2009年06月21日     このエントリーをはてなにブックマークこのエントリーを含むはてなブックマーク

もし、自分の仕事、あるいはその産業自体が無くなってしまうとしたら?


こんにちは。水口です。
今日の話は、

  「もし、自分の仕事、その産業自体が無くなってしまったら?」

という、ちょっと恐い話です。


■ 次世代の自動車は?

現在、ハイブリッド車(インサイト・プリウス)がとても人気です。

しかし、長期的な展望に立てば、ハイブリッド車はあくまでも「つなぎ」の
技術だと以前から言われています。で、本命は何かというと・・・、

数年前は「本命は燃料自動車だ」と言わんばかりの勢いで報道されること
が多かったのですが・・・、ちょっと流れが変わってきました。現在はむしろ
「電気自動車」の方に注目が集まりつつある感じです。


なぜそうなるか・・・というと、水素の生産や輸送、充填といった環境が整う
目途がなかなか立たないところに原因があるわけですが・・・、特に水素を
どう生産するかが問題です。

たとえば、化学の実験のように水を電気分解すれば水素は得られます。
しかし、それなら電気を直接使った方が良いですよね。

ですから、よほど大きな技術的変化がない限り、燃料電池車よりも電気
自動車の方が普及する・・・と(あくまで個人的に)予想しています。

もしそうなって、バッテリーの技術進歩や低コスト化が進むと、ますます電気
自動車のメリットが大きくなってくるわけで、もしかしたら、「燃料電池車」と
いうものが消え去ってしまう可能性もあるかもしれません。

――――――――――――――――――――――――――――――
※ ちなみに「燃料電池車」は、「水素から電気を作る」という部分以外は
   電気自動車と同じです。バッテリーの代わりに、水素に充電している
   ようなものです(水素を電気分解で製造するのなら)。

   つまり、現在はコスト的な面で、「水素」派と「バッテリー」派の技術競争
   が繰り広げられているとも言えます。今後、どちらかが突出したメリットを
   引き出せた場合、負けた方は本当に消えて無くなる可能性もありますし、
   現在のLPG車のように、業務用だけで使われるかもしれません。
――――――――――――――――――――――――――――――


■ 「仕事が無くなる?」という可能性

電気自動車と燃料電池車、どちらが主流になるにしても、将来起こる流れと
して予想されるのが・・・自動車の構造が大きく変わることです。

内燃機関(エンジン)を使った自動車に比べ、電気自動車では部品の数が
とても少なくなります。エンジンはもちろんですが、トランスミッション(変速機)
も不要になります。

さらに、「インホイールモーター」という技術が一般化すれば、ドライブシャフトや
デファレンシャルギアすら不要になります。これはかなり大きな変化です。


自動車に詳しくない方には分かりにくくてすみませんが・・・、これらの部品の
中には技術的に難しいものがあり、それぞれ専門的なメーカーが生産を担当
しているものが多いです。

※ 新潟県中越沖地震の際に、カムシャフト(エンジン内の部品)を製造して
   いるメーカーが被災し、多くの自動車メーカーが生産をストップせざるを
   得なくなったというニュースがありました。それと同じように、専業に近い
   メーカーが生産する特殊な部品も多いのです。

そういった、専門性や技術を売りにしていたメーカーは、今後(徐々にですが)
仕事を減らしていくことになる・・・そんな可能性があるわけです。
(もちろん、電気自動車用の部品に参入するケースもあるでしょうけど)




これは、(自分たちから見れば)外的な要因で、自分たちの仕事が無くなって
しまうという状況です。傍から見れば、気の毒とも思えますが・・・、

でも、本当はどんな業界でも多かれ少なかれ、そういう変化はあります。誰で
も自分の業界は大丈夫だと思いがち(思いたがる)ものですが、そうでもない
のかもしれません・・・。(だから「会社の寿命は30年」とも言われるわけです)


その分かりやすい例かもしれない・・・と思って、この話を紹介しました。

では、そんな状況を乗り越えるためには・・・? という話は、また明日にでも。



今日の記事作成時間は56分でした。
では、また明日!
  

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2009年04月10日     このエントリーをはてなにブックマークこのエントリーを含むはてなブックマーク

「35歳ターニングポイント説」


こんにちは。水口です。

今日は「時間」とはあまり関係ないのですが、「働くこと」とは関係がある
「給与」の話と、もうひとつ「ターニングポイント」の話です。


■ 「25・30・35歳賃金」という見方

こんな記事がありました。

初任給よりも大切な25・30・35歳賃金――賃金格差をランキング
(東洋経済オンライン) - Yahoo!ニュース


 (『』内は引用です)
 
『 就活生なら、志望企業の初任給については必ずチェックすると思います。
ほとんどの会社のHPに載っていますね。「初任給の高い会社に行きたいなぁ
……」と考える就活生も多いことでしょう。

 実は、私たちは初任給についてはあまり重視していません。入社してから
の給与の上がり方、すなわち賃金カーブが読める「25・30・35歳賃金」を
チェックするほうがはるかに重要です。この「25・30・35歳賃金」は『就職四
季報』のオリジナルデータです。』
    (上記サイトより引用)

とあります。

むむ・・・そういえば、私もその昔、就職活動の時には初任給しか確認して
いなかったですね。まあ、初任給も「普通ならいいや」という感じで、そんな
に重視していたわけではありませんが・・・。

さて、上記の記事は『就職四季報』の宣伝でもあるわけですが、それはそれと
して、なかなか興味深いものがあります。


こちらに詳しいデータがあります↓
http://www.toyokeizai.net/public/image/2009040600164125-2.gif
↑画像ファイルなので、縮小表示されてしまう場合は等倍表示で見てください。


上記の記事に戻ると・・・
 
『 各社の初任給と25・30・35歳平均賃金をつぶさに見ると、賃金カーブは
いくつかのパターンに分けられることがわかります。

1.スタートダッシュ型
(入社直後は急激に賃金が上昇するが、一定の年齢を過ぎると鈍化)

2.一定ピッチ型
(どの年代でもほぼ同じペースで賃金が上昇していく)

3.ラストスパート型
(入社直後はあまり賃金が上がらないが、一定の年齢を過ぎると急激に上昇する)』


だそうです。データを見ると、確かにかなり差があります。

就職活動中の方に教えてあげるといいかもしれません。まあ、個人的には給与
ばかり気にするのもどうかなあ・・・という気もするのですが。

私の場合、35歳時点はまだ前の会社にいました。この表を見る限り、給与は
比較的良い方だったと思います。今さらながらに前の会社に感謝です。


■ 35歳ターニングポイント説

また、こんな記述もありました↓
 
『  ちなみに、35歳以上はどうなるのかという疑問にお答えすると、日本の
多くの会社では残念ながら、40歳を過ぎると固定給部分が上がることは
あまりありません。』


会社にもよりますが、この頃に「組合員→非組合員」への切り替わり(係長
→課長への切り替わり)があり、残業手当が無くなる分、給与がいったん
下がってしまうという逆転現象が起こる場合があります。その後もそれほど
上がらない人が大半・・・というわけで、なかなか厳しいですね。
(もちろん、際限なく上がっていくのもどうかと思いますが)

そういう意味では、「独立しよう」といった気概のある方は、35歳当たりに
行動を起こすのがおすすめなのかもしれません。


そういえば、最近こういう記述を見かけました。↓
 
『わたしの周りには優秀な30代後半〜40代前半の人がたくさんいます。

そういう人間の話をいろいろ聞くと、やはり、この書籍のタイトルではない
ですが、「出てくる人」は35歳までに、何らかの形で「大きなステップ板」を
踏んでいる人が多いのではないかと感じます。』


ちなみに、こちらのブログ↓からの引用です。
企画書は早朝書こう日記
(上記の「この書籍」というのは、こちら↑をご参照ください)


給与とは別の話としても、「35歳がターニングポイント説」というのはある
のかもしれません。

もちろん、35歳を過ぎてたらダメというわけではないと思います。私も
独立時点では35歳を過ぎていましたし、40歳を過ぎてからでも、仕事
内容によっては50歳を過ぎてからでもいいのではないでしょうか。
(一般的にその年齢で新しい道に踏み出す人は少ないですが・・・)


ただ、1つの目安として「35歳ターニングポイント説」というのは、何となく
納得がいくような気がします。

逆に言えば、先の給与体系は、会社を辞めにくくなる頃に給与の伸びが
鈍化しているわけで、上手いことできているわけです。

というわけで、「給与が伸びているから」と安心するのではなく、35歳まで
の間に、その後のことも考えておくべきなのかもしれませんね。
(「もっとやりたい仕事」をするという意味でも)



ちなみに、上記ブログの著者の藤木さんは、実は、私が一番最初に仕事の
ご依頼を頂いた方です(当時私は38歳手前でした)。

余談ですが、昨年出た藤木さんのこの本↓では、私も少しお手伝いさせて
頂いてます(恩返し?)。奥付に私の名前もクレジットされております。
―――――――――――――――――――――――――――――――
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今日の記事作成時間は48分でした。

では、また明日!
  
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2009年04月01日     このエントリーをはてなにブックマークこのエントリーを含むはてなブックマーク

「特殊スペシャリスト」と「汎用スペシャリスト」 どちらの仕事を選ぶべき?


こんにちは。水口です。
今日は「キャリアプラン」に関連した話です。


■ 労働力の3つの分類

終身雇用制が崩壊しつつあり、派遣労働などの不安定な仕事に就く人も
多い(しかも、その不安定さが現在はとても不利なものになっている)中で、
自分の「仕事の選択」について考えることは重要になっているわけですが・・・、


この記事↓に、仕事を3つの分類に分けるという考え方があります。

雇用危機・サバイバル術/堀 紘一(ドリームインキュベ−タ会長)
(Voice) - Yahoo!ニュース


この記事の前半には、こうあります。
 (『』内は引用です)
 
『 ここで「労働力」とは何か、を根源的に考えたい。労働力とは基本的に
3つに大別される。1つ目は単純労働で、いわば機械や馬の代わりである。
右の物を左に動かしたり、何かに穴を開けたり埋めたりする。誰かがやらね
ばならないことは確かだが、ある意味、誰にでもできる仕事だ。こうした労
働力の多くをいま、日本は中国やベトナムに発注している。』


こうした単純労働以外に、「スペシャリスト」的な仕事↓があります。

 
『 2つ目は、業界知識を必要とする仕事である。ホワイトカラーの仕事の
たいていは、これに該当するだろう。たとえばテレビ局であれば「カンパケ
(完全パッケージ、そのまま放送に出せるもの)」、出版界なら「著者責了
(著者の校正がすべて終わった状態の原稿)」といったような、他の業界
では絶対に使われない用語を覚え、そして業界常識をマスターして仕事に
従事する。しかしその知識は終身雇用制の下、同じ会社でずっと働くには
役に立つが、他の産業に移ればまったく通用しなくなってしまう。』


 
『 そして3つ目が、機能的な仕事である。「人事評価に詳しい」「マーケティ
ングが得意」といった類で、これは他産業においても広範囲に役立つ知識
であり、技能だ。たとえば人事のオーソリティになれば、業種を超えた横移動
が簡単にできる。マーケティングもしかり。開発力を必要とする企業なら、どの
産業でもマーケティングのプロが必要だ。あるいは銀行員でもお客さま係を
やっているような人間には専門性は根付かないが、たとえば融資を専門に
やってきた人なら、その銀行がダメになってもリース会社などに転職できる。』

                               (上記サイトより引用)

ここで「2つ目」とされているのが、特定の業界や業種の中でのスペシャリスト
的な仕事です。

  私が以前行っていた、「自動車用ブレーキパッド材料の開発」という
  仕事は、まさにこのタイプのスペシャリスト業務です。

  特に、「ブレーキパッド」の材料は、(特殊な)樹脂を使って成形するもの
  の、一般的な樹脂成型品とは、組成も製法もまるで異なっていて、かなり
  特殊な分野です。

  どのくらい特殊かというと・・・、この分野の中で、実際に材料の配合設計
  ができる人は、現役でおそらく日本に100人いるかいないかというレベル
  です。

こういうタイプのスペシャリスト業務は、会社にとってみれは貴重な存在でも
ありますが、働く人個人としては「つぶしがきかない」というデメリットも
あります。

「つぶしがきかない」というのは、その会社以外で、その能力を活かすの
がなかなか難しいということです。特殊な仕事であればあるほど、その能力を
活かして働ける場は限られています。


上記の「3つ目」は、同じく「スペシャリスト」的な仕事ですが、こちらはもっと
汎用性の高い仕事。「つぶしがきく」仕事です。

たとえば、経理や人事などはどの会社にもありますし、業界が違ったからと
いって、必要知識がまるっきり異なるというわけでもありません。そういう意味
で、培った能力を活かす場を探しやすい仕事です。

「手に職を持つ」というのも、このタイプに近いですね。


この3分類を、別の言い方をするとすれば、1つ目の単純労働は、最近時々
言われるように「コモディティ(日用品)」的な存在と言えます。

2つ目は特殊な分野でのスペシャリスト、3つ目はもっと一般的な業務の中
でのスペシャリストと言えます。勝手に命名すると、前者は「特殊スペシャリスト」、
後者は「汎用スペシャリスト」と言ってもいいでしょう。

※ 「スペシャリスト」というのは、そもそも特別な仕事ができる人を指すわけ
   ですが、単に「スペシャリスト」とひとくくりにするよりも、こう分けた方が
   分かりやすくなる事象が多いと思います。


■ 「特殊スペシャリスト」と「汎用スペシャリスト」のどちらを選ぶ?

同じ「スペシャリスト」でも、時代の流れによって注目され方は違ってきます。


従来は、終身雇用が前提だったことや、いろいろな産業が右肩上がりに成長
してきた時期のなごりなどで、「特殊スペシャリスト」に注目が集まることが
多かったわけです。たとえば、「プロジェクトX」的なものもそうです。


一方、現在、ビジネスパーソンの注目は、かなり「汎用スペシャリスト」の方に
向いています。「資格」を取得しようというのもそうですし、「コンサルタント」的
な仕事に注目が集まるのもそうです。


こういう変化が起こるのは、理由ははっきりしていて・・・、

雇用が不安定になればなるほど、「特殊スペシャリスト」は安泰ではなくなって
くるのが、その大きな理由です。

たとえば、特定の業界では、極めて高い能力を発揮した人であっても、その会
社がその事業から撤退したら・・・その仕事はできなくなります。最悪のケース
では、その業界そのものが無くなることもあります。

将来に不安を感じるほど、「汎用スペシャリスト」の方が魅力的に見えますし、
そちらに人が流れていくのは、当然のことだと言えます。


ただ・・・、

私はここに少し割り切れないものを感じています。

将来の安定や、仕事の幅を広げるために「汎用スペシャリスト」としての
キャリアを築くことは、1つの方向として賢いやり方だと思います。

しかし、そうはいっても、世の中は「汎用スペシャリスト」だけで動いている
わけではないわけです・・・。

特に、付加価値の高い製品やサービスを作り出すには「特殊スペシャリスト」
の力が必要です。世の中の「汎用スペシャリスト」志向の人が増えると共に、
会社として(大きく言うと国として)弱体化していくという面もあるのでは
ないかと思っています。

また、 「特殊」な道には、その道ならではのやりがいや充実感もありますし、
それだけ大きな仕事に関われることもあります。



今は、「特殊」はダメで、「汎用」を目指すのが正しいように言う人も多い
のですが、本当にそれでいいのか? と私は思ってしまいます。

勉強熱心なビジネスパーソンは、みんな「汎用スペシャリスト」を目指す。
なんて状況がきたら、まずいと思うんですけどね・・・。
(今は、実際にそういう流れがおきつつあると思います)

今は「汎用」を目指すのが「賢いやり方」なのは確かにそうで、それは
「特殊スペシャリスト」がなかなか評価されないという会社の制度上の
問題もあると思います。これは長い目で見て、考えるべき問題がある
ような気がします・・・。


とにかく一つ言っておきたいのは、

特殊な「つぶしがきかない」業界で、がんばっている人も立派ですし、
社会にとって必要な存在です。

ということです。そこが、今軽視されているような気がして・・・。



今日の記事作成時間は60分でした。

では、また明日!
  
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2009年03月17日     このエントリーをはてなにブックマークこのエントリーを含むはてなブックマーク

新人さんや学生さんに身につけてほしい 「もうひとつの時間意識」


こんにちは。水口です。
今日は新社会人になる方や学生の方に特に伝えたい話です。


■ 「腕時計を贈ること」を見直してみてもいいのでは?

と言いながら、まずは、もう少し年齢層が上の方向けの話から・・・。


昨日、「asahi.com」というサイトで連載しているコラムの
新しい記事がアップされました ↓

asahi.com(朝日新聞社):世界一正確な時計を腕に? 身近になった電波腕時計
- ショッピングコラム「となりのビジネス達人」

 
『 もうすぐ入学式、入社式のシーズンですね。もう20年以上前の話になって
しまいますが、私が学生の頃は入学祝や就職祝に腕時計を贈る人が多かった
ものです。最近は「お祝いに腕時計」というのはあまり聞かなくなったように思い
ますが、この習慣はもう一度見直されてもいいのかもしれません。 』


と書いたりしております。(自分の記事を引用するのは変な感じですが (笑) )


そんなことを書いた理由の1つは、最近は待ち合わせ等の時間を気にしない人
が増えたような気がするから・・・。

携帯電話があれば、時間にルーズでも何とかなることが多く、待ち合わせなど
の時間にルーズになってしまいがちな面は、誰にでも少しはあると思います。
しかし、ビジネスの場でいつもそんな調子では、不都合も出てきます。

特に社会人になる段階では、「時間」に対して少し意識を変えた方がいいの
ではないでしょうか・・・? と感じることがあります。実際、新入社員の方の
時間感覚がルーズで困るといった話を耳にすることもありますし。

※ もちろん、それは一部の例かもしれませんが。
   (社会人の方達は、実感としてどう思われますか?)


そんなわけで、「時間を守れる人になって」というメッセージも兼ねて、
「腕時計を贈る」という行為を見直してみてもいいんじゃないかと思います。

腕時計は「センス」や「趣味」も関わってきますから、難しいとも思いますが、
ビジネス向きに使える(やや無難な)時計を持っていない学生さんも多い
でしょうし、案外、「ちょうど良かった」と喜ばれるかもしれません。


■ もうちょっと評価されてほしい?「電波ウォッチ」

上記の記事を書いたもう1つの理由が、「電波時計」は便利なものですから、
一般的に、もう少し評価されてもいいと感じていることです。

この数年、「腕時計」というと機械式(の高級なもの)が話題になることが
多く、クォーツ式はやや肩身が狭い感があります。

電波時計は技術的にはなかなか高度なものなのですが、今は「技術」よりも
「趣味性」や「ステータス」が重視されているということでしょうか・・・。
私は元が技術屋ですから、そんな状況は少し寂しく感じるわけです。

私は「時刻合わせ」の手間を省きたいという理由で、電波時計を使ってます
が、そういう「技術志向」的なところも使う理由の1つかもしれません。



■ 新社会人に身につけてほしい 「もうひとつの時間意識」


ここからが、新社会人や学生の方に考えてみて頂きたい話です。

上記の記事ではスペースの関係もあり、「時間を守る」という意味での時間
意識の話を中心にしていますが、新社会人になる人にはもうひとつ身につけて
ほしい「時間意識」があります。

時計の話題から離れますが、その「もうひとつの時間意識」というのは、


  人の時間を尊重すること

  (人の時間をムダにしないこと)

です。

1つ例をあげると・・・、

  先輩や上司に質問するときには、聞いたことをメモする


というのがそれです。

相手に同じことを2回説明させてしまうのは、ある意味では、「相手の時間を
奪っている」のと同じです。実際、忙しいときに同じことを何度も聞かれると、
優しい上司や先輩でも、ちょっとは「イラッと」することもあります。

逆に、全く同じことを二度聞かないですむようにすると、「こいつやるな」と
思ってもらえるかもしれません。

先輩や上司でも「自分の時間をムダにしないでよ」とは、ちょっと言いづらい
ものです。そこに配慮していることが分かる新人は、当然評価も高くなります。


仕事のやり方として、当たり前と言えば当たり前のことなんですが、新人に
限らず、「必ずメモする」を実行していない人は案外多いです。

小さなことですが、私は大事なことだと思います。
ここでちょっと差をつけてみてはいかがですか?


他にも「人の時間を尊重する」ために、やった方がいいことは
ありますが・・・その話はまた別の機会に。



今日の記事作成時間は50分でした。
では、また明日!
  
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2009年01月12日     このエントリーをはてなにブックマークこのエントリーを含むはてなブックマーク

「自分にできる仕事」は、自分で思っている以上に広いもの。


こんにちは。水口です。

今週は時間管理のご質問関連で、書こうと思っていたことがあるのですが・・・
その前に、気になる記事が1つあったので、今日はその話です。

昨年末に、こんなことを書きました。

「環境が人を作る」「人が環境を作る」
: 2009年に向けて考えてみてほしいこと


これに関連した話です。


■ 「仕事を選びすぎ」に見えるのは、気のせい?

こんな記事がありました。

元派遣、再就職に“心の壁”…「接客苦手」職種にこだわりも
: 社会 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)


『』内は引用です)
 
『 「派遣切り」や「雇い止め」に遭った人たちの再就職先が、なかなか決まらない。

 年齢や資格が壁となっているだけでなく、慣れ親しんだ職種への「こだわり」や、
新しい職種への「とまどい」もあるようだ。3月までに職を失うと見込まれる派遣
社員や期間従業員らは約8万5000人。求職と求人のミスマッチ克服が課題と
なっている。』


とあります。その事例として、
 
『 「募集中の仕事はいっぱいあるんですが、今までやったことのない業種
ばかりで……」。昨年11月末、滋賀県の自動車工場の派遣契約を打ち
切られ、東京・日比谷の「年越し派遣村」から都内の施設に移った男性は、
仕事が決まらずにいる理由をそう語る。』


 
『 昨年8月末に大手自動車工場で「派遣切り」に遭い、派遣村で過ごして
きた男性(30)も、新たな仕事が見つかっていない。
 9年間、愛知県や静岡県の自動車工場で働いてきたから、自動車関連の
仕事ばかり約30社に応募してきたが、雇ってくれるところはなかった。昨年
末、ホテルの住み込み清掃員に採用が決まりかけたが、「給料が安く、将来
につながらない」と断った。「自分は人見知り。営業や居酒屋の店員などは
難しい」と今も自動車関連の仕事を探し続けている。』



うーん・・・。どうなんでしょう。これは・・・
 
  「今までやったことのない業種」には就職できない。

  「人見知り」だから、営業や飲食業はできない。

こう言っていられるというのは、ある意味まだ余裕があるのでは? と
思ってしまいます。

もちろん、「自分が就きたい就職先を選びたい」という気持ちは誰にでもあり
ますし、分かります。しかし、厳しいことを言うようですが、「自動車関連にいた
から、自動車関係の仕事しかできない」ということはないはずです。

「人見知りだから・・」というのもどうなんでしょう。それを言い出せば、私だって
人見知りですし(←本当です)、昔は人前で講演することなんて、想像すらでき
ませんでした。それでも、現在は講演の仕事もちゃんとやりますし、受講して
頂いた人や会社からは、好評を頂いています。
(もっとうまくなりたいとは思いますが)


ちょっと、熱くなってしまいましたが・・・(汗)
何を言いたいかというと、


  「自分にできる仕事」をあまり狭く考えない方がいい


ということが言いたいわけです。

生活が窮乏しそうなときはもちろんですが、そうでなくても、「これやってみたい」
とか「誰かがこれをやらなきゃいけない」と思うことがあれば、未経験のことにも
挑戦すればいいんじゃないでしょうか。

「でも年齢が・・・」と言う人もいるかもしれませんが、私は年齢は関係ないと思い
ます。私自身、30代後半に会社を辞めて、まったく未経験の業界・職業に飛び
込んだわけですが、熱意を持って取り組めば何とかなるものです。

※ 私のように独立するのはリスクもありますから、誰にでも勧められるわけ
   ではありません。でも、会社に就職するのならリスクは小さいです。あまり
   狭く考えずにやってみたらいいじゃないか、と思うのですが・・・。


■ 「副業」で自分の幅を広げる?

とはいえ、20代の頃の私に聞いたとしたら、やはり「未経験の仕事は嫌だ」と
言っていたかもしれません。やはり、慣れた仕事、得意な仕事の方がいいと思う
のは、自然なことではあります。

私の場合、そういう「変なこだわり」的なものが無くなったのは、会社勤めをしな
がら、ダイビングのインストラクターをやっていた経験が影響していると思います。


「人見知りする」人間がインストラクターを目指すというのは、我ながら変だと
思いますが、仕事としてやるからには責任感は感じますし、必死になってやる
わけです。

そうやっていると、最初は「できない」と思っていたことが、できるようになって
きたりするものです。(ちなみに30手前〜30代前半の時期の話です)
(すでにそういう経験をされている方には「釈迦に説法」ですが・・・。すみません)


さて、年末にこのブログで、「環境が人を作る」「人が環境を作る」 という話をしまし
たが、これも「環境が人を作る」例かもしれません。本業以外の活動の中で、
自分の可能性を探ったり、「できない」と思っていたことができるようになったり
するわけです。

そういう「環境を変える」という意味で、「サラリーマンの副業」には「お金を稼ぐ」
以外に、とても役に立つ面があると思います。そこで学ぶものが必ずありますし、
自分の仕事の幅が広がったり、新しいことに挑戦することに対する恐怖心が
少なくなったりします。

※ そもそも、私の場合、ダイビングインストラクターとして稼いでいた額は
   大したものではありませんでした。海にはよく行きましたが、報酬は
   (聞いたら多分びっくりするくらい)安かったからです。
   でも、いま思えば、経験や人間関係の面で得るものが数多くありました。


■ 「本業と真逆の経験」で自分を鍛える・育てる

サラリーマンの「副業」というと、「アフィリエイト収入」や(←最近聞かないか?)、
「FXで云々」という話が多いような気がしますが、私のおすすめは、

  本業とはまったく関係の無い仕事をやってみる

あるいは、

  本業とは「真逆」の仕事をやってみる

  (例) 本業で人とあまり接しない人は、人と接する副業を。(その逆もあり)
  (例) 本業で頭を使う人は、体を使う副業を。(その逆もあり)

というものです。もちろん、その分野ではゼロからのスタートになることもあります
から、「効率よく稼ぐ」ために適しているとは言い難いです。しかし、他のことでは
得難い「経験」ができると思います。

同様に、会社の中でもチャンスがあれば、毛嫌いせずに未経験のことに挑戦して
みるのもいいと思います。

そういった経験が、後に自分を救ってくれることになる・・・かもしれませんよ。



今日の記事作成時間は60分でした。

では、また明日!
  
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Posted by 水口和彦 at 23:55Comments(2)TrackBack(0)

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