No! 「なり残」 : 「なりゆき残業」を無くそう
こんにちは。水口です。
今日は、3つの「ムダ残(無駄な残業)」の2つめ、
「なり残(なりゆき残業)」を無くそうという話です。
■ 「なり残」=なりゆき残業とは?
「なりゆき残業」という言葉は初耳の方が多いと思います。
前回の「つきあい残業」という言葉は、一般的にも使われていますが、こちらの
「なりゆき残業」は、私の造語です。とはいえ、「なりゆきで残業になってしまう」
という状況は、いろいろ想像つく方も多いのではないでしょうか。
「なりゆきで残業する」というのは、たとえば・・・
□ 仕事の納期の前日に、遅くまで残業になることが多い。
□ そのときに、「もうちょっと早めに手をつけておけば良かった・・・・」
と後悔することが多い。
□ 頼まれごとを軽い気持ちで引き受けてしまったけれど・・・
やり始めてみると思いのほか仕事量が多く、長時間残業になる。
□ 「今日中にやらなければいけない仕事」があるのに、
ついそれ以外の仕事に時間を使ってしまい、残業になる。
といったことが原因で、残業してしまうことです。
「毎日残業が長い」というよりは、「残業が長い日と短い日の差が大きい」
「スケジューリングのミスで残業が長くなってしまう」といったケースです。
あまり先のことを考えず、「なりゆき任せ」的に仕事を進めているために
残業になってしまうという意味で、「なりゆき残業」というわけです。
■ 「なり残」の功罪
こういった「なり残」は、「仕事の効率」という面では、必ずしも悪いこと
ばかりとは限りません。
「今日中にやらなければ!」というプレッシャーは、仕事に対するやる気や
集中力を高めてくれることもあり、そのおかげで仕事の能率が高まること
もあります(これを「しめ切り効果」と呼ぶことがあります)。
「追い込まれないと、なかなかやる気が出ない」
「納期が迫ってくると、集中して仕事に取り組める」
というのも、「しめ切り効果」の表れです。
適度な「しめ切り効果」は、仕事の能率を高めてくれることがありますが、
極端すぎると、残業が長時間になり過ぎてストレスになったり、健康上の
問題を起こすこともあります。
あるいは、「仕事が終わった!」という開放感と、疲れのせいで、その翌日は
仕事にならない・・・なんてこともあります。軽い「燃え尽き症候群」のような
ものです (「プチ燃え尽き症候群」という感じ?)
これでは、トータルで見た仕事の効率は下がってしまうことになります。
また、仕事で「燃え尽き」てしまうことが多くなると、それがプライベートにも
影響をもたらします。「勉強する」「スキルを身につける」ための時間も取れなく
なってしまいます。
このように、「なり残」は、行き過ぎると色々問題があるわけです。
■ 「なりゆき」は、人の残業にも影響する!
しかし、この「なり残」は、昨日の「つき残(つきあい残業)」以上にはびこって
いる職場が少なくありません。
たとえば、(よくある)悪い例を1つあげると・・・、
Aさんは、夕方、B課長(上司)から仕事を頼まれました。
↓
その仕事は、どうしても今日中にやらなければいけないらしい。
↓
仕方がないので、残業で対応するAさん・・・。
(そして翌日)
Aさんに話しかけるCさん(同僚)。
「昨日は大変だったね。 でも、ここだけの話だけど・・・あの仕事って、
1週間前からB課長の机の上に置いてあったんだよね。もしかしたら、
課長はもともと自分でやるつもりだったのかな?」
・
・
・
「それなら、もっと早く頼んでくれよ!
そうすりゃあんなに残業しなくて済んだのに!」 とAさん(の心の声・・・)
というのは、よくある話です (本当によく聞きますよ)。
このケース、上司が自分でやるかどうか迷っているうちに時間が過ぎてしまい、
結局部下に任せることにしたわけですが・・・、その判断が遅かったせいで、
部下に残業させることになってしまったわけです。
「なりゆき」は、自分自身の残業だけでなく、人の残業にも影響すると
いうことですね。
ちなみに、こういうケースを無くすためには、この上司自身が、自分の仕事量
をつかむ必要があります。
■ 「なり残」対策は、仕事のスタートにも着目!
今のは「特に悪い例」ですが・・・、逆に、こうならないように、仕事の期限に
余裕を持たさえすれば良いかというと、そういうわけでもありません。いくら
期限に余裕があったとしても、今度は本人の仕事の進め方が「なりゆき」で
あれば、同じように残業に頼ることになります。
ですから、「なり残」を減らしていくためには、個人個人が自分の仕事を計画
しながら進めることが、どうしても必要になってきます。
そのためには、まずは、
仕事のスタートに注目する(注目してもらう)
(「いつまでにやればいいか」よりも、「いつからやり始めるか」を重視する)
ことから取り組んでみてはいかがでしょうか。仕事の「出遅れ」を防ぐことが、
「なり残」対策として有効です。
上司の立場で言えば、
「金曜日までにやって」 と言うよりも、
「いつから取りかかれそう?」と聞くこと。
(本人に考えるきっかけを与えること)
自分自身のことで言えば、
「金曜日に終わらせるには、いつスタートすればいいか?」と考えること
これらは、仕事の計画を立てる上での第一歩でもあります。
■ 「なり残」対策には、「タイミング」と「仕事量」をつかむことが重要
「なりゆき残業」を防ぐためには、
「なりゆき残業をしない」 = 仕事を始めるタイミング(いつから)を重視
自分の仕事量をつかむ (先を読む)
「なりゆき残業をさせない」 = 人への仕事の振り方を見直す
(同様に自分の仕事量をつかむことが重要)
とい2つの視点が必要です。これについて、少し話し合う機会を持ってみては
いかがでしょうか?
また、これらを習慣的にやっていくためには、時間管理をやる(やってもらう)こと
を考えてみてください。時間管理は「仕事量をつかむこと」や、「仕事の平準化」
にも役立ちますので、より効果を上げることができます。
※ 仕事の平準化 = 毎日の仕事量を均すこと です。
(仕事量のばらつきを減らすこと)
かくいう私も昔は、「なり残」キングだったかもしれません・・・。
本人は結構充実感を持ってやっている場合もあるのが、
このタイプの残業のやっかいなところかもしれませんね・・・と、
我が身を振り返って思います。
今日の記事作成時間は90分でした。
では、また明日!


Posted by 水口和彦 at 23:55│Comments(0)│TrackBack(0)
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