残業時間を過少申告した人は27.6%
こんにちは。水口です。
残業、特にサービス残業について、見逃せない数字がありました。
(『』内は引用です)
『 連合総研が20代から50代の民間企業に勤める男女793人を対象に調査
したところ、残業手当の支払対象であるにもかかわらず、残業時間を会社に
少なく申告した人が27.6%いたことがわかった。過少申告した時間は、平均で
月17.7時間だった。』
『 申告しない時間があった人に、その理由を尋ねると、「自分自身で調整した
から」という人が81.8%とほとんどを占め、「上司から調整するように言われた
から」という人は11.7%にとどまっている。
なぜ自分で調整したのか尋ねると、「働いた時間どおり申告しづらい雰囲気
だから」が41.1%で最多。「なんとなく申告しなかった」18.8%、「残業手当に
限度があるから」15.2%、と続いている。
また、所定労働時間を超えて働いた人に、その理由(複数回答)を尋ねたと
ころ、「突発的な仕事があるから」(43.1%)、「人手が足りないから」(39.8%)
に次いで、「自分が納得するように仕事を仕上げたいから」(33.3%)が上がっ
ている。』
(下記記事より引用)
■ 残業時間の過少申告
残業を実際よりも少なく申告している人が、27.6%いる。
この数字を多いと見るか、少ないと見るかは意見が分かれるかもしれません。
(昔はもっと多かったはずなので・・・)
しかし、過少申告している人(サービス残業している人)が3割弱いるという
のは、実際のところ・・・かなりまずい状況です。
上記の記事にあるように、過少申告している人の多くが自主的にそうしている
としても・・・労働基準監督署の指導が入れば「自主的にやってるから」という
言い訳は通用しません。
実際、企業や自治体において未払い残業(サービス残業)が発覚し、支払うよう
是正指導を受けたというニュースを調べてみると、新聞に載っているケース、
つまり金額が比較的大きいケースだけでも、毎月数件あります。
一旦調査が入ると、パソコンの使用履歴やメールの履歴まで調べられてしまう
ケースもあるほどで、調査はなかなか厳しいようです。
「昔はもっと大らかだったのに・・・」と思う人もいるかもしれません。実際、私の
サラリーマン経験を振り返ってみても、昔は今のように、サービス残業に対して
あまりうるさく言わなかったものです。その頃は、私も自主的にサービス残業を
していました。
それが変わってきたのは、この10年以内、特に5年前くらいからの話です。
大企業では、すでにサービス残業をさせない方向に変わってきたところも
ありますが、全体としてはまだまだというのが現状。あと数年は未払い残業
のニュースが途切れないんじゃないかな・・・という予感がしています。
(もちろん、それは決して良いことではないのですが)
■ 2つのサービス残業
上記の記事には、「過少申告してしまう理由」がいくつかあげられてますが、
実際のところ、理由は二種類に分かれると思います。
ひとつは、管理職や経営者が「(申告上の)残業時間を規制している」こと。
「無言のプレッシャー」的なものも含めてです。これはもちろん良いことでは
ありません。
そしてもうひとつは、従業員サイドで申告時間を調整していることです。
私のサラリーマン時代の実感として、こちらのケースもあると思います。
たとえば・・・
集中してやれば2時間で終わる仕事だったんだけど・・・ 同僚としゃべり
ながら仕事したり、仕事と関係ないネットを見ながらやっていたら、3時間
かかっちゃった・・・。こんなときには(帰る時間が3時間に相当したとしても)
「実質2時間だよな」と思いつつ、2時間としてつける。
そんな、言わば「ダラダラ残業」的なものも、いくらかあると思います。
アンケート調査などでは、なかなか言いにくいことなので、回答としては
上がってきませんが、こういう理由の残業もそれなりにあると思います。
あるいは・・・
残業をあまりつけられない(そうすると会社に迷惑がかかる)ことは
分かっているけど、もう少し時間をかけて仕事をしたいので残業する。
いくらか「自己満足」的な部分がある仕事なので、そのすべてに残業
代を請求するのも気が引けるので、少なめに申告する。
そんなケースもあるはずです。自分なりのバランス感覚で調整して
申告しているという感じです。
実際、私も昔はこの両方の過少申告をしたことがあります。
(昔の話ですが)
■ 従業員サイドも理解が必要(理解してもらうことが必要)
これらの残業時間の申告については、管理職サイドと従業員サイドで
意見が分かれることがあります。
最初の「上司が部下に過少申告させる」のは、もちろん問題ですが、
後者の「自主的に過少申告する」方は「別に問題ないじゃないか」と
いう人が、従業員サイドに結構多いのです。
「自分の都合や、自分のこだわりで増やしてしまった残業はつけない」
というのは、従業員側の姿勢としては立派だし、私も共感するところが
あります。しかし・・・ひとたび(労基署に)調査に入られてしまえば、そう
いった言い訳は通じません・・・。
最悪の場合、(従業員サイドで)自分が良かれと思ってやっていたことが
会社に迷惑をかけることにもつながってしまう・・・。そういうことも充分
あり得るのです。
「(残業をつけてないから)遅くまで残っていてもいい」という考え方は
もう通用しない・・・と考えるべき。そんな状況になっているのです。
個人的には、こういうタイプの本当に自主的なサービス残業は、したい人
にはさせてあげたい気がしますが・・・そうはいかないのが現状です。
このあたりが、いまひとつピンときていない人(昔ながらの感覚でいる人)
は、まだまだ多いような気がします。
ですから、管理職の方は、「部下にサービス残業させない」のはもちろんの
こと、「自主的なサービス残業も(会社として)困ることになる」ということを
理解してもらうよう努めるべきではないですかね。
今日の記事作成時間は38分でした。
では、また明日!
Posted by 水口和彦 at 23:55│Comments(0)│TrackBack(0)
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