2007年10月25日     このエントリーをはてなにブックマークこのエントリーを含むはてなブックマーク

「自分は強みを活かしているだろうか?」と考えてみる


こんにちは。水口です。

私は以前に自動車部品に携わっていたこともあり、
自動車の新しい技術や、変わった車には興味があったりします。

東京モーターショーで発表された、あのクルマもそうです。


■ 日産はなぜここまでやるのか?

・・・なんて言っても、クルマに興味のない方には、
ぜんぜんピンとこないかもしれませんね。

ここに写真があります↓
【日産GT-R 発表】誰でも、どこでも、どんな時でも最高のスーパーカー

日産が「GT−R」 という自動車を発表しました。

以前は「スカイライン」の中のひとつのグレードだったGT−Rが、
独立した(専用設計の)車種として「GT−R」というクルマになったわけです。


当然、性能もすごいです。
480馬力という、国産車(量産車)では最高のエンジン出力を誇っています。

馬力だけではあまり驚かないのですが、この車はそれ以外もすごいです。
特に、わざわざ「トランスアクスル」にしているという点に驚きます。

  【余談です:クルマ好きな人向け】
  ちょっとマニアックな話になりますが、この車は、
  「トランスアクスル」と呼ばれるレイアウトを採用しています。

  普通はエンジンと一体になっているミッションを分離して、
  ミッションはリアデフ(後輪)側に持っていっています。

  FRレイアウトでのトランスアクスルは重量バランスの面で
  理想的とも言われます。しかし、これまでに国産車では例が
  ありません。(もちろん、歴代のスカイラインにもありません)

  しかも、GT−Rは4WDなので、ミッションからフロントへ駆動力を
  戻すために、プロペラシャフトがもう一本必要になります。

  一言でいうと、(今までの量産車と比べると)とても作りにくく、
  高価な車になるわけです。

  【余談おわり】


GT−Rには、「そんなに馬力出してどうするんだ?」 とか、
「エコじゃないなあ・・・」 という突っ込みもしたくなるわけですが、
それはちょっと置いておいて・・・

「日産は、なぜここまでお金をかけた車を開発するのか?」

という疑問は残ります。

こういう、専用設計ボディの車を開発・生産するのは、
とてもお金がかかりますから、パッと見、割に合わない
感じがするんですよね・・・。

(歴代のGT−Rは普通のスカイラインとベースは共通ですし、
 スカイライン以外の車とプラットフォームを共用したモデルもあります。
 つまり、今回のGT−Rは今までにないほど、お金がかかるということです)


と思ったら、こんなニュースもありました。

日産、「GT―R」専用サービス拠点・全国160カ所
 (『』内は引用です)
 
『 日産自動車は17日、高級スポーツカー「ニッサンGT―R」の発売に合わせ、
高水準のサービスを提供する「日産ハイパフォーマンスセンター」を全国に160
拠点設置すると発表した。特別の教育を受けた販売員や専門の技術スタッフが
常駐する。最新技術を投入する同車の発売をきっかけに、顧客サービス面からも
「技術の日産」のブランド確立を目指す。

  12月のGT―R発売と同時に設置する。約3週間の教育を受けた販売員に
よる専門的な説明など通じて、欧州の高級車ユーザーを取り込む狙い。』



これは・・・、トヨタが「レクサス」ブランドでやろうとしていることを、
日産は「GT−R」ブランドでやろうとしているように思えます。

高付加価値・高価格の製品を提供するとともに、自社のブランドイメージ
全体の引き上げを狙っているのではないでしょうか。


そして、トヨタがレクサス(仮想敵=ベンツ)でいくところを、
日産はGT−R(仮想敵=ポルシェ)でいくということです。

同じプレミアム路線でも、ターゲットはちょっと違うわけです。


確かに、日産が「レクサス」と同じ路線でプレミアム感を出そうとしても、
勝ち目は薄いでしょう。しかし、「GT−R」なら違います。

逆に、トヨタが「GT−R」的な位置付けの車を出したとしても
(出すでしょうけどね・・・)、ブランドイメージでは日産には勝てません。

 仮にトヨタが「トヨタ2000GT」という昔のブランドを持ち出したとしても・・・、
 その車を実際に生産していたのはヤマハだというのは有名な話です。

いかにF1に参戦しているトヨタとはいえ、スポーツカー的なものにおいては、
ブランドイメージは今のところ「GT−R」には負けています。
もちろん、ホンダにも負けています。

そういう意味でも日産が「GT−R」という名前を残したのは強いですね。


■ 「強みを活かす」

長々と車の話ばかりしてしまいましたが・・・、

この日産のやり方は、自らの「強み」を活かすやり方です。

  自社の「技術」・「人材」の強み
  歴史として持っている「ブランドイメージ」。

  これらの資産を有効に活用すること。
  (そして、強者(トヨタ)との真っ向勝負は避ける)

という意味で、有効な戦略ではないでしょうか。そんな気がしてきました。

もちろん、この車がどれだけ売れるかは分かりませんが・・・。
(国内ではあまり売れないような・・・輸出がメインのような気もします)


さて、これを自分のことに置き換えて考えてみましょうか。
日産のこの戦略は、ビジネスパーソン向けに置き換えるとこうなります。


 ・自分が持っている「強み」を活かす
  (自分の得意技・周りの人からみたイメージを知り、活かす)


 ・ライバルとは違う路線で勝負する
  (「自分にしかできない仕事」に力を入れる)


知っている人にとってはおなじみかもしれませんね・・・。
これらは、いわゆる「強み(SWOT分析とか)」の話と、「選択と集中」の話です。

こういう「選択と集中」のメカニズムは、組織であっても、個人であっても
基本原則は共通している部分があります。

「自分の強みを活かす」ということについて、
「GT−R」くらい徹底してやれているか? と、自問してみると面白いです。

それがなにかヒントになるかも?



東京モーターショー、ちょっと行きたくなってきました(笑)
そういえば、ずいぶん前に一度仕事で行ったことがあります。
説明員として立っていたのですが、質問もあまりなく・・・、
かといって持ち場も離れられず、そういう意味ではつらかった・・・(涙)


   というわけで・・・? 
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今日の記事作成時間は49分でした。

では、また明日!


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Posted by 水口和彦 at 23:56│Comments(0)TrackBack(0)

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