「ベストセラーの盗用疑惑」はネットリテラシーの不足が原因では？

こんにちは。水口です。

今日も本に関連した話ですが、ちょっと別の話を・・・、


■　ベストセラーに盗用疑惑？

あるベストセラーの本に盗用疑惑がある、という話がニュースを賑わせています。

これから、まだもめるかもしれませんが、出版社側の言い分としては・・・、
　（『』内は引用です）
　
『「インターネット上で数多く投稿されている、周知の心温まるエピソードとして
採用したもので、読売新聞の記事の『盗用』ではないと判断しております」
との見解だ。しかし、法的な問題については判断がつかないため、「現在、
法律の専門家の方と相談」しているとのことだ。 』

とあります。（下記ニュースからの引用です）

出版社側は「『盗用』ではないと判断」　ディズニーランド逸話本の「盗用疑惑」


この問題、著者のネットリテラシーが不足していたのではないか？
という気がします。


■　「インターネット上で数多く投稿」の落とし穴

上記記事には「インターネット上で数多く投稿されている、周知のエピソード」
という記述があります（出版社からのコメントとして）。

普通、一般に広く知られていることについては、確かに「盗用」の問題は
無いと思います（一語一句同じというならまずいですが）。

ただ、「インターネット上で数多く投稿」というのが、どういう状況を指すの
かで、判断は大きく違ってきます。


たとえば、同じ内容の文章が数多くのサイトに載っていたとしても・・・、
元の文章が特定のサイトに載っていたものであり、その引用があちこちに
あるだけなら、本来の著作権者は存在しますし、「周知のエピソード」とも
言えなくなってきます。（元は１つの文章ですから）

ここで気にかかるのが、ネット上の引用の仕方です。

サイトの中には、（ネットに詳しくない人には）引用だと分かりにくいものも
あります。慣れている人なら分かる元サイトへのリンクも、ネットに慣れて
いない人には、分からないケースも考えられます。


ですから、「引用」であること（元ネタは１つであること）に気づかずに、

「あちこちに書かれているんだから、引用とことわらないでもいいだろう」

と著者が判断してしまった・・・。ということも考えられるのでは？



特に、上記の本で問題になっているエピソードの多くは「某巨大掲示板」に
投稿されたものだそうです。その掲示板といえば、たくさんのコピーサイトが
存在するわけで・・・、見る人がみれば分かりますが、知らない人が見れば
「色んなサイトに同じ内容が投稿されている」と見えるのかも・・・？

この著者は私よりもかなり年上ですし、ネット上のそういう仕組みを知らず
に早合点してしまったという可能性も否定できません。
（というのは、やや著者側に好意的な解釈かもしれませんが）


■　ネット上の引用をもう少し分かりやすく

上記の仮説が正しいかどうかは置いておいて、私が気になるのは、同様の
勘違いが起こる可能性はネット上にいくらでも転がっているという点です。

特に、ネットを使用する人が増えれば増えるほど（年齢層が広がるほど）、
そういう懸念は増えてきます。


そんなわけで、個人的にはネット上の引用はもう少し分かりやすくすべきでは
ないかと考えています。

※　このブログで（○○より引用）と、明記することが多いのも、そういう
　　 配慮からです。

　　 だいぶ以前ですが、人の本を紹介、少しだけ引用してそれ以外は自分の
　　 意見を書いたものを、全部引用だと思われたことがありまして・・・、
　　 それ以来、引用部ははっきり分かるよう気をつけています。


「ネット上の引用やコピーは分かる人は分かる」という意見にも一理ありますし、
今回の一件は著者が軽率だったとも思いますが・・・　それはそれとして、引用
のあり方は変えていった方がいいんじゃないかと思うのですが。

具体的には、リンク先を示すとともに、引用部の近くに「上記サイトからの引用」
のように記述するのがベストだと思います。


・・・でも、これは意見が分れるかもしれませんね。
私自身も迷うところがあります。

たとえば、人のブログを無断で（引用元も表示せずに）コピー・貼り付けしている
ブログも存在します（多分、自動で記事をコピーするシステムになっています）。

まあ、それは一種の「スパム」的なものですが、そんなスパムブログを含めて、
「インターネット上で数多く投稿」と解釈されては困るわけで・・・。引用する側が
ちゃんと判断していかなければいけない問題と見るべきかもしれません。

ネットに慣れている方なら（もちろん良識があるという前提で）、問題ないこと
なんですけどね・・・。なかなか難しいです。

---

今日の記事作成時間は３２分でした。

では、また明日！

---

時間管理術研究所の無料メールマガジンで
モチベーションアップしてみませんか？

メールアドレスを入力すれば登録できます！ →　

バックナンバーはこちら

---

Copyright (c) 2005-2014 BizARK Inc. All rights reserved.

---

Comments

水口です。こんばんは。

自己レスです。
その後気付いたこととして・・・

上記の一件、著者はいくつかブログを運営していたりするそうで、
ネットリテラシーが低いとは思えない・・・。そんな印象です。

この記事で私が懸念していることが消えたわけではありませんが、
今回の一件にはあまり影響していないように思えてきました。

ということは・・・？

Posted by 水口和彦 at 2009年04月21日 21:44