時間管理術の7つの嘘 その7 : デキるビジネスマンは、時間管理がうまいのか?(4)
前回に続いて「タイプA」の話です。
「タイプA」の落とし穴とは・・・?
タイプAは、長時間労働で仕事をバリバリやるタイプの人です。
前回紹介した、M・フリードマン、R・H・ローゼンマンの両氏は、
このタイプが心臓病になりやすいことを指摘しています。
仕事をする時間が長いだけでなく、自分にも強くプレッシャーを
かけてしまうタイプなので、そうなるのも納得できます。
若いうちは大丈夫でしょうが、私の世代以上になると・・・。
ちょっと怖いものがあります。
といっても、私が言う、「落とし穴」は、病気の話ではありません。
この「タイプA」には、もう1つ弱点があるのです。
どんな弱点だと思いますか?
では、説明していきましょう。
私が今までに、仕事で知り合った人の中には、何人もの
「タイプA」の人がいました。
その共通点は、
・長時間労働をしてでも、仕事をこなそうとする。
・仕事で成果を出そうとする思いが強い。
または、仕事でヘマをしたくないという思いが強い。
(ここは人によって2パターンに分かれます)
・目の前の仕事には注力するが、そのせいか、
他の仕事とのバランスが取れていないことがある。
という感じでした。
そんな仕事振りは、言葉は悪いかもしれませんが・・・
「超高速のイヌかき」
という感じです。優雅なクロールではないのです。
(私もこのタイプの要素がありますので、
自分のことも振り返って言っています。)
そして、このタイプの「弱点」は何かというと・・・、
気を抜くと沈んでしまう
ことなのです。まさにイヌかき・・・です。
ここで言う、沈んでしまう、というのは、
気分的な落ち込みが激しい、ということです。
前回紹介した、別府真琴氏の『自分らしさの「タイプB」』と
いう本の中には、『タイプAC』という分類が出てきます。
このタイプACというのは、(『』内は引用です)
『人生に起こってくるいろいろなできごとに対して、
興奮し攻撃的になったり、または悲しんで落ち込んだりする。』
『感情の起伏が大きく、そのときどき、またそのときの状況で
反応、態度が変化するのが特徴である。 』
(36ページ12行目、37ページ2行目より)
とされています。
このような明確なタイプAC(波が激しいタイプ)でなくても、
タイプAは基本的に波が大きいと、私は考えています。
「私は仕事ができる!」
「仕事をがんばらなきゃまずい!」
と、意識的にも無意識的にも自分をふるい立たせているタイプAは、
その、ふるい立たせる原動力が揺らいだときに、もろいのです。
その症状は・・・
・自信を失いかけて不安になったり
・急にやる気がなくなったり
・せっぱ詰まらないと仕事が手につかなかったり
といった感じです。
(ちなみに私は全部経験済みです・・・(^_^;))
私は、人のやる気や、ポジティブさ、モチベーションなどは、
常に揺らいでいると考えています。
以前に少し紹介したMモード、Dモードという考え方です。
(6つめの嘘(4)で紹介しました)
これは、だれにでもある揺らぎですが、「タイプA」の人は、
この揺らぎによる影響を受けすぎる、というのが私の見解です。
そして、その傾向は、
短期的な勝ち負けにこだわりすぎる
というところにも表れてきます。
自分のケツをたたくためには、短期的な勝敗にこだわる必要がある、
というのが、その原因だと、私は考えます。
これらの特徴が重なった結果、
タイプAは、長期的な展望に立った、地道な努力が苦手。
ということになりがちです。
目先のことに追われて、本来の目標に向かう努力が続かない。
ということです。
これが、タイプAの「落とし穴」です。
実際に、私が知っているタイプAの人には、こういう傾向が
多く見られましたし、私自身もそうでした。
ここまで、タイプAの弱点・落とし穴について述べてきましたが、
私は基本的にタイプAの人は好きですし、尊敬できる人も多いです。
(人に対してひどく攻撃的になるタイプは、尊敬できませんが・・。)
仕事に対して情熱的になれるのは、充実した生き方だと思います。
まさに、働きマンという感じです。
そして私は、そんな愛すべきタイプAの人に失敗してほしくないのです。
私が言う失敗とは、長期的な展望を持てないために起こる失敗です。
仕事を一所懸命続けてきて、そして自分の生き方を振り返ったときに、
「こんなはずじゃなかった・・・」
と思うことなどがそうです。
では、そうならないためには、どうすればいいのか?
私が考える答えはこうです。
・短期的な勝敗にこだわらないこと。
・自分の仕事の成果を自覚すること。
この2つが重要です。
そして、この2つのポイントは、時間管理と密接に関係しているのです。
この2つがなぜ重要なのか? なぜ時間管理と関係するのか?
について、次回述べてみたいと思います。
参考文献
別府真琴.自分らしさの「タイプB」:病気になる性格・ならない性格.
朝日ソノラマ,1999
自分らしさの「タイプB」―病気になる性格・病気にならない性格
M・フリードマン,R・H・ローゼンマン(新里里春 訳).
タイプA:性格と心臓病.創元社,1993
タイプA 性格と心臓病
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「タイプA」の落とし穴とは・・・?
タイプAは、長時間労働で仕事をバリバリやるタイプの人です。
前回紹介した、M・フリードマン、R・H・ローゼンマンの両氏は、
このタイプが心臓病になりやすいことを指摘しています。
仕事をする時間が長いだけでなく、自分にも強くプレッシャーを
かけてしまうタイプなので、そうなるのも納得できます。
若いうちは大丈夫でしょうが、私の世代以上になると・・・。
ちょっと怖いものがあります。
といっても、私が言う、「落とし穴」は、病気の話ではありません。
この「タイプA」には、もう1つ弱点があるのです。
どんな弱点だと思いますか?
では、説明していきましょう。
私が今までに、仕事で知り合った人の中には、何人もの
「タイプA」の人がいました。
その共通点は、
・長時間労働をしてでも、仕事をこなそうとする。
・仕事で成果を出そうとする思いが強い。
または、仕事でヘマをしたくないという思いが強い。
(ここは人によって2パターンに分かれます)
・目の前の仕事には注力するが、そのせいか、
他の仕事とのバランスが取れていないことがある。
という感じでした。
そんな仕事振りは、言葉は悪いかもしれませんが・・・
「超高速のイヌかき」
という感じです。優雅なクロールではないのです。
(私もこのタイプの要素がありますので、
自分のことも振り返って言っています。)
そして、このタイプの「弱点」は何かというと・・・、
気を抜くと沈んでしまう
ことなのです。まさにイヌかき・・・です。
ここで言う、沈んでしまう、というのは、
気分的な落ち込みが激しい、ということです。
前回紹介した、別府真琴氏の『自分らしさの「タイプB」』と
いう本の中には、『タイプAC』という分類が出てきます。
このタイプACというのは、(『』内は引用です)
『人生に起こってくるいろいろなできごとに対して、
興奮し攻撃的になったり、または悲しんで落ち込んだりする。』
『感情の起伏が大きく、そのときどき、またそのときの状況で
反応、態度が変化するのが特徴である。 』
(36ページ12行目、37ページ2行目より)
とされています。
このような明確なタイプAC(波が激しいタイプ)でなくても、
タイプAは基本的に波が大きいと、私は考えています。
「私は仕事ができる!」
「仕事をがんばらなきゃまずい!」
と、意識的にも無意識的にも自分をふるい立たせているタイプAは、
その、ふるい立たせる原動力が揺らいだときに、もろいのです。
その症状は・・・
・自信を失いかけて不安になったり
・急にやる気がなくなったり
・せっぱ詰まらないと仕事が手につかなかったり
といった感じです。
(ちなみに私は全部経験済みです・・・(^_^;))
私は、人のやる気や、ポジティブさ、モチベーションなどは、
常に揺らいでいると考えています。
以前に少し紹介したMモード、Dモードという考え方です。
(6つめの嘘(4)で紹介しました)
これは、だれにでもある揺らぎですが、「タイプA」の人は、
この揺らぎによる影響を受けすぎる、というのが私の見解です。
そして、その傾向は、
短期的な勝ち負けにこだわりすぎる
というところにも表れてきます。
自分のケツをたたくためには、短期的な勝敗にこだわる必要がある、
というのが、その原因だと、私は考えます。
これらの特徴が重なった結果、
タイプAは、長期的な展望に立った、地道な努力が苦手。
ということになりがちです。
目先のことに追われて、本来の目標に向かう努力が続かない。
ということです。
これが、タイプAの「落とし穴」です。
実際に、私が知っているタイプAの人には、こういう傾向が
多く見られましたし、私自身もそうでした。
ここまで、タイプAの弱点・落とし穴について述べてきましたが、
私は基本的にタイプAの人は好きですし、尊敬できる人も多いです。
(人に対してひどく攻撃的になるタイプは、尊敬できませんが・・。)
仕事に対して情熱的になれるのは、充実した生き方だと思います。
まさに、働きマンという感じです。
そして私は、そんな愛すべきタイプAの人に失敗してほしくないのです。
私が言う失敗とは、長期的な展望を持てないために起こる失敗です。
仕事を一所懸命続けてきて、そして自分の生き方を振り返ったときに、
「こんなはずじゃなかった・・・」
と思うことなどがそうです。
では、そうならないためには、どうすればいいのか?
私が考える答えはこうです。
・短期的な勝敗にこだわらないこと。
・自分の仕事の成果を自覚すること。
この2つが重要です。
そして、この2つのポイントは、時間管理と密接に関係しているのです。
この2つがなぜ重要なのか? なぜ時間管理と関係するのか?
について、次回述べてみたいと思います。
参考文献
別府真琴.自分らしさの「タイプB」:病気になる性格・ならない性格.
朝日ソノラマ,1999
自分らしさの「タイプB」―病気になる性格・病気にならない性格
M・フリードマン,R・H・ローゼンマン(新里里春 訳).
タイプA:性格と心臓病.創元社,1993
タイプA 性格と心臓病
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Posted by 水口和彦 at 07:05│Comments(0)│TrackBack(3)
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1日の時間に関係あり、です。
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