2008年12月08日     このエントリーをはてなにブックマークこのエントリーを含むはてなブックマーク

ビジネスパーソンも必読? 『奇跡のリンゴ』


こんにちは。水口です。
今日は久しぶりに本の話です。


■ 「ビジネス本」ではないけれど・・・ビジネスパーソンが読むべき本?


私は仕事柄、「仕事術」的な本にはよく目を通すのですが、最近はあまり
「ハッとさせられる」本には、あまり当たっていないように感じています。
(もちろん、なかには良い本もありますが)

そんな中で、「ビジネス本」的ではないのですが、考えさせられたのが
こちらの本↓です。

奇跡のリンゴ―「絶対不可能」を覆した農家・木村秋則の記録奇跡のリンゴ―「絶対不可能」を覆した農家・木村秋則の記録
著者:石川 拓治
販売元:幻冬舎
発売日:2008-07
おすすめ度:5.0
クチコミを見る



テレビでも取り上げられたりして、ご存じの方もおられると思いますが、
以前は「100パーセント不可能」と言われていた、無農薬でのリンゴ栽培を
成功させた木村秋則さんを取材したノンフィクションの本です。

これは「ビジネス本」ではありませんから、いわゆる「ビジネス書評家」の方も
あまり取り上げてないようですが・・・、私はこの本は、ビジネスパーソンにも
おすすめだと思います。

この本は、木村さんのストーリー自体が感動的でもあり、純粋に楽しめる本に
もなっています。文章も読みやすく、厚みの割にはサラサラと読める本です。


■ 「あきらめないことが大事」というメッセージの裏に隠れたもの

「奇跡のりんご」として知られるようになった、木村さんのリンゴ栽培の
ストーリーは、ご存じの方もおられると思います。

簡単にいうと・・・

  「無農薬でリンゴを栽培してみたい」と思い立ったのはいいものの・・・、
  何年も何年も失敗続きで、食べるにも困るようになってしまう。

  もうだめだ・・・と、あきらめ、自殺しようと山に入って行ったときに、
  野生の樹木を見て、あるひらめきを得る。

  その後も努力を重ね。数年後についにリンゴの収穫に成功する。
  そのリンゴはとても美味しい上に、切り口が茶色くならなかったり、
  放置しておいても(乾燥するだけで)腐らないなど、通常のリンゴとは
  まったく違うものだった。

という話です。


この本をお読み頂くとわかって頂けると思いますが、このストーリー自体も
とても感動的ですし、この本は、「あきらめず努力すること」が大切だと
いう教訓を与えてくれます。


ただ、私が感銘を受けたのは、そこよりも、むしろ・・・、

意外に(?)と言っては失礼かもしれませんが・・・、科学的な物の見方で
栽培方法を研究されていることでした。

たとえば、

  害虫は駆除するだけでなく、観察を続けることで、
  対処法を見い出す

  生育方法を研究するために、200通りの生育条件を
  試すための実験をしてみる(これは稲の話ですが)

等々、徹底しています。

現在では、木を見ただけで、害虫がどこに卵を産みそうか、ピンポイントで
分かるようにまでなったそうです。普通では考えられない観察眼です。



これは、他の言い方をすると、

  徹底した現地現物主義

  「ノウハウ化された常識」を疑う姿勢

  納得いくまで実験、検証をくり返していくこと

と言えます。

これらは言葉で言うと簡単ですが、徹底するのは簡単ではありません。

たとえば、「常識」を疑う姿勢は、私も持ち続けたいと思っていますし、
多少は持っているつもりです(昔行った開発の仕事や、現在の時間管理
手法の開発には、そういう要素がありました)。

しかし、本書を読むと、木村さんの徹底ぶりに脱帽・・・という感じです。



単なる「あきらめず努力することが大事」という美談に終わらせずに、
(もちろん、それも大事なことですが)、 仕事に対する(人生も?)
向き合い方の例として、見習うべきところがあると感じました。


「効率良くやるノウハウ」というのとは、ちょっと違った、
「いかに物事の本質に迫るか?」という意味での仕事術として、
感銘を受ける本だと思います。

興味のある方は、ぜひお読みになってみてください。



今日の記事作成時間は40分でした。

では、また明日!
  

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Posted by 水口和彦 at 23:55Comments(2)TrackBack(0)
2008年06月26日     このエントリーをはてなにブックマークこのエントリーを含むはてなブックマーク

「ラクをしないと成果は出ない」・・・って、本当ですか?


こんにちは。水口です。
今日は「本」の話です。


■ 「ラクをしないと成果は出ない」

少し前に読んだ本ですが、まだ紹介していませんでした。
↓この本です。

amazon
ラクをしないと成果は出ない

タイトルは 「ラクをしないと成果は出ない」
サブタイトルは 「仕事の鉄則100」

という本です。

タイトル・サブタイトルを見ると、「効率的な仕事術」的な内容を
想像しますが(実際そういう内容も一部あります)、そういう本だと
思って手に取ると、ちょっと拍子抜けするかもしれません。


■ この本の評価が分かれる理由

著者は日垣隆さん。ジャーナリスト・作家の方です。
この著者の本は何冊か読みました。

私は個人的に↓この本が興味深かったです。

amazon
売文生活 (ちくま新書)

↑この本は、文章を書いて原稿料(または印税)を得ている人は
  一読の価値があります。


今回の本は、内容的にはこの「売文生活」とも関連があります。

「仕事の効率を上げるノウハウ集」としての内容を期待すると、
ちょっと肩透かしを食います。そういう内容があまりないからです。
むしろ「ラクじゃない」ことが結構多いです。

しかし、「フリーランスとして仕事をしていくための心得集」として読めば、
得るものはかなりあると思います。そういう本です。

ラクをすべきところはラクをする。でもラクをしちゃいけないところは
ラクをしちゃいけない、ということが書かれています。

その「ラクをしちゃいけないところ」というのが、「フリーランス」、つまり組織に
属さずに仕事をしていく人の視点のものなので、会社勤めの人が、そのまま
実践しようと思うと、しっくりこない部分はあるし、ラクじゃなくなる部分も
出てきます。

※ amazonのレビュー(上記画像をクリックすると見られます)で評価が
   大きく分かれていますが、これはタイトルと内容があまり一致していない
   ことが1つの原因。もう1つの原因はフリーランス向けではなく、ビジネス
   パーソン全般に向けた本だと思った人が酷評しているのではないかと
   思います。


「フリーランス」向けの本だと思って読めば、「面白くて役に立つ」本だと
思います。私もうなずけるところが多々ありました。

ただ、これを「フリーランス」というキーワードを出さずに、「仕事術」の
本だと紹介するのはちょっとどうかと思います。
(そういう書評もあったのですが・・・)


■ こんな本です。

「仕事の鉄則100」とあるように、この本は100項目からなります。

私が面白いと思った項目を上げておきます。

□ ラクをして成果を上げるのが基本中の基本
□ 自分にできないことをしている人を、素朴に尊敬する
□ 外部の人に自分の仕事のおもしろさが伝わらなければ、
   それはつまらない証拠
□ よくわからなかったら、現場に行って考える
□ 「つまらない」と思ったら、できるだけ早く撤退する
□ 情報収集にのめりこまない。情報とは「出合う」ものだからである
□ ウソには必ず理由や背景がある。それを探るとインプットが効率的になる
□ 人から薦められたものは、無理をしてでも即日取り入れる
□ 依頼には即決で答える
□ 商売道具への投資はケチらない
□ 「この社と切れたら自分がアウト」という取引先は作らない
□ 好きな仕事を増やすために、好きではない仕事を毎年二割ずつ削除する
□ 過去を振り返らない
□ 自分の「忘れグセ」を前提に、「忘れても、できる」仕組みをつくる
□ 会議は一企画につき二度だけで終える
□ アウトプットしないものはインプットしない
□ 「必要でないこと」は極力やらない
□ 加齢とともに遊び時間を増やしてゆく
□ 最悪の事態を想定し、その兆候が出たら動く
□ 大切な人は命がけで守る


ただ、最初の

□ ラクをして成果を上げるのが基本中の基本

というところには、私は少し異論があります。

効率よく成果を上げたほうがいいのは私もそう思いますが、
著者はその例として、「先人のノウハウ」には素直に従うことを
推奨しています。

しかし、これは「効率良いやり方を素直に取り入れる」という
メリットの反面、「先例主義」、つまり、先例ばかり重視して
自分の頭で考えなくなる危険性もはらんでいます。

著者は「自分の頭で考えない」タイプの人でないことは、本を
読めばわかりますが、「先例主義」のデメリットもあることは
指摘しておいてほしかった・・・と私は考えています。

そんな、「微妙に言葉足らず」なところがいくつかあるという
気はしましたが、全般的にはいい本だと思います。
私も参考になりました。


■ この本をおすすめする理由

これは私の個人的な意見ですが・・・、

会社勤めをしている人も、フリーランス的な考え方や、経営者としての
考え方をしっておくことは有益だと考えています。

これは私の経験談ですが、独立を視野に入れて本を読んだりしていると
会社勤めの中でも有益なことが結構多いです。いろいろ見方を変えられ
たりして、(会社勤めの中でも)新たな仕事の面白みを発見することが
できました。

そういう意味では、今はフリーランス・独立志向ではない人にも、
(そのまま当てはまるわけではないけれど)読んでもらえるといいと
思う本です。




今日の記事作成時間は48分でした。

では、また明日!


  
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Posted by 水口和彦 at 21:37Comments(0)TrackBack(0)
2007年04月08日     このエントリーをはてなにブックマークこのエントリーを含むはてなブックマーク

「人を見抜く力」 おすすめのムックです


こんにちは。水口です。

今日はムックをひとつ紹介します。


■ 「ムック」 って何のことか分かります ?

もちろん「ムック」といってもガチャピンの友達のことではなく、
本の話です (ベタなネタですみません・・・)。


B5やA4版型の薄い本のことを、「ムック」と呼ぶことがあります。

拙著の「超カンタン!時間管理術」もそうですが、
最近ビジネス系でも増えていますね。

ちなみに↓こちらです(出版から1年経ちました!)
 超カンタン!時間管理術
 超カンタン!時間管理術


ムック本には、雑誌の別冊のようなタイプと、
図解を多用した書籍(↑もそうです)のようなタイプがあります。

今日紹介するのは、雑誌の別冊に近いタイプのもので、
私は書店のビジネス誌コーナーで見つけました。

こちら↓です。
人を見抜く力
人を見抜く力〔セオリー〕vol.6
(amazonでも取り扱いがあります:↑クリックすると表示されます)


■ 「ムック」 仕事の参考にしてますか ?

こういった雑誌タイプのムック本は、仕事のテクニック集であったり、
インタビュー集であったりすることが多いのですが・・・、

どうですか? あなたは自分の仕事などの参考にすることはあるでしょうか?

まあ、ひとつふたつくらい参考になることがあればいいかな、
くらいの感じで読んでいることも多いのではないでしょうか。

今日紹介したムックは、類書と比較してかなり内容の質が高いです。


このムックは「人を見抜く力」 というテーマで25人の方に
インタビューした内容が掲載されています。

「人を見抜く力」というタイトルなので、あまり自分とは関係ないと
思う方も多いかもしれませんが、このタイトルはあまり気にせず、
ビジネスパーソンの心得や、仕事に対する考え方が書かれた本
だと思って読んでみると・・・、かなり内容が充実しています。


紹介したいコメントはたくさんあるのですが・・・、
例えば、 (『』内は引用です)

(サニーサイドアップの次原悦子社長)
『こうして考えると、中田も北島も為末も「人のせいにしない」
 という点では共通していますね 』
(59ページより引用)

なんてコメントは、「なるほど」と思いつつ、自分のことも
考えさせられてしまいますね。

(「サニーサイドアップ」は、中田英寿さんが所属していることでも
 話題になった会社です。)

他にも、普段あまりビジネス誌には登場しない方も
多数掲載されていて、面白いです。

トップにある大前研一氏のインタビューも面白いですよ。


税込み800円の本ですが、読む人によっては
もっと高いビジネス書よりも大きな価値を見出せるかも?
と思わせるムックだったので紹介してみました。



ちなみにムックって、「Magazine」と「Book」を合成して作った言葉だそうです。
・・・これも結構ベタな感じではありますね(笑)


  今日は、ちょっと手抜きの記事でしたが・・・ (汗
  (このムックは本当におすすめですよ)
  応援いただけるとうれしいです。
        ↓
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  時間管理術研究所は今、何位でしょうか ?


今日の記事作成時間は35分でした。

では、また明日。

  
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Posted by 水口和彦 at 23:53Comments(0)TrackBack(0)
2006年03月15日     このエントリーをはてなにブックマークこのエントリーを含むはてなブックマーク

おすすめ本?ペン?


こんばんは。水口です。今日は本の紹介です。

↓ これ、日経ビジネスアソシエの臨時増刊号です。

Associe別冊仕事の手本
仕事の手本
日経ビジネスアソシエ 4月11日号臨時増刊

「仕事の手本」と題して、著名なビジネスパーソンへのインタビューが
掲載されています。

それぞれの人に、同じ質問をしているのですが、その内容が面白いです。

内容は、

 「仕事をするうえで一番大切なことは何ですか。」

 「どんな人と一緒に仕事をしたいですか。
  採用したい人はどんなタイプの人なのでしょうか。」

 「仕事と私生活のバランスについては、どう考えていますか。」

というインタビューがあり、

そして、写真やイラスト入りで、

 ・お気に入りの仕事道具をお見せします
 ・こんな仕事場で働いています
 ・手帳はこうして使っています
 ・目標を立てるコツを教えます
 ・情報源&愛読書はこれです
 ・ストレス解消・健康法を教えます
 ・私のエネルギー源!
 ・あなたの悩みにお答えします
 ・私のモットー

という項目があります。

この項目、読んでみたいと思いませんか?
実際、中身も面白いですよ。


インタビューを受けている方は11人です。
メジャーなところでは、

 ワタミの渡邉美樹さん
 サイバーエージェントの藤田晋さん
 トリンプの吉越さん
 マネックスの松本さん

などが登場しています。

この本を読んでみると、共感できたり、参考になったりする部分が
必ずどこかにあると思います。

550円です。文句なしにおすすめです。
(雑誌の増刊なので、早めの入手をおすすめします。)



もう少し、内容に触れておくと・・・、

私は、リンクアンドモチベーションの小笹社長の考え方に
共感する部分が多かったですね。

小笹さんの「私のモットー」は、

  「ひとりひとりの本気が
   この世界を熱くする  」
 (61ページより引用)

だそうです。私、これ好きです。


あと、↓この本の著者の佐々木かをりさんも登場しているのですが、、
ミリオネーゼの手帳術

私と同じペンを使っていることが判明しました・・・(^_^;)

三菱のSignoというシリーズの極細です。
これです↓
シグノ極細

私のおすすめは、この「ブルーブラック」と「グリーンブラック」です。

メリットは、

 ・他の色ペンと違い、色が濃くてはっきり見える。
  (インクは、キャップの色よりももっと黒に近いです。)

 ・自分が書き込みした部分が、区別しやすい。
  (印刷や、他の人が書いた文字に埋もれない)

 ・書き味がいい。インクの出が良くて、滑らか。

というところです。

デメリットは、

・たまにハズレ?がある。
 (インクが詰まったような感じになる。)

です・・・。でも、最近ハズレが減ってきたような気がします。


他のメーカーにも、類似の水性ボールペンがあるのですが、
私は、書き味と色合いでSignoがベストだと思います。


手帳にはこの極細(0.38mm)がいいです。

普通の用途には0.5mm、
アイディアを走り書きしたいときは0.7mmを使うこともあります。
(0.7mmはグリーンブラックが手に入らなくて残念です・・・。)


「ふーん・・・そのペン使ってみようかな?」と思って頂いた方は、
 ぜひ ↓ 1クリックをお願いします。
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・・・本の紹介のはずが、文房具談義になってしまいましたね(^_^;)
   でも、このペンはホントにおすすめです。


  
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Posted by 水口和彦 at 21:37Comments(0)TrackBack(0)
2005年11月13日     このエントリーをはてなにブックマークこのエントリーを含むはてなブックマーク

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