2005年10月24日     このエントリーをはてなにブックマークこのエントリーを含むはてなブックマーク

時間管理術の7つの嘘 その7 : デキるビジネスマンは、時間管理がうまいのか?(6)


  「デキるビジネスマンは時間管理がうまい」とは限らない。


これは事実です。実際、私はそういう人と仕事をしたことがあります。


そういう人たちの仕事振りを見ると、

 「時間管理なんていらないんじゃないか?」

と思う人もいるかもしれないと思います。


特に、就職したり、転職したり、部署が変わったりしたときに、
こういう人に出会うと、大きなインパクトを受けますね。

そのインパクトの結果、「時間管理不要論者」になる人も
いるかもしれません。


しかし、私は自信を持って断言します。


  時間管理無しでは、いつか仕事に行き詰るときが来ます。



なぜ、私は自信を持って言えると思いますか?


それは、長い時間をかけて、

「時間管理無しに仕事がデキる人」

がその後、どうなっていくかを、観察してきたからです。


というのは、私は、仕事がデキる人の仕事振り、

つまり、「なぜ、この人は仕事ができるのか?」

ということを分析するのが好きだったんです。
その結果、時間管理との関係に気がついたわけです。


ここまでの記事で、「時間管理無しに仕事がデキる人」の例として
「切れ者」と「タイプA」の2つのタイプを紹介しました。

 「切れ者」は、仕事の見極めがいい。

 「タイプA」は、情熱と長時間労働で仕事をこなす。

そんな特徴があります。
そして、どちらも普通の人よりも仕事ができることが多いです。


しかし、そのどちらも時間管理無しでは、頭打ちになってくることを
これまでの記事で述べてきました。

そして、どちらも時間管理をうまく使うと、さらに仕事が加速するのです。



では、逆に「切れ者」、「タイプA」の
どちらでもない人はどうしたらいいのでしょうか?


もし、あなたがこのどちらでもなくて、

  社内の「切れ者」や「タイプA」に差をつけられたくない。
  仕事が「デキる人」になりたい。

と思うのなら、答えは一つです。


  今すぐ時間管理の技を磨き始めましょう。


私がこういうのには、3つの理由があります。


1つめの理由とは、

「切れ者」や「タイプA」は、時間管理の重要性に気づきにくいことです。

これらの人は、仕事ができてしまうために、時間管理の重要性には
なかなか気がつきません。

ですから、一足先に時間管理の能力を磨いておいて、差をつけてしまおう、
ということです。



それに関連した、2つめの理由とは、

人が時間管理能力を磨くのには、ある程度の時間がかかるということです。


「優先順位をつければ仕事がうまくいく!」というのが幻想だと
いうことは、以前の記事(7つの嘘 その1)で述べました。

実は、時間管理のツールは、「何を優先するか?」を判断するための
材料を見えやすくするためのものなのです。

そして、判断するのは、それを使う、その人自身です。


考えてみてください。

 どの仕事を優先すればいいのか?
 この仕事は人に任せるべきか?
 この仕事はやらなくてもいいのではないか?

こういう問題に答えを出すためには、その仕事のことを
よく分かっている必要があります。

また、何を優先すべきか、判断するための考え方を身に着けておく
必要があります。

それには、ある程度訓練が必要なのです。
「この手帳さえ使えばすべてOK!」と
いうものは存在しないのです。


確かに、時間管理を始めてすぐに、
生産性が高くなって驚く人は多いです。

しかし、それを完全に身に着けるには、
それなりに時間がかかるということです。
(そのための効果的なやり方はあると思いますが。)


と、いうことは・・・、

要するに、早く始めてしまった方が有利だということです。


そして、3つめの理由は、

仕事は数をこなすことで、質が上がっていく傾向があることです。

時間管理をすることで、前よりも少し多くの仕事がこなせるように
なります。その結果、仕事のやり方もうまくなってきます。
そして、さらに仕事ができるようになるわけです。

その繰り返しは、年月とともに大きな差となって帰ってきます。
複利の効果ですね。


という3つの理由から、仕事で悩む人には、時間管理をおすすめします。

もちろん、挫折しないやり方で、という条件がつきますが・・・。




今回は、読んでいただいている方を、少しあおるような記事を
書いてしまいました。

でも、「仕事をうまくこなすこと」っていうのは、切実な問題ですし、
悩んでいる人が多いのではないかと思うのです。

そして、時間管理を敬遠している人にも、一歩を踏み出してみてほしい、
と思うのです。

  もちろん、完全な「時間管理嫌い」の人が、このブログを
  読んでいるとは思いませんが・・・。

  でも、なかなか始められないという人は、結構多いのでは
  ないかと思っています。




今回で、7つめの嘘は終わりです。

ということで、
今後、追記したりすることはあるかもしれませんが、
一応今回で、「時間管理術の七つの嘘」シリーズは終了です。

私が当初考えていたよりも、長い記事になりました。
これを書きながら、改めていろいろ考えることも多く、
私もとても勉強になりました。


    私のつたない文章を、読んで頂いた方、
    本当に、本当にありがとうございます。

    感想などいただけるとうれしいです。
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 また、「参考になったよ!」と思っていただける方は、
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といっても、このブログが終わるわけではありません。
また別のシリーズ記事を企画しています。

案はいくつかあるのですが、

・もっと分かりやすいもの
・もっと突っ込んだもの

どちらにしようか悩んでいます・・・。

ご希望のある方は、上のメールアドレスに頂けるとうれしいです。
  

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Posted by 水口和彦 at 23:15Comments(4)TrackBack(0)
2005年10月23日     このエントリーをはてなにブックマークこのエントリーを含むはてなブックマーク

時間管理術の7つの嘘 その7 : デキるビジネスマンは、時間管理がうまいのか?(5)


「デキるビジネスマンは時間管理がうまい」とは限らない。


その実例の1つである、「タイプA」ですが、
バリバリと仕事をこなしていく反面、落ち込みも激しい。
ということを前回述べました。

ちょっと、話が脱線気味なのですが、もう少し「タイプA」
について述べてみたいと思います。


実は、この「タイプA」は、時間管理のテクニックの使い方で、
大きく変わる場合があるのです。


私もそうだったのですが、「タイプA」の人は、目の前の仕事に
没頭する傾向があります。

その反面、「あれもやらなきゃ、これもやらなきゃ」とスピード
を上げようとして空回りすることもあります。


  ちょっと辛口ですが、思い当たる方はご容赦ください。
  私も「タイプA」ですから・・・。


しかし、なぜ「タイプA」は、そんなに焦って仕事をするのでしょうか?


それにはいろいろな理由があるでしょう。

「責任感」「自負心」「プライド」・・・。

私には、そのすべては分かりません。

しかし、この「タイプA」行動パターンを落ち着いたものに
変えていく方法は2つ知っています。


その1つは、

  短期的な勝敗にこだわらないこと

です。


「タイプA」的な人は、その日のその仕事で「勝つ」ことを重視する
傾向があります。

その「勝つ」相手は、ライバルだったり、お客さんだったり、
自分だったり、上司だったりするわけです。
(私の場合は、上司が多かったですね・・。)


この「勝ちたい」という欲求を無くしてしまう方法は、私は知りません。
「勝ちたい」と思うこと自体は必ずしも悪いことではないと思います。

しかし、少し視点を変えてみると、より前向きに、よりリラックスできる
ことに気がついたのです。

それは、自分の仕事を見る視点を変えることです。


もし、あなたが「タイプA」的な行動を取ってしまいがちだとしたら、
目の前の仕事だけを見るのではなく、もう少し長期的な視点で仕事を
眺めてみてください。

例えば、1日単位で考えるのではなく、1週間を通して「勝つ」ことを
意識してみてください。


今、時間管理をしていない人の場合は、

・1週間単位でやるべきことを書き出して、眺めてみる


時間管理をしている人の場合は、

・手帳や、ToDoリストは、1週間単位のものを使う


これだけで、ずいぶん違います。

  ※要注意なのは、一日単位でタスクを書き出してスケジューリング
   するタイプの手帳です。
   このタイプの手帳は、その日にやるべきことしか見えないため、
   タイプAを加速させることがあるのです。

  (手帳の使い方については、また別のシリーズとして書く予定です。)


そして、「タイプA」が落ち着いて仕事ができるための、
もう1つの方法は、

  自分の仕事の成果を自覚すること

です。

これがどういうことかと言うと・・・

タイプA的行動パターンにはまっているときには、

「もっと成果を出さないと!」と、自分にプレッシャーを
かけていることが多いです。

そして、後を振り返ることをほとんどしないために、
「もっと、もっと」と、自分にムチ打つわけです。


私がこのパターンから抜け出すきっかけになったのは、
やはり、時間管理のやり方だったのです。

詳しくは、また述べますが、時間管理をすることの効果は、


  自分はここまでやれている


ということが、見えることにもあると思います。

これが見えると、「もっと、もっと」のムチ打ちの手が緩んで
くるのです(これも経験談です)。


それは、単に仕事をしなくなっただけではないか?

という疑問を持つかもしれませんが、私の場合は、
逆に成果が上がりました。


というのは、

  タイプA的な馬車馬仕事をした後は、独特の爽快感があります。
  自分としては、とても充実しているわけです。

  しかし、後で振り返ってみると、時間をかけた割に仕事ができて
  いなかったりします。

  こういう場合は、実は、やり方がまずかったり、トラブルの処置に
  追われていただけ、ということが多いのです。

  しかし、自分の仕事の全体が見えていないと、「仕事をやった」
  という爽快感から、このムダが見えません。

  ですから、また同じことをしてしまうのです・・・。


自分の仕事、自分の時間の全体を見渡せるようにしていくことで、
このムダに気がつきやすくなります。

その結果、私の場合は、プレッシャーに追われることもなくなり、
仕事時間も減り、さらに成果が上がるという好循環になりました。


ここで、私が言いたいことはこうです。

  確かに、「タイプA」は時間管理しなくても、
  仕事をバリバリこなしていく傾向がある。

  しかし、それは情熱と長時間労働に支えられたものであり、
  仕事のやり方がうまいわけではない。

  時間管理をうまくやることができれば、同じ仕事が
  より少ない労力でこなせるように変わっていく。

  そして、「タイプA」的な性質が薄くなっていくが、
  仕事は前にも増してデキるようになる。



「デキるビジネスマンは、時間管理がうまい」とは限らない。

しかし、デキる人が時間管理をうまくやれば、
「さらにデキる人」になっていく。

しかも、落ち着いた「デキる人」になる。


ということです。


次回はこの7つめの嘘について、もう少しまとめてみます。


      【続きへ】 
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Posted by 水口和彦 at 23:13Comments(1)TrackBack(0)
2005年10月20日     このエントリーをはてなにブックマークこのエントリーを含むはてなブックマーク

時間管理術の7つの嘘 その7 : デキるビジネスマンは、時間管理がうまいのか?(4)

前回に続いて「タイプA」の話です。


  「タイプA」の落とし穴とは・・・?


タイプAは、長時間労働で仕事をバリバリやるタイプの人です。

前回紹介した、M・フリードマン、R・H・ローゼンマンの両氏は、
このタイプが心臓病になりやすいことを指摘しています。

仕事をする時間が長いだけでなく、自分にも強くプレッシャーを
かけてしまうタイプなので、そうなるのも納得できます。

若いうちは大丈夫でしょうが、私の世代以上になると・・・。
ちょっと怖いものがあります。


といっても、私が言う、「落とし穴」は、病気の話ではありません。
この「タイプA」には、もう1つ弱点があるのです。


  どんな弱点だと思いますか?


では、説明していきましょう。

私が今までに、仕事で知り合った人の中には、何人もの
「タイプA」の人がいました。

その共通点は、

・長時間労働をしてでも、仕事をこなそうとする。

・仕事で成果を出そうとする思いが強い。
 または、仕事でヘマをしたくないという思いが強い。
 (ここは人によって2パターンに分かれます)

・目の前の仕事には注力するが、そのせいか、
 他の仕事とのバランスが取れていないことがある。

という感じでした。


そんな仕事振りは、言葉は悪いかもしれませんが・・・

  「超高速のイヌかき」

という感じです。優雅なクロールではないのです。
(私もこのタイプの要素がありますので、
 自分のことも振り返って言っています。)


そして、このタイプの「弱点」は何かというと・・・、


  気を抜くと沈んでしまう


ことなのです。まさにイヌかき・・・です。


ここで言う、沈んでしまう、というのは、
気分的な落ち込みが激しい、ということです。

前回紹介した、別府真琴氏の『自分らしさの「タイプB」』と
いう本の中には、『タイプAC』という分類が出てきます。

このタイプACというのは、(『』内は引用です)
 
『人生に起こってくるいろいろなできごとに対して、
 興奮し攻撃的になったり、または悲しんで落ち込んだりする。』

『感情の起伏が大きく、そのときどき、またそのときの状況で
 反応、態度が変化するのが特徴である。           』

 (36ページ12行目、37ページ2行目より)

とされています。

このような明確なタイプAC(波が激しいタイプ)でなくても、
タイプAは基本的に波が大きいと、私は考えています。


「私は仕事ができる!」
「仕事をがんばらなきゃまずい!」

と、意識的にも無意識的にも自分をふるい立たせているタイプAは、
その、ふるい立たせる原動力が揺らいだときに、もろいのです。

その症状は・・・

・自信を失いかけて不安になったり
・急にやる気がなくなったり
・せっぱ詰まらないと仕事が手につかなかったり

といった感じです。
(ちなみに私は全部経験済みです・・・(^_^;))


私は、人のやる気や、ポジティブさ、モチベーションなどは、
常に揺らいでいると考えています。
以前に少し紹介したMモード、Dモードという考え方です。
6つめの嘘(4)で紹介しました)   


これは、だれにでもある揺らぎですが、「タイプA」の人は、
この揺らぎによる影響を受けすぎる、というのが私の見解です。

そして、その傾向は、


  短期的な勝ち負けにこだわりすぎる


というところにも表れてきます。
自分のケツをたたくためには、短期的な勝敗にこだわる必要がある、
というのが、その原因だと、私は考えます。


これらの特徴が重なった結果、

  タイプAは、長期的な展望に立った、地道な努力が苦手。

ということになりがちです。

目先のことに追われて、本来の目標に向かう努力が続かない。
ということです。


これが、タイプAの「落とし穴」です。

実際に、私が知っているタイプAの人には、こういう傾向が
多く見られましたし、私自身もそうでした。



ここまで、タイプAの弱点・落とし穴について述べてきましたが、
私は基本的にタイプAの人は好きですし、尊敬できる人も多いです。
(人に対してひどく攻撃的になるタイプは、尊敬できませんが・・。)

仕事に対して情熱的になれるのは、充実した生き方だと思います。
まさに、働きマンという感じです。

そして私は、そんな愛すべきタイプAの人に失敗してほしくないのです。


私が言う失敗とは、長期的な展望を持てないために起こる失敗です。

仕事を一所懸命続けてきて、そして自分の生き方を振り返ったときに、

  「こんなはずじゃなかった・・・」

と思うことなどがそうです。


では、そうならないためには、どうすればいいのか?


私が考える答えはこうです。

・短期的な勝敗にこだわらないこと。
・自分の仕事の成果を自覚すること。

この2つが重要です。


そして、この2つのポイントは、時間管理と密接に関係しているのです。


この2つがなぜ重要なのか? なぜ時間管理と関係するのか?
について、次回述べてみたいと思います。



参考文献
別府真琴.自分らしさの「タイプB」:病気になる性格・ならない性格.
朝日ソノラマ,1999
自分らしさの「タイプB」
自分らしさの「タイプB」―病気になる性格・病気にならない性格


M・フリードマン,R・H・ローゼンマン(新里里春 訳).
タイプA:性格と心臓病.創元社,1993
タイプA 性格と心臓病




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2005年10月19日     このエントリーをはてなにブックマークこのエントリーを含むはてなブックマーク

時間管理術の7つの嘘 その7 : デキるビジネスマンは、時間管理がうまいのか?(3)

「時間管理がルーズでも、仕事がデキる人」

の1つめのタイプについて、前回述べました。
今回は、もう1つのタイプについて考えてみましょう。


私が今までに出会った、「時間管理がルーズでも、仕事がデキる人」の、
もう1つのタイプとは、「タイプA」と呼ばれるタイプです。


「タイプA」とは、心臓専門医である、M・フリードマンと、
R・H・ローゼンマンが提唱した、行動パターンです。

別府真琴さんという医師が書かれた、『自分らしさの「タイプB」』
という本の中に分かりやすい例があるので、引用します。

タイプA的な人の行動パターンとして、 (『』内は引用です)
 
『・目標を達成しようとする強い欲求を持つ
 ・競争心が異常に強く、敵意を示しやすい
 ・常に周囲からの高い評価や昇進を望む
 ・多くの仕事に没頭し、いつも時間に追いまくられている
 ・精神的・肉体的活動の速度を常に速めようとする
 ・精神的・肉体的に著しく過敏である             』

  (27ページ 7行目より)

という特徴があると書かれています。


一言で言うと、
見るからに、バリバリ仕事してるぞっ!っていう空気を漂わせている
タイプですね。


このタイプは、自分にも厳しく、他人にも厳しいことが多いです。

そして、仕事のやり方に効率が悪いところもあったりするのですが、
それを熱意と長時間労働で乗り切っていくタイプです。


こういう「タイプA」は、あなたの職場にもいるのではないでしょうか。

  私の経験では、各職場に10人中1人くらい、いるように思います。
  「熱い」職場だと、その比率が増える傾向にあります。

  (タイプAというのは、性格と環境の両方の因子によるものなので、
   同じ人でも、職場によってタイプAになる場合とならない場合が
   あるそうです。)


  実は、私もこのタイプだった時期がありますし、今でも少し
  その傾向が残っています。

  それもあって、私はこのタイプの人は嫌いではありません。
  (時々うっとおしく思うことはありますが・・。)

  それだけ情熱を持って仕事ができることは、いい面もあると思います。



このタイプの人は、時間管理を使って効率的に仕事をするよりも、
自分の力でゴリゴリ仕事をしていく道を選ぶことが多いです。

そして、実際に他の人よりも高い成果を上げることも多いです。


こういう人を見ていると、時間管理のテクニックよりも、仕事に対する
情熱の方が、重要ではないか?という疑問を持つかもしれません。



  しかし、そこには落とし穴があるのです。



次回は、その落とし穴と、タイプAを脱却するための方法について
述べてみたいと思います。



参考文献
別府真琴.自分らしさの「タイプB」:病気になる性格・ならない性格.
朝日ソノラマ,1999
自分らしさの「タイプB」
自分らしさの「タイプB」―病気になる性格・病気にならない性格


M・フリードマン,R・H・ローゼンマン(新里里春 訳).
タイプA:性格と心臓病.創元社,1993
タイプA 性格と心臓病




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時間管理術の7つの嘘 その7 : デキるビジネスマンは、時間管理がうまいのか?(2)


 「仕事ができる人は、時間管理もうまい。」 とは限らない。

その実例として、

 「時間管理がルーズでも、仕事がデキる人がいる。」と、

前回述べました。


そういうタイプの「デキる人」がいるのは事実です。
しかし、それでも私は、時間管理が仕事をするために、
欠かせないスキルだと考えています。


では、そういうデキる人が、時間管理と、どう付き合うことになるのか、
説明していきましょう。

私が知っている範囲では、時間管理がルーズでも「仕事がデキる」人は
2つのタイプに分かれます。


1つめのタイプは、「根っからの切れ者」タイプです。


私が今までに仕事で出会った人の中には、驚くほど頭の切れる人が
いました。(比率としては30人〜50人に1人くらいでしょうか。)

どういうところが切れるかというと、

 「目の付け所が良い」
 「無駄になりそうな仕事はしない」

と、いうところです。
また、このタイプの人は

 「常識外れの発想ができる」
 「細かいことにこだわらない」

という特徴もあります。普通に「要領がいい」というレベルを
超えたものがあります。


こういうタイプの人は、もともと「手段」よりも「目的」に向かう志向が
強いです。そして、他の人よりも高い生産性を示すことが多いのです。

  ちなみに、そういう人の言動を観察すると、「7つの嘘 その2」  
  で述べた、「臨界点」 についての感覚が優れていると感じられます。
 

そして、このタイプは、面倒くさいことが嫌いな人が多いです。
効率の悪いことが嫌いなんですよね。

ですから、こういう人は、時間管理的が嫌いであることが多いです。
仕事ができてしまうのですから、あえて面倒くさいことをやりたくない、
ということでしょう。


確かに、このタイプは時間管理に頭を使わなくても、
仕事はできてしまうことがあります。

しかし、このタイプの人でも、どうしても時間管理が必要になる
時期があります。


 それは、部下を持ったときなのです。


感覚に優れたこれらの人たちでも、部下を持って仕事をし始めると、
仕事の管理が難しくなってくるようなのです。

そうなって初めて、仕事や時間の管理について、試行錯誤を始める
パターンが多いように思います。


そんなことなら、最初から時間や仕事の管理をやっておいたほうが
いいと私は思います。

その方が、部下を持っていない時期でも、さらに生産性が高かったはず
ですし、後からあわてて試行錯誤しなくても済んだはずなのです・・・。


つまり、

 「時間管理がルーズでも、仕事がデキる人がいる。」のは事実です。
 しかし、そういう人も、時間管理なしでは、仕事がうまくこなせなくなる
 ときが、必ず来る。

というのが、この記事で私が言いたかったことです。



  実は、こういうタイプ向けの時間管理手法は、ほとんどありません。
  多くの手法は、無駄な作業が多く、こういう人には嫌われます。

  必要な機能は残しながら、できるだけシンプルにした時間管理術が
  こういう人には向いていると思います。なかなか無いのですが・・。

  どうシンプルにすればいいのか? については、この、「7つの嘘」
  シリーズの後に書いていこうかと考えています。



次回は、

「時間管理がルーズでも、仕事がデキる人」の、もう1つのタイプ
について説明していきます。


  キーワードは・・ 「A」です。



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Posted by 水口和彦 at 07:22Comments(0)TrackBack(1)

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