2006年11月11日     このエントリーをはてなにブックマークこのエントリーを含むはてなブックマーク

「メールを短時間で片付ける裏ワザ」・・・に思う。


こんにちは。水口です。

今日は、ネット上で気になった記事があったので、その紹介です。

「メール短時間で片付ける裏ワザ」 という記事が、
gendai.netというサイトで紹介されています。

ここにその記事があるのですが・・・全文は載っていません。
http://gendai.net/?m=view&c=010&no=18528

こちらに全文があります。
http://news.livedoor.com/webapp/journal/cid__2702771/detail?rd


■ ちょっと困った「裏ワザ」 の話

メールの処理に困っている人が多い、という背景があって、
このような記事が書かれているのでしょうが・・・。

この記事の内容は「メール処理術」 としてはどうかと思うものが多いです。

・フォルダーで分類するテクニック
・アドレス帳は整理しましょう

みたいな話はいいとしても、次の話はちょっと・・・


ちょっと引用します。 (『』内は引用です)
 
『●メールで返事しない

 ひと言で済む返信をいちいちキーボードを叩いて書いていたのでは
 時間がかかる。「了解」「確認しました」という程度なら、電話で済ませた
 ほうがずっと早い。相手への電話がつながらないときだけメールで残す。』
 (上記URLより引用)

って・・・。メールに慣れている世代の方は、
思わず苦笑してしまうような内容ではないでしょうか。

逆に、「了解」 「確認しました」 程度の返信こそ、
メールの方が速くて便利だと思うのですが・・・。

電話をかけて、呼び出し音が鳴っている間に、
返信できてしまうと思いませんか?
(取引先などで、ていねいな挨拶文が必要な場合は別ですが。)

  どうも、この記事は「電子メールが苦手」 という人が
  書いているように思えてなりません。

  もちろん、メールとの付き合い方は、人それぞれでいいのですが、
  それを一般論として書くのはまずいと思います。


■ メールの使い方のポイント   電話との使い分けはどうする?

上記の記事の話は置いておいて・・・、

メールよりも電話の方が有効なケースも存在することは、
皆さん感じているのではないでしょうか。


私は基本的にこう考えています。

 「連絡」 でいいもの → メールがいい
 「相談」や「議論」   → 場合によっては電話の方がいい


「連絡」 は、ある意味、一方的なものです。

何か聞かれたことに対して、Yes/No で答えればいいものは、
相手にそれが伝わればいいわけですから、基本的にメールで構いません。
(相手に失礼の無いように、など特別に考慮しなければいけないケースは別です。)


「相談」や「議論」は、相手の答えによって、こちらがまた考えなければいけません
から、電話の即時性が有効なケースが多くなりますね。

また、基本的に電話の方が、メールよりも誤解が少ないという特性もあります。

電話だと、相手が理解しているかどうかが分かりますから、
「微妙」 な話ほど、電話の方がいいというわけです。


■ もうひとつ、困った「裏ワザ」 の話

上記の記事で、もうひとつ気になったのは、

「○○は後で確認する」 という内容が多いところです。

これは、メールに限らず、時間の使い方の中で、
間違えてしまいがちなポイントです。


確かに、緊急の用件がある場合などは、どんな仕事でも
後回しにしなければいけないことはあるものです。

そのような場合は、本当に大事なものを見極めて、
それ以外は後回しにすることも必要です。


しかし、それは「上手なその場のしのぎ方」 であって、
「上手な時間の使い方」 ではありません。


■ バタバタ病に毒されていませんか?

私も、以前はよくカン違いしていましたが、緊急の用件が起こった場合に、
なんとかその場を「しのぐ」ためのテクニックは、全体としては効率の悪い
ことが多いのです。

例えば、メールの場合について、考えてみてください。

パターンA
 「今は時間が無いから」 と、緊急の用件のメールを選んで、
 返信する。残ったメールは後で処理する。

というのと、

パターンB
 とにかく、開いたメールは「順番に」 その場で処理する。

では、どちらが時間的に効率が良いでしょうか?



ここで、直感的に パターンA と答えた方は、
「バタバタ病」 に毒されているかもしれません。

1つのメールを処理するために使う時間が同じならば、パターンBの方が、
メールをより分けたりする時間が無い分、時間効率が良いのは当たり前です。

パターンAは「緊急事態をしのぐ」 ために、仕事を後回しにしています。
その結果、トータルで見れば、時間を損しているのです。

これは冷静に考えれば、極めて当たり前のことなんですが、
カン違いしやすいポイントです。


  ※ もちろん、パターンBの「順番にその場で処理する」 というのは、
    無駄なメールに時間をかけるという意味ではありません。

    順番に処理するとはいえ、無駄なメールや読まなくていいメールを
    判断する基準は持っておかなくてはいけません。



■ 本当に効率的なメール処理術は?

さて・・・、
メールの処理の仕方については、前にも紹介したことがありますが、
重要なポイントを再度紹介しておきます。



一般的に、ビジネスパーソンが、「時間を無駄にしている」 作業として、
「探し物をする時間」 などが、よく取り上げられています。

しかし、私はそれ以上に大きな無駄が隠れていることが
多いと思っています。

その筆頭が、「同じことを二度やる」 「同じことを二度考える」 ことです。



例えば、次のような状況はどこでも見られる光景ですし、
ついついやってしまいがちなことです。


  パソコンで書類をつくる仕事をしていたら、
  メールを受信したことに気付いた
        ↓
  メールソフトを見る
        ↓
  ちょっと気になるメールだったので、
  一応中身をざっとチェックする
        ↓
  「後で返信すればいいや」 と思って
  元の仕事に戻る


これを毎日やっていると、
確実に、結構な量の時間が無駄になります。

無駄を作っている要素は2つです。

1つは、元の書類作成の仕事を中断して、それ以外の仕事(メール)を
頭に入れてしまうことによる無駄です。

メールで入ってくるのは、そのとき実行中の仕事とは
別件の仕事だったりします。

そして、その仕事のことを考えてしまうと、最初にやっていた
作業の内容が、頭からこぼれ落ちてしまいます。

  ※ これは、どんなに優秀な人でも、どんなに記憶力がいい人でも、
     確実に起こることです。
     (人間の短期記憶(作動記憶)の容量は、思ったよりも小さいのです)

そして、また思い出しながら、作業を始めないといけないですから、
実際に作業を中断した時間以上のダメージがあるのです。



もう1つの無駄な要素とは、同じ仕事を2回やることになる無駄です。

メールに目を通すだけ通しておいて、後で返信する場合、
結局返信する前にもう一度目を通すことになります。

結局、単純な内容であっても、同じものを2回読むことになるので、
確実に時間が無駄になります。


■ 無駄をさけるためには?

このような無駄をさけるためには、どうしたらいいでしょうか?

答えは簡単です。


一つの仕事に集中している間は、メールを見ないことです。


メールを受信したら、その内容や送信元のことが気になる
気持ちは、よく分かります。私も、すごく気になります。

しかし、受信するたびに仕事を中断するのは、極めて効率が
悪いことだと知って下さい。


メールは仕事の区切りのところで、まとめて処理するようにすると、
仕事の能率は確実に上がります。

「メールタイム」は、午前、午後 各2〜3回でいいというのが、
私の感覚です(勤務時間帯によっても違うと思いますが)。

  ※ 見る回数を減らして、その代わり、その時に確実に返信まで
     やってしまうのがベストです。

このやり方、最初のうちはメールが気になるのを我慢するストレスが
ありますが・・・、1週間以上続けたら、仕事の効率の良さと、ストレスの
減り具合(スッキリした感じ)に驚くと思います。


来週からすぐに実行できることですから、メールが厄介だと
思っている方は、ぜひ試してみてください。



話は変わって・・・、アンケートまだ受け付けています。
(60名様以上の方にご回答頂いてます。ありがとうございます。)

まだの方は、ぜひ投票を!

チェック欄を1つ クリックして「投票する」ボタンをクリックしていただけると、
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質問
  あなたは、よくサービス残業をしていますか?
  しているなら、週何時間くらいですか?

  
  
  
  
  
  

  

投票締切:2006年11月16日23時00分
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 よろしければ、こちらにも投票を・・・(笑
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今日は70分・・・思ったより長い記事になってしまいました (汗


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Posted by 水口和彦 at 23:51│Comments(2)TrackBack(0)

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この記事へのコメント
記事みました。
これはちよっとひどいですね。
いわゆる「お父さん」のための原稿でしょうかね?
わざとオールドスタイルの方法を持ち上げて、リテラシーの低い読者をほっとさせるという手法のように見えます。

「了解いたしました。」を単語登録しておいて、瞬時にして返す方が速いのは言うまでもないです。

何でもかんでも電話で済まそうとするビジネスマンがいますが、そんな人はまちがいなくバタバタ病だし、回りにバタバタ病をうつす人でしょうね。

電話はコミュニケーションツールとしてもっと大事に使いたいものです。
Posted by FUJIKI at 2006年11月12日 11:13
「お父さん」のための原稿・・・その通りですね。

FUJIKIさんのおっしゃるように、電話の場合は相手のことを考えないといけませんよね。
電話は相手の時間をリアルタイムに拘束しますから、本当に「バタバタ病をうつす」ことに
なりかねないわけで・・・困りますよね(汗

Posted by 水口@時間管理術研究所 at 2006年11月12日 19:21
 

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