『育休復帰した部下、仕事ぶりを叱ったら逆ギレ』という状況への対処法
こんにちは。水口です。
ちょっと考えさせられる記事がありましたので、紹介します。
読者の質問に対して、専門家が回答するタイプの記事で、
育児休暇から復帰した部下の働きぶりについての内容です。
育休復帰した部下、仕事ぶりを叱ったら逆ギレ
(ジョブラボ) - Yahoo!ニュース
(『』内は引用です)
『***[Q] 育休復帰した部下の仕事ぶりに、みんなが迷惑しています ***
出版社の営業をしている37歳です。既婚ですが子どもはいません。4月に
部下の1人が育休復帰しました。現在、時短勤務中で仕事も内勤中心に
変えましたし、子どもが熱を出して休むのも想定内でした。けれど、時間が
来れば仕事が途中でも周囲に引き継ぎをしないで帰る、休みの連絡が入る
のも当日の10時過ぎなど配慮が感じられず、周囲からも評判が悪いのです。
お客さま相手の仕事なのでトラブルも起こります。一度、大変だろうけれど
もっと気配りを、と注意しましたが、「そう言う人がいるから、女性が子どもを
産めない」「課長は子どもがいないから大変さがわからない」とキレられました。
こういう女性は増えているように感じるのですが、他社では皆さん、どう対応
をしているのでしょう? 』
(上記サイトより引用)
育休から復帰した部下が、周囲に配慮しない。
こういう話は、ときどき耳にします。
この例にあるような、休みの連絡が遅い、引継ぎしないで帰る・・・
などの行動は、周りの人が困りますよね。周りに配慮するように諭すのも
当然だと思いますし、それでキレられてしまうと、上司は困ります・・・。
ところが、上記サイトでの専門家の回答は、ちょっと違います。
(『』内は引用です)
『***[A] 支え合える職場環境を作るのが、あなたの役目です ***
同じ女性として、自分はいかにも配慮していますと言っているように見えます
が、残念ながら私には、あなたの中に、まだまだ子どもを持って働く女性への
偏見を感じてしまいます。初めての出産を経て4月に復帰したばかりなら、まだ
ペースもつかめず、出産前のようにすべてのエネルギーを仕事に注ぐこともでき
ないジレンマで、彼女は相当焦っていることでしょう。恐らく、彼女は彼女なり
に精一杯頑張っている。でも、彼女と同じように子どもを持って働く女性が少
ない職場では、本人がどう頑張っても、「配慮が足りない」「だから、子どもの
いる女性は」と見られてしまう部分もある。そして、あなたも周囲のそういう
見方に同調しているように感じられるのです。
彼女に対して、上司のあなたがとるべきコミュニケーションは、注意をすること
ではありません。まずは、彼女の話に耳を傾け、何が大変なのか、どう辛いのか
という気持ちを吐き出させてあげること。家庭も仕事も手を抜きたくないけれど、
どちらも完璧にできないという葛藤を理解してあげることです。注意したらキレ
てしまった。まるで、風船が破裂するように。それは、それだけ彼女の中に焦りや
不安がたまっていたということだと思います。さらにいうなら、「周囲の評判が
悪いよ」と、他人の評価を借りて自分を注意したあなたに、上司としてのあなた
の本音を見てしまった。「この人も、私に対して偏見を持っている」と伝わってしま
ったから、彼女はきっとキレたのだと思います。 』
(上記サイトより引用)
うーん・・・。
この回答者の言うことも理解できる部分があります。
「支え合える職場環境を作る」ことは確かに大事なことです。
ただ、その責任がすべて上司(相談者)にあるような言い方をするのは、
ちょっとどうなんでしょうね。
「上司」だからといって、完璧な人間ではないんだし、すべて上司の責任
のように言うのは、上司(この相談者)がかわいそうな気がします。
上司として考慮すべき点があったのだとしても、上司だけがすべて悪い
みたいな言い方はないんじゃない・・・と私は思います。
また、この回答は、ワーキングマザーの方の中にも「おかしいな」と感じる
人が多いのではないかと思います。
私が知る範囲では、ワーキングマザーの方の多くは、職場の周りの人に
対する配慮をしている人が多いです。「時間」という面で制約があるから
こそ、連絡や引継ぎを欠かさないといった配慮が必要。という感じです。
逆に、配慮のない行動をする人がいると、それが新たな偏見を生むこと
になるし、「支え合える職場環境を作る」ことから遠のいてしまう・・・。
そう考える人が、実際のワーキングマザーには多いと感じています。
もちろん、「私ができたんだから、あなたもできるはず」「できないのは
おかしい」というのも、一種の押し付けや偏見になる危険性はありますが、
上記の例はちょっと(この部下の)配慮が足りなすぎる感じがします。
では、こういう場合、どうすればいいのでしょうか・・・?
こんな状況になったら私だって対処に悩みますが、一つ言えることは、
部下への「注意の仕方」には気をつけるべきです。
上記の例では『大変だろうけれどもっと気配りを』という意味のことを
部下に伝えたようですが、この言い方は、取りようによっては「あなたは
気配りが足りない」と責めているようにも受け取れます。
これは「人格否定」と取られてしまうこともありますし、相手が傷ついたり、
逆ギレしたりすることも起こりやすくなります。
それよりは、もっと具体的に「休むときの連絡は○時までにしてね」とか、
「引継ぎが必要なことは、遠慮せず周り(または私)にしてね」といった
言い方をする方が、相手も受け入れやすくなります。
問題を一つ一つ分解して、具体的に指導(あるいは相談)する方が、
ずっと効果的ですし、人格否定と取られることはずっと少なくなります。
また、もし何か問題があってそれができない場合には、部下がその理由
を話してくれたりと、話が前向きに進みやすいものです。
そういう意味で、確かに上記の相談者による注意の仕方は良くなかった
かもしれません。しかし、それを変えるためには「偏見を無くせ」というのは
相談者が気の毒です。(相談者が人格否定されているみたいです)
もっと具体的な話の仕方、話の聴き方といったところにも、いろいろ
解決策があるのになあ・・・というのが私の意見です。
上記記事の回答はいいことも言っているのですが、全体に上司に対して
厳しすぎる感じがします。上司だって人間ですから、何もかも完璧には
いかないと思うんですけどね・・・。どう思います?
今日の記事作成時間は50分でした。
では、また次回!


Posted by 水口和彦 at 23:55│Comments(0)│TrackBack(0)
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