2008年02月15日     このエントリーをはてなにブックマークこのエントリーを含むはてなブックマーク

「not to do リスト」は、実は2種類あるんです。


こんにちは。水口です。

今日は、最近流行り(かな?)の not to do リストについて、
整理しておきたいと思います。

↓このエントリーも参考に。(後でもう一度言及します)
404 Blog Not Found:弾の not-to-do リスト

「しないことリスト」で考えてほしいこと
- My Life Between Silicon Valley and Japan



■ not to do リストは2種類ある

「not to do リスト」というのは、「やらないことリスト」ということです。
この「やらないことリスト」は2種類あると私は考えているのですが、
最近話題になっているのは、そのうちの1つです。まず、その違い
を説明しておきます。

□ not to do リスト その1 (最近よく聞く「やらないことリスト」)

最近話題になっている「やらないことリスト」は、

 ・ 「ついついやってしまい、時間をムダにしたと後悔すること」をリスト化
           ↓
 ・ それをやらないように行動する

というものです。

これは、ゲームばっかりやって勉強しない子どもにキレたお母さんが、
「ゲーム禁止!(あるいはゲームは1日30分!)」のようにルール化する
のと似ています。

それを、自発的に、自分でルール化することで、時間をより効率的に
使おう、という主旨です。

たとえば、「(勉強時間を確保するために)テレビを見ない」と決めたり
するのも、このタイプの「not to do」です。


この「やらないこと」を言い換えると、「やるべきでない(と判断した)こと」
とも言えます。ですから、この「not to doリスト」は、「should not do リスト」
という言い方をしてもいいかもしれません。

リスト化するかどうかは別として、こういうことを考えることは大事なことです。


□ not to do リスト その2 (「今は」やらないことのリスト)

そして、もう1つの「not to do リスト」もあります。残念ながら、こちらはほとんど
話題に登らないのですが、私は、むしろこちらのほうが重要だと考えています。

それが「not to do (now) リスト」です。「今はやらないこと」のリストです。
「今は」という限定付きで、やらないと決めたことのリストです。

※ 念のために言っておきますが・・・この「今はやらないタスク」の話は、
   最近話題の「やらないことリスト」に触発されたものではありません。
   一昨年に発売した手帳レフィルの説明書に、既に書いてあります。

   ↑ブログというメディアは簡単に「パクリ疑惑」をかけられるので、
   ちょっと防衛的になってます・・・(笑)

「今はやらないことリスト」が何の役に立つかは、ちょっとわかりにくいと思い
ますので、少し説明しておきます。


■ 「今はやらないことリスト」の効果

「今はやらないことリスト」が、どう役に立つかを説明するために、まず、
普通の「to do」について説明しておきます。

いわゆる「to do リスト」というのは、タスクを書き出したリストのことですが、
そのタスクには2種類あります。「やるべきタスク」と「やりたいタスク」です。


やるべきタスク(「must do」 とします)とは、やるということが決定済みの
タスクです。人と約束済みのタスクと考えると分かりやすいかと思います。

やりたいタスク(「want to do」 とします)とは、人と約束したわけではないし、
絶対やると決まったわけでもないけど、「やっておきたい」と思うタスクです。

たとえば、「ファイリング方法を見直して書類を整理する」など、カイゼン系
のタスクがこれに当たります。

他にも、「(差し迫った事情があるわけではないけれど、)○○について
情報整理しておきたい」などの、自らの興味に基づいたタスクも、これに
当たります。


このように、同じ「to do」でも、そのなかには「must do」と「want to do」が
あるわけです。

そして普通、「must do」(約束したこと)は、絶対やらなければいけない
ものです。選択の余地はありません。

※ 重要じゃない(別にやらなくてもいい)「やること」は、この段階では
   すでにカットされているという前提での話です。

ですから、「must do」をやった残りの空き時間で、「want to do」をやる
ということになります。実行順序は必ずしもこの順ではなくてもいいの
ですが、時間の収支としては結果的にこうなるはずです。


そして、使える時間が少ないのに、「want to do」がたくさんあると、
ちょっと困ったことになります。

「あれもやりたい、これもやりたい」と思うのは仕方ないにしても、実際に
あれこれ手をつけた挙句、結局どれも中途半端になってしまうと、結果
に結びつきませんし、自分自身もフラストレーションがたまります。


そこで、「not to do (now)リスト」が役に立ちます。

最初の「should not do」とは違い、自分が本当に「やりたい」と思うことの
なかから、あえて「今はやらない」ことをピックアップし、リストにします。
一時的に「封印」するというイメージでもあります。

そして、残った「やりたいこと」を完了させていく(結果に結び付けていく)
というのが、この「not to do (now)リスト」の狙いです。

時間という資源を分散させないために、いわゆる『選択と集中』を行うと
いうことです。もちろん、「やりたいこと」が完了したら、保留していた
「やりたいこと」を見て、(まだやりたいのなら)それを実行するわけです。

また、保留しているうちに、「別にやらなくてもいいかな」と、気が変わる
ものもあるかもしれません。それはそれで、やらないという決断を下す
ことも検討すべきです。


いろんなことをやりたいと思ったり、自分の興味がいろんなことに分散
してしまいがち・・・という人には、効果のあるリストです。

心当たりのある方は、試してみるといいと思います。


■ 「not to do (should not do)リスト」に曖昧さを入れてはいけないという話

さて、前述の他のブログのエントリーについて。

まず、梅田望夫さんのブログ(↓)では、

「しないことリスト」で考えてほしいこと
- My Life Between Silicon Valley and Japan

『』内は引用です)
 
『(前略) 自動的に「しないこと」が判断できるということだ。その都度、
 この人ならいいやとか、そういう曖昧な判断がいっさい入らないことが
 大切なのだ。』


とあります。ルールを厳格にしておかないと、せっかくの「not to do」も
効果をなさないというわけです。

また、せっかくあいまいさの無いルールを決めても、その運用時に「例外」を
作ってしまっては無意味になるということも、考慮する必要がありますね。

  【余談】
  私は、こういう「やらないことリスト」は、「自分の時間を有効に使う」という
  観点で、必須のものだとは考えていません。リスト化するよりも、もっと
  具体的な対策を取ったほうが早い場合もあるからです。

  たとえば、私は「テレビを見ない」とは決めていませんが、見たい番組が
  終わった後にダラダラ見続けるのはやめようと考えています。そのため
  に、見たい番組は録画して見るようにしています。

  これも一種の not to do とも言えますが、具体的な(物理的な)対策を
  伴なうものです。たとえば、テレビにつながっているアンテナ線は取って
  しまいました(HDレコーダ経由でしか見られないようになっています)。
  こうすると、(私の機種では) 素早いザッピングができなくなるので、
  チャンネルをあれこれいじりながら、ダラダラ見ることがなくなるんです。
  【余談おわり】

リスト化するか、対策するかは置いておいて、こういうことを考えたり、
定期的に見直してみる習慣は、大事なことだと思います。


■ 「not to do リスト」は作らないという話

著名ブロガーのdankogaiさんは、↓このエントリーで、こう言っています。
404 Blog Not Found:弾の not-to-do リスト
『』内は引用です)

『 not-to-do リストが流行りそうだ。 (中略)
 というわけで、私のそれも公開しておくことにする。

 私のそれは、実に簡素である。なにしろ、項目が一つしかない。

   弾の not-to-do リスト
    0. not-to-doリストを作成する

 要は 「not-to-do リストは作らない」ということである。

 なぜか。

 リストに甘えたくないからだ。 』


リストを作ることで、かえって頭を使わなくなってしまうので、リストは
作らない、ということだと思います。

そして、dankogaiさんは、リストを作らない代わりに、別のやり方を
取っているそうです。

『 「それで脳力が足りるのか」「それって脳力の無駄遣いじゃないのか」と
  いう突っ込みも当然あるだろう。実はこれに対してはリスト以外のやり方
  があって、私が採用しているのはそちらである。が、これに関してはentry
  を改めて書く事にする。 』


と、上記エントリーにあります。その「リスト以外のやり方」が何なのか、
現時点では分かりません。


それを推測する、というわけではありませんが、一般論として、not to do
(should not do の方)を、やらないで済むための方法論を1つ紹介して
おきます。

not to do(should not do)をやってしまい、後悔する。そんな事態にならない
ために、私が考える最も有効な手段は、want to do をガツガツと実行して
いくことです。

しかも、あれこれ目移りするのではなく1つに集中し、「やりたい」と思った
気持ちが冷めないうちに、行動に移してしまう。そうやって、充実した時間を
過ごしているときは、not to do(should not do) には、目もくれなくなることが
多いものです。

逆に、want to do はあっても、「いつやろうか」と迷ったり、「いつかやろう」と
無期限の先送りをしてしまっているときには、not to do(should not do) を
ついやってしまったりしがちです。


  want to do を「すぐやる」こと。気持ちをあれこれ分散させるのではなく、
  1つずつ集中して取り組むこと。

これが、not to do(should not do) をやらないために有効です。また、
want to do は面白いことに、1つ完了しても、また次のwant to do が出て
きます。そして、それらをエネルギッシュに実行しているときには not to do
(should not do)が入り込む余地が少ない。私は経験的にそう思います。

もちろん、want to do に夢中になりすぎて、must do ができなかったとなると
困りますから、must do については、確実に管理する必要はあります。

しかし、want to do については、必ずしも計画的でなくても構わない。
私はそう考えます。


時間管理必要論者としては、ちょっと変だと思うかもしれませんが、

 ・時間管理によってmust do を明確に管理できる
           ↓
 ・逆に自由な時間もはっきりする
           ↓
 ・その時間でwant to do に取り組むことができる。

これも時間管理を活用することのメリットだと考えているんです。




not to do (now) リストの話にも共通しますが、want to do については、
気持ちを分散させずに、少ないものに集中して取り組むことが、結果と
しての効率の高さや、モチベーションの高さを生むように思います。
(あくまでも経験談としての話ですが)


今日の記事作成時間は・・・68+α分でした。
(昨日からちょこちょこ書き足していたので、正確な時間は不明です・・・(汗) )

では、また明日!



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Posted by 水口和彦 at 23:55│Comments(0)TrackBack(0)

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