2006年11月23日     このエントリーをはてなにブックマークこのエントリーを含むはてなブックマーク

「ムリ・ムダ・ムラ」 について考えてみよう!


こんにちは。水口です。

今日は、「ムリ・ムダ・ムラ」 の話です。

11/11の記事で、ビジネスパーソンが時間を無駄にしてしまう例として、
「同じことを二度やる」 「同じことを二度考える」 ことについて触れました。

仕事のやり方の話の中では、この「無駄」 と「無理」、「ムラ」 を合わせて
「ムリ・ムダ・ムラ」 を無くしましょう。という話を聞くことがあると思います。


■ 「ムダ」 は分かるけど、「ムリ」 、「ムラ」 ってどういうこと?

しかし、「ムダ」 は分かるけど、「ムリ」 や「ムラ」 は
今ひとつピンとこない方も多いのではないでしょうか。

実は、私の場合、研究や開発の仕事をしていた時期には、
あまりピンときていませんでした。
(その後、生産現場も見るようになって、よく分かりました。)

以前の私と同じように思っている方も多いのではないかと思います。


■ 「ムダ・ムリ」 を荒っぽくまとめるとこうなります

「ムダ」 や「ムリ」 には色々あるのですが(「7つのムダ」 というのもあります)、
分かりやすくするために、荒っぽくまとめると、

「ムダ」 : 要求される品質 < その工程(道具+やり方)のレベル

「ムリ」 : 要求される品質 > その工程(道具+やり方)のレベル

となります。「ムダ」 と「ムリ」 はちょうど逆の状態です。



「ムダ」 の方は、

 要求される品質 < その工程(道具+やり方)のレベル

です。

例えば、何かの部品を作る場合に、必要以上に精度を上げようとして、
設備の調整に余分な時間をかけるようなものです。

デスクワークで言うと、書類を作成するのに、
必要以上に手間をかけすぎるという感じです。

細かいところにこだわり過ぎて、時間をかけすぎたりする状況です。
これは「過剰品質」 という言葉でも表せます。

また、いわゆる「完璧主義」 な人は、このムダが多くなりがちです。
他には「心配性」 の人がこうなる場合もあります。

11日のメールの話は、「過剰品質」 や「完璧主義」 とは違いますが、
 「手間をかけすぎている」という点では同じですね。 )


「ムリ」 の方は、

 要求される品質 > その工程(道具+やり方)のレベル

です。

例えば、精度の悪い加工設備で、精度の高い製品を作らざるを得ないため、
設備の微調整をくり返して、何とか仕上げるという感じです。
(この例は「ムダ」 の例と似ていますが、違いが分かりますか?)

デスクワークで言うと、能力の無いパソコンで、
重たいデータを扱おうとして四苦八苦するような状況です。

まだ能力が無い部下に、難しい仕事をさせるというのも、これと似ています。

仕事を人に頼む場合、それに10時間かかる人よりも、2時間でやれる人に
頼む方が無駄がありません。適材適所ということですね。
(もちろん、教育するという観点では別な場合もあります。)


かなりざっくりした説明ですが、「ムダ」 と「ムリ」 は、
このように考えることができます。

そして、「ムダ」 と「ムリ」 の間を行ったり来たりするのが
「ムラ」 というわけです。


■ どうすれば、「ムリ・ムダ・ムラ」 を無くせるか?

ここまでの「ムリ」 「ムダ」 の説明は、かなり単純化していますが、
ここから重要なことが分かります。


「ムリ」を無くすためには・・・、
 工程、つまり仕事の道具とやり方を整備する。

「ムダ」を無くすためには・・・、
 そのやり方の中で、手間を省けるところを見つけ、
 省略したり、(一部を)自動化する。

というように、仕事の道具とやり方を改良していくことが必要です。


このために重要なのは、同じ仕事は、「毎回同じやり方をすること」です。

毎回違うやり方を取っていては、工程の整備も、ムダな手間のカットも
なかなか進まないのです。

もちろん、「毎回同じやり方をすること」 は、ムラの削減にもつながります。
そしてこれは、仕事のやり方を改良する上で、とても大事なことなんです。


さて、この「毎回同じやり方をすること」 というのは、
製造現場では作業の「標準化」 と呼ばれていることです。

この「標準化」 は、生産性の面でも、品質の面でも極めて重要なことです。
そして、私はデスクワークでも、同じことが言えると考えています。


「毎回同じやり方をすること」 と言うと、ちょっと退屈な感じがすると
感じる方もいるかもしれませんが・・・、本当にそうでしょうか?

ルーチン的な仕事は、毎回同じやり方をした方が、
迷いもなく、抜けもなくこなすことが出来ます。

そして、その部分で自分の思考力を消費しないで済めば、
重要なところに思考力を集中できます。

それが、本当に「クリエイティブ」 な仕事のやり方ではないかと、
私は思います。


・自分のルーチンワークの手順を書いて整理してみる。
・毎回同じやり方を取ってみる。

こうすると、意外なムダやムリに気が付くこともあります。
ぜひ、一度お試しください。



 スミマセン・・・今日は祝日なのに、
 真面目な話をしてしまいました。
 
 ↓これをクリックするのはムダ?それともムリ?
  そう言わずに、ぜひクリックしてみてください・・・ (笑)

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今日の記事作成時間は、60分でした。

ではまた明日。



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Posted by 水口和彦 at 13:20│Comments(4)

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この記事へのコメント
いつも拝見しています。ムダ・ムリ・ムラがよく理解できました。
先日関係会社のグループ改善発表会があり、ある工程を担当してるパートのオバサマ方々の発表がありました。正確には覚えていないのですが、「○○のダ・ラ・リを無くす」というようなタイトルで、「だらだら作業をめりはりをつけた作業にしたのかなぁ」と想像したのですが、実際は「ムダ・ムラ・ムリ」のそれぞれ2番目の文字を使って「ダ・ラ・リ」と表現していました。面白いなぁと思いました。
そこでの説明では「ムダ」⇒動線が長いので、無駄な動きがある。IEやクリティカルパス分析で解決。「ムリ」⇒ 無理な姿勢で工程確認する部分があり疲れる。時間がかかる。⇒ 鏡を置いて定位置で目視可能にして解決。といった内容でした。
若干、こちらのBlogの定義とは異なりますが、このオバサマ方の定義でも、Blog後半の解決策は素直に読めるのが不思議です。
ムダ話ですみません。では。
Posted by radiojack at 2006年11月23日 21:01
radiojackさん、こんにちは。

コメントありがとうございます。

この改善発表会の話、いい活動をされてますね。

このお話でも「ムダ」と「ムリ」はちょっと似てますよね。
両方とも「過剰な作業をしている」点では同じなのですが、
「ムダ」の方は、工程の中の本来やらなくてもいいことをカットする
「ムリ」の方は、工程の中で不足しているものを補って工程を改善する
と、対策が違うわけです。面白いですね。

今回の私の記事は、「ムダ」「ムラ」について、かなり省略してお話していますが、
「標準化」が大事ということは、どんな場合にも当てはまることだと思います。
(実は、この「標準化」についてお伝えしたくて、この記事を書いたんです。)

今後ともよろしくお願いします。
ではまた。
Posted by 水口@時間管理術研究所 at 2006年11月24日 06:04
こんにちは!
ブログを拝見させていただき
本気で助かります。
最高ですね、コメントのものも含めまして

コンコピさせていただければ助かります。

宜しくお願い致します!
Posted by みか at 2010年07月16日 13:28
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Posted by who owns scr888 at 2020年05月04日 07:01
 

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