2010年08月19日     このエントリーをはてなにブックマークこのエントリーを含むはてなブックマーク

睡眠時間を活用して効率アップ!? (睡眠学習の話ではありません)


こんにちは。水口です。

こんな記事↓がありました。

ニュース - 科学&宇宙 - 夢を見ると創造性が増す?
(記事全文) - ナショナルジオグラフィック 公式日本語サイト


『』内は引用です)
 
『 8月13日、アメリカ心理学会(APA)の年次総会で、カリフォルニア大学サンデ
ィエゴ校の精神医学者サラ・メドニック氏率いる研究チームが発表を行った。レム
睡眠を含む仮眠を取った人は、創造性を測る単語テストの結果が良好だったと
いう。レム睡眠とは急速な眼球運動を伴う眠りで、この時に夢を見る可能性が
最も高い。寝ながら脳が活動している間に、アイデアの新しい組み合わせが生ま
れると同氏は報告した。』


                                   (上記記事より引用)

「睡眠」と「アイデア(発想)」に何らかの関係があるということは、以前から
言われています。

ざっくり言うと・・・

・ 人の脳は睡眠時にその日の出来事などの記憶を再整理する

・ 翌日になれば、思い出すべきことはより思い出しやすくなる
  (逆に忘れてしまうこともあるはずですが)

・ 記憶が整理されることによって、翌日には前日と同じ課題に対しての
  発想力が違ってくることがる

といった話です。

厳密に言えば、睡眠を取った後は「違う自分(違う発想を持った自分」に
なっているわけです。より良いアイデアを生み出すためには、一度寝てから
考えると良いと言われることも多いです。

上記は、こういった説を検証するための実験というわけです。

(続きです↓)
 
『  実験は午前と午後の2部に分けられ、それぞれ別のテストが実施された。被験
者は午前中に単語の類推テストを受けた。例えば、「chips=salty, candy=?」
(ポテトチップス=塩辛い、飴=?)という問題で、正解は「sweet」(甘い)となる。

 午前のテストが終了した後、正午から90分の休憩時間中に脳の活動がモニ
ターされた。休憩中の被験者は3種の行動を選んだ。ノンレム睡眠とレム睡眠
を含む仮眠を取った第1グループ、ノンレム睡眠だけの第2グループ、そして休憩
中ずっと起きていた第3グループだ。ノンレム睡眠とはレム睡眠の前に訪れる深
い眠りで、通常1時間以上続く。

 休憩後、午後のテストが実施された。一見無関係な3つの単語に共通する単語
を1つ答えるというものだ。例えば、「cookie」(クッキー)、「heart」(ハート)、「sixt
een」(16)に関連する共通の単語は「sweet」となる。お菓子のクッキーはsweet
な味、愛しい人は「sweet heart」、「sweet sixteen」で「花の16歳」だ。さらに午
後の問題の正解の多くは、午前の類推テストの正解と同じ単語になるように作
られていた。

 その結果、正解が午前と午後で共通な問題(前述のどちらも「sweet」の場合
など)では、レム睡眠を取った第1グループが正解率を約40%向上させた。一方
でノンレム睡眠だけの第2グループ、まったく寝なかった第3グループの正解率
は変わらなかった。

 つまりレム睡眠が、類推テストと関連付けテストの一見無関係な解答に関連
性を見出す能力をアップさせたと考えられる。

 メドニック氏は、どのグループも午前の解答を記憶していたという点では変わり
はないと強調する。つまり、午後のテストで記憶力を単に測ったのではなく、「単
語の記憶を組み替えて、ほかの文脈や状況でその単語を呼び出す」役割をレム
睡眠が果たすと証明したのだという。 』


                                   (上記記事より引用)

ちょっとややこしい話でしたが・・・まとめると、

・ 「レム睡眠」を取ると、連想力、発想力などが変化する

・ 起きていた場合や、「ノンレム睡眠」の場合は効果はない

ということになります。


・・・ということは、「ノンレム睡眠」の後に現われるとされる「レム睡眠」じゃない
と効果がないということですかね?つまり、15分や、数十分程度の睡眠では
効果がなく、最低でも90分程度の睡眠が必要だということです。

やはり、「考えるだけ考えて、もうアイデアが出てこない」となったら、その日は
やめて(寝てから)翌日に考えるのがいいということでしょうか。

――――――――――――――――――――――――――――――――
ただ、睡眠の話でややこしいのが・・・ 短時間の睡眠でもレム睡眠が現われる
(ように思える)ことがあるところです。

一般に、夢を見ているときの睡眠がレム睡眠とされていて、そのレム睡眠は眠り
始めてからしばらく(90分程度)は起こらないとされています。でも、実際には
15分程度の短い睡眠でも夢を見ることがあります(たまにですが)。

ですから、場合によっては、15分程度の睡眠でも、同様の効果が得られること
があるのかもしれません。(←あくまで経験に基づく推論です)

このレム睡眠の話は置いておくとして・・・
――――――――――――――――――――――――――――――――


私も、アイデアが必要な案件(執筆なんかも含めて)では、早い段階から、
「割と短時間でのアイデア出し」→「翌日以降に見直し・書き足し」という
サイクルを始めるようにしています。

これもこの睡眠の話を元に考えてみた方法ですが、実際に同様の方法を使って
いる人は結構多いみたいですね。「アイデアを寝かせる」と言い方がされること
もあります。(実際に寝かせているのは自分の頭ですが・・・(笑))

これは、実行してみると本当にいいです。2時間考えるよりも、15分×4日の
計1時間で考えた方が、良いアイデアが浮かぶように感じています。

※ 「早い段階から始める」というのは、期限が迫ってから始めたのでは、
   アイデアを寝かせている期間が取れないからです。


これも一種の「時間活用術(時間節約術)」ですね。
「アイデアの質を高める」という意味では、時間節約以上の効果がありますが。



さて、上記の記事でもうひとつ興味深い話が・・・

『』内は引用です)
 
『  記憶の改善以外にも睡眠には、未来に想像を巡らせる力を養い、正しい方向
性を見いだせるようになる効用もある。

「人は未来を想像するときに、過去に経験した事柄を結び付け直している」と、
ハーバード大学の精神医学者ダニエル・シャクター氏は、米ナショナルジオグラ
フィック ニュースの取材に対して話す。

 同氏はメドニック氏とは別の研究を行っており、13日のアメリカ心理学会の
年次総会で、海馬などの記憶をつかさどる脳の領域が、未来を想像するときに
も活発化したと発表した。

「レム睡眠が魔法の水晶玉かどうかはわからない。でも睡眠中の夢には、過去
の経験を呼び戻して再構築する役割があると考えている」。 』



「未来に想像を巡らせる力」というのは、脳の「前頭前野」が強く働く活動の1つ
でもあり、先を読んで行動することや、目標を達成しようとする意志、逆に安易
な方向に流されないようにする意志などに関連していると言われています。
まさに時間管理的なものにも関係しているわけです。

睡眠をちゃんと取ることが、計画を立てたり、それをやり遂げたりすることに
関連してくるのでしょうか。言われてみればそんな気もしますけどね。
(私の場合、睡眠不足で気力が萎えただけの話かもしれませんが・・・(笑))

こうした研究から、新しい知見が出てくるのが楽しみです。



今日の記事作成時間は37分でした。
では、また明日!


このエントリーを含むはてなブックマークこのエントリーをはてなにブックマーク
Posted by 水口和彦 at 23:55│Comments(0)TrackBack(0)

時間管理術研究所の無料メールマガジンで
モチベーションアップしてみませんか?
メールアドレスを入力すれば登録できます! → 
バックナンバーはこちら
Copyright (c) 2005-2014 BizARK Inc. All rights reserved.
この記事へのトラックバックURL
(参照リンクの無いトラックバックは受け付けておりません)
 

※ スパムコメントがあまりに多いため「http://」は使用不可の設定にしています。
  URLをご紹介頂く場合は「http://」を省くか全角文字を使用して頂けますと
  幸いです。