2005年09月09日     このエントリーをはてなにブックマークこのエントリーを含むはてなブックマーク

時間管理術の7つの嘘 その3 : 成功者と同じやり方をすれば、うまくいくのか? (2)


前回は、

「成功者」の中で、時間管理の本を書いている人は
数えるほどしかいない。

そういう人たちが紹介する時間管理法は、
「成功者の時間管理法」と言うよりは、
「時間管理が好きな成功者の、時間管理法」である。

そういう本や手帳を出している、「時間管理好き」の人たちの
方法は、必要以上に複雑だったり、面倒くさかったりして、
普通の人が無理なく続けられるものではない場合がある。


ということを述べました。


この「3つめの嘘」で言いたかったことは、これでほとんど終りです。
でも、記事を書いていて、ちょっと気になったことがあったので、
調べてみました。


  「時間管理」について本を書いている人の中で、
  「成功者」はどのくらいいるのか?


という疑問がわいてきたのです。
ちょっと数えてみました・・・。


今、私の手元にある時間管理関係の本で、著者が日本人のものに限って
カウントしてみました。(同じ著者の別の本もカウントしています。)

 ※私が読んだ本では、外国人著者の本の方が多いのですが、著者の
  バックグラウンドが分からない場合があるので、日本人著者限定で
  カウントしてみました。


私が買った本に限定されていますし、分類もちょっと大ざっぱですが、
ちょっと面白い結果になっているので、見てみてください。


どんな著者が書いているのでしょうか?

こうです。

時間管理本著者の肩書き


それぞれの著者が「成功した」と言える人なのかどうかは、厳密には
分かりません。そこで、ちょっと強引に、会社経営者で本を出している
人を成功者とします(話題になりやすい人たちです)。


すると、60冊中、7冊しかありませんでした・・・。


書店に並んでいる「時間管理」本の中に、成功者が書いたものは1割
くらいしかないことになります・・・。

その、限られた著者のやり方を、成功者のやり方の代表とは考えない
方がよい、ということでしょうか。


以下、ほとんど余談です・・・

改めてカウントしてみると、時間管理系の本には、ライターが書いた
本が多いことが分かりました。これは多分日本の傾向だと思います。
外国人著者の本は、コンサルタントのものが多いような気がします。
(まだ正確なカウントをしていませんが・・・。)

ちなみに、ライターさんが書いた時間管理系の本の中には、ひとりよがり
系のものが、割と多いです。

そういう本を書く人は、自分は忙しい!という自負があるのでしょうけど、
紹介しているテクニックやノウハウは、普通のサラリーマンやOLに
負けてるんじゃないの?ってのもあったりします。

失礼な言い方ですが、「井の中の蛙」的に見える本もあります。
もちろん、面白い本もありましたが。


一方、意外と?頑張っているのが、大学教授の書いたものです。
60冊中9冊と、比較的多いですし、内容もオリジナリティがあるもの、
良いものが多いと思います。

「大学教授の書いた本は面白くない」と、よく言われますし、私も
そう思ってたりします・・・でも、この分野に関してはちょっと
違うような気がします。
(自分の専門外のことだから、面白い本が書けるのか・・・?)



ちなみに、私がカウントした条件はこうでした。

 ・日本人の著者に限る。
  翻訳本ではない日本人・外国人共著の本は入れています。

 ・私が持っている本60冊からカウント
  時間管理・仕事術などのキーワードで検索して買った本が主です。
  仕事術系の本でも、時間管理的な内容が無いものは、外しています。

 ・出版年度
  いろいろです。古い本(20年前)から、今年の本を含みます。





 「3つめの嘘」は、参考になったでしょうか?
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Posted by 水口和彦 at 22:11Comments(0)TrackBack(0)
2005年09月08日     このエントリーをはてなにブックマークこのエントリーを含むはてなブックマーク

時間管理術の7つの嘘 その3 : 成功者と同じやり方をすれば、うまくいくのか? (1)

 成功者と同じ考え方をすれば成功する。

って、言う人多いですよね。


 お金持ちの習慣を身に付けること、
 お金持ちと同じように行動すること、
 それがお金持ちになる秘訣。

という話もよく聞くようになりました。



では、時間管理についてはどうでしょうか?


成功者と言える人たちの中には、自分の時間術や手帳術を著書などで
紹介している人もいます。

読んでみると、なんだか、やる気がわいてくるような気がします。
同じようにやれば、成功者の仲間入りができるような気がしてきます。



このような成功者たちと、同じように行動すれば、
同じように成功できるのでしょうか?


私は、そうではないと思います。


なぜだと思いますか?
考えてみましょう。


世の中には、成功している人はたくさんいます。
例えば「成功」=「稼ぎが多い」と考えたとします。

高額納税者として公示される人たち(いわゆる長者番付)は、
所得税だけで1000万円を超える人が対象です。

収入はもっと多いわけですから、成功者の1つの基準として
考えてもいいでしょう。
こういう人が日本に何人いるか、ご存知でしょうか?


7万5640人だそうです。結構多い気がしますね。


仮に、これらの人たちを「成功者」と考えて、その中で
時間管理の本を書いている人って、何人いるでしょうか?

数えるほどしかいないですよね。


なぜ、その人たちは時間管理の本を書くのでしょうか?
おそらく、その理由は、

・もともと時間管理が好きで、それについて語りたい。

・変わった時間管理をしていることが噂になり、
 本を書くことを依頼された。

といったところでしょう。

ということは、


「成功者の時間管理法」として紹介されているものは、


   「時間管理が好きな成功者の、時間管理法」


だったのです。


そして、ここに1つ落とし穴があるのです。


私の話をしましょう・・・

  私は、時間管理について今までにたくさんの本を読み、
  たくさんのサイトを見てきました。今も探し続けています。


  実は、私の当初の目的は、

  「できるだけ簡単に時間管理する方法を探すこと」

  でした。

  しかし、そういった情報はなかなか見つからないのです。


  その理由は・・・、


  わざわざ時間管理について語ろうとする人は、
  「時間管理好き」の人が多いのです。

  そして、そういう人たちは、わざわざ面倒なやり方を
  するのが好きな人たちなのです。


  やや極論ぎみですが・・・そういう傾向は間違いなくあります。
  そして「成功者の時間管理」の中にも同じ傾向が見られます。


  逆に、うまく時間管理できている人でも、その方法が簡単だと、
  わざわざ人に語るほどのものではない、と思うでしょう。
  だから、簡単で効果的に時間管理している人で、その方法を
  語ろうとする人は少ないのではないでしょうか・・・。



というように、私が言った落とし穴というのは、


本や、手帳を出している、「時間管理好き」の人たちの方法は、
必要以上に複雑だったり、面倒くさかったりすること。

そういう方法は、普通の人が無理なく続けられるものではない
場合があること。
(「時間管理好き」の人たちには熱烈に受け入れられることはある。)

だったのです。



 ちなみに、私なんかは、どうしても楽な方へいこうとするのか、
 今でも、できるだけ楽して確実に時間管理する方法を探してしまいます。

 そうやって、楽な方法を探し続けた結果、こういうブログを書いてるのも
 不思議な話です・・・。


それはともかく、私が言いたいことは、

それが成功者であっても、成功者でなくても、
筋金入りの「時間管理好き」の人のやり方は、
普通の人は真似しない方が良い、ということです。

  私は過去にこの失敗をしたので・・・、
  同じ失敗をしないように注意してくださいね。



勘違いして頂きたくない点が1つあるので、言っておきます。


成功者たちの時間管理についての考え方を「読んでみる」ことは、
いいことだと私は考えています。考え方の幅を広げるのは、とても
有効だと思います。

無理して、同じ「ツール」「手帳」などを使おうとすることが
危険だと考えているのです。



次回は、この話に関連して、

「時間管理本」の出版動向について、
ちょっと調べてみた結果を報告します。


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Posted by 水口和彦 at 21:35Comments(3)TrackBack(1)

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