2007年09月11日     このエントリーをはてなにブックマークこのエントリーを含むはてなブックマーク

舛添さん、名前だけじゃダメですって!


こんにちは。水口です。

今日は変なタイトルですが、その理由はこのニュースです。

時事ドットコム:
「家庭だんらん法」に言い換え指示=「残業代ゼロ法」で舛添厚労相



■ 名前を変えればいいってもんじゃない

ニュースの内容は・・・    (『』内は引用です)
 
『 舛添要一厚生労働相は11日の閣議後記者会見で、一部事務職を割増賃金の
 支払い対象から外す「日本版ホワイトカラー・エグゼンプション制度(WE)」に
 ついて、「名前を『家庭だんらん法』にしろと言ってある」と言い換えを指示した
  ことを明らかにした。』


というものです。 (上のサイトからの引用です)

今さら名前を変えても、内容が変わらなければ受け入れられないと
思うんですけどねえ・・・。
 
『 その上で、「残業代が出なければ、早く帰る動機付けになる」と評価、
  働き方の改革の一環として取り組む考えを示した。』


という考え方は間違ってはいないと思いますが・・・。


■ なぜ、ホワイトカラー・エグゼンプション法案は成立しなかったのか?

先の「日本版ホワイトカラー・エグゼンプション制度」(以下「WE」とします)は、
何が悪かったのでしょうか?

この案は、「残業代ゼロ法案」と言われ、反発が大きかったわけですが、
それももっともな話です。なぜなら、「残業代」を無くすことに言及しているのに、
「残業」を無くすとか、減らすための方策が一切無かったからです。


実態としては、現状もサービス残業している人はたくさんいるわけですし
(以前にこのブログでもアンケートを取りましたね)、それがかなり長時間に
及ぶ人もたくさんいます。

そういう人は、残業代がつこうがつくまいが、残業するわけです
(残業しなければいけないわけです)。
この場合、残業代を削った分、使用者側(会社)は「まるもうけ」です。

  現状の残業代の分を、仕事の成果に応じて還付するのなら
  別ですが、そうなりそうな気が全然しないので「残業代ゼロ法案」と
  揶揄されていたわけですよね・・・。

それどころか、「WE」が成立すれば、今まであまり残業しなくて済んでいた
人まで、サービス残業させるべく仕事を増やされるんじゃないか?
と、悲観的な予想をする人も多かったのではないでしょうか。


というわけで、先の「WE」法案を一言でいうと、
「会社側に有利な条件を増やすだけの法案」だったわけです。

こんな状況では、いくら「家庭だんらん」法案と名前を変えても、
成立するはずがありません。


しかし、働いている人が早く帰れるようになることはいいことですし、
「労働時間」と「会社への貢献度」が必ずしも比例しないことによる
不公平感を是正することもいいことです。

さて、文句ばかり言っててもしょうがないので、本当の意味で
「家庭だんらん法」を作るためにはどうするべきか、考えてみます。


■ 『家庭だんらん法』はどうあるべきか?

本当の意味で「家庭だんらん法」を作るためにはどうすればいいか?

「WE」のように会社側だけが得をする制度ではいけませんから、
会社と、働く人の両方がハッピーになる法案にしなければいけません。

そのためには・・・ よく考えてみると、話は単純です。


「残業代ゼロ法案」を作るのではなく、
「残業ゼロ法案」を作ればいいわけです。


「残業ゼロ法案」の中身は・・・、
 
 ・ 残業は法的に規制する
    残業したことがばれたら会社が摘発されるので、
    本当に社員を帰らせなくてはいけない

 ・ 社員の副業は自由とする
    現在は会社によって副業を認めるところ、認めないところが
    ありますが、それを一律に副業OKとする
    

という項目とします。こうすることで、すべてがうまく回ります。
なぜかというと・・・

 ・「残業ゼロ」(=残業禁止)にすれば、当然残業代も払わなくていい

 ・当然、サービス残業(本来は非合法な状態)もなくなる

 ・みんなが早く帰れば、個人消費も上向く( → 景気が良くなる方向へ)

 ・仕事が回らない分、会社は人を増やさざるを得ないので、
  非正規雇用(派遣・アルバイト・パート)の需要が増える

 ・正規雇用の社員は、残業代がカットになった分、定時後に
  副業してもいい


となりますから、会社は残業代が浮きますし、
非合法なサービス残業もなくなります。
会社にとっていい話です。

  もちろん、そのままでは今までの仕事量はこなせませんが、
  ホワイトカラーの仕事の場合、「残業禁止」にしただけでも、
  ある程度能率は上がります。

  また、不足分を先日の「パケット」的なやり方で、海外に
  委託する方法もあります。
  あるいは、地方に委託するのもいいですね。

  派遣ももっと柔軟に、在宅勤務による「派遣」業務も
  視野に入れて考えるべきでしょう。

  現状、難しいと感じる人も多いでしょうが、やってみれば
  不可能な話ではないと思います。
  (実際、残業ゼロで業績を上げている企業もあります)


一方、働く人は、当然早く帰れるようになりますから、
まさに「家庭だんらん」になれます。
働く人にとってもいい話です。

  しかし、中には「もっと働きたい。残業の枠なんて決めてくれるな」と
  いう人もいるはずです。

  私もそういう時期がありましたから、少々心が痛むのですが、
  それは原則禁止ということにします。その代わり、副業も含めて
  がんばるという選択肢が増えます。
  残業ゼロで退社時間が確定しているのであれば、興味のある
  副業をしてみたいという人は結構いると思います。

  また、どうしても本業の仕事が片付かないので・・・という状況も
  時々あるかもしれません。でも、安心です。
  そういう状況になれば、オフィス街周辺には、時間貸の仕事用デスク
  を貸し出すお店ができてくるはずです。そこで仕事を片付けてから
  帰るという選択肢もあります。
  (セキュリティの問題は残りますが、これも不可能ではないでしょう)
  


この話、最初は思いつきで、突拍子なさすぎるかな・・・と思ったのですが、
考えれば考えるほど、いいアイディアのような気がしてきました。
(「副業」がポイントでした)

まあ、色々解決すべき課題はあるかもしれませんが、
いつまでも 残業「代」ゼロ にこだわるよりも、こちらの方が
いいと思うんですけどね・・・。




冷静に突っ込むならば・・・、
最初の「WE」は「成果主義型の賃金制度」と密接に
かかわっている(セットにすべきもの)なので、
「家庭だんらん」とは、あまり相容れない概念です。
舛添さん、ちょっと無理があるのでは・・・? とも思います。


   残業はゼロになったとしても、
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今日の記事作成時間は54分でした。

では、また明日!


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Posted by 水口和彦 at 23:54│Comments(3)TrackBack(0)

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この記事へのコメント
うまい!
仕事のパケット化の話と【残業ゼロ法案】、うまくつながりましたね〜。

残業ゼロとなったら、本当にパケット化が進みますよね。
【残業ゼロ法案】が通れば、雇用者側がなぁなぁで押し付けていた仕事量や質の見直し、労働時間に対する成果の考え方と評価など、うまーく整理がつく気がします。

いい!なんだかおもしろい!


Posted by スギポン at 2007年09月12日 08:36
弊社も大まじめに副業OKにしようと考えているところでした。
ただし、弊社のようなスタイルの会社は、正業と副業の区別が付きにくく、極論すればmixi見てても副業の一環だったりすることもあります。
いちいちログをチェックするのも大変なのでモラルの問題ですかねえ。
Posted by FUJIKI at 2007年09月12日 10:02
水口です。

スギポンさん、これ、いい感じにつながったでしょ。
でも、こうなるとは最初は思っていなかったのですが (笑)

個人的には、こういう働き方の自由度が増えてくるほど、
面白く働ける人が増えるのではないかなあ、と思っています。
また、もしかしたら「ダイバーシティ」にもつながってくる
話かもしれませんね。

FUJIKIさん、モラルなんですよね。一番は。

勤務時間内にはやらない。会社の備品を使わない。
会社と競合する事業をやらない。取引先に営業しない。
・・・くらいは取り交わしておくべきだと思いますが、
あとはモラルの問題になってくると思います。




Posted by 水口@時間管理術研究所 at 2007年09月13日 00:23
 

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