これは・・・まずいんじゃない? 「図解こうすれば時間が儲かる!―成功者がやっている究極のタイムマネジメント術」
図解こうすれば時間が儲かる!―成功者がやっている究極のタイムマネジメント術
タイムマネジメント研究会 (著)
うーん、これはちょっと・・・。
この出版社から出ている、他のムック本は良いものが多いのですが、
この本だけは、ちょっといただけないですね・・・。
こういうブログを書いている者としては、
『成功者がやっている究極のタイムマネジメント術』
というサブタイトルが付いた本は、
目を通しておこうと思って、買って、読んでみました。
寒い、寒すぎます・・・。
久々にトンデモ本にあってしまいました (^_^;)
この本は、
あちこちから引っ張ってきたノウハウが、
2ページごと、あるいは1ページごとに
1つずつ書かれています。
それらが、すべて
『こうすれば時間が儲かる』
という狙いになっていれば、まだマシなのですが、
こうすれば「デキる人」と思われるかも・・・、
でも、時間はちっとも節約できない。
的なノウハウもごっちゃに書かれています。
それに・・・
『ホウレンソウ、5W1H、クレーム対応術・・・』
どれも時間を儲けるというよりは、
普通のビジネスマナーや、仕事のやり方だと
思いますが・・・。
おかしなこともいくつか書かれています。
その1
タイトルの、『成功者がやっている』
・・・この成功者は誰のことなのか全く分からない。
成功者のノウハウをパクってきたってことでしょうか?
その2
61ページ 『ファイル整理の奥の手』として書かれている、
ファイルを時間順に整理する方法・・・
これは、そのまんま野口悠紀雄氏の「超整理法」じゃないですか!。
(封筒がファイルになっただけ!)
しかも、野口氏の名前も超整理法の名前も出していない!
そのまま転載してるわけではないので、
著作権侵害にはならないのかな?
でも、これはいかんでしょう!
と、思ったら、奥付けに参考文献のリストがありました。
・・・ん、「続「超整理法」時間編」・・・
って、このファイリング方法は「続「超」整理法・時間編」じゃなくて、
「 「超」 整理法」の方に書いてあることでしょう!
もう、メチャクチャです。
しかし、参考文献って奥付けに書くものかなあ・・・?
しかも、どこでどれを参照しているか分からんし。
参照したことが分かりにくく書いてるようにも見えてしまいます・・・。
(ちなみに、奥付けっていうのは、著者略歴とか、第○版とか
書いてあるところです。本文と裏表紙の間です。)
その3 トンデモノウハウいろいろ・・・
80ページ 『かさばる雑誌の整理術』
(『』内は引用です)
『月刊誌や週刊誌はほぼ1年以内に
同じ企画を繰り返す傾向が強い
手元に置く雑誌を1年分にとどめれば、
大量の本を整理する手間を省くことができる!』
・・・って、今時、同じ雑誌を何年分も持ってる奴の方が珍しいです!
しかも、そんなの整理するのに手間かけてる奴はいないですって!
(ここで言ってるのは、ビジネス誌とかのことなので、
趣味の雑誌は別として考えてくださいね。)
しかし・・・これは同じ企画を1年ごとに使いまわしてる
出版社の内部事情がバレバレですよ・・・(^_^;)
81ページ 『メール処理のタイミング』
(『』内は引用です)
『メールは朝のうちに優先順位をつけて処理すれば、
的確なメッセージを伝えることができる!』
・・・って、 「夜に書いた手紙は、朝もう一度読み返してから送りなさい」
って昔聞いたことがありますよ。確かに。
でも、業務連絡にメールを使っている会社ならば、
1日1回しかメールを処理しないって人はほとんどいないですから!
メールでは緊急の連絡はすべきではないですが、
1日処理するのが遅れることが、後で痛手になるケースって
実際ありますよ。よほどメールの少ない組織ならいいけど・・・
朝一番から、いそいそと、
丸一日分のメール処理を始める部下・・・
私は、そんな部下いらないです・・・(ToT)
余談ですが・・・(ちょっとまともな話をするつもり ^_^ )
パソコンのメールチェックを頻繁にやり過ぎるのも、
仕事によくない影響がでます。
特にメール受信時のポップアップ表示や着信音を
出している人は要注意!
それをやっているだけで、「こいつはデキない」と思われる時代が
もうすぐやって来ますよ・・・多分。
それは何故か・・・?
ポップアップや受信音は、仕事の中断を誘います。
集中しているときの仕事の中断は、確実に能率を落とします。
やむを得ない場合以外は避けるべきことです。
仕事用のパソコンのポップアップや受信音はオフにしておく!
メールはスキマ時間が空いたときにまとめて処理する!
(私は1日5〜7回程度を目安にしています。まだ多いかな?)
これだけでも仕事の能率は確実に上がります!
ぜひ試してみてください(^_^)
(余談終わり)
91ページ 『「書店攻略法」』
(『』内は引用です)
『第一印象で気に入った本は迷わず購入しておく』
これは異論がある人もいるかもしれませんが、
まあいいでしょう。
『自分の仕事に関係ある棚は
時間をかけて、著者をおさえる』
って・・・・・・、
特定分野の本の探し方を教えるのに、
オンライン書店については一言も触れないのですか?
特定分野や、特定の著者を押さえたいのなら、
検索してすぐ注文できる、オンライン書店を併用したほうが
時間節約できるに決まってるじゃないですか!
最近はユーズド商品も多く、本当に便利です。
何で書かないのでしょうか? アマゾンに恨みでもあるんでしょうか?
この本は、他にもいろいろありますが、
これぐらいにしておきます。
(チェックするのにも疲れました・・・)
ちなみに、この本の刊行前に、別の記事で
私はこんなことを書いていました。
(↓ちなみに、この記事です。)
http://jikan.livedoor.biz/archives/26726234.html
時間管理や仕事術について書かれている本で、実践的でない
ものって結構ありますよ。
一番危ないのが、○○研究会編 みたいな感じで著者名を
出さずに書かれている本で、他からパクってきた内容を
書いているだけだったりします。
お前、ホンマは実践してへんやろ(-_-メ)・・・って
ツッコミを入れたくなる。そんな本があるのも事実・・・。
この本のことを予言してたのかなあ・・・(^_^;)
本の評価
For フレッシュマン 星なし
(真に受けちゃいけない所が多いです)
For バリバリ時間管理人 星なし
(逆に結構笑えるかも・・・)
(追記です)
同じ出版社から、手帳関係のムック本も刊行されています。
私は2冊確認しましたが、どちらもしっかり取材された
良書です。
(なぜ、今回のこれだけが・・・? 謎です。)
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