『優先順位で悩むよりも目の前の仕事を取り除く』
こんにちは。水口です。
最近、この本を読みました↓
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松本人志 仕事の流儀(ヨシモトブックス)
イースト・プレス(2011-06-28)
販売元:Amazon.co.jp
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NHKの『プロフェッショナル仕事の流儀』という番組で昨年10月に放送された、
松本人志さんの回の未収録分を含めたインタビューを書籍にしたものです。
その番組も見ましたが、私は番組そのものよりも本の方が面白かったです。
本の装丁の割には内容が少ない(ページあたりの字数が少ない)とはいえ、
番組でのインタビューに比べれば内容は濃いです。
「なるほど、こんなこと考えながらやってるんだ」という発見や笑える話が
載ってますので、松本人志さんに興味のある方はぜひご一読を。
その本のなかに、『優先順位で悩むよりも目の前の仕事を取り除く』という
見出しで、こんな文章がありました。
(『』内は引用です)
『 仕事がいっぱいたまってるときというのは、言ってみれば、いろんな敵に
周りを360度、取り囲まれてるみたいなもんだと思うんです。大事なのは、
その「敵」を一個一個縦につなげていくことですね。今日はまずこれを解決
して、明日は、また別のやつを解決して……。そういうふうに一つひとつ
確実に倒していくのが、実は一番の近道なんです。
机の上に書類が積み上がって、どこから手をつけていいのかわからなく
なっているという人は、優先順位を迷っているうちに、結局どれも片づか
ない悪循環に陥った場合がほとんどでしょう。そういう人は、ガッツさんを
見習って、まずは「目の前の敵」から、「一人ひとり」確実に倒していけば
いいんだと思いますよ。』
(72〜73ページより引用)
この感覚、私もわかります。
仕事が積み上がっていて、「あれもやらなきゃ。でも、これもやらなきゃ」と
焦る状況のことを私は『あれもこれも症候群』と呼んでますが、その状況を
脱することって、効率の面でも、精神的な余裕の面でも大事なことだと
感じています。
・・・で、この話がなぜ『ガッツさん』と関係あるかというと、上記の記述の
前に、こんな話があったんです。
(『』内は引用です)
『 たまってしまった仕事を片付けていくコツですか? それはやっぱり、
ガッツ石松のケンカ必勝法と同じじゃないですか(笑)。
以前にガッツさんがどっかで言ってたんですけど、大勢を相手に一人で
ケンカするときって、周りを囲まれたら絶対に勝てっこないから、そいつら
を狭い路地に誘い込んで、一人ひとり順番に倒していくのが一番効果的
らしいんです……。実は、僕が仕事を片付けていくときのイメージって、
それにけっこう近いんですよ。』
(71〜72ページより引用)
ガッツさん、何をしてるんですかって感じですが(笑)
ボクサーになる前の話ですかね?
で、ガッツさんの話は置いておいて・・・。
「あれもこれも・・・」といろいろな仕事に目移りしてしまう状況や、
ちょっと手をつけては、今度は別の仕事にちょっと手をつけるような
状況は、(自分自身は)忙しく働いているつもりだけど、実際には
あまり仕事が進んでいない・・・という結果になりがちです。
たとえば、メールなんかもそうです。
受信したメールを次々開いて、「どれから返事しようか」と迷うよりも
「1つ開いて1つ返信」「返信してから次を開く」とした方が、かえって
効率的になる場合が多いです。(未処理のものをうっかり残してしまう
リスクも減ります)
松本さんのいう『一個一個縦につなげていくこと』というのは、
私の場合「タスクを書きとめること」であり、特に「タスクを実行日を
決めて書きとめること(その日付に書くこと)」に該当します。
「これは明日」「これは明後日」と振り分けてしまうことで、
タスクを『縦につなげていく』ことになるわけです。
また、組織のなかで仕事をしていると特に、細かいものも含めたタスクの
数は多くなりがちです。それをうまく整理するためには「書きとめる」ことは
必須だと感じています。
注意点としては・・・
タイトルにも拝借した『優先順位で悩むよりも目の前の仕事を取り除く』と
いうのは、一歩間違うと「重要な仕事を放ったらかして目の前の仕事に
追われること」になってしまう場合もあります。これはよくないです。
そうならないようにするには、全体が見えていることが必要。そのためにも、
私は「書きとめる」ことがとても重要だと感じています。
今日の記事作成時間は35分でした。
では、また次回!
おすすめ本: 竹内流の「書く、話す」知的アウトプット術
こんにちは。水口です。
今日は本の紹介です。
■ 最近ご献本頂いて、うれしかった本
先日、ちょっと書きましたが↓、編集者の方から頂く本には「当たり」が多いと
いう傾向が(私の場合)あります。
(4/25の記事です↓)
このブログへの献本について
こちら↓もその1冊です。
私も一緒にお仕事させて頂いた、実務教育出版の堀井さんが担当された
本です。前にも↓別の本を紹介したことがありますが、今回も良書です。
「上司という仕事のつとめ方」: 類書とは違った「上司本」です
今回の本がこちら↓です。
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竹内流の「書く、話す」知的アウトプット術
著者:竹内薫
販売元:実務教育出版
発売日:2009-04-25
クチコミを見る
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著者は科学作家の竹内薫さん。『たけしのコマ大数学科』という番組に
ご出演されてますので、顔に見覚えがあるという方もおられると思います。
この本、タイトルに『「書く、話す」知的アウトプット術』とあります。どちらかと
いうと、作家やコメンテーター的なことを目指す人向けに書かれた本です。
ですから、私は(立場的に近いので)もちろん参考になりましたし、本などを
書いてみたいという方には、かなりおすすめの本です。
また、そこまで考えてはいなくても、「アウトプット」に興味のある方は、一読の
価値があります。なぜかというと・・・
■ 「巧い」ことよりも大事なこと
著者の竹内さんは、「はじめに」の部分で、こう述べています。
(『』内は引用です)
『でも、あまり巧くない私が自分の考えや感情を表現するときに気をつけて
いることが「論理」、「科学性」、「本当の気持ち」、「共感」をいってもので
あることは事実であり、読者やリスナーは、私のアウトプットの中身に耳を
傾けているとしか思えないのです』 (3ページより引用)
『 私がこの本を書いた理由のひとつは、「巧い」ことも大事だけれど、
本当に大切なのは「知的」な内容のある表現であり、 真の「感情」から
出た表現である
ことを読者にわかっていただき、 (中略) 読んだり聞いたりしてくれる
「お客さん」に受け入れられるアウトプット術をみがいてほしい、と考えた
からなのです。』 (5ページより引用)
とあります。
一般的に「アウトプット術」というと、
「要領のよいアウトプット術」
(情報の集め方、さばき方等、いわゆる「ライフハック」系も含む)
「論理的なアウトプット術」
(ロジカルシンキング的なもの。コンサルタントの人の本にありがち)
といったものが思い浮かびますが、本書はそれとはちょっと違った立ち位置
にあります。
特にコンサル系の人が書いた本には、自分の情報収集力やアウトプット力を
自慢しているように取れる(いわゆる「上から目線」の)本も多いですが、本書
にはそういう雰囲気がまったくありません。
これは著者の人柄が表れているのだと思いますし、同時に著者が上記のこと
を考えてアウトプットされていることの表れだと思います。
ちなみに・・・ この本はとても読みやすいですし、著者が『あまり巧くない』と
おっしゃるのはご謙遜でしょう。
■ 「地力」を高めるノウハウ本
章立てはこうなっています。
第1章 インプット/1万冊読んできた、私の本とのつき合い方
第2章 インプット/ネットや英語を駆使する、私の情報収集術
第3章 インプット/Mac歴23年、私のパソコン使いこなし術
第4章 インプット/相手の本質に迫る、私の話を聞く技術
第5章 シンキング/私の知的活動を支えてきた、考える技術
第6章 アウトプット/100冊の本を書いてきた、私の文章術
第7章 アウトプット/テレビやラジオで磨いてきた、私の話す技術
第8章 4科目のオススメおさらい法
(太字の章がページ数の多い章です)
ソフトカバーの本ですが全体で352ページあり、最近のビジネス書としては
ボリュームの多い本になっています。(読みやすい本ですから、ページ数の
多さが苦になることはないと思います)
書かれているノウハウは、「○○法」とか「○○式」と呼ばれるような、表面上
真似しやすいものではなく、基本として大事なことが多いです。目先の効率
を上げることではなく、「地力」を高めるための方法という感じです。
また、それが読者への押しつけではなく、あくまでも「私はこうやってきました」
という立ち位置で語られているのが、最近の仰々しいビジネス書のなかに
あって、とても好感が持てます。
また、私も書いたりしゃべったりの「アウトプット」をする者として、納得できる
こと、参考になることが多かったです。実は、この本に書かれていることで、
早速マネしてやり始めたものもあります。
「書く」「しゃべる」などの形で「アウトプット」を行う方、また、将来そうなりたい
と思う方には、非常におすすめの本です。ご一読をおすすめします。
私も一通り読みましたが、もう一度読んでみるつもりです。
【余談】
検索してみましたが、本書をブログで紹介している方はまだ少ないようです。
現在、「書評ブロガー」的な方はたくさんおられますが、こういう良書を見つけ
てくることが、書評ブロガーにとっての本領発揮ではないかと思うのですが。
どの書評ブロガーがこの本を紹介するか? それによってそのブロガーの本当
の「目利き」度がわかるかもしれません※。 ちょっと大げさかもしれませんが、
私は書評ブロガーにそういう役割を期待しています。
※ 私はたまたま頂いたわけで、私が目利きと言うたいわけではありません。
ただ、本当に良いと思った本しか紹介しない、という一線だけは死守する。
そういうスタンスでいきたいと考えています。
今日の記事作成時間は47分でした。
では、また明日!
「仮説思考」で大事なこと、「ロジカルシンキング」で本当に必要なこと
こんにちは。水口です。
昨日に続いて、新刊の話です。
■ 『理系的仕事術』 目次はこうです
発売になった私の5冊目の本がこれ↓です。
(↑まだ店頭に出ていない書店もありますが)
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「理系的」仕事術
著者:水口和彦
販売元:すばる舎
発売日:2009-04-17
クチコミを見る
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昨日は本のコンセプト的なものを紹介しましたが、それがどう本になって
いるか? ということで、目次を紹介しておきます。(抜粋です)
『理系的仕事術』目次
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第1章 「理系思考」でとことん合理的に仕事をしよう!
・仕事では、「2つのプロセス」に注目!
・”かけ算”で仕事全体を見る「ホールプロセス」の視点
・自分の”頭”もその一部として組み込む「マイプロセス」の視点 他
第2章 すっきり問題解決!理系的「思考」術
・「仮説思考」と「論理思考」ができれば、仕事は見ちがえる
・「仮説」を立てて、本当に効果がある対策を実行する
・「クリティカル・シンキング」で的確な判断をする
第3章 ムダを省く!理系的「時間管理法」
・時間管理とは「仕事の管理」である
・仕事の”タイミング”をコントロールする 〜「日付別リスト」
・仕事の”量”をコントロールする 〜「スケジュール管理」「タスク管理」 他
第4章 要点ズバリ!理系的「書類作成」術
・書類は「伝えるプロセス」の一部と考えよう
・「伝える!メール」の文章パターン
・「伝える!書類」の文書パターン 他
第5章 バリエーション豊富な理系的「メモ」術
・もれなく滞りなく作業できる「段取りメモ」
・アイディアを整理する「まとめるメモ」 他
第6章 スムーズに仕事をする!理系的「整理」術
・書類はコレ!封筒&クリアファイル整理術
・パソコン内はコレ!”分身”の術 他
第7章 もっと効率的に!理系的「会議」術
・ムダな会議を見極める
・”スピード会議”のための8つの鉄則 他
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私の他の本をお読みでない方が読むことを考慮して、時間管理についても
1つの章で解説しています。それ以外は、割と「基本的な仕事のやり方」的な
ものが多いです。
内容の一部は約2年前に出した「宝くじ」本とかぶっていますが、その後に改善
したテクニックを加えたり、より具体的な内容になっています。
基本的なもの、日常的に行うことだけに時には見直しも必要です。また、
見直して効率化できたときのメリットが大きいです(毎日やることなので)。
継続して改善していくかどうかが、後に大きな差になってくるわけで(私自身
も日々改善しています)、その一助にして頂けると幸いです。
■ 「思考術」の章について
目次の項目で、若干他の章と雰囲気が違うのが第2章です。この章は他の
章と違い、「思考」を扱っています。
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第2章 すっきり問題解決!理系的「思考」術
・「仮説思考」と「論理思考」ができれば、仕事は見ちがえる
・「仮説」を立てて、本当に効果がある対策を実行する
・「クリティカル・シンキング」で的確な判断をする
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実は、元々は最終章にするつもりで書いたのですが、出版社側でこの章が
特に面白いというご意見があり、前に持ってきました。
「仮説」と「論理思考」という、ちょっと流行ったアイテムを取り入れているよう
ですが・・・、一般的な話とはちょっと違います。
「仮説」という言葉は、ちょっと前に話題になりました。「仮説を立てることが
大事」というのは、私もそう思いますが、安易な「仮説」にも問題があります。
これまでの「仮説本」を読んでいてそこが不満だったので、今回「仮説」の話
を書きました。
シンプルに言うと、
「単なる思いつき」は、「仮説」とは言えない
そうならないためには「事実」と「仮説」を混ぜないこと
(まず事実を徹底して洗い出し、その後仮説を立てること)
ということを書いています。その要因分析の手法として「なぜなぜ分析」にも
触れています。ページ的にはちょっとだけですが、巷にあふれる「だましの
なぜなぜ」とは違う「なぜなぜ」を知って頂けるとうれしいです。
「論理思考」の方は、いわゆる「ロジカルシンキング」に関する話は、入って
いません。いわゆる「ロジカルシンキング」は、「フレームワーク」や「構成」に
関する話が多いのですが、理系(自然科学の研究者)の視点で、最も重要
なことは、それらではありません。
それよりも「クリティカル」に考えること、つまり、「それは本当か?という視点
を持ち」、「物事を多面的に見る」ことの方がずっと重要です。いくらロジカル
風に話を展開しても、これが無ければ、ただの「詭弁」になりかねません。
というわけで、ごく簡単にですが「クリティカル」な見方を紹介しています。
この本は、多方向に仕事術を紹介した本ですから、それぞれの項目を
「とことん深掘り」するところまではいきません。お仕事の経験が長い方は
そういう意味での物足りなさを感じるところもあるかもしれません。ただ、
そういう方でもいくつかは「すぐ使える」ポイントやヒントが見つかるのでは
ないかと思います。また、後輩や部下に「仕事のやり方を教える」ヒントにも
なるのではないかと考えております。
お仕事の経験がまだ数年という方は、本書の内容を活用して頂くと、他の
人に差をつけることができる。そんなポイントがたくさんあると思います。
(即効性の面でも、考え方的な面でも)
昨日もちょっと書きましたが、「仕事術」の情報をネット中心に収集されて
いる方は、たまにはこんな本を読んでみて頂けるといいんじゃないかとも
思います。
ご興味のある方は、ぜひご一読を。
今日の記事作成時間は46分でした。
では、また明日!
仕事を大きく効率化したい方に、そして、「ライフハック」では物足りないと感じる方に
こんにちは。水口です。
今日は私の本の話です。
■ 『理系的仕事術』 amazonで発売開始!
私の今年最初の本が発売になりました!
と言いたいところなのですが、まだ並んでいない書店もありますので、
全面的に発売開始とは言えないのが残念なところ・・・。
書店では(新宿の)紀伊國屋さんでは店頭に出ているとの情報を頂いて
います。でも、まだの書店も多いようです。
amazonには入荷したようで、購入できるようになりました↓
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「理系的」仕事術
著者:水口和彦
販売元:すばる舎
発売日:2009-04-17
クチコミを見る
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■ 「理系的仕事術」とは?
今回の本は『理系的仕事術』というタイトル。元々は編集者さんが私の本を
読んで「理系っぽい仕事術」だと感じて頂いたところからスタートしています。
とはいえ、「理系」の科学的な話や、理論的な話を書いているわけではなく、
難しい話も別にありません。
「効率的な仕事」をするための経験やアイディアをある「枠組み」を使って
整理しつつ、具体的なテクニックと合わせて紹介しようというものです。
その「枠組み」というのが、「プロセス」の観点です。
本書では2つの「プロセス」
「ホールプロセス」 と 「マイプロセス」
の2つの見方をすることを推奨しています。
■ ホールプロセス(全体のプロセス)とは?
「プロセス(過程)」という言葉は、「結果」と対比させて使われることが多い
です。「結果も大事だけど、プロセスも大事」という感じです。
実際には、プロセスを改善すること無しに (短期的な幸運を除けば、)
結果がついてくることはないので、「仕事の改善=プロセスの改善」と言って
もいいのですが・・・。
「プロセスが大事」という言い方には、「結果が出なくても、がんばったから
いいじゃないか」というニュアンスが含まれる場合もあります。そういう意味で
ちょっと使いにくい言葉でもあります。
今回はあえて「プロセス」という言葉を使いましたが、ここで言う「プロセス」
は、あくまでも「結果」を出すためのものです。
そして、そのためにはまず、仕事の「ゴール」を意識することが必要です。
しかし、私も長い(前の)会社生活の中で感じてきましたが、仕事をしている
中で、「ゴール」を見失ってしまう例は多々あります。
たとえば、報告書を作成する仕事の場合、その仕事全体の「本当のゴール」
は、「報告書を作成する」ことではありません。
本当のゴールは、「相手に情報を伝えること」です。その相手は、会議に出席
する人や、保管された報告書をいつか読む人などいろいろですが、目的は
あくまでも「伝える」ことです。
そう考えると、必要な情報さえ伝われば、報告書の枚数は少なければ少ない
ほど良いですし、パワーポイントで時間をかけて作るよりも、ワードで短時間で
まとめた方が良いわけです(特に社内向けの報告書は)。
また、会議もそうです。「会議」そのものは、会社全体の業績としては、何の
プラスにもなりません。あくまでも、会議で決まったことが(その後)実行され
てこそ、何らかの成果につながってくるわけです。
それなら、必要な意思決定さえなされていれば、会議は短ければ短いほど
良いということになります。でも、実際には長い会議ほど「仕事をした!」と
いう気分になってしまいがちです。本当は「会議の後」が大事なのですが。
もちろん、報告書作成や会議の実施も立派な「仕事」ではありますが、それ
はあくまでも仕事の流れの中の一部分にすぎません。ですから、全体として
のゴールを意識する必要があるわけです。それを考える視点が先の「ホール
プロセス(全体のプロセス)」というわけです。
「そんなの当たり前だ」と思う方もおられると思います。しかし、「会社」という
場所にいると、全体のプロセスの一部分が妙に肥大していくこともあります。
(やけに丁寧で分厚い社内報告書や、ムダに長い会議など・・・)
それに気をつけるためには、「ホールプロセス」の視点を忘れちゃいけない。
そんな意味で、重要なことです。
また、この「ホールプロセス」という視点は、「自分の仕事」だけでなく、他の
人の仕事も含めて考えるという意味もあります。「言われたことだけやれば
いい」「自分の仕事はきっちりやればいい」というのではなく、他の人との
仕事のつながりや、顧客の立場も含めて考えるのが理想です。
■ マイプロセス(自分のプロセス)とは?
「マイプロセス」というのは、文字通り、自分自身の仕事(の中の作業)の
ことを指します。
こちらは、どちらかというと、自分自身(の頭の使い方)を含めた、仕事を
行う仕組み、システムとして見る視点です。「仕事の効率を上げる」ことに
ついて、自分を客観的に見る視点と言ってもいいと思います。
たとえば、何か(ちょっと難しいこと)を考えるときには、メモを書きながら
考えると、生産性はかなり高まります。
私はそれを経験から身につけましたが、よくよく考えてみると、書きながら
考えた方が効率がいいのは、脳のメカニズム(短期記憶のメカニズム)から
考えれば、ごく当たり前のことです。
また、仕事をしていると、「うっかりミス」をしてしまうことはあるものです。
そして、「次はミスしないよう気をつけよう」と考えることもあると思います。
しかし、本来は「ミスしないようにチェック項目を決める」こと、あるいは、
「ミスしようとしてもミスできない仕組みを作る」という対応が理想です。
これも、品質管理や生産技術の観点では当たり前のことです。その方が
品質も安定しますし、何より自分自身の負担も減ります。
「マイプロセス」とは、「自分の頭」と「パソコンその他の道具」の組み合わせ
方、作業のやり方を考える視点です。
このときに、「記憶のメカニズム」や「うっかりミスの可能性」も考慮して、少し
客観的に自分自身を見るのがポイントになります。
■ 2つの視点
この2つのプロセス、「ホールプロセス」 と 「マイプロセス」は、どちらも
大事なものです。
これは、自分の「仕事のやり方」に対する見方を「大きく見る」「小さく見る」
という両極端に振るためのものでもあります。
話はちょっと変わりますが・・・、
ネット上などで話題になる仕事術(いわゆる「ライフハック」的なもの)には、
「○○するための○つのポイント」といった、一種の「知恵袋」的なものや、
「○○に便利なサイト」といったツール的なものの紹介が多いです。
それはそれで、ツボにはまると役に立つこともありますが、だからといって、
そういう情報をたくさん入手すればするほど効率が上がるかと言えば、
決してそんなことはありません。
そういった情報は、どうしても「お手軽にできるもの」、悪く言えば中途半端な
ものになりがちなので、ドラスティックな(思い切った)改善にはつながらない
ことがほとんどです。
もっと自分の仕事の効率を大きく上げるためには、あえて視点を変える方が
効果的です。そのために役立つのが「ホールプロセス」と「マイプロセス」の2つ
の視点だと感じています。
↓先の本は、そういう「視点の変更」と、そこから派生した「仕事のテクニック」
を紹介するものとして書いた本です。
限られたページの中で盛りだくさんの内容になっていますから、仕事の経験が
長い人にとっては物足りない部分もあるかもしれません。でも、「仕事のやり方」
を見直してみたいときには、役に立つことがあると思います。
(※ 一部、このブログに書いた内容も入っています)
部下の方に読んでもらうのもおすすめです。
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「理系的」仕事術
著者:水口和彦
販売元:すばる舎
発売日:2009-04-17
クチコミを見る
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「理系」とありますが、文系・理系問わず、手に取ってみて頂けると幸いです。
今日の記事作成時間は66分でした。
では、また明日!
今年最初の本が出ます:『理系的仕事術』という本
こんにちは。水口です。
今日は本の話です。
■ 「理系的仕事術」もうすぐ発売です!
もうすぐ、私の今年最初の本が発売になります。
まだ店頭には並んでいないのですが、amazonにはすでに
登録されていました(←早くてびっくり)
こちら↓です。
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「理系的」仕事術
著者:水口和彦
販売元:すばる舎
発売日:2009-04-17
クチコミを見る
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ちなみに、正式な発行日は4/29、店頭にはその2、3日前から
並ぶのではないかと思います。
■ 「理系的仕事術」とは?
今回の本は「時間管理」という分類ではなく、仕事術全般についての内容に
なっています(時間管理の話も少しだけ入っています)。
このタイトル「理系的仕事術」というのは、編集者さんからもちかけられた
アイディアが元になっています。
私自身は根っからの理系であり、「理系っぽい」と言われることも多いですが、
あらためて「理系っぽい」考え方や仕事のやり方というのは、どんなものか?
と考えてみると、なかなか奥深いです・・・。
たとえば、「数字に強い」なんてのは、理系っぽいようでいて、実はそうでも
ありません。文系でも経済を専攻していれば数字に強いですし、理系の人
でも「経理」的な数字には弱い人もいます。
では、「理系」の人には、どんな特徴があるのか?
私は、一言で言うなら「プロセス」に対する興味の度合いで計れると思います。
■ 「プロセス」に注目する人、しない人
たとえば、「電子レンジ」という機械があり、それを使えば物を温めることが
できます。その使い方を覚えれば、便利に使えますし、使う上では、その原理
を知らなくてもまったく問題ありません。
実際、世の中には、電子レンジの原理を知らないけれど、ちゃんと使いこなし
ている人が多いわけです。
そこであえて、
「なぜ電子レンジで物が温まるのか?」
ということをあえて考えてしまう人、理系ではそういう人の比率が高いです。
(そういう人が理系に興味を持ちやすい、ということです)
電子レンジを使えば物が温まるという「結果」を知っていれば問題無いのに、
なぜか温める「プロセス」について知りたくなってしまう。
だから、理系っぽい人は、実用上まったく必要のないことに興味を示したり、
変なことにこだわったり、「理屈っぽい」と言われたり、妙にオタクっぽかったり
するわけです・・・。
※ もちろん、人は「理系」「文系」と明確に区切ることができるものではあり
ませんし、学生時代の専攻をいつまでも引きずるわけでもありません。
文系出身で「理系っぽく」なった人や、その逆もあります。
しかし、「傾向」としてはありますし、研究者などの「純粋培養」的な理系の
人ではその傾向が特に強いと感じます。
■ 「プロセス」に注目する
上記の本、表紙や帯を見ると「仕事を速くこなす」ことを重視しているように
見えますが、それは「結果として」そうなるということであり、本質は表紙をめく
ったところに書いてある「2つの視点」にあります。
それが、
仕事の見方が変わる 「ホールプロセス」の視点
仕事のやり方が変わる 「マイプロセス」の視点
の2つです。
「プロセスが大事」という話になると、抽象的な話や、精神論的な話になり
がちなので・・・、そうならないように、「プロセス」を大きく2つに分類すること
から話を始めています。
「ホールプロセス」というのは、自分の仕事だけでなく、その仕事や事業の
全体を見る視点。
「マイプロセス」というのは、もっと分解した具体的な「作業」に近い視点
です。
この2つの視点の話は、またあらためて紹介します。
本の狙いとしては・・・、
今回は特に「応用の利く考え方」と、「すぐやれるテクニック」の両方をバランス
良く入れるように意識してみました。ビジネス経験の長い方、浅い方どちらも
得るものがある本になっていると思います。
基本は「文系」の人に向けた本ですが、理系の人にも参考になると思います。
ぜひお読みになってみてください。(← まだ発売前ですが)
今日の記事作成時間は40分でした。
では、また明日!
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