経営資源を「人・モノ・金・情報・時間」と表す意味と、間違いの例
こんにちは。水口です。
企業における「経営資源」については、
昔からいろいろ言われています。
たとえば、私が社会人になった頃(20年近く前)には、よく
「人(従業員)・モノ(設備など)・金(資本)」と言われました。
この3つは、確かに企業を構成する要素として重要です。
しかし、それだけではないということで、現在は「情報」という
要素を加えるのが一般的になっています。
「人・モノ・金・情報(技術やノウハウ)」です。
そして、最近はそれにさらに1つ加えた
「人・モノ・金・情報・時間」
という5つの要素を提唱する人も増えてきました。
今日はこの経営資源に「時間」を加えるべきか否か?について、
考察してみたいと思います。
実は、私は当初「加えるべきではない」と考えていましたが、
現在は「加えるべきかも?」と思い直すようになりました。
そのへんの話を整理しておきたいと思います。
■ 「経営資源に時間を加えるべきではない」という考え方
「時間」は、私たちひとりひとりにとって(ある種の)資源である。
これは、納得のいく人が多いと思います。
しかし、企業として見た場合に同じことが言えるかどうか?
この5つめの「時間」という要素を加えるべきか?
という点では、意見が別れると思います。
なぜなら、「人」と「時間」は切っても切り離せないものだからです。
プロジェクトマネジメントなどでは、各タスクを実行するためのリソース
(この場合「人手」に近い意味です)は、人×時間で表されます。
たとえば、「人月(=人×月)」や、「MH(人×時間)」という単位で
表されるのがそれです。
ですから、「経営資源」のなかに「人」が入っている時点で、それは
「従業員数×労働時間」というリソースを表すことになる。つまり、
あらためて「時間」という項目を加える必要はないということです。
この考え方は、これはこれで筋が通っています。
■ 「経営資源に時間を加えるべきだ」という考え方
とはいえ、経営において「時間」が重要だという感覚はあります。
同じ事業を手がけるにしても、意思決定に時間がかかる大企業が
もたもたしているうちに、意思決定や行動が早い企業がシェアを
拡大し、市場を押さえてしまう。そんな状況は、特にITの世界では
よくあることです。
ですから、スピードという意味での「時間」を一種の経営資源だと
する見方も間違いではないと思います。
先の「人手」という見方は、時間を「ボリューム」として捉えていたの
に対し、こちらは時間を「スピード」あるいは「リードタイム」として
捉える感じです。
そういう捉え方をするのであれば、「時間」を経営資源の一つと
見てもいいんじゃないかと思います。
■ 「ボリューム」としての時間と「リードタイム」としての時間
最初の話に戻って・・・
経営資源を「人・モノ・金・情報」の4つで表すべきなのか?
それとも「人・モノ・金・情報・時間」の5つで表すべきなのか?
という疑問ですが、
時間を「ボリューム」の観点、つまり単に「人手」として捉えるので
あれば、経営資源に「時間」を加えるのは間違いだと言えます。
(「人」という項目と内容的にかぶる部分が大きいので)
一方、時間を「スピード」や「リードタイム」(特に意思決定の早さ)と
捉えるのであれば、経営資源に「時間」を加える見方は正しいです。
あえて加えるべきかどうかは議論の余地はあるかもしれませんが、
実際、(全従業員が)投入する時間と、組織が動くスピードが比例
しない例は、それこそ山のようにあります。ですから、自戒の意味も
込め、「時間」を5つめの要素に加えるのもいいんじゃないですかね。
さらに、個人的な意見としては・・・
(経営資源を「人・モノ・金・情報・時間」の5つで表す見方について)
経営者や管理職が部下に対して「時間をムダにするなよ」と諭す場面
では、この考え方は使ってほしくない。
逆に経営者や管理職が我が身(我が組織)を振り返り、意思決定の
スピードについて自省する場面では、この見方を使ってほしい。
という感じですかね。
リソース(人手)としての「時間」は企業の規模によって異なりますが、
リードタイムとしての「時間」は企業規模に関わらす同じ。だからこそ、
有効に活用することを考えなければいけない。というわけです。
今日の記事作成時間は50分でした。
では、また次回!


Posted by 水口和彦 at 23:55│Comments(4)
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この記事へのコメント
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Posted by MarleenShearer at 2018年11月21日 19:16
時間はすごく大事で、経営資源に追加してもいいくらいだと思っていましたが、一般的な議論がなされていたのですね。
ただ、私の考えは、自分自身(=経営者自身)の時間がすごく大事だと思っていました。
複数の事業をやっていると、ほんとは一つ一つに自分の力を注ぎたいですが、1日=24時間しか使えないので、この時間をどう最適に使うかというのを意識しています。そうすると、新規事業でオペがうまく回っていないもの、将来性が見込める事業や、収支が高い部分に時間を割くようになります。
でも後から、去年の内にこっちの事業をきちんと計画立てて温めておけばよかったみたいな後悔もあります。
多分こういった意識はどの経営者の中にもあると思いますが、こうして時間が大事だという議論が出てきたのではないでしょうか。
フレームワークにうまく収まらないくなるかもしれませんが、実態、実感としてはほんとに経営者の時間は大事だと思ってます。
ただ、私の考えは、自分自身(=経営者自身)の時間がすごく大事だと思っていました。
複数の事業をやっていると、ほんとは一つ一つに自分の力を注ぎたいですが、1日=24時間しか使えないので、この時間をどう最適に使うかというのを意識しています。そうすると、新規事業でオペがうまく回っていないもの、将来性が見込める事業や、収支が高い部分に時間を割くようになります。
でも後から、去年の内にこっちの事業をきちんと計画立てて温めておけばよかったみたいな後悔もあります。
多分こういった意識はどの経営者の中にもあると思いますが、こうして時間が大事だという議論が出てきたのではないでしょうか。
フレームワークにうまく収まらないくなるかもしれませんが、実態、実感としてはほんとに経営者の時間は大事だと思ってます。
Posted by time is money at 2022年10月24日 14:53
つまり、私の考えは経営者のボリュームとしての時間ですね。
これを投入しないと、kazu1の沈没船みたいなことが起きるわけです。
これを投入しないと、kazu1の沈没船みたいなことが起きるわけです。
Posted by time is money at 2022年10月24日 15:01
経営者の時間を入れるのが正しいか否かを考えると、そもそもこのフレームワークはどの場面で使うためのものか、という議論になりますね。
例えば、経営コンサルタントが、クライアントの社長に、今、御社では人物金情報時間のうち、社長の時間が投入されていないため、問題があります。現場が困っているので夜遊びしてないで、もっと現場を考えてください。みたいな話はできないので、無い方が良いかもしれない。
こういう問題があって、社長の考えどうですか?と問いかけて間接的に、社長の時間を投入してもらう方が、いいですね
しかし、教科書的な知識体系や、経営者の視点からすれば、人物金と同じレベルもしくはそれ以上に、経営者の時間は重要なリソースになってくるので、入れた方がいいかもしれない。
大企業なら、大企業同士の付き合いに社長の時間が大事だし、中小なら遊び惚けている社長より現場がうまくいくように意思決定してくれる必要がある。
例えば、経営コンサルタントが、クライアントの社長に、今、御社では人物金情報時間のうち、社長の時間が投入されていないため、問題があります。現場が困っているので夜遊びしてないで、もっと現場を考えてください。みたいな話はできないので、無い方が良いかもしれない。
こういう問題があって、社長の考えどうですか?と問いかけて間接的に、社長の時間を投入してもらう方が、いいですね
しかし、教科書的な知識体系や、経営者の視点からすれば、人物金と同じレベルもしくはそれ以上に、経営者の時間は重要なリソースになってくるので、入れた方がいいかもしれない。
大企業なら、大企業同士の付き合いに社長の時間が大事だし、中小なら遊び惚けている社長より現場がうまくいくように意思決定してくれる必要がある。
Posted by time is money at 2022年10月24日 15:18
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