2010年12月22日     このエントリーをはてなにブックマークこのエントリーを含むはてなブックマーク

「資格取得」や「勉強」は、一種の「作り出す仕事」


こんにちは。水口です。

前の記事↓で「資格取得」についての話を書きましたが、
それに関連した話です。
「資格取得」を目指す前に、考えておきたいこと



■ 僭越ながら・・・拙著の紹介 『仕事に追われない超時間術』

私が2008年に出した本で『仕事に追われない超時間術』という本があるの
ですが、この本は、他の本と少し毛色が違うところがあります。

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仕事に追われない超時間術仕事に追われない超時間術
著者:水口 和彦
中経出版(2008-12-19)
販売元:Amazon.co.jp
クチコミを見る


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というのは、この本では「仕事」をこの3タイプに分類していて、それぞれの
仕事についての考え方(仕事との向き合い方ややる気の出し方)について
触れています。


■ 仕事の3つのタイプ

実は、この本、残念ながらあまり売れていないのですが・・・(汗)
読んだ方から「良かった」「この分類を聞いてスッキリした」とのご感想が
意外に多い本でもあります。そういう意味でも少し変わった本です。


この「仕事を3タイプに分類する」というのは、この3つです。

  「降ってくる仕事」
  「獲りにいく仕事(取りにいく仕事)」
  「作り出す仕事」

これは、仕事が発生し、実行する(あるいは実行しないと判断する)サイクルと、
仕事の種類には密接な関係があるという考えがベースになっています。

これは、立場の違う人が書いた「時間術の本」を比較対照した結果として、
たどり着いた結論でもあり、実際に私自身が実感したことでもあります。


たとえば、おなじ「時間管理(タイムマネジメント)」でも、

  「降ってくる仕事」 → 上からの指示、あるいは顧客からの要望による仕事。
                あるいは、発生した問題への対処など。
                ほぼやらざるを得ない仕事(時には交渉しますが)。

  「獲りにいく仕事」 → こちらから働きかける(取りにいく)仕事。
                営業職(特に新規開拓)やPR活動などが該当する。
                (※営業職には「降ってくる仕事」もありますが)

  「作り出す仕事」 → いわゆる「クリエイティブな仕事」という意味ではなく、
               事業の将来のために先行して今行っておくべき仕事や、
               新しいビジネスそのものを生み出す仕事。

という仕事に対して、アプローチはやや異なってきます。

最終的なタスクやアポイントメントの管理方法は基本的に同じですが、
それに至る目標や計画の立て方の部分が違ってくるという感じです。


「降ってくる仕事」は(考え方としては)割とシンプル。やれること・やれないことの
見極めはある程度必要ですが、全体としては「やること」の方が多いのが普通。
納期も決まっていることが多いので、時に仕事を取捨選択しつつ、タスクの実行
計画を立てます。

「獲りにいく仕事」は、「業績」にだけ注目するのではなく、行動目標を設定して、
それに応じてタスクを組み立てていくことが重要になります(たとえば、「できる」
とされる営業マンなどは、顧客の訪問数や提案数などの目標を設定して、行動
を組み立てている例が多いです)。

「作り出す仕事」は、「あれもこれも」と欲張りすぎて、力が分散してしまったり、
「うまくいかないんじゃないか」と途中で不安になったり、納期がはっきりしない
ので先延ばしにしてしまったり・・・ということが多いです。
(だから優先順位を考えることも必要だし、継続しやすい仕組みを作ること、
 長期的な計画を持つことも重要です)


・・・というのが、上記の本の主旨です。

いま読み返してみると、もっと分かりやすく、事例を増やして書いた方が良かった
のかな・・・という反省はあるものの、テーマとしてはなかなか良いと思っています。

ただ、現状が「降ってくる仕事」をメインにこなしているという人、まずはそこを
何とかしないと・・・という人には、それほどピンとこないのかもしれませんね・・・。
私も、サラリーマン時代の前半から中盤にかけては、このタイプ分けを意識する
ことはあまりありませんでしたし・・・。 ※

逆に、転職などを視野に入れている人や、すでに独立して仕事をしている人から
は、「なるほど!と共感できた」「この分類で考えるとわかりやすい」という声も
あります。

ですから、人によって、立場によって捉え方が違ってくる本なのかもしれません。


※ 実際は研究開発の仕事では「降ってくる仕事」と「作り出す仕事」のバランス
  が重要だったりするのですが、私は(その仕事をしてた当時)、そこにはあまり
  自覚的ではなかったですね・・・もったいない。


で・・・、言いたかったのは、

「資格を取得する」「何かを勉強する」というのは、上記の3タイプでいうと
「作り出す仕事」に該当します。普段の「降ってくる仕事」とは違って、納期も
ない場合もあれば、上司や顧客との約束事もなかったりします。
(会社に公言していれば、あるいは会社のお金で勉強してるなら別ですが)

ですから、そういうことをやろうとしている人には、上記の本は結構役に立つん
じゃないかと思います。

ここまでの話を読んで興味をお持ちの方は一度読んでみてくださると幸いです。
買ってくれとはいいませんが・・・、もちろん買って頂けると私もうれしいです(笑)



今日の記事作成時間は43分でした。
では、また明日!
  

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Posted by 水口和彦 at 23:55Comments(0)TrackBack(0)
2009年06月04日     このエントリーをはてなにブックマークこのエントリーを含むはてなブックマーク

「仕事の3つのタイプ」と『仕事に追われない超時間術』の評価


こんにちは。水口です。
今日は「仕事の3つのタイプ」に関連した話です。


■ 「生産性新聞」で連載しています

現在、「生産性新聞」誌上で、連載記事を執筆しております。

「生産性新聞」とは、日本生産性本部が発行している新聞(月3回発行)です。
お勤めの会社で購読しているところもあると思います。

(日本生産性本部のHPはこちら↓)
財団法人日本生産性本部

(生産性新聞はこちら↓です)
財団法人日本生産性本部 生産性新聞


現在、その紙面上で全6回の連載を執筆させて頂いております。
こんな感じです↓ 
生産性新聞


連載のタイトルは「ビジネスと人生を変える時間術」というものです。
当然、「時間管理」系の話です。


■ 仕事の3つのタイプ

この連載はまだ連載中で、テーマとしては単に「時間管理」というだけでなく、
「仕事のタイプ」の話も入れています(今後その話が出てきます)。

「仕事のタイプ」というのは、『仕事に追われない超時間術』という本
(こちら↓)で紹介した考え方です。
仕事に追われない超時間術


一口に「時間管理」や「時間術」といっても、いろいろあります。

たとえば、経営者の時間術と、実務担当者の時間術には、かなり違いがあり
そうですよね。会社の経営層はやはり会議(アポイントメント)が多くなりますし、
実務担当の人は自分の仕事(タスク)の方が多くなるのが普通です。

また、部署によっても違います。たとえば研究開発職と、営業職では違って
当然です。

ですから、自分と立場の違う人の「時間術」を聞いても、あまりピンとこないこと
もあるわけです。



しかし、「その仕事がどのように発生するか?」という点に注目すると、どんな
仕事も3つの基本タイプ(の組み合わせ)で表すことができます。

それが「仕事の3つのタイプ」と呼んでいるものです。


誰でも、仕事の内容が変わったり、あるいは、同じ部署でも管理職になって
立場が変わったりすると、この仕事のタイプが変わってきます。

この「仕事のタイプ」を意識することは、

 ・ より自分にあった時間術を身につける・構築するのに役立つ
 ・ タイプの違った人の時間術を真似して、失敗しなくて済む
 ・ 職種や立場が変わったときに、考え方を切り替えられる
 ・ スキルアップや独立を目指すときに役立つ

・・・等々、いろいろメリットがあると考えています。


■ 「仕事の3つのタイプ」とは

ちなみに、その「仕事の3つのタイプ」とは、

□ 降ってくる仕事

   放っておいても仕事の方からやってくる
   (例) 上司からの指示や、周りからの頼まれごと、事務処理関係や
       発生したトラブルへの対応など

□ 獲りにいく仕事 (または取りにいく仕事)

   自分から働きかける仕事
   (例) 営業職のように顧客に自ら働きかける仕事
       会社のPRも広い意味でこの仕事になる

□ 作り出す仕事

   新しい仕事を作り出す
   (例) 新製品や新サービス、新事業などを立ち上げる仕事
       そのための準備や情報収集なども含む
       新しい分野で資格取得を目指したりするのもこれ

この3つです。これらは、時間管理や計画の立て方の面で、考え方を少し
変えた方がうまくいきます。

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たとえば、「降ってくる仕事」にはたいてい期限がありますから、「期限までに
やらなければ」というプレッシャーがかかります。プレッシャーは過度になると
良くないですが、適度なプレッシャーならやる気を高めてくれるものです。

そういう仕事に慣れている人が、独立して「作り出す仕事」を始めようとすると、
期限があるわけでなく、誰からもせかされるわけでなく・・・という状況のなか
で、仕事へのやる気があまり出ないことも起こり得ます。
(スキルアップや資格取得も似たところがあります)

※ 「仕事の発生の仕方」が違うことで、その仕事に対するインセンティブ
   (動機)も異なり、それがモチベーションにも影響してきます。
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というわけで、3つのタイプという枠組み(今風に言うと「フレームワーク」)で
考えると、

 ・ より自分にあった時間術を身につける・構築するのに役立つ
 ・ 職種や立場が変わったときに、考え方を切り替えられる

等々、いろいろメリットがあるのです。


でも、こういうことを書いた時間本はまだ無い。だから書いておこう・・
というのが、執筆の動機だったりします。

本の中には「ノウハウ」「テクニック」的なものも書いていますが、どちらかと
いえば「この本の考え方をベースに、自分の仕事に当てはめてみてください」
というつもりで書きました(時間系の本としては異色だと思います)。


さて、この本が出てから半年ほど過ぎましたが・・・
この本は評価が分かれるようですね。

「3つのタイプという考え方は役立ちそうだ」「この考え方がはまった!」という
好意的な意見もあれば、「あまり役立ちそうにない」という意見も見られます。

まあ・・・、『私はこのやり方で成功しました。だから私についてきなさい!』と
いう雰囲気の本を求めている方には、受け入れられないのかもしれませんね。
(と今頃になって気づいたわけです・・・(汗) )

どちらかというと、「本の知識や枠組みをベースに、自分の頭で考える」こと
が好きな人に好評な気がします。
(そういう方はぜひお読みください。私の他書を含め、他の本とは違います)


こういう本もあっていいと思うんですけどね・・・。
いろいろな意味で今後の参考にしたいと思います。



今日の記事作成時間は48分でした。
では、また明日!
  
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Posted by 水口和彦 at 23:55Comments(0)TrackBack(0)

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