2011年10月02日     このエントリーをはてなにブックマークこのエントリーを含むはてなブックマーク

震災が変えた仕事観、人生観


こんにちは。水口です。

興味深い記事↓がありました。

仕事観、人生観……震災は人をどう変えたか
(プレジデント) - Yahoo!ニュース


東日本大震災後に、仕事観や人生観がどう変わったか? という記事で、
いくつかのアンケート調査を元に考察されています。

この震災で、(直接被災していない人も含めて)自らの生き方や働き方に
ついての考え方が変わったという人は、決して少なくないと思います。それ
をアンケートを元に見ていこうというわけです。

『』内は引用です)

『 東日本大震災後実施されたアンケート調査で、多くの人の仕事観や働くうえ
で求めるものに変化が起こっていることを示唆する結果が出ている。私が見つけ
られる限りで最も大規模なのは、アクサ生命保険が、震災3カ月後に行った20
〜50代までの生活者約1万人を対象に行った調査であり、ここでは大きく3つ
のパターンが観察されている。

 第一が、安心・安全など、エイブラハム・マズローの言葉を使えば“低次元”の
欲求だとされる要因の重要性が認識されたことである。例えば、自分や家族の
将来に不安を感じると答えた人が70%を超えており、さらに日本という国に
ついての不安を感じる人はさらに多く、約80%である。また、その逆の動きとし
て、自分のことは自分で守るしかないという自分頼みの傾向が観察されている。
 大震災は、多くの人にこれまで盤石だと思っていた身の回りの安全が脅かされ
る可能性を認識させたのであり、その意味でマズローの言う欲求段階の回帰
(高次元の欲求から低次元への移動)が瞬間的に起こったのだろう。実際、これ
以降行われた調査を見ると、安全・安心欲求への回帰はあまり目立っていない。』


                                 (上記サイトより引用)

第一に、安心・安全などに対する意識が高まっているという話です。
(逆にいうと不安が高まっているということです)

今回の震災では、仕事や家を失った人も多数いますから、それと同じことが
(今後)我が身に起こらないとは限らない・・・と思った人は多いでしょう。
また、国として「日本はどうなるの?」という不安を感じた人もいるでしょう。

そういった将来に対する不安が表れているのではないでしょうか。


ただ、こういった「将来に対する不安」と同時に、(いまの)一日一日を大事
にしていきたいと考えた人も多いと思います。
(私も同様のことを考えました)

それに関連していそうなのが、次の項目です。

『』内は引用です)

『 (中略) 第二の変化に、社内での評価や処遇への関心の低下と、「家族・
家庭」への強い志向がある。例えば、アクサ調査で震災前と後の変化を尋ねた
ところ、働くうえで高収入が重要だと答えた人が10%以上減少し、社内での
出世や昇進などを重要視する割合も5%程度減少している。逆に増加している
ので目立つのが、家族の近くで働ける仕事の重要性である。数字としては5%
程度の増加ではあるが目立っている。

 他の調査でも同様である。転職支援会社ビズリーチが、同社に登録している
会員約1300人を対象に行った調査では、震災後に「ワークライフバランスを
考え、家族とのプライベートな時間も大切にするようになった」と答えた回答者
が65%もいるのである。明らかに仕事で重視する要素として、「家族のために
なる」、または「家族と一緒にいることができる」という点が強調されているので
ある。
 本誌が行った調査でも、震災後、家族と過ごす時間が増えたと答えた回答者
(既婚者のみ)は69%である。企業の節電対応のなかで必然的に家族と過ご
す時間が増えた人もいるだろうが、多くの人が、震災後、家族との時間を重視
するようになった可能性がある。』


                                 (上記サイトより引用)

家族との時間を重要視したり、家族と過ごす時間を増やした(あるいは増や
したいと考えている)人が増えているという結果です。

この数年、「ワーク・ライフ・バランス」が重視されるようになりつつありますが、
なかなか変化は進んでいない。それを震災が後押しすることになりそうです。

「ワーク・ライフ・バランス」は日本の企業の大きな課題でもあります。
(従業員の健康管理や生産性の面で、あるいはコンプライアンスの面で)
ですから、この動き自体はいい傾向なのですが、震災が原因でそうなるのは
ちょっと複雑な気持ちになります・・・。


記事はこう続きます。 (『』内は引用です)

『 そして第三の傾向が、仕事の内容に関して、他人や社会への貢献や自己
実現といったやや青臭い要素が重視されるようになったことである。この点は、
先にも述べた高収入や昇進・出世などへの関心の低下と際立ったコントラスト
を見せている。どの調査を見てもほぼ同様に、仕事の社会的意義や社会的貢
献、または自己実現が強調されているのである。
 例えば、JTBモチベーションズが大震災から2カ月後の5月中旬に約1000人
を対象に行った調査では、「社会に貢献する仕事をしていきたい」という回答が
2010年12月の調査に比較して2倍以上に増えており(11.8%→27.4%)、
また役職が高いほどこうした意識は強い(部長クラスで 37.8%)。

 同様の結果は、本誌調査でも強く見られ、1年ほど前の調査に比較して、モチ
ベーションの源泉として「社会や他人への貢献」を挙げる割合がほぼ2.6倍増、
「仕事自体のおもしろさ」を挙げる人がほぼ1.5倍増である。本誌調査は、他の
調査に比べて時期が新しいので、こうした傾向が比較的持続していることが
わかる。』


                                 (上記サイトより引用)

震災とその復興において、ボランティア活動に参加した人もいるし、参加は
できなくても興味を持つ人も増えた。そんな変化がありますし、それとは別の
観点で、日本という国が大変なときだからこそ社会貢献的なことをしたいと
考える人も増えたと思います。そんな変化が、アンケートにも表れているよう
に思えます。

たとえば、私の仕事である「時間管理(タイムマネジメント)」の研修などを受講
する人も、「仕事重視」「効率アップ」という観点よりも、「自分のやりたいことを
やるために」という観点を重視する人が増えた気がします。

※ 「仕事重視」「効率アップ」という観点から取り組んだとしても
  それで自分の時間を増やせば、結果としては同じことなのですが、
  何を目的に、あるいは何をきっかけに興味を持つかの違いです。


私の場合、研修で教える時間管理の手法が変わるわけではありませんが
(どちらにしても、仕事を確実に効率良く進めることが必要ですから)、
導入部分の説明や募集の告知などは変えた方がいいのかもしれません。

また、プライベートにおける時間管理や、目標設定、計画の立て方などの
ニーズは高まるのかもしれませんね。たとえば、会社とは別に、何か社会
貢献的な活動をしたいという人も増えるでしょうから。


この数年(あるいはこの10年くらい?)の間に、サラリーマンの「副業」志向
が徐々に高まっています。「副業」というと、たとえば何かをネットで販売する
活動や、あるいはもっとシンプルなアルバイト的な副業がありますが、今後は
そこにもっと社会貢献的な要素が入ってくるような気がします。

たとえば、私は「産業カウンセラー」の資格を取得しており、現在も勉強中
ですが、先輩カウンセラーのなかには「仕事」としてのカウンセリングと、
「ボランティア」的なカウンセリング(日当が無いか、あっても安い)の両方
を並行して行っている人も多いです。

そういう感じで、何か技術を身につけて、それを仕事とボランティアの両方
に活かしていくのは、これからの副業にいいんじゃないですかね?



上記記事で紹介されているアクサ生命保険のアンケート結果は
こちら↓にあります(PDFファイルです)。
http://www2.axa.co.jp/info/news/2011/pdf/110627.pdf


今日の記事作成時間は55分でした。
では、また次回!


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Posted by 水口和彦 at 23:55│Comments(0)TrackBack(0)

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