「ぬるい部下」は誰が作るのか?
こんにちは。水口です。
今日は「組織論」的な話、「上司」の立場にある人に向けた話です。
その題材として、ちょっと面白いと思ったのが、この記事↓です。
ぬるい部下に悩む上司
(ITmedia エンタープライズ) - Yahoo!ニュース
(『』内は引用です)
『 周りを見渡すと、「やります」と調子のいいことを言うものの、
確認すると何もやっていない、約束をしたのにそれを果たさない、
そんな部下がいないだろうか。わたしは彼らを「ぬるい人」と呼んで
いる。今回はそのことについて触れたい。』
(上記記事より引用)
「ダメな部下」ではなく、あえて「ぬるい人」と呼ぶ意味は、もうひとつ
分からないのですが、それは置いておいて・・・、記事にはこうあります。
(『』内は引用です)
『 ぬるい人とはどういう人だろうか。
・何でも「はい」と言う
・できないと言い訳を並べ立てる
・成果にこだわらない
・考えているふりをする
・調子のよいことばかりを言う
・やるべきことを先延ばしにする
・約束したことを守らない
・何につけてもいい人でいようとする
今のような変化が激しい時代には、このようなぬるい社員は
生き残ることができない。』
(上記記事より引用)
ということだそうです。
この定義は、いろんなことを盛り込みすぎていて、
かえって焦点が合わなくなってしまっているような気もします。
本来、ここで言いたい一番のポイントは、
「時間を売る」発想で仕事をするのではなく、
「仕事の成果」を売る発想で仕事をしてほしい。
ということではないですかね? 私はそう解釈しました。
上記の「ぬるい人」は、一言でいえば「定められた時間に会社にいること」が
責務と考えているけど、実際の仕事は(当たり前だけど)そういうことじゃない。
その時間を使って「形」にすること。「成果」にすることが必要。そこを分かって
ないのが、(上記の)「ぬるい人」だということです。(←あくまで私の解釈として)
※ もちろん、いろいろな理由で「成果」がなかなか出ないこともありますし、
すべてを「成果」で計るべきでもないと思います。
(そうしてしまったら、挑戦的な仕事をやりたがらない人が増えますし)
しかし、何らかの「形」にしていくことは必要ですし、「考えているだけで
行動しない」人は、組織のお荷物になってしまいます。
こういう「ぬるい人」への対処法は後にして・・・、
この記事の最後に、こんな記述があります。
(『』内は引用です)
『 最後に認識してほしいことがある。ぬるい社員を作っているのはあなたの
会社だということである。ぬるい社員がいるのは、自分、そしてあなたの組織
の責任である。それを肝に銘じ、実践し、改善を図ってほしい。』
(上記記事より引用)
この記述が、私はどうもピンとこないんですよね。
「ぬるい社員」が存在するのは、(広い意味では)組織や上司の責任だと
いう意見は、私もそう思います。
しかし、こういう「ぬるい社員」が「会社で作られる」かのように言うのは、
ちょっと違うような気がします。
なぜなら、そもそも、誰だって社会人になったばかりの頃は、このような
「ぬるい」面を持っているからです (ある程度例外はありますが)。
それは、単純に「社会人に求められること」と「学生に求められること」に
違いがあるためです。
―――――――――――――――――――――――――――――――
学校の授業は基本的に「出席」することに重要性があります。出席すれば
(かなりの確率で)単位は取れる(一定の義務を果たす)ことになります。
もちろん、宿題やレポートや試験といった付加要素はありますが、なにより
「出席」が重視されるわけです。
一方、仕事では「出席(勤務時間中、会社にいること)」が重視されるわけ
ではなく、その時間を使ってどんな成果をあげるかが重要です。
時間管理的に言えば学校はアポイントメント、仕事はタスクを重視します。
ここに根本的な違いがあるわけです。
―――――――――――――――――――――――――――――――
大学でも、研究室に配属され、自分の研究テーマを持つようになると、
社会人に近い立場になりますが、それは(学卒なら)最後の1年くらい。
成果重視、タスク重視の考え方は、まだ身についていなくても当然です。
(もちろん、例外的な人はいるにせよ)
だから会社や上司にも一定の責任があることには同意しますが、
「ぬるい部下」が特別な存在のように言う、上記の記述は賛同できません。
私はこう考えます。
会社が「ぬるい部下」を作るわけではなく、
大半の人が「ぬるい部下」からスタートする。
そこから変わっていけるかどうかが勝負。
そう考えた方が実態に合いますし、スッキリするんじゃないですかね?
私も特に学部の頃は「ぬるい学生」だったと思いますし・・・。
(先生、すみませんでした・・・。)
また、上記記事では「ぬるい部下」への対処法も書かれています。
(『』内は引用です)
『 第1に、上司が部下と徹底的に話し合い、問題点を探りながら、
何が原因なのかを突き止める。 (中略)
第2に、原因が特定できたら、解決策を考えさせる。 (中略)
第3に、解決策が見つかったならば、ゴールと戦略を明確にする。 (中略)
第4に、ゴールと戦略が決まったならば、あとは実行あるのみ、
大事なのは期日を決めることである。 (中略)
第5に、指示したことが実践できているかどうか、定期的に確認していく。
(中略)
第6に、もし何か少しでも成果を上げたり、達成できたならば、
大げさなくらい褒めてあげる。 (中略)
第7に、常にある程度の危機感を持つことの大切さを認識させる必要がある。』
(上記記事より引用)
これらのステップは、もっともらしい感じがします。
(「コーチ」系の人が考えたっぽい項目ですね)
また、実際に必要なことも(期日を決めるとか)、
いろいろ書かれています。
しかし、残念ながら、しょっぱなの項目でつまずく可能性が高いと思います。
そもそも、「やると言ったことをやらない人」に対して、
『徹底的に話し合い、問題点を探りながら、何が原因なのかを突き止める』
というのは、非常に難しいことです。なぜなら、本人すら、本当の原因が
分かっていないことがほとんどですから・・・。
解決するためには『徹底的に話し合う』こと以前に、必要なことがあります。
長くなったので、その辺の話はまた次回に・・・。
今日の記事作成時間は41分でした。
では、また次回!
(『』内は引用です)
『 最後に認識してほしいことがある。ぬるい社員を作っているのはあなたの
会社だということである。ぬるい社員がいるのは、自分、そしてあなたの組織
の責任である。それを肝に銘じ、実践し、改善を図ってほしい。』
(上記記事より引用)
すればOK」「勤務時間の間、会社にいれば
OK」
あくまでも「形」「成果」になってナンボ
それではU君みたいな人はどうしたらいいのだろうか。次のようなステップを踏むといい。
第1に、上司が部下と徹底的に話し合い、問題点を探りながら、何が原因なのかを突き止める。
第2に、原因が特定できたら、解決策を考えさせる。
第3に、解決策が見つかったならば、ゴールと戦略を明確にする。
第4に、ゴールと戦略が決まったならば、あとは実行あるのみ、大事なのは期日を決めることである。
第5に、指示したことが実践できているかどうか、定期的に確認していく。
第6に、もし何か少しでも成果を上げたり、達成できたならば、大げさなくらい褒めてあげる。
第7に、常にある程度の危機感を持つことの大切さを認識させる必要がある。
今日の記事作成時間は45分でした。
では、また次回!
Posted by 水口和彦 at 18:30│Comments(0)│TrackBack(0)
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