「なんでや?の連鎖」 という話
こんにちは。水口です。
昨日の記事で、「罪を憎んで人を憎まず」 ではダメ。
「罪」 そのものよりも、そうなった「やり方」 にフォーカスすることが必要。
という話をしました。
今日は、それに関連した、「なんでや?の連鎖」 という話です。
■ 「なんでや? の連鎖」 とは?
「なんでやの連鎖」 を説明するために、
ちょっとした例え話をしたいと思います。
Aさんは、ある工場の生産技術部門のスタッフです。
その工場での製造技術は、その基本が確立されてから
時間が経っているので、技術的にはかなり熟成されています。
ですが、稀に品質的な問題が起こることもあります。
そういった問題は、すぐには原因が分からないこともあります。
ある日、そこで製造している製品に、何か問題が見つかりました。
しかし、まだ原因は分かりません。
そして、Aさんの上司は、「なんでこんなことになったんだ!」 と、
Aさんに激怒しました。
それを受けたAさんは、
『 「なんで」と言われても、こっちが聞きたいくらいですよ!』 と思います。
理不尽な(とAさんは思っている)怒りをぶつけられたために、
Aさんも腹がたっています。
そして、Aさんは、その工程の管理責任者に、
「なんでこんなことが起こったんですか?」 と怒りながら言います。
さらに、その管理責任者は、自分の部下に怒り・・・
さらに、その人は・・・
ということになった場合、これは「怒り」 が連鎖する状態です。
これが、今回言いたかった「なんでやの連鎖」 です。
■ 「なんでやの連鎖」 は「怒りの連鎖」
Aさんは、自分が原因ではないのに、上司に怒りをぶつけられ、
納得いかないので、その怒りをまた別の人にぶつけているわけです。
この場合、「原因が分からない問題」 に対しての「怒り」 を、
人にぶつけあっているわけです。
昨日の記事に出てきた、「罪を憎んで人を憎まず」 の一歩手前である、
「人を憎む」 状態というのは、人から人へ連鎖していく危険性があるのです。
これは、色々な意味で良くない状態です。
これから協力して問題を解決していかなければいけないのに、
怒りをぶつけ合っても仕方ないですよね。
このAさんは、上司から「理不尽な怒られ方」 をしたと思っているのですが、
自分も人に対して、理不尽な怒りをぶつけているのです。
人間の行動は、感情による影響を受けるのは当たり前のことなんですが、
どこかでこの「なんでやの連鎖(怒りの連鎖)」 を切らなければいけないんです。
ぶつけられた怒りは、誰かが止めなければ、連鎖し続けるかもしれませんし、
思いもよらない人に、ダメージを与えてしまうかもしれません。
ということを感じた私・・・いや、Aさんは、「なんでやの連鎖」 を
切ろうと考えたわけです。
そのためには、自分の感情のコントロールすることも大事ですが、
感情は100パーセントはコントロールできるものではありません。
感情だけでなく、考え方を変えること、つまり、
「人」ではなく「罪(原因)」に、さらに、
「罪(原因)」よりも「それを生んだ『やり方』 」に
意識をフォーカスすることが有効です。
仕事の中で、怒りを感じることは時々あると思いますが、
それを他の人にぶつけても、解決しない場合って多くないでしょうか?
その怒りは、人にぶつけるものではなく、「原因を究明すること」 や、
「確実に再発を防止すること」 に向かうべきものではないでしょうか?
そして、同じことは仕事だけではなく、プライベートにもあるのでは
ないでしょうか。
そんなことを考えてみてもいいのではないでしょうか。
私自身も、いつもそうできていたかどうかは、あまり自信はないですが、(汗)
こういう考え方は役に立つと思い、紹介してみました。
「怒りの連鎖」 は良くないですが・・・、
このクリックの連鎖はありがたいです(笑) →

今日の記事作成時間は、
ここまで77分でした!


Posted by 水口和彦 at 07:47│Comments(2)│TrackBack(0)
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この記事へのコメント
「なんでや?の連鎖(怒りの連鎖)」、
いやぁ〜、実際よくある事ですよね。
私の実感としては、この「なんでや?の連鎖」の怒りをぶつけるのは、その問題の発生によって自分が何らかの火の粉(責任)を被ることを自覚していながら、本人はこの問題の当事者だとは思っていないの人(一種の責任転嫁型人間?)が多いような気がします。
自分の問題だという自覚があれば、現場の担当者が故意にルール違反を犯して問題が発生した場合などでない限り、一緒に問題の解決に取り組むスタンスで原因を尋ねるでしょうし、そこには追求の厳しさはあるものの、怒りは連鎖はないと思うのですが。
いやぁ〜、実際よくある事ですよね。
私の実感としては、この「なんでや?の連鎖」の怒りをぶつけるのは、その問題の発生によって自分が何らかの火の粉(責任)を被ることを自覚していながら、本人はこの問題の当事者だとは思っていないの人(一種の責任転嫁型人間?)が多いような気がします。
自分の問題だという自覚があれば、現場の担当者が故意にルール違反を犯して問題が発生した場合などでない限り、一緒に問題の解決に取り組むスタンスで原因を尋ねるでしょうし、そこには追求の厳しさはあるものの、怒りは連鎖はないと思うのですが。
Posted by makoto at 2006年11月29日 02:04
makotoさん、こんにちは。
ありますよね。これ。
「責任転嫁型」というご指摘は、まさにその通りだと思います。
「当事者意識」が無いってことですね。
ただ、ここでややこしいことが2つあるような気がします。
1つは、
・「人に怒る」ことが仕事だと思っている人
(「怒る」ことで責任を果たしたつもり。当事者意識も持ってるつもり・・・。)
もう1つは、
・怒りという「感情」をぶつけられると、つい自分も感情的になって、
人に怒りをぶつけてしまうことがある。
(当事者意識があっても、感情には勝てない)
後者は、ちょっと冷静になって自覚することが必要ですね。
前者は・・・、どうしたらいいんでしょうね(笑)
分かってもらうように、自分を含めた周りの人から少しずつ攻略していくしかないような気がします・・・。
ありますよね。これ。
「責任転嫁型」というご指摘は、まさにその通りだと思います。
「当事者意識」が無いってことですね。
ただ、ここでややこしいことが2つあるような気がします。
1つは、
・「人に怒る」ことが仕事だと思っている人
(「怒る」ことで責任を果たしたつもり。当事者意識も持ってるつもり・・・。)
もう1つは、
・怒りという「感情」をぶつけられると、つい自分も感情的になって、
人に怒りをぶつけてしまうことがある。
(当事者意識があっても、感情には勝てない)
後者は、ちょっと冷静になって自覚することが必要ですね。
前者は・・・、どうしたらいいんでしょうね(笑)
分かってもらうように、自分を含めた周りの人から少しずつ攻略していくしかないような気がします・・・。
Posted by 水口@時間管理術研究所 at 2006年11月29日 06:43
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