【KKJ 2.0 】 「やること」 = 「在庫」 と考える
こんばんは。水口@時間管理術研究所です。
「 KKJ 2.0 」 (カンタン!効果的な!時間管理術 実践編)
第17回です!
今回は、私たちが日頃行っている時間管理について、
今までと違う視点で見てみます。
では、早速いきます!
私たちは日々いろいろな「やること」をやりながら、
仕事や生活を送っています。
それは、「時間管理」を意識する、しないにかかわらず、
2つの工程によるシステムで処理しています。それは、
「何をやろうか」と判断する、「計画」のステップと、
実際にそれをやる、「実行」のステップです。
※「特に時間管理なんて、してないよ」という人でも、
頭の中で計画のステップを行っているのです。
図にすると、こんな感じです。
「前工程」というのは、その仕事を頼んでくる人などを含めた、自分の周り
の状況すべてになります。
図では1つしか書いていませんが、実際にはたくさんあるわけです。
「あれをやってみたい」という、自分の思いつきなども含めたものです。
そして、図の「工程Y」が、それを「いつやるか」と計画するステップです。
「工程Z」が、実際にその「やること」をやっていくステップです。
では、時間管理がうまくいかなくて、ごちゃごちゃした気分のときは、
どんなふうに表せるのかというと、こんな感じです。
これは、
「やること」がたくさんあるけど、それをいつやれるか見当がつかない。
という状態ですね。
これは「計画する」工程Yの前に、「やること」がたまっている状態です。
工場では、こんな工程間の在庫のことを「仕掛在庫」と呼びます。
「やることはたくさんあるのに、何から手をつけていいか分からない」
という状態は、
・計画ステップ(工程Y)の前に在庫(仕掛在庫)がたまっている
=「やること」がたくさんあるが、どれからやるか決められない
・計画ステップ(工程Y)がうまく働いていないので、工程Zの前に
流れる品物が、途切れてしまうことがある
=1つの仕事が終わったときに、次に何をすることが思いつかない
(実際は「やること」がたくさんあるにもかかわらず・・・)
という状態です。
こうなってしまうと、
・在庫が増えることによる管理コストが高くなる
=「やること」に追われるストレスが高くなる
・リードタイム(受注から出荷までの期間)が長くなる
=頼まれたことがなかなか終わらない
となってしまいます。
時間管理でこれが起こるのは・・・
「時間管理なんていらないよ」と普段言っている人に、
たくさんの仕事が降ってきて、テンパっている状態。
気はあせるのに、次に何をすべきか分からなくて、
余分な仕事をしてしまうこともある。
という場合が多いですね。
本当は、やらなきゃいけないことが、たくさんあるはずなのに・・・
「次、何やればいいかな・・・」と迷ってしまったり、
別に急いでない仕事をついついやってしまったり、
というのは、この状態ですね。経験ありませんか?
今思えば、私はよくありましたね(笑
こうならないためには、計画を立てて「やること」の在庫を
持っておかなくてはいけません。
こういう状態ですね。
KKJでは、時間流動的タスク欄に入れてある「やること」が
これに相当します。
例えば、出席予定の会議が中止になって、時間が空いたときなどでも、
ここを見れば、やるべきことがすぐに分かるわけです。
KKJでは、計画ステップ(工程Y)は、意識して行うことはありません。
タスクを、このフォーマットに入れていくだけで、それができるわけです。
そして、「時間流動的タスク」が、調整役を果たしているので、
「次になにやろうか・・・」という迷いや、手持ちぶさたで余分な仕事を
してしまうことが無くなるのです。
これは、一種の「バッファ」として働いているわけです。
実行ステップが手待ち状態にならないように、時間的に融通がきく
「やること」を利用しているわけです。
(余談です)
TOC(制約条件の理論)をご存知の方がいれば・・・
DBR(ドラム・バッファ・ロープ)の「バッファ」と
考えていただければOKです。
(実行ステップが「制約プロセス」です。)
※TOCをご存知でなくても、今回の話を理解するのに
問題はありませんので、知らない方は気にしないでください・・。
さて、次のケースを考えてみます。
計画を立てる部分さえ、きちんとやれば、それでいいのでしょうか?
時間管理は、計画をきちんと立てれば、基本的にスムーズに回ります。
しかし、「やること」が多すぎる場合には、こうなってしまいます。
今度は、実行ステップ(工程Z)の前に、仕掛在庫がたまっているのです。
「計画をちゃんと立てているのに、やることが多すぎてこなしきれない」
「その上、飛び込みの仕事が入ってくるので、計画を立て直してばかり」
という状態ですね。
個人の時間管理としては、この状態は一見、問題無さそうに見えます。
「やること」が多いのは仕方がないこと。その中で、計画を立てて
やりくりしているんだから、それ以上やりようがない、と思えます。
しかし、この状態は生産性の面で、こんな問題があります。
・在庫が増えることによる管理コストが高くなる
=計画をやりくりするのに、手間がかかる。
「やること」がなかなか減らなくてストレスがたまる
・リードタイム(受注から出荷までの期間)が長くなる
=頼まれたことがなかなか終わらない。
これは最初の例よりは、ずいぶんマシです。
しかし、時間管理に手間ばかりかかってしまいますし、仕事にスピードが
ありませんから、自分も周りもストレスがたまります。
こうならないためには、どうすればいいのでしょうか?
その対策が、以前に述べた、「防御力」なのです。
「防御力」の中で述べた、「仕事の量を素早く判断すること」というのは、
実行ステップ(工程Z)の前の在庫量が増えすぎないように、
計画ステップ(工程Y)に来た品物の一部を、別工程に回しましょう。
(「別工程に回す」=「他の人に頼む」・「断る」ということです。)
ということなんです。
私は、仕事を「他の人に頼む」・「断る」ということを、
「フィルターをかける」と解釈しています。
そして、そのフィルターは、計画ステップ(工程Y)の前で
かけた方がいいのです。
その方が、在庫の管理コストの面でも、リードタイムの面でも
有利ですし、納期トラブルが起こる可能性もずっと低くなります。
「他の人に頼む」にしても、「断る」にしても、すぐに判断した方がいい。
というのは、そういうことだったんです。
(余談ですが・・)
これもTOC(制約条件の理論)的に言うと、
制約プロセス以外のプロセス(= 計画ステップ)を
制約プロセス(= 実行ステップ)に従属させる
ということになります(「ドラム」ですね)。
このように、自分が持っている「やること」を「在庫」と考えてみると、
ちょっと違った視点でものが見えてきます。
「在庫を抱えすぎてないだろうか?」という目で、自分の仕事を
見てみると、気付かなかった問題点に気がつくかもしれませんよ。
「在庫・・・なるほどねー。」と思っていただいた方は、
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今回は「在庫」の話でしたが、
次回は「品質」の話です!
Posted by 水口和彦 at 22:57│Comments(0)│TrackBack(0)
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