし、「仕事量」については気をつける必要があります。

仕事の指示を受けるのは構いませんが、仕事量を見極めることが重要です。
(時間管理の中の「リソース管理」です)

特に、「次々指示を出す」タイプの上司は、前に出した指示を忘れて、新しい
指示を次々出す人もいます。そして、(自分が忘れた仕事は放っておいて)、
自分が気になる仕事ができていないと不機嫌になるなんてこともあります。

そんな場合は、

  (新しい指示に対して)
  「この仕事を今週中にやるなら、昨日指示頂いた○○の件は、
   今週は無理です。どちらを優先させましょうか?        」


という、優先順位の確認や、仕事の納期交渉をしておくのがおすすめです。
次々指示を出す上司の中には、仕事の優先順位を考えずに指示を出す人も
いますから、こうやって確認しておくのも必要なことです。

これをやらないで、新しい仕事を次々受けていると、自分がパンクしてしまう
ことにもなりかねません。仕事が次々降ってくる環境にいる方は、ぜひ押さえて
おいて頂きたいポイントです。(そのためにも時間管理が必要になります)




今日の記事作成時間は60分でした。

では、また明日!
  
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2009年02月16日     このエントリーをはてなにブックマークこのエントリーを含むはてなブックマーク

「手書き」と仕事の生産性:  どうしても「手書き」が必要になる理由


こんにちは。水口です。

今日は、仕事の速さや仕事の質を格段に高めてくれる(こともある)
「書くこと」に関連した話です。


■ 「手書きが減る」のは当たり前・・・?

こんな記事が↓ありました。

「文字を書く機会減った」49.3% 自分の字に自信がない人は8割強に
(オリコン) - Yahoo!ニュース


『』内は引用です)
 
『 セガは16日(月)、自社サイトで行ったアンケート「文字に関する意識調査」
の結果を発表した。それによると、「以前に比べて文字を書く機会が減った」
と答えている人は全体の49.3%にのぼり、 88.9%の人が「自分の字に自信
がない」と回答。同回答はパソコンやメールなどの普及により、書類や手紙を
手で書く機会が減っていることが原因と思われるが、利便性を追う一方で
“文字を書かない生活”に危機感を覚えている人が多いことが明らかになった』

                             (上記サイトより引用)

とあります。

以前と比べて(手書きの)文字を書く機会が減った、と感じている人は、多い
と思います。上記の数字では約5割ですが、20代以上のすべての世代で、
6割以上が「減った」という回答です。 (10代は物心ついた頃からパソコン
や携帯があった世代なので、減ったとはあまり感じないのでしょう)

確かに、私も以前は「今後は、手書きの文字を書くことは無くなっていくかも」
と思ったこともありました・・・ しかし、現在は「手書き」で書くことはとても
大事なことだと認識しています。



■ 「手書き」しないのは、大きな「損」をしてるかも?

私は個人的に「手書き」で文字やメモを書くことを、とても大事なことだと考えて
いまして、それなしには「仕事が成立しない」といってもいいくらいです。

といっても、「手書きの手紙を書く」ということを言いたいわけではなく・・・、


  「手書き」による思考の整理

  「手書き」による発想の拡大


といったことが、仕事の直接的に役立っていると感じます。


私の場合、ブログや本などの文章を「書く」のはパソコンを使います。手書きでは
どんなにがんばってもパソコン(キーボード)のスピードにはかなわないですし、
一部を消したり足したりする作業もパソコンが便利です。

それでも、アイディア出しの段階や、チェックする作業の段階では、あえて手書き
を多用します。一般的なビジネスパーソンと比べて、1日に書く「手書き文字」の
数は相当多いと思います。

仮に「手書き」を封じたとしたら、私の仕事の生産性は(ある分野では)かなり
下がってしまうと思います。手書きには「パソコンが無くてもできる」という意外に
大きなメリットがあると感じています。


□ 手書きの隠れたメリット その1

なぜ、そんなに「手書き」を使うのかというと・・・、
その理由の1つは、手書きのメモの方が自由だということです。

パソコンでも、「マップ」系のツールなど、かなり自由に使えるものが増えました
(実際、私も使っています)。

確かに・・・、

 「箇条書き」 → ワープロ(テキストファイル)でOK
 「チャート」「フロー」「マップ」的なもの → 「マップ系」のソフトでOK

というところまでは、かなり使いやすい環境を得られるまでになっています。あと
はこの中に、「テーブル(表)」と、「長文のテキスト」を(あまりジャマにならずに)
入れ込めると、私としてはかなり満足です・・・。

しかし、そこまでいったとしても手書きはやめられないかもしれません。レイアウト
やフォントのサイズ変更までを、メニューを操作せずに成し遂げる「手書き」は、
素早く考えをまとめたいときには「最強のツール」のような気もします・・・。


□ 手書きの隠れたメリット その2

手書きを使う理由、使うメリットの2つめは、手書きは「アイディアが途切れない」
という感覚が強いからです。


こういうブログなどの場合(頭の中にある程度の筋道がある場合)は、問題ない
のですが、もっと微妙な「アイディア出し」などの作業でパソコンを使うと、せっかく
思いつきかけた発想が消えてしまうことがあります。

もう少し具体的に言うと、

  2つのアイディアを思いついた時に、その1つを書きとめているうちに、
  もう1つが頭から消えてしまう・・・。

という現象が、パソコンでは起こりやすいということです。


この現象は手書きでも起こりますが、パソコンよりもずっと少ないです。

※ その理由はあまりはっきししないのですが・・、色々試してみたところ、
   パソコンの「漢字変換」の段階で思考が途切れやすいようです。
   一応、念のために言っておきますが・・・、快適に漢字変換できるように
   パソコン環境やタイピング等にはそれなりにこだわっています。
   (余談ですが: IMEはやめて、現在はATOKです)


この点における「手書き」「パソコン」の差は、どちらかというと「微妙」な差です。
(ですから、私もパソコンでアイディア出しすることもあります)

ですが、特に「集中力」や「発想」が必要な状況では、この差が無視出来ないので
手書きを主体に使うというわけです。



□ 手書きの隠れたメリット その3

3つめのメリットは、

  手書きで文字を書くことによって、脳が活性化する

ことです。 ・・・ いや、ちょっと違います。

最近流行り?の「脳を活性化する○○」的なものは、個人的には面白いと思う
のですが、科学的な根拠については怪しいものも多いです。

ですから、「脳を活性化する」という「うたい文句」は、話半分に聞いておくくらい
がちょうど良いと私は考えています。(そもそも、特定の方法で「脳が活性化」し
たとしても、脳は必ずそれに順応してきます。ですから、「活性化」がずっと続く
ことなんて、そもそもあり得ないものです)

誤解してほしくないのですが、脳科学的な研究や、その応用を否定するものでは
ありません。私はむしろそういう話は好きな方です。


その「脳が活性化」はともかくとして(実際そう言っている人もいますが)、経験的
に、手書きで文字を書くことは、「気持ちを落ち着けたり」、「やる気が出ないとき
にやる気を引き出したり」、「起き抜けのあまり働かない頭を活動させたり」 ・・・
等々の効果があると感じています。


  「仕事でうまくいかない時は、とにかく(手書きで)書いてみる」

というのは、経験的にもかなりおすすめの方法です。



この話は、個人的にかなりこだわっている(試行錯誤してきた)領域なので、
ついつい話が長くなりそうですが・・・今日はこのへんで。



今日の記事作成時間は66分でした。
では、また明日!
  
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2008年12月10日     このエントリーをはてなにブックマークこのエントリーを含むはてなブックマーク

メモや図解が仕事に役立つ(仕事力を向上させる)理由


こんにちは。水口です。
昨日紹介したこちらの↓本、

仕事が速くなる プロの整理術仕事が速くなる プロの整理術
著者:吉越 浩一郎
販売元:日経BP出版センター
発売日:2008-11-20
おすすめ度:4.5
クチコミを見る



「整理術」と題されていますが、メモや図、イラストなどを書くことについても
かなりページを使っています。今日はその話です。


■ メモが仕事を効率化する

私は実感として、

  メモや図解を書くことは、仕事を効率化する

と感じています。

そして、上記の本に書かれていることは納得できることが多かったです。
「図解のための図解」ではなく、「仕事のための図解」になっています。


しかし、このメモや図解については、不思議に思うことがあります。

前の会社でもそうでしたが、日常的にメモや図を使っている人は思いのほか
少ないものです。「こんなに役立つのに、なぜ使っている人が少ないのか?」
と不思議に思えます。

この疑問、本書を読んでいて思い当たるところがありました。

『』内は引用です)

『ノートを取ったり、図を描いたりするのは、もともと好きだったわけではないし、
得意だったわけでもありません。

 ペンと紙を持つようになったのは、会社に入ってからです。必死になって
仕事をするようになって、初めてメモ書きをするようになったし、やらなければ
いけないことやフォローすべきことを書いておくようになりました。必要に迫ら
れて、今の方法にたどり着いたのです。』
 (67ページより引用)


ここを読んで、ハッとしました。私も最初から「メモ魔」だったわけではなく、
「必要に迫られて」そうなったからです。特に、仕事が忙しい時期には、メモの
威力はとても大きいものがあります。

しかし、一度それを身につけると、「忙しくない」ときでも、メモを使った方が
仕事はうまく、効率的に進むと感じます。

ですから、「こんなことなら、もっと早く身につけておけば良かった・・・」と、
今にして思うわけです・・・。(時間管理と同じパターンです)

それで、機会があるごとに「メモ」をおすすめしています。


■ メモが役立つ場面

では、どんな場面でメモが効果的なのかというと・・・、
私の経験談としては、大きく分けて3つの場面があると思います。
(これは上記の本の話ではありません)


□ 自分の頭を整理する・考えたことを記録する

私はある時期、「仕事の中断」が多くて悩まされたことがありました。

しっかり考えないといけない仕事があるのに・・・、その途中で電話がかかって
きたり、人が相談にやってきたりと、中断されてばかりの状況です。

こういう中断が入ると、せっかくまとまりそうだった考えが飛んでしまいますから、
時間的な効率もガタ落ちになってしまいます。

この状況を改善するために、メモはとても効果的でした。
このときには、

  考えてからメモする(頭の中にためてから書く)のではなく、
  メモしながら考える(頭の中にためない)

ようにした方が、より効果的です。

こうすると、途中で中断されたとしても、メモを見ればすぐにまた思い出せます
から、時間のロスが減ります(この効果は軽視できないものがあります)。


私の場合、そんなふうに「時間節約」的な観点からメモを使い始めましたが、
やっているうちに、「時間節約」以外の効果もいろいろあることに気づいて
いったという感じです。

今日はあまり詳しい話はできないので・・・簡単に言うと、

  メモしながら考える方が、より「短時間」に「多くのアイディア」を出せ、
  「質の高い」考えがまとまる

と確信しています。


□ その場で「図」で説明するために

2つめの「メモ」が役立つ場面は、図を描いて説明することです。

私の場合は、「図で説明しないと、説明しきれないもの」が仕事の中で多く、
(工場の人と打ち合わせしたり、指示を出したりするためです)
図を使って説明することの効果は分かっているつもりでした。

しかし、クリップボードを持ち歩くようになったことによって、図で説明する
機会が増えると(やはり、手元に書くものがあると違います)、従来は図を
充分に活用できていなかったことに気づきました。

ある程度は職種にもよる違いがあるかもしれませんが、人に説明するとき
には、「書いて(描いて)」説明する効果はあなどれません。これは、

 ・ 図の方が理解しやすい
 (「百聞は一見にしかず」的な効果)

こともありますし、それだけでなく、

 ・ 思い違いを防ぐ

効果も大きいと感じます。口頭で言うだけだと、思い違いが起こってしまう
(しかも、それにお互い気づかない)ケースがありますが、図にするとその
危険性はかなり低くなります。

※ もちろん、人に説明する場合だけでなく、自分自身が考えるために
   図を書くのもおすすめです。


□ 人に仕事を指示するときに

3つめは、2つめと少し似ていますが、「仕事の手順」などを指示するために
使うメモです。

仕事の流れを(フローチャート的に)書きながら説明して、そのメモを相手に
渡せば、仕事の指示はかなり正確にできますし、後から同じ質問をされる
こともなくなります。これはとても効率的です。


「そんなの、指示を受ける側がメモを取るべきじゃないか?」 とお思いの
方もおられると思いますし、それも正しい考え方なのですが・・・、

私の場合、書いて、「自分の頭を整理しつつ」説明していくという感じ
なので、相手がメモを取る取らないに関わらず、自分もメモを書きます。
それならば、そのメモごと渡してしまった方が早いというわけです。※

つまり、

  ・自分の頭を整理しつつ
  ・相手に仕事の手順を
(耳だけでなく、目からも)理解してもらい
  ・それを確実にメモで持ってもらう

という、一石三鳥的な効果があるわけです。※※


※ 教育的な効果を考えた場合は、相手に書いてもらった方が
   いい場合も、もちろんあります。

※※ 人に指示しない場合でも、仕事の手順を書き出すことはとても
    役に立ちますので(一石三鳥ではなくても)、非常におすすめです。


■ メモや図を描いてみては?

上記の本にも、「図やイラストで説明する」ことの効果や例が書かれています。
(私の経験談の「2つめ」に近い話です)

特に部下を持つ方や、他部署や取引先との折衝が多い方、アウトプット力を
上げたい方におすすめです。


さて、こういう話をすると、 「私は図を描くのが苦手だから・・」と思う方も
おられると思うのですが・・・、そもそも、最初から図解が得意な人はほとんど
いませんし、数をこなすことが大事です。あまり苦手意識を持たずに、紙と
ペンを持つ機会を増やしてみてはいかがでしょうか。

というわけで、上記の本からも少し引用しておきます。
『』内は引用です)

『図が下手だとか、汚いということは、気にしなくていいのです。もちろん、
きれいに描けるに越したことはないのですが、きれいじゃなくても、論理が
非常にクリアに表現されていれば、それで十分です。』
 (102ページ)


『図を描くことは、ロジカルに考える訓練になり、仕事に大いに役立ちます。
自分の頭の中が整理され、人とのコミュニケーションが良好になり、相手の
頭の中も整理されるのです。
 図を描くことが習慣になり、どのように描くかを考える癖がつけば、論理
的思考力は確実に高まっていくと思います。』
 (104ページ)



今日の記事作成時間は70分でした。

では、また明日!
  
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2008年06月24日     このエントリーをはてなにブックマークこのエントリーを含むはてなブックマーク

「メモ」を保存するための分類法


こんにちは。水口です。
今日は、先週行ったセミナーに関連して「メモ」の話です。


■ セミナーでのご質問

というのは、実は先週行ったセミナーで頂いたご質問が
もとになっています。

先週のセミナーでは「メモの使い方」も紹介したのですが、
それに関連して、こんなご質問を頂きました。

  メモがいろいろ分散してしまうので、
  うまく一元化する方法がないか?

という意味のご質問です。
(同じ意味のご質問をお二人の方から頂きました)

というわけで、今日は「メモの整理」についての話です


■ メモが分散してしまう・・・

「メモがあちこちに分散してしまう」というのは私も以前よく
感じていたことですが、最近はだいぶよくなってきました。

その最大のポイントは・・・

  切り離せる(分離できる)メモを使うこと

です。

※ これとは真逆のアプローチとして、メモはすべて1冊のノートに
   集約するというやり方もありますが、私は過去に実行してみて
   あまりうまくいかなかったので(理由は後述)、上記の方法に
   しています。

さて、

  切り離せる(分離できる)メモを使うこと

の真意です。これは、書いたものは切り離す(クリップボードの場合は
分離する)ということです。
書いたものはバラして、白紙のメモは元の場所に残し、書いたメモを
一ヶ所に集約させるわけです。

私の場合、移動中などは「ロディア」という切り離しできるメモ帳を、
デスク周りや家のなか(ベッドの横)などには、クリップボードを
置いています。

(↓ロディアの紹介記事)
メモにこだわる (その2)
(↓クリップボードの紹介記事)
「クリップボーダー」 になろう!

あと、風呂場ではこれです。
お風呂で書ける!濡れても平気な耐水メモ帳

いずれも「分離できる」のが特徴です。
(耐水メモ帳はリングノートタイプなので、ビリビリっと切り離します)
こうすることで、切り離したものを一ヶ所にもってくることができます。


■ メモの整理

それらのメモはとりあえず全部見直します。
そのうえで捨てるものと保存するものに分けます。

「保存する」といっても、すべてをひとまとめにしてしまうと、
後でかえって探しにくくなりますので、保存先は分けます。

※ 私の場合、「保存したメモを見直してアイディアを探す」ことは
   あまりありません。「こんなメモ書いたよな・・・」と思い出して
   参照したくなったときだけ探すという感じです。

保存先の分け方は・・・

・粗くカテゴリ分けして保存するもの

 (これはすべて「紙copi」に)

・各プロジェクトごとのフォルダ

 (これは紙のメモとパソコンの両方があります)

としています。この2つは扱いが違います。

「粗くカテゴリ分けした」メモは、「念のため保存」に近い位置づけです。
短期的には使うことが少ないですが、長期的に見れば重要になるかも
しれないメモです。

「各プロジェクトごとのフォルダ」に入れるメモは、そのプロジェクトに
ついて作業するときには「必ず目に入るようにしておきたい」という
位置づけです。

(「ノート1冊」がうまくいかなかった理由は、主にこの後者への保存が
 しにくいためでした。転記するのも手間ですし・・・)


この方法で、割とうまく整理できています。

※ ちなみに、「各プロジェクトごと」のフォルダの多くは、依頼元がある
   具体的な仕事が多いです。ただ、なかには依頼元のない(自分の
   ための・将来のアウトプットのための)プロジェクトもあります。


■ 紙のメモの保存法

上記の

・粗くカテゴリ分けして保存するもの
・各プロジェクトごとのフォルダ


のうち、私はいまのところ、前者はパソコン内のみに保管しています。
ですから、必要なものは紙を見てパソコンに打ち込んでいます。
(このメモを紙のまま保管すると、かさばるし探しにくいからです。)

そして、この打ち込む作業を簡略化できないか・・・? というのが、
以前から課題になっています。

最近紹介した「MVPen」を購入したのも、「パソコンに保管できる」
ことを狙ってですが、使うのはなかなか難しいです。
(セミナーのときにもご参加者の方に書いてもらったりしましたが、
 普通に書くとうまく読み取れない場合もありましたね・・・)


そこで、「その代わりにならないか?」と狙っているのが、
スキャナです。最近、これを購入しました。

amazon
キヤノン imageFORMULA DR-2510C 2455B001

F社のものと迷ったのですが、重送防止機能が付いているのが決め手で
こちらを選びました。

上記の写真をクリックすると、amazonでのレビューを見ることができます。
レビューでは評価が分かれていますが、私の使用感は良好です。
(F社製品とは比較していませんが)

紙を重ねて入れれば、順にスキャンしてくれるのでとても便利。なぜ今まで
こういう(オートフィーダー式の)スキャナを入手しなかったのか・・・と思う
くらいです。


ただ、それと「メモ」の保存に向いているかどうかとは、別の話です。

私のメモは(汚いので)、OCR(文字の読み取り・テキスト化)はできません
ので、保存しても検索はできません。結局、「やっぱり打ち込んだほうが
いい」ということになるかもしれないのですが・・・まずは使ってみます。

(少なくとも、プロジェクトごとの打ち合わせメモなどを保管するためには
 とても便利だと感じています)



話を戻しまして・・・ 私の場合、

  「各プロジェクト」に関連したメモは、必ずそのプロジェクトごとに分ける

ということを徹底するクセがついたのは、前職(エンジニア)のときでした。
(そうしないと、収拾がつかなくなってしまうからです。)

ちなみに、A4のリングファイルなどに綴じなければいけない場合は、
小さなメモはコピーしてA4にしたり、A4の裏紙に貼ったりしてでも
ファイルしていました。


また、「粗くカテゴリ分け」は、ブログや本などの「アウトプット」のために
特に向いているように感じます。

必ずしもこの両方を持たなければいけないというわけではありませんが、
少なくとも、前者(各プロジェクトごとに分けるもの)は、確実に分ける
クセをつけた方がいいとは思います。



今日の記事作成時間は58分でした。
では、また明日!

  
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Posted by 水口和彦 at 22:02Comments(0)TrackBack(0)

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