時間管理術の7つの嘘 その2 : 80:20の法則に従えば、うまくいくのか? (5)
臨界点のある仕事。
臨界点のない仕事。
仕事は2つに分けることができます。
と、述べてきました。
この、臨界点のある仕事こそ、時間管理術の中でよく言われる、
80:20の法則が適用できる仕事なのです。
では、どうすれば80:20の法則に乗っかって、信じられないほど
の成果(普通の人の16倍)を上げることができるのでしょうか。
また臨界点を使って説明していきましょう。
こういう仕事は、臨界点を突破して初めて成果が出ること、
臨界点を超えなければ成果は基本的にゼロだということ、
に特徴があります。
大きな成果を上げる人たち「スーパー20%」になるためには、
臨界点をどう使えばいいのか? それは・・・、
臨界点を突破する仕事を増やして、臨界点を突破できない
仕事を減らせばいいのです。
「そんなの当たり前・・・」という声が聞こえてきそうですが、
基本はこれしかありませんし、この基本を忘れてしまっている
人も多いのではないでしょうか。
図にするとこんな感じです。
「スーパー20%」に入る人たちは、
臨界点を突破する力
撤退を見極める力
この両方に優れていると、私は考えます。
ちなみに、「撤退を見極める力」の方は、最近流行りの
営業テクニックである、「早い段階で断られるように仕向ける」
やり方と似ています。
いくら営業トークで引張っても、買わない人は買わない。
(臨界点を突破できない仕事ということです。)
ならば、時間をかけるよりも早く断られた方がいい。
そうして、たくさんのお客さんに当たって、本当に買う気
のある人(臨界点を突破できそうな仕事)を早く見つけた
方が効果的だ。ということです。
では、この2つの力はどうすれば高まるのか?
まず、臨界点を突破する力、ですが、これには色々な要素が
あると思います。私もすべては分かりませんが、例えば、
・この仕事はモノになる! と見極める力
・選択した仕事に集中する力
・臨界点を突破するための発想力
・突破するまであきらめない粘り
・あらゆる手段を使って成し遂げようとするバイタリティ
などが、あると思います。
また、撤退を見極める力、は、
・見極める直観力
・ダメだと思ったら、あきらめる勇気
・ささいな失敗にこだわらない考え方
・感情で左右されない冷静さ
などの要素があると思います。
あなたの周りにも、大きな成果を上げている
「スーパー20%」が、きっといると思います。
その人たちは、これらの傾向に代表される、
「臨界点を突破する力」と「撤退を見極める力」
を持っていると思います。
あなたの周りの「スーパー20%」を、「臨界点」を
考えながら、観察してみてはいかがでしょうか。
きっとあなたの時間管理に対するヒントが
見つかると思います。
「2つめの嘘」は、これで終わりです。
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臨界点のない仕事。
仕事は2つに分けることができます。
と、述べてきました。
この、臨界点のある仕事こそ、時間管理術の中でよく言われる、
80:20の法則が適用できる仕事なのです。
では、どうすれば80:20の法則に乗っかって、信じられないほど
の成果(普通の人の16倍)を上げることができるのでしょうか。
また臨界点を使って説明していきましょう。
こういう仕事は、臨界点を突破して初めて成果が出ること、
臨界点を超えなければ成果は基本的にゼロだということ、
に特徴があります。
大きな成果を上げる人たち「スーパー20%」になるためには、
臨界点をどう使えばいいのか? それは・・・、
臨界点を突破する仕事を増やして、臨界点を突破できない
仕事を減らせばいいのです。
「そんなの当たり前・・・」という声が聞こえてきそうですが、
基本はこれしかありませんし、この基本を忘れてしまっている
人も多いのではないでしょうか。
図にするとこんな感じです。
「スーパー20%」に入る人たちは、
臨界点を突破する力
撤退を見極める力
この両方に優れていると、私は考えます。
ちなみに、「撤退を見極める力」の方は、最近流行りの
営業テクニックである、「早い段階で断られるように仕向ける」
やり方と似ています。
いくら営業トークで引張っても、買わない人は買わない。
(臨界点を突破できない仕事ということです。)
ならば、時間をかけるよりも早く断られた方がいい。
そうして、たくさんのお客さんに当たって、本当に買う気
のある人(臨界点を突破できそうな仕事)を早く見つけた
方が効果的だ。ということです。
では、この2つの力はどうすれば高まるのか?
まず、臨界点を突破する力、ですが、これには色々な要素が
あると思います。私もすべては分かりませんが、例えば、
・この仕事はモノになる! と見極める力
・選択した仕事に集中する力
・臨界点を突破するための発想力
・突破するまであきらめない粘り
・あらゆる手段を使って成し遂げようとするバイタリティ
などが、あると思います。
また、撤退を見極める力、は、
・見極める直観力
・ダメだと思ったら、あきらめる勇気
・ささいな失敗にこだわらない考え方
・感情で左右されない冷静さ
などの要素があると思います。
あなたの周りにも、大きな成果を上げている
「スーパー20%」が、きっといると思います。
その人たちは、これらの傾向に代表される、
「臨界点を突破する力」と「撤退を見極める力」
を持っていると思います。
あなたの周りの「スーパー20%」を、「臨界点」を
考えながら、観察してみてはいかがでしょうか。
きっとあなたの時間管理に対するヒントが
見つかると思います。
「2つめの嘘」は、これで終わりです。
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時間管理術の7つの嘘 その2 : 80:20の法則に従えば、うまくいくのか? (4)
80:20の法則(パレートの法則)が、どんな仕事でも
適用できるとは限らない!
ということについて前回考えてみました。
今回は、80:20の法則が適用できる場合には、どうすれば
効果的に仕事ができるのか? について考えてみます。
80:20の法則が使える場合の、「できる」20%の人達、
「スーパー20%」の行動パターンが分かるかもしれません。
私は、ポイントは「臨界点」だと思います。
仕事を、「臨界点」のある仕事と、無い仕事に分けて考えると
うまく説明できることが多いのです。
まず、臨界点の無い仕事とは、やればやった分だけ成果に結びつく
仕事です。
例えば、何か決まったものを作る仕事や、定型的な事務処理をこなす
場合などが、これに当てはまります。
(昨日述べたような、80:20の法則が適用できない場合です。)
この場合、仕事に投入した時間と、成果の関係は直線に近い形に
なると考えられます。
このような仕事の場合、要領のいい人や、頑張った人は、
より多くの成果を上げることができますが、16倍もの差がつく
ことはほとんどないでしょう。
人によって傾きは違うものの、やればやっただけの成果がでる。
という状況です。
これに対して、臨界点のある仕事とは、
あるポイントを超えるまでまったく成果が出ない仕事
のことをいいます。
図にすると、こんな感じです。
80:20の法則が成り立つ仕事、例えば営業職の場合を考えてみます。
営業の仕事の成果は、「物やサービスがどれだけ売れたか」です。
いくらがんばっても、成約できなければ成果はゼロです。
上のグラフの赤のラインがそれを表しています。
見込客に対してアプローチしている段階では、成果はゼロ、
成約できた時点で初めて売上という成果が生まれます。
この、初めて成果が出るポイントが「臨界点」なのです。
このポイントを説明するのに、「臨界点」と「閾値」の
どちらの言葉を使おうか迷ったのですが、より広く
知られていそうな、「臨界点」を使うことにしました。
このポイントを「閾値(Threshold)」と考えて頂いても
構いません。
一度成約できた顧客に、さらに時間を投入すると、継続して購入
してくれる可能性があるので、臨界点を超えたあとは、右上がりの
線になるわけです。
80:20の法則が適用できる仕事は、この臨界点があるのが特徴です。
よく言われるセールスでの例(売上の80%は20%のセールスマンに
よって得られる)は、まさに、このパターンです。
私が経験した例(製品売上の80%は、20%の開発者または開発
チームによるものである)も、これと同じです。
(がんばっても、売れなければ成果(売上)はゼロですから。)
もう1回グラフを出します。
このグラフの青い点線は、何を意味しているのか?
これは、私が精神論ラインと名づけたものです。
ちょっと脱線しますが、重要なことなので説明します。
この精神論ラインは、
「成約には結びつかなかったけど、こんなにがんばったんだ!」
と自分をなぐさめたくなる気持ちを表しています。
実際は成果が出ていないのに、自分を無理に納得させようと
することを繰り返していると、「時間を投入したこと」自体に
価値があると勘違いするようになってしまうのです。
(昔の私がそうでした・・・。)
実際は成果はゼロなのに、何らかの成果が出たような気に
なってしまう。それを表しているのが、青の点線です。
これは危険な勘違いです。この考えにとりつかれると、
80:20の法則どころではありません。
ムダな仕事をやって、成果が出た気になるわけですから。
※もちろん、成果が出ない仕事の中にも、次の仕事に結びつく
ノウハウや経験はあるでしょう。でも、それらは、次の仕事で
結果が出て初めて成果になるのです。
結果に結びつかないノウハウや経験、あるいは人間的な成長、
それら自体は、「成果を上げる」ことに対しては何の価値も
持たないと私は考えます。あくまでも、次に結びつけてこそ
価値があるのです。
精神論を重視しすぎると、こういうワナにおちいりがちに
なると思います。
実際に、私が仕事で出会った人の中には、こういう考え方をする
人もいました。おそらく、あなたの周りにも何人かいるでしょう。。
実は、私は今はこういう考え方をとても嫌っています。
自分をごまかすことは、「ストレスの先送り」だと思います。
成果が出ていないことは、本当は自分が一番分かっています。
それをごまかすと、将来、より大きなストレスを招きいれる
ことになります。
成果は成果、ダメなときはダメだった、と割り切る考え方の
方が、長い目で見るとストレスが少なくなると思います。
(少なくとも私の経験ではそうでした。)
(気をつけていただきたいのは、精神論がすべてダメだと
言っているわけではなく「自分をごまかすこと」がダメと
いうか、ストレスの元になるよ、ということです。)
脱線してしまいました・・・。
話は戻って、
臨界点のある仕事の場合、どうするのが効果的なのか?
スイマセン。長くなっちゃったので、
次回に持ち越します・・・。
【続きへ】
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適用できるとは限らない!
ということについて前回考えてみました。
今回は、80:20の法則が適用できる場合には、どうすれば
効果的に仕事ができるのか? について考えてみます。
80:20の法則が使える場合の、「できる」20%の人達、
「スーパー20%」の行動パターンが分かるかもしれません。
私は、ポイントは「臨界点」だと思います。
仕事を、「臨界点」のある仕事と、無い仕事に分けて考えると
うまく説明できることが多いのです。
まず、臨界点の無い仕事とは、やればやった分だけ成果に結びつく
仕事です。
例えば、何か決まったものを作る仕事や、定型的な事務処理をこなす
場合などが、これに当てはまります。
(昨日述べたような、80:20の法則が適用できない場合です。)
この場合、仕事に投入した時間と、成果の関係は直線に近い形に
なると考えられます。
このような仕事の場合、要領のいい人や、頑張った人は、
より多くの成果を上げることができますが、16倍もの差がつく
ことはほとんどないでしょう。
人によって傾きは違うものの、やればやっただけの成果がでる。
という状況です。
これに対して、臨界点のある仕事とは、
あるポイントを超えるまでまったく成果が出ない仕事
のことをいいます。
図にすると、こんな感じです。
80:20の法則が成り立つ仕事、例えば営業職の場合を考えてみます。
営業の仕事の成果は、「物やサービスがどれだけ売れたか」です。
いくらがんばっても、成約できなければ成果はゼロです。
上のグラフの赤のラインがそれを表しています。
見込客に対してアプローチしている段階では、成果はゼロ、
成約できた時点で初めて売上という成果が生まれます。
この、初めて成果が出るポイントが「臨界点」なのです。
このポイントを説明するのに、「臨界点」と「閾値」の
どちらの言葉を使おうか迷ったのですが、より広く
知られていそうな、「臨界点」を使うことにしました。
このポイントを「閾値(Threshold)」と考えて頂いても
構いません。
一度成約できた顧客に、さらに時間を投入すると、継続して購入
してくれる可能性があるので、臨界点を超えたあとは、右上がりの
線になるわけです。
80:20の法則が適用できる仕事は、この臨界点があるのが特徴です。
よく言われるセールスでの例(売上の80%は20%のセールスマンに
よって得られる)は、まさに、このパターンです。
私が経験した例(製品売上の80%は、20%の開発者または開発
チームによるものである)も、これと同じです。
(がんばっても、売れなければ成果(売上)はゼロですから。)
もう1回グラフを出します。
このグラフの青い点線は、何を意味しているのか?
これは、私が精神論ラインと名づけたものです。
ちょっと脱線しますが、重要なことなので説明します。
この精神論ラインは、
「成約には結びつかなかったけど、こんなにがんばったんだ!」
と自分をなぐさめたくなる気持ちを表しています。
実際は成果が出ていないのに、自分を無理に納得させようと
することを繰り返していると、「時間を投入したこと」自体に
価値があると勘違いするようになってしまうのです。
(昔の私がそうでした・・・。)
実際は成果はゼロなのに、何らかの成果が出たような気に
なってしまう。それを表しているのが、青の点線です。
これは危険な勘違いです。この考えにとりつかれると、
80:20の法則どころではありません。
ムダな仕事をやって、成果が出た気になるわけですから。
※もちろん、成果が出ない仕事の中にも、次の仕事に結びつく
ノウハウや経験はあるでしょう。でも、それらは、次の仕事で
結果が出て初めて成果になるのです。
結果に結びつかないノウハウや経験、あるいは人間的な成長、
それら自体は、「成果を上げる」ことに対しては何の価値も
持たないと私は考えます。あくまでも、次に結びつけてこそ
価値があるのです。
精神論を重視しすぎると、こういうワナにおちいりがちに
なると思います。
実際に、私が仕事で出会った人の中には、こういう考え方をする
人もいました。おそらく、あなたの周りにも何人かいるでしょう。。
実は、私は今はこういう考え方をとても嫌っています。
自分をごまかすことは、「ストレスの先送り」だと思います。
成果が出ていないことは、本当は自分が一番分かっています。
それをごまかすと、将来、より大きなストレスを招きいれる
ことになります。
成果は成果、ダメなときはダメだった、と割り切る考え方の
方が、長い目で見るとストレスが少なくなると思います。
(少なくとも私の経験ではそうでした。)
(気をつけていただきたいのは、精神論がすべてダメだと
言っているわけではなく「自分をごまかすこと」がダメと
いうか、ストレスの元になるよ、ということです。)
脱線してしまいました・・・。
話は戻って、
臨界点のある仕事の場合、どうするのが効果的なのか?
スイマセン。長くなっちゃったので、
次回に持ち越します・・・。
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時間管理術の7つの嘘 その2 : 80:20の法則に従えば、うまくいくのか? (3)
なぜ仕事の種類によって、80:20の法則が適用できたり、
できなかったりするのでしょうか?
昨日の瓦葺き職人のヒントです。
普通の職人の16倍の速さで屋根を葺く職人は、
おそらく存在しないでしょう。
しかし、普通の職人の16倍の収入を得る職人は
いるかもしれません。
ここで、私が言いたかったことの1つは、
同じ棟梁から、同じ歩合で報酬をもらう職人の間には、
大きな生産性の差は生じない、ということです。
これは、やる内容が決まっている仕事では、80:20の法則は
そのまま適用することはできない。ということを意味します。
では、この職人が16倍の収入を得るためには、何を
すれば良いでしょうか?
1つは、同じ仕事に対して、高い報酬を支払ってくれる
棟梁を探すこと。つまり、おいしい仕事を探すことです。
もう1つは、自分の能力を磨いて、他の職人ができない、
高いレベルの仕事ができるようになる。ということです。
どちらの場合にしても、「仕事を選ぶ」ということです。
これは、仕事を選べる環境では、80:20の法則が適用できる
可能性が高い。ということを意味します。
では、あなたの仕事はどうでしょうか?
選べる仕事ばかりでしょうか?
特に、雇用されて仕事をする人(サラリーマン)の場合は、
「やるべきこと」は、成果が大きかろうが小さかろうが、
やらなければならない。という状況はよくあります。
この場合「重要な20%」に集中すればうまくいく、
とは限らないのです。
これは無視してはいけないことだと思います。
80:20の法則が、すべての場合に適用できるかのように言うのは、
都合のよい幻想をばらまいているだけではないか、と私は考えます。
時間管理の権威たちは、「重要な20%」に集中しろ、と言います。
でも、80:20の法則が適用できない仕事で、それをやっても
うまくいきません。
なぜ、時間管理の権威たちは、このようなことを
言うのでしょうか?
私は2つの理由があると思います。
1つは、時間管理の権威たちが時間管理を指導する
メインターゲットにしているのが、エグゼクティブ層
だからです。
もう1つは、時間管理の権威たちは、自分が偉くなり
すぎて庶民の悩みが分からなくなっていること、
じゃないかな、と思います。
(私は、自分の経験を踏まえて「庶民の時間管理」を
目指していきたいと思っていますが・・・。)
ところで、80:20の法則が適用できない場合、どうするのが
効果的なのでしょうか。
私は、「重要でない80%」を「やらない」のではなく、
「どうやって簡単にやれるようにするか」と考えることが
重要だと思います。
「やらない」のではなく、「圧縮」することが重要です。
「圧縮」については、別の機会に述べることにします。
次に考えたいのは、80:20の法則が適用できる場合には、
どうすれば効果的に仕事ができるのか?ということです。
次回は、「スーパー20%から学べること」について
考えてみたいと思います。
【続きへ】
【時間管理術の7つの嘘 目次へ戻る】
できなかったりするのでしょうか?
昨日の瓦葺き職人のヒントです。
普通の職人の16倍の速さで屋根を葺く職人は、
おそらく存在しないでしょう。
しかし、普通の職人の16倍の収入を得る職人は
いるかもしれません。
ここで、私が言いたかったことの1つは、
同じ棟梁から、同じ歩合で報酬をもらう職人の間には、
大きな生産性の差は生じない、ということです。
これは、やる内容が決まっている仕事では、80:20の法則は
そのまま適用することはできない。ということを意味します。
では、この職人が16倍の収入を得るためには、何を
すれば良いでしょうか?
1つは、同じ仕事に対して、高い報酬を支払ってくれる
棟梁を探すこと。つまり、おいしい仕事を探すことです。
もう1つは、自分の能力を磨いて、他の職人ができない、
高いレベルの仕事ができるようになる。ということです。
どちらの場合にしても、「仕事を選ぶ」ということです。
これは、仕事を選べる環境では、80:20の法則が適用できる
可能性が高い。ということを意味します。
では、あなたの仕事はどうでしょうか?
選べる仕事ばかりでしょうか?
特に、雇用されて仕事をする人(サラリーマン)の場合は、
「やるべきこと」は、成果が大きかろうが小さかろうが、
やらなければならない。という状況はよくあります。
この場合「重要な20%」に集中すればうまくいく、
とは限らないのです。
これは無視してはいけないことだと思います。
80:20の法則が、すべての場合に適用できるかのように言うのは、
都合のよい幻想をばらまいているだけではないか、と私は考えます。
時間管理の権威たちは、「重要な20%」に集中しろ、と言います。
でも、80:20の法則が適用できない仕事で、それをやっても
うまくいきません。
なぜ、時間管理の権威たちは、このようなことを
言うのでしょうか?
私は2つの理由があると思います。
1つは、時間管理の権威たちが時間管理を指導する
メインターゲットにしているのが、エグゼクティブ層
だからです。
もう1つは、時間管理の権威たちは、自分が偉くなり
すぎて庶民の悩みが分からなくなっていること、
じゃないかな、と思います。
(私は、自分の経験を踏まえて「庶民の時間管理」を
目指していきたいと思っていますが・・・。)
ところで、80:20の法則が適用できない場合、どうするのが
効果的なのでしょうか。
私は、「重要でない80%」を「やらない」のではなく、
「どうやって簡単にやれるようにするか」と考えることが
重要だと思います。
「やらない」のではなく、「圧縮」することが重要です。
「圧縮」については、別の機会に述べることにします。
次に考えたいのは、80:20の法則が適用できる場合には、
どうすれば効果的に仕事ができるのか?ということです。
次回は、「スーパー20%から学べること」について
考えてみたいと思います。
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時間管理術の7つの嘘 その2 : 80:20の法則に従えば、うまくいくのか? (2)
すべての仕事が80:20の法則に従うわけではない!
80:20の法則に当てはまる仕事と、当てはまらない仕事がある!
と前回述べました。
どういう場合に80:20の法則が成立し、
どういう場合に成立しないのか、考えていきましょう。
80:20の法則を、人の生産性に適用した例として、
売上の80%は20%の営業マンによって上げられる。
と言われることが多いです。
ここで、
80%の売上げを上げる営業マンを「スーパー20%」
20%の売上げしか上げられない残りの人を「ノーマル80%」
と呼ぶことにします。
人数比と成果の関係は、このようになります。
では、1人当たりの生産性について考察するために、
10人の営業部隊を考えてみます。
スーパー20% = すごい営業マン2人
ノーマル80% = 普通の営業マン8人
となります。
ここで、1人あたりの数字にすると、
スーパー20% = すごい営業マン2人 → 1人で40%
ノーマル80% = 普通の営業マン8人 → 1人で2.5%
となります。
1人当たりの売上げは・・・4倍ではなくて、なんと16倍です。
恐ろしく差がありますね。でも、ある種の営業の世界では、
実際にこのレベルの差がある例はあるそうです。
私自身の経験でもあります。私の場合は、
新製品を開発する仕事がこの法則に当てはまっていました。
(自動車関係の製品です。)
ある日、ふと思って、製品の売上をカウントしてみました。
約20人の開発グループの中で、ある3人が開発した製品の
売上をカウントしていくと、売上の約80%になっていたのです。
20%以下の人数が80%の売上を生み出したことになります。
(幸いにして、私はその3人の中に入っていたので、何だか
ほっとしました・・・。)
こんなふうに、80:20の法則に従って、生産性に恐ろしく差が
出てしまうことは実例があります。
しかし、これを読んでいる方の中には、「1人当たりの生産性が
16倍も違うはずがない!」と思う方もいるはずです。
実は、私もそう思います。ある条件下、では16倍の差はつきません。
その条件とは・・・
例えば、
ファミレスのウェイターや、マクドナルドの店員では、
16倍の売上げの差は絶対につかないでしょう。
瓦葺き職人が1日に葺くことのできる瓦の枚数にも、
16倍の差がつくことはないでしょう。
(技術や精度には16倍の差があるかもしれませんが。)
事務処理的な仕事もそういう傾向があります。
3倍、4倍の差がつくことがあるかもしれませんが、
普通の人の16倍できる人はおそらくいないでしょう。
※ダメな人と比較して16倍ではなく、普通のそこそこ
できる人の16倍だということに注意してください。
これらの仕事は80:20の法則が当てはまらない仕事の例です。
(他にもたくさんあると思います。)
そして、このような、人による差がつきにくい仕事では、
「重要な20%に集中すれば、80%の成果が得られる」とは
言えないのです。
※もし、言えるのならば、重要な20%に集中する、
「スーパー20%」が必ず現れるはずですから。
では、なぜ仕事の種類によって、80:20の法則が適用できたり、
できなかったりするのでしょうか?
ここに、とても重要なヒントが隠されているのです。
実は、さっきの「差がつきにくい仕事」の例には、
ちょっとしたトリックがあります。
瓦葺き職人の話です。
普通の職人の16倍の速さで屋根を葺く職人は、
おそらく存在しないでしょう。
しかし、普通の職人の16倍の収入を得る職人は
いるかもしれません。
これがヒントです。
次回は、この答えとともに、私が考える80:20の法則を
本当に活かすためのポイントについて述べたいと思います。
【続きへ】
【時間管理術の7つの嘘 目次へ戻る】
80:20の法則に当てはまる仕事と、当てはまらない仕事がある!
と前回述べました。
どういう場合に80:20の法則が成立し、
どういう場合に成立しないのか、考えていきましょう。
80:20の法則を、人の生産性に適用した例として、
売上の80%は20%の営業マンによって上げられる。
と言われることが多いです。
ここで、
80%の売上げを上げる営業マンを「スーパー20%」
20%の売上げしか上げられない残りの人を「ノーマル80%」
と呼ぶことにします。
人数比と成果の関係は、このようになります。
では、1人当たりの生産性について考察するために、
10人の営業部隊を考えてみます。
スーパー20% = すごい営業マン2人
ノーマル80% = 普通の営業マン8人
となります。
ここで、1人あたりの数字にすると、
スーパー20% = すごい営業マン2人 → 1人で40%
ノーマル80% = 普通の営業マン8人 → 1人で2.5%
となります。
1人当たりの売上げは・・・4倍ではなくて、なんと16倍です。
恐ろしく差がありますね。でも、ある種の営業の世界では、
実際にこのレベルの差がある例はあるそうです。
私自身の経験でもあります。私の場合は、
新製品を開発する仕事がこの法則に当てはまっていました。
(自動車関係の製品です。)
ある日、ふと思って、製品の売上をカウントしてみました。
約20人の開発グループの中で、ある3人が開発した製品の
売上をカウントしていくと、売上の約80%になっていたのです。
20%以下の人数が80%の売上を生み出したことになります。
(幸いにして、私はその3人の中に入っていたので、何だか
ほっとしました・・・。)
こんなふうに、80:20の法則に従って、生産性に恐ろしく差が
出てしまうことは実例があります。
しかし、これを読んでいる方の中には、「1人当たりの生産性が
16倍も違うはずがない!」と思う方もいるはずです。
実は、私もそう思います。ある条件下、では16倍の差はつきません。
その条件とは・・・
例えば、
ファミレスのウェイターや、マクドナルドの店員では、
16倍の売上げの差は絶対につかないでしょう。
瓦葺き職人が1日に葺くことのできる瓦の枚数にも、
16倍の差がつくことはないでしょう。
(技術や精度には16倍の差があるかもしれませんが。)
事務処理的な仕事もそういう傾向があります。
3倍、4倍の差がつくことがあるかもしれませんが、
普通の人の16倍できる人はおそらくいないでしょう。
※ダメな人と比較して16倍ではなく、普通のそこそこ
できる人の16倍だということに注意してください。
これらの仕事は80:20の法則が当てはまらない仕事の例です。
(他にもたくさんあると思います。)
そして、このような、人による差がつきにくい仕事では、
「重要な20%に集中すれば、80%の成果が得られる」とは
言えないのです。
※もし、言えるのならば、重要な20%に集中する、
「スーパー20%」が必ず現れるはずですから。
では、なぜ仕事の種類によって、80:20の法則が適用できたり、
できなかったりするのでしょうか?
ここに、とても重要なヒントが隠されているのです。
実は、さっきの「差がつきにくい仕事」の例には、
ちょっとしたトリックがあります。
瓦葺き職人の話です。
普通の職人の16倍の速さで屋根を葺く職人は、
おそらく存在しないでしょう。
しかし、普通の職人の16倍の収入を得る職人は
いるかもしれません。
これがヒントです。
次回は、この答えとともに、私が考える80:20の法則を
本当に活かすためのポイントについて述べたいと思います。
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時間管理術の7つの嘘 その2 : 80:20の法則に従えば、うまくいくのか? (1)
80:20の法則ってご存知でしょうか?
パレートの法則とも呼ばれます。
この80:20の法則、パレートの法則は、時間管理術について
書かれた本に、よく出てきます。
こういう使われ方をしています。
仕事の結果の80%に影響するのは、原因の20%に過ぎない。
20%の努力で80%の結果が得られる仕事と、
80%の努力で20%の結果しか得られない仕事がある。
重要な20%に集中すれば、生産性は飛躍的に高まる。
図にするとこんな感じです。
赤で示した20%の部分をやれば、80%の成果が出る。
ならば、赤の仕事だけを100%やったとすれば、
ものすごい成果(計算では400%)が出るわけです。
確かに、努力した割に結果の得られなかった仕事や、
あまり努力せずに結果が出る仕事がある。というのは、
経験したことがある方も多いのではないでしょうか。
この重要な20%に集中すること。これがうまくいけば、
・今までの時間で400%の成果が出る!
または、
・今までの成果を出すためには、1日2時間だけ働けばよい!
(元が8時間働いていたとして、です)
となるはずです。
これは素晴らしい! 夢のような話です。
でも、これって本当なんでしょうか?
結論から言います。
すべての仕事が80:20の法則に従うわけではありません!
重要なのでもう1回言います。
すべての仕事が80:20の法則に従うわけではありません!
重要な20%に集中しても、生産性が4倍も上がるというのは
幻想です!
実は、重要なのは、80:20の法則に当てはまる仕事と、当てはまらない仕事が
あるということなのです。
それを知らずに、重要な仕事だけを選んでやろうと思っても、生産性は
思ったようには上がってくれません。
次回は80:20の法則に当てはまる仕事と、当てはまらない仕事、
について考えてみましょう。
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