1343人・2億9千万円の不払い残業
こんにちは。水口です。
今日は「サービス残業」関係の話題です。
■ 2億9千万円の不払い・・・
こんなニュースがありました。
残業代2億9千万円不払い 広島のもみじ銀行
中国新聞ニュース
ニュースにはこうあります。
(『』内は引用です)
『 もみじ銀行(広島市)は二十八日、二〇〇五年九月―〇七年八月の二年間で、
行員千三百四十三人に対し、計約二億九千万円の残業代の不払いがあったと
発表した。今年一月までに全額支払ったという。
〇七年九月に広島中央労働基準監督署から是正勧告を受け、全行員二千二
百四十五人を調査した結果、判明した。
同行は〇五年一月にも同様の勧告を受け、約三億三千万円を支払っており
「再度の指導を真摯しんしに受け止めている。労働時間管理の徹底や、業務体制
の見直しを進めたい」としている。
全行員に対し、パソコンの使用記録などから実際の労働時間を自己申告させた
結果、計約十万九千時間分の賃金が支払われていなかったことが分かった。』
横書きで漢数字を使うと読みにくい・・・(汗)
数字を整理すると、
全行員:2245人
そのうち1343人に残業代不払の事実が判明
時間数は合計109,000 h (1人当たり 約81h)
支払い金額は約2億9千万円(1人当たり 約21万6千円)
ということです。これは、額として大きい方です。
ちなみにH18年度の「監督指導による賃金不払残業の是正結果」では
100万円以上の是正 1,679社 約227億円
(1社当たり 約1,352万円・1人当たり約12万円)
1000万円以上の是正 317社 約182億円
となっています。
ちょっとわからないのが・・・、(『』内は引用です)
『全行員に対し、パソコンの使用記録などから実際の労働時間を自己申告させた
結果、計約十万九千時間分の賃金が支払われていなかったことが分かった。』
とある点です。自己申告でいいのか? という疑問は置いておくとしても、
「実際の労働時間」というのが、どう定義されているんですかね。
たとえば、早めに出社した場合はカウントされるのか否か・・?
朝早めに出社する人には、即仕事モードに入る人もいれば、まだ始業前
だからと、ネットニュースを見たりしている人もいるはずです。それを区別
するのは難しいことです。かといって、朝は労働時間としてみなさないと
いうのも、ちょっと変な話です。
また、同じことは残業時間にもあって、「どうせサービス残業だから・・・」と、
ダラダラ残っていた人も、おそらく一定数いるはずですが、その時間と本気
の残業だった人の時間をと同じに扱っていいのか? というのは、今さら
ながらですが疑問ですね。
そう考えると、もみじ銀行は、(労働時間管理が甘かったために)、本来は
支払うべきでない時間も含めた残業代を払っているのかもしれません
(もちろん、支払うべき残業代のほうが多くを占めているのでしょうけど)。
企業にとっても、従業員にとっても、微妙に割り切れないところがあるような
気がします。従業員のなかには、「もらっちゃっていいのかな・・」と思って
いる人もいるのではないでしょうか。
これから、こういう事例はまだまだ増えると思います。
ちなみに、是正対象(H18年度 1,679社)の数は、増加傾向にあります。
H15年度 1,184社
H16年度 1,437社
H17年度 1,524社
H18年度 1,679社
(元データはこちら↓にあります)
厚生労働省:監督指導による賃金不払残業の是正結果
‐平成18年度は約227億円‐
労働時間管理(現在はICカード式もありますね)を検討している企業も
多いと思いますが、単純にそれを導入するだけでは仕事が回りません。
各個人の時間管理(自己管理)とともに取り組んでみてはいかがでしょうか。
個人的には、労働時間管理は自己申告制でもいいんじゃないかという
思いも少しあるのですが、それも古き時代の話になりそうです・・・。
今日の記事作成時間は36分でした。
では、また明日!
Posted by 水口和彦 at 23:53│Comments(0)│TrackBack(0)
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