2006年05月20日     このエントリーをはてなにブックマークこのエントリーを含むはてなブックマーク

【KKJ 2.0 】 自律型タイムマネジメントを目指そう


こんばんは。水口@時間管理術研究所です。

「 KKJ 2.0 」 (カンタン!効果的な!時間管理術 実践編)

いよいよラストです!


この第3章では、私のバックグラウンドである、エンジニアとしての視点で
見た、「時間管理」について、主に考えています。


そして、今回のタイトルは、

「自律型タイムマネジメントを目指そう」というものです。


「自律」という言葉(「自立」ではなく、「自律」です)には、
あんまりピンとこないなあ、という人も多いかもしれません。

excite 辞書 大辞林 第二版 によれば、

 
じりつ 【自律】

(1)他からの支配や助力を受けず、自分の行動を自分の立てた規律に従って
  正しく規制すること。

となっています。( (2)は略します。)


いきなり、こんな言葉を出すと、


 「規律に従って、自分の行動を規制する」という時間管理のことか?


と思う方もいるかもしれませんが、そういう意味ではありません。
(むしろ、私はそういう時間管理は、あまり好きではないんです・・・)


 (余談です・・・)
  このブログの他の記事も、読んでいただくと分かると思いますが・・・

  私は「自分を律すること」自体には、あまり価値を感じていません。
  時間管理にそういう考え方を持ち込むと、挫折しやすいからです。

  どんなに素晴らしい考え方でも、挫折してしまっては意味がありません。
  厳しく自分を律することをしなくても、自分の置かれている状況を
  正しく判断できれば、人は行動を起こすもの、と私は確信しています。

  そのための使いやすいツールや考え方を追求しているんです。



 (さらに、余談です・・・)
  最近、組織マネジメント論の中で、「自律型組織」という言葉が
  よく使われるようになりました。

  「目標管理」や「成果主義」とセットで使われることも多いです。

  社員一人一人が、自分で目標を設定して、それに向かって継続して
  努力していく、という意味で「自律」といっているわけです。

  こちらは、先ほどの辞書の意味に近いですね・・・。

  確かに「自律型組織」ができれば素晴らしいのですが、一歩間違うと
  単なる管理者の手抜き?になりかねないので、要注意ですよね。



すんまへん・・・。話がそれました!


私の考えている、「自律型」というのは、「自律神経」のようなものです。

「自らバランスを取る仕組みがある」という意味です。


  生理学では「恒常性(ホメオスタシス)」と言われる性質です。

  IBMが言っている、「オートノミック・コンピューティング」
  (自己構成・自己修復・自己最適化・自己防御) というのも、
  これに近いイメージです。


「自律神経型タイムマネジメント」とか「恒常性のあるタイムマネジメント」
では、あまりにも分かりにくいので、「自律型タイムマネジメント」として
みました。

あと、漢字ばっかりになるのもなんなので・・・、
今回は「時間管理」ではなく「タイムマネジメント」なんです。



さあ、前置きが長かったんですが・・・

モノを作る工場に、この自律神経のような「恒常性」を持たせるための、
強力な仕組みがあります(日本が発祥のものです)。


それが「かんばん」です。


「かんばん」はJIT(ジャスト・イン・タイム)生産の要となるものです。

  ※(豆知識)
   「かんばん方式」は「カンバン」と、カタカナ表記されていることが
   多いのですが、元祖のトヨタ自動車では、ひらがな表記が正式です。
   ここでは、敬意を表して? ひらがな表記にしています。
   (トヨタ自動車さんには、大変お世話になりましたので・・・(^_^;) )


とは言っても、JITやかんばんのことを知らない方も多いでしょう。

ここ(↓)に解説がありますが・・・、ちょっと、ピンと来ないかも・・・
http://www.toyota.co.jp/jp/vision/production_system/just.html


  すごく単純に言うと、本屋さんで本を買ったときに
  レジで抜かれる注文票のようなものです。

  あれを集計すると、減った本が分かります。
  それを発注すれば、また元の在庫状況に戻るわけです。


かんばん方式では、2種類のかんばんを使うのですが・・・、

そのかんばんを、決まった置き場に置くという作業をくり返すだけで、
在庫が減った品物が、自動的に作られる仕組みになっています。



作業者一人一人は、在庫状況などは意識せず、かんばんを指定の
場所に置くだけです。

それを工場全体で見ると、リードタイムと適正在庫量を両立させる
システムとして機能しているのです。


在庫が減れば、自動的にモノが作られ、しかも作りすぎることがない。
「司令塔」が無いのに、そう機能するわけです。


これは、生産システムとして、極めてよく出来ています。

システム自体に、自律神経系のような「恒常性」があるんです。



さて、時間管理の中でも、こんな恒常性があるといいですよね。

自動でスケジュール調整してくれるシステムがあるといいのかも
しれませんが、それはまだありません。

(あったらあったでイヤかもしれませんけどね・・・)



私が考える「自律」「恒常性」というのは、

 「時間管理」という意識を強く持たなくても、ちょっとした習慣を
 守っていれば、うまく時間管理ができてしまう。


というイメージなんです。


そして、KKJの仕組みは、それに近いと思います。

(意識して計画を立てなくても、この仕組みを使えば、知らず知らずに
 計画できている、というところがそれです。)


そのための習慣というのが、書籍 「超カンタン!時間管理術」の中でも
書いた(86ページ)、


 3つの原則

 ・「やること」は、思いついたときに、その場で、すぐ書く

 ・時間流動的タスクは、二段階で時間を決める

 ・時間管理ツールは頻繁に見る



 3つの習慣

 ・「やること」は少ないほど良いと考える

 ・仕事が発生したら、すぐに行動する

 ・「いつまでに」よりも、「いつから」を考える



なんです。

ブログの中でも、同様のことは書いてきましたが、この部分は本の方が
まとまっているので、お持ちの方は、もう一度見てみてください。




KKJ 2.0 、長くなりましたが、今回で区切りとします。

  まだ書き足りないこともあるのですが・・・、
  また別の機会にお届けすることにします。


間に他の記事が入ったりして、1ヶ月以上かかってしまいましたが、
いかがだったでしょうか?


「KKJの仕組み、分かってきたよ」 と思っていただいた方は、

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・・・決して、このブログの最終回というわけではありません。

まだまだ続きます!




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Posted by 水口和彦 at 22:33│Comments(1)TrackBack(0)

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この記事へのコメント
TOCの概念を手帳管理に応用するというのは非常に斬新で、目からウロコでした。参考のために本も買わせていただきました。スケジュールを作ることが、自分を管理し縛ることになってしまうことの弊害から開放される点も、従来の時間管理関係の本では触れていない点がとても良い着眼だと思います。精神的なプレッシャーにならずに続けられる手法を考え出された点には関心しました。
Posted by jy at 2008年05月25日 05:54
 

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