2009年09月01日     このエントリーをはてなにブックマークこのエントリーを含むはてなブックマーク

「反省」や「注意」では、根絶できない「ミス」がある


こんにちは。水口です。

今回の選挙で「なんだかなあ・・・」と思ったのが、以下の2件。
選挙の結果ではなく、仕組みの問題です。

政治の話ではなく、会社の「仕組み作り」に関連した話ですので、
参考になる方もおられるかもしれません。


■ おそまつ?な、今回の選挙でのミス

選挙:衆院選 誤って用紙渡し、11歳女児が投票 有効に
−−大阪 - 毎日jp(毎日新聞)


 (『』内は引用です) 
『 大阪市選管は30日、同市西淀川区の投票所で小学生の女児(11)に誤っ
て投票用紙を交付し、実際に女児が投票するミスがあったと発表した。女児が
投じた票は他の票と区別できず、公職選挙法上、有効になる。

 市選管によると、30日午後2時ごろ、同区佃1の佃小学校に設けられた投
票所で、担当者が女児の父親(47)に比例代表と最高裁裁判官の国民審査
の投票用紙を渡した後、女児にも誤って交付した。女児は記載台に寄った後、
投票箱に用紙を入れた。その直後、担当者が顔見知りの女児だったことに気
づいた。

 女児は身長が約150センチと比較的大柄で、有権者と思い込んで投票用
紙を渡したという。』
                    (上記サイトより引用)


<衆院選>21歳を子供と間違え用紙渡さず 神奈川・平塚
(毎日新聞) - Yahoo!ニュース


 (『』内は引用です) 
『 30日の総選挙で、神奈川県平塚市選挙管理委員会が母親とともに投票
所に来た女性(21)を親に同伴した子供と思いこみ、一部の投票用紙を渡
さないミスがあったことが分かった。女性は怒って帰宅し、市選管は棄権として
処理した。

 同選管によると、ミスがあったのは市立金田公民館の投票所。30日午後6
時ごろ、女性は母親と一緒に投票に訪れ、整理券を提示して小選挙区の投票
を済ませた。続いて比例代表の投票用紙をもらおうと手を差し出したが、担当
職員が未成年と思い、用紙を渡さなかった。女性は小柄で、職員は「子供のよ
うに見えた」と釈明している。

 母親が別の職員に抗議し、職員は帰ろうとしていた女性に「帰ると棄権の扱
いになる」と説明したが、女性は投票しないまま帰ったという。同選管の二宮雅
治事務局長は「国民の最高の権利が行使できずに申し訳ない。謝罪したい。
間違いがないように職員の研修を徹底させたい」と話している。』

                                  (上記サイトより引用)


2つ目の記事には、『間違いがないように職員の研修を徹底させたい』という
コメントがありますが、それじゃ全然ダメです・・・。

断言してもいいですが、これは「気をつけさせる」「注意する」「マニュアル化する」
といった手法では、完全に再発を防止することはできません。

全国で再発防止させないためには、1回の選挙だけで見ても、ミスの発生率を
数千万分の1、つまり0.1ppm以下の発生率にしなければいけません。

私は品質保証の仕事をしていた経験上、「人間は必ずミスするもの」であり、
「ppmオーダーの再発防止には注意だけじゃダメ」であると断言できます。

これは、「反省」や「注意」などではなく、「仕組み」としての改善が必要です。


※ また、今回はこの2件が報道されていますが、この種の「ヒヤリ・ハット」は、
   表に出ないだけで、全国で数百件起っていると考えるべきだと思います。

  ↓この回で書いた「ハインリッヒの法則」です。
  「ダブルチェック」の有効性と問題点(「ヒヤリ・ハット」について)


■ このミスの「仕組み」上の問題

上記のミスがなぜ起ったか? その理由は投票所の仕組みにあります。

今回、私が投票したときは、こうでした。

  ハガキを渡して、投票券(みたいな確か緑色の紙)と交換してもらう
     ↓
  小選挙区の投票場所で、その投票券を投票用紙と交換してもらう
     ↓
  記入して投票
     ↓
  投票後に、次の投票用紙をもらう(比例代表と最高裁裁判官の2枚)
     ↓
  記入して投票

この仕組み、「ちょっと変だなあ・・・」と思った方もおられるかもしれません。
私も、「ちょっとどうかな・・・?」と思っていました。

というのは、最初の小選挙区の分は投票券(緑の紙)と交換することになって
いますが、後の2つは小選挙区の投票後に(一方的に)もらう仕組みになって
います。ここがちょっと危ういのです。
(実際、上記の記事は両方ともこの部分でのミスです)


最初の分は「紙を交換する」動作ですから、ミスは起りにくいです。しかし、後
の分は「紙をもらう」(係の人から見れば「紙を渡す」)だけの作業です。

これをもれなく、ダブりなく確実に行うためには、(最初の)投票用紙を投入
したことが確認できた人だけに、(後の)投票用紙を渡さなければいけません。
つまり、その係の人は、投票箱をしっかり見ておかなければいけません。これ
を徹底するのは、なかなか大変です。

「それくらい、ちゃんと見てろよ」というご意見もあるかもしれませんし、それも
もっともなところはありますが、人間には必ず気の緩みもあるもの。特に、この
ような他人が(勝手なタイミングで)投票するのを注視しなければいけないと
なると、ppmオーダーのミスを起こすなというのは基本的に無理です。


■ 上記ミスの「仕組み」としての対策

このミスを防止するには、仕組みの解決をするのが手っ取り早いのですが、
その方法は3つ考えられます。

  その1: (最初の)小選挙区の記入済み投票用紙と、(後の)2枚の
        を投票用紙を手渡しで交換する

  その2: 最初の投票券との引き替え時に、投票用紙を3枚とも渡す

  その3: 投票しない人(付き添い)の投票場所への立ち入りは禁止
        とする (乳幼児は別として)


「その1」はおそらく法的に問題あると思いますので却下するとして、「その2」
または「その3」を実行しないと、同種のミスを根絶することは不可能です。
(※ もしかしたら、他にも有効な対策があるかもしれませんが)

「その2」(3枚とも先渡し方式)も、投票箱を間違える人が出そうなので却下
するとしたら、「その3」が本命です。

投票場所に、お子さん(などの付き添い)の立ち入りを禁止することは、実現
可能でしょう。ある程度大きいお子さんなら、一旦別れて、出口でまた落ち合
えばいいわけですし。

※ そもそも、投票しない(投票できない)人が投票場所に立ち入ること自体、
   元々おかしいという見方もできます。


■ 「反省」や「注意」では、ミスが根絶できないこともある

なんでこんな話をしたかというと、会社でも同種のことがあるからです。

  ミスを根絶するためには、「仕組み」レベルでの改善が必要なのに・・・
  「担当者に注意」しただけで、対策したと思ってしまう。

こういう例はいくらでもあります。(特にデスクワークでは多いです)

しかしこれでは、また同じミスが起る可能性が高いです。一度ミスして懲りた
人も、数ヶ月、数年経てばまたやってしまうかもしれませんし、違う人ならなお
さらです(事前に注意しておいたとしても)。

上司としては、「部下に注意した」ことで責任を果たしたと思いたいところで
すが、それは(本来は)勘違いなのです。特に、「絶対再発させられない」ミス
の場合、これは肝に銘じておくべきことです。


「仕組み」レベルの再発防止は、頭も使うし手間もかかるものです。しかし、
これができると作業者の負担が減り、効率が上がるというメリットもあります。

「これは絶対に再発させてはいけない」というミスは、「仕組み」レベルでの
解決策を考えて実行する・・・これが王道だと思います。



今日の記事作成時間は49分でした。
では、また明日!
  

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2009年08月27日     このエントリーをはてなにブックマークこのエントリーを含むはてなブックマーク

「緊急ではない」「重要なこと」ができていない時の解決策


こんにちは。水口です。

今日は昨日の続きで、
「優先順位」に関連した話です。


■ 「重要なことを優先しなさい」と唱えても、ほとんど何も変わらない

昨日は、こんなことを書きました。

――――――――――――――――――――――――――――――
「緊急じゃないけど、重要なことを優先しなさい」と唱えるだけでは、
一種の「スローガン」にしかならず、根本的な問題はなかなか解決しない。
(もっと具体的に「計画の立て方」を変えていかなければ効果は出ない)
――――――――――――――――――――――――――――――

これは、私自身が痛いほど実感してきたことです。



「目先のことに追われてばかりで、重要なことができていない」という状況は、
忙しい人なら誰でも陥りがちな罠です。(※忙しくなくても陥ることもあります)

だから、

  「緊急じゃないけど重要なこと」を優先すべきである

こう聞くと、「反省すべき所が多々ある」と感じる人は多いでしょう・・・。
私もそうでしたし。

と、ここまではいいのですが(確かにその通りですし)、問題なのは、それに
対する解決策を提示しないで、このお説教(?)だけをする人が多いことです。

お説教されて、(一時的に)自己嫌悪に陥り、でも有効な解決策は無い・・・、
こういう状況は最悪です。反省すれども出口は見えないわけですから。


現在は少し状況が変わってきましたが、私が時間管理に悩んでいた当時は、
こういうお説教タイプの時間管理論が幅を利かせていました。
(今でもそういう研修を行っている会社もあります)

私も最初はこういうお説教(?)を真に受けていましたが、あるとき「これは
おかしい」と気づいたおかげで救われました。


■ 「重要なこと」ができていない場合の解決策

ちなみに、

  「緊急じゃないけど重要なこと」ができていない

という状況を改善するための策は、

  「重要なことをやるように心がける」

ということでは不充分です。これでうまくいく人は、ほとんどいないでしょう。


もちろん、「心がける」ことでいくらかの効果はあるでしょうが、日々、様々な
仕事に追われ、期限に追われ・・・ という厳しい状況の中では、「心がける」
くらいの対策では大した力になりません。

また、「重要なこと」をやらなければ・・・と意識すればするほど、それが「できて
いない」ことに自己嫌悪を感じることにもなるわけで、毎日そんなくり返しじゃ、
誰だって嫌になってしまいます。(Mっ気のある人は別かもしれませんが・・・)


というわけで、もう少し具体的な解決策が必要です。
その解決策は、

  そもそも、なぜ「重要なこと」なのに、(自分は)実行しないのか?

というところからスタートすると見えてきます。


「緊急じゃないけど重要なこと」というのは、言い換えれば、

  すぐには実現できないこと (長期的に取り組むこと)

です。つまり、それなりの時間と労力をかけないとできないことです。
「コツコツやっていく必要がある」と言ってもいいと思います。

しかし、人はどうしても期限が近い仕事のことから考えてしまいがちなもの。
これは「怠慢だから」というわけではなく、どうしてもそちらに注意が向いて
しまうものです。(これにはいくつか要因はありますが、それは置いておいて)


これを解決するためには、「心がける」以外に有効な方法があります。

それは、「緊急じゃないけど重要なこと」の中身を分割して、それぞれに
もっと短い期限を設定することです。

つまり、

  「緊急じゃないけど重要なこと」が「目先のこと」に負けてしまうのは
  それが「長い期限」と「短い期限」という、別の土俵に乗っているせい

ということです。

「緊急じゃないけど重要なこと」というのは、言い換えれば、
「長期的に取り組む、重要なこと」を指しています。

そして、長期的なことを、ついないがしろにしてしまうのは、
「夏休みの宿題」などで、経験している人も多いでしょう。
「重要」であろうとなかろうと、ごく当たり前の話です。

そして、これを解決するために最も有効な手法は、

  「緊急じゃないけど重要なこと」を分割し、
  「短い期限」という同じ土俵に乗せること

ということです。

自分の怠惰さを責めるのではなく、ちょっと見方を変えることが
実は重要だったんです。


ただ、この「同じ土俵に乗せる」というのは中途半端にやってもダメです。

たとえば、1ヶ月単位で分割しても、結局、月の前半はダレてしまいがちで、
月の後半には(前半さぼっていたので)追い込みきれないとなりがちです。
ですから、もう一段細かく、具体的には1週間単位で区切ります。

また、その計画を立てただけではダメで、毎週のスケジュールの中に(タスク
として)記入していくことが絶対に必要です。これがなければ、どうしても他
の仕事に埋もれてしまいます。

ここまでやれば、かなり「重要なこと」に注意が向くようになってきます。

※ もし、これでもダメなら他の問題も考えられます。
   たとえば、その「重要なこと」を、本当は(自分が)重要とは自覚して
   いないなんてケースもあります。あまり必要性を感じていないのに、
   「とりあえず英語を勉強しよう」と思って挫折するケースなどです。
   この場合、その目標に対して一度頭を整理する必要があります。



このように、「緊急じゃないけど重要なことができない」のは、実は
ちゃんとした原因が存在します。これを(お説教的な)抽象論で
済ませるのは、私はちょっと納得がいきません・・・。




今日の記事作成時間は70分でした。
では、また明日!
  
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2009年08月26日     このエントリーをはてなにブックマークこのエントリーを含むはてなブックマーク

仕事の「優先順位」と(その中の)「重要性」の判断基準について


こんにちは。水口です。

今日は時間管理とは切っても切り離せない?
「優先順位」についての話です。


■ ワクチン接種の優先順位

これから猛威をふるいそうで恐ろしいのが、新型インフルエンザ。
こんな記事がありました。

【新型インフル】ワクチンの安全性は?接種の優先順位は?
(1/2ページ) - MSN産経ニュース


 (『』内は引用です)
 
『 新型インフルエンザ対策の柱であるワクチンについて、舛添要一厚労相は
25日、「ワクチンの出荷は10月下旬になる」と発表した。新型インフルはすで
に全国で流行入りしており、流行のピークに間に合うかは微妙な状況だ。接種
の優先順位や輸入の議論も始まったばかり。26、27日に専門家から意見を
聞く会合が予定され、舛添厚労相は週内にも方針を示す意向だが、課題は山
積している。

 ワクチンは現在、国内4社のメーカーが製造しており、12月末までに1300
万〜1700万人分が供給される予定。製造を2月末までに延ばしても3千万
人分が限界で、厚労省が必要とする5300万人分には及ばない。』

                                     (上記サイトより引用)

このため、ワクチンの輸入やそのための特例承認も検討されているという話は
ニュースでお聞きになっている方も多いと思います。

ワクチンの供給量を増やすことももちろん大事ですが、供給できるものを、どう
いう順番で使っていくかという「優先順位」の問題も難しいです。

1300〜1700万人分は、この↓5300万人分にはかなり不足。それをどう
いう順番で供給していくかという問題です。
 
『 さらに、国がワクチンの必要量としてきた5300万人分の内訳を公表した。
ぜんそくなどの持病を持つ人が約1千万人▽妊婦約100万人▽乳幼児600
万人▽小中校生約1400万人▽65歳以上の高齢者約2100万人、医療従
事者約100万人−という。』
            (下記サイトより引用)

(こちらの記事↓からの引用です)
【新型インフル】輸入ワクチンの治験 あすにも専門家ら集め決定 厚労省
- MSN産経ニュース



■ 「優先順位」と「時間管理」

自己啓発的な本などを見ると、「優先順位」はこう書かれていることがあります。

  「緊急だけど、重要じゃないこと」よりも、
  「緊急じゃないけど、重要なこと」を優先しなさい
  (こちらに時間を使いなさい)

なぜかといえば、

  人は、物事の重要性よりも、緊急性(期限が迫っているかどうか)の
  方に気を取られてしまう。

  だから、目の前の(期限が迫った)仕事に追われてしまい、気がつけば、
  長期的に取り組むべき重要なことが全然進んでいない・・・となりがち。

だからです。

「人は、つい目先のことに気を取られてしまう」というのは、まったくその通りで、
時間管理的なことを考える際の、大前提だと私も考えています。

しかし、「緊急じゃないけど、重要なことを優先しなさい」と唱えるだけでは、
一種の「スローガン」にしかならず、根本的な問題はなかなか解決しない。
(もっと具体的に「計画の立て方」を変えていかなければ効果は出ない)
というのが、私の考えです。

私が「優先順位なんていらない」という主旨のことを言うのは、そういう背景が
あるわけです。実際、「優先順位」という言葉をいったん頭から消して、具体的
な「計画の立て方」の問題として考えた方が、仕事はうまく回りますし、結果と
して「重要な」仕事にも取り組めるようになってくるわけです。


■ 優先順位(重要性)の判断基準 その1

その優先順位のなかで、特に「重要性」の判断基準にもいろいろあります。

たとえば、「(企業活動の一部としての)仕事」を考えるときには、

  その仕事から得られる利益

が、重要性の一つの基準になります。

ただし、いくら大きな利益が見込まれる仕事でも、失敗する可能性が高ければ、
優先順位は下げなければいけません。つまり、

  その仕事から得られる利益×その仕事が成功する確率

が、重要性の一つの基準になるわけです。これは、営業職のような利益が直接
目に見える仕事でなくても、同じことです。


■ 優先順位(重要性)の判断基準 その2

ただし、仕事の中には「利益が得られる仕事」以外の仕事もあります。
それは、「損失を防ぐ仕事」です。

たとえば、自動車メーカーが品質上の問題に対して「リコール」を行い、製品の
修理や部品交換を行う仕事。これは基本的に利益を生みません。しかし、損害
賠償などの損害を防ぎ、信用・イメージを落とさないために必要な仕事です。

こういう仕事の場合、

  その仕事を行わないことで発生する損失×損失が発生する確率

が、重要性の指針になります。

これを「ネガティブペイオフ」と呼ぶ人もいます。
古い記事ですが、こちらの本にありました↓
朝9時から11時までは部下の話を聞くのはやめなさい!


たとえば、成長率が非常に高い業界(ベンチャー的な)では、顧客からのクレーム
対応はそっちのけで、売る方にイケイケの営業を行う場合もあります。
(クレーム対応の仕組みがうまくできていないことも原因ですが)

これは、会社がまだ小さいので「信用」を損なうリスクが小さいという理由もあり
ますが、この「ネガティブペイオフ」の仕事を軽く見ているという面もあり、社員教
育の問題でもあります。(ですから、会社が大きくなるとともに是正されていくの
が普通です)


上記の新型インフルエンザ用ワクチンの件は、このネガティブペイオフ型の優先
順位です。どうすれば、いかに損失を抑えられるかという判断が必要になって
きます。

個人的には、(感染拡大を防ぐために)医療従事者や、(被害の深刻さを考え)
妊婦さんには、すぐ接種を始めてもいいんじゃないかと思います・・・。この分野
に詳しいわけではないので、あくまでも個人的な感覚ですが。
(何よりも「早く動くこと」が損失拡大を防ぐため重要なのは間違いありません)


■ 優先順位(重要性)の判断基準 その3

上記に上げた優先順位は、あくまでも「確率」上の話として、合理的な判断を
するという考え方であり、実際の企業活動のなかでは、もう少し複雑になります。

たとえば、(従業員や顧客の)安全上の問題や、品質上の問題については、その
損失の大きさや発生する確率を問わず、最優先で対応すべきだ。という基準を
持っている企業も多いです。

「軽い怪我だから」「(品質的に)致命的な欠陥じゃないから」といって、問題を
軽く見たり、対策を先延ばししたりしていると、いつかもっと大きな問題が起こる。
という意味で、そういう基準(安全や品質は最優先)を持つことは、企業活動を
長く続けていくためには、とても重要なことだと思いますし。個人的にも賛成です。
(逆に、短期的に儲かればいいという会社にはこういう基準がありません)

これは、一種の「ポリシー」的なものですが、これも仕事の優先順位を決める上で
基準となるものですし、その組織に属する以上、それに従うのが基本です。

逆に、これを無視して「自分の手柄になる」仕事ばかり追い求める人が増えると、
組織としてまずい方向に行ってしまいます。




・・・と、優先順位(の中の「重要性」)は、なかなか複雑なものです。
この話は、また機会を見つけて書いてみます。



今日の記事作成時間は64分でした。
では、また明日!
  
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「ダブルチェック」の有効性と問題点(「ヒヤリ・ハット」について)


こんにちは。水口です。


■ ヒヤリ・ハットが22万件!

こんな記事がありました。

NHKニュース ヒヤリ・ハット 22万件余

 (『』内は引用です)
 
『全国の主な医療機関で働く医師や看護師などが、重大な医療事故につな
がるおそれを感じた、いわゆる「ヒヤリ・ハット」の事例は、去年1年間に22万件
余り起きていたことがわかりました。

医療の「ヒヤリ・ハット」は、医師や看護師、薬剤師などが、一歩まちがえると
重大な医療事故につながるおそれを感じて「ヒヤリ」としたり「ハッ」としたりした
事例のことです。 』

                                     (上記サイトより引用)

とあります。

ちなみに、同じソースでも取り上げ方はメディアによって異なるようで、
こちらは医療事故報告件数を強調しています↓

医療事故報告:08年は過去最多の1440件 死亡は減少
- 毎日jp(毎日新聞)


 (『』内は引用です)
 
『 財団法人・日本医療機能評価機構は25日、国の委託事業で収集している
大学病院などからの医療事故報告件数が、08年は1440件と過去最多だっ
たと発表した。患者の死亡(115件)や重い障害が残る事故(144件)は前年
より1〜2割減っており、同機構は「事故のリスクが増えたのではなく、軽微な事
案も報告する姿勢が定着してきたため」と分析している。(中略)

 また事故一歩手前の「ヒヤリ・ハット事例」報告も、前年より約7%増えて過去
最多の22万3981件あった。』

                                     (上記サイトより引用)


「ヒヤリ・ハット」という言葉は聞きなじみの無い方もあると思いますが、製造業
の現場の安全活動などでも使われている言葉です。

この「ヒヤリ・ハット」に関しては、「ハインリッヒの法則」と呼ばれている経験則が
関係しています。それは、ヒヤリ・ハットと重大な事故の発生件数の関係について、

  1件の重大な事故
       |
  29件の軽微な事故
       |
  300件のヒヤリ・ハット

こういう関係が成り立つというものです。1件の重大な事故の裏には、29件の
軽微な事故があり、その裏には300件のヒヤリ・ハットがあるということです。

では、上記のニュースのように「ヒヤリ・ハットが過去最多」という状況がまずいの
かというとそうとも言えません。「ヒヤリ・ハットが起こっていても報告されない」と
いう状況が最もまずいわけで(←その経験が活かされない)、 報告件数が増え
ることは、むしろ好むべき事態だと思われます。(重大事故は減っていますし)


■ ダブルチェックの有効性

上記のニュース(NHKの動画の方)では、(薬の選択などで)ミスを防ぐために
「ダブルチェック」を行っている例が紹介されています。
(指差し確認や、声に出しての確認も行われています)

「ダブルチェック」、つまり同じものを2人でチェックするというやり方は、確かに
効果的です。


  たとえば、取り違えるミスが1000回に1回だったとすると、
  (実際はそんなに多くはないですが、分かりやすくするために)

  1人で作業してミスする確率は → 0.1%
  2人で作業してミスする確率は → 0.0001%(=1ppm)

  となります。

  仮に、1年に1000回その作業をするとすれば、

  1人で作業してミスする確率は → 1年に1回の確率で起こる
  2人で作業してミスする確率は → 1000年に1回の確率で起こる

  ということになります。これは大きな違いですよね。


一方、2人で作業すると「相手もチェックしてくれているから大丈夫だろう」と、
いう意識も出てしまいがち。こうなるとダブルチェックの効果はありませんし、
場合によっては1人でやるよりまずいことにもなりかねません。

※ 会社でも、書類に押されたハンコの数が多いからといって、その内容が
   充分に吟味されているとは限らないですよね。それと似ています。

上記の例では、(やる意味の)教育や、指差し確認、声に出して確認すること
によって、そうならないようにしているわけです。


■ ダブルチェックの問題点

しかし、ダブルチェックには問題点もあって、2人でチェックすると、全体で
仕事量が増えてしまうということです。

実際のところ、製造業の現場や生産技術担当の考え方として、
「ダブルチェック」という対策は

  ミスを発生させない対策が確立するまでの「一時的な手段」

あるいは、

  どうしても(他の方法による)対策が難しい場合の「最後の手段」

という感覚です。

安易に「ダブルチェックにすればいい」というわけにはいきません。




というように、ダブルチェックには有効性もありますし、問題点もあります。

デスクワークの中でも、ミスを防ぐためにダブルチェックを導入する場合
もあると思いますので、参考になれば。



今日の記事作成時間は45分でした。
では、また明日!
  
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Posted by 水口和彦 at 23:55Comments(1)
2009年08月18日     このエントリーをはてなにブックマークこのエントリーを含むはてなブックマーク

「この社内会議に出席しようか?」と悩んだら・・・


こんにちは。水口です。

今日は久しぶりにアイテム系の話と、
それに関連して「会議」の話です。


■ 大好評「ポメラ」開発秘話

こんな記事がありました。

「キングジム・ポメラ」四面楚歌を押し切った開発者の情熱と理屈
(プレジデント) - Yahoo!ニュース


キングジムの「ポメラ」というと、ご存じの方も多いと思います。メールもインター
ネットもできないけど文章は書ける、という折りたたみキーボードの付いたデジ
タルグッズです。

この商品を知ったときは、私も「欲しい」と思いましたし、実際使っている人の話
もちらほら聞きます。

ちなみにキングジムでは、当初の売上げ目標はすぐにクリアしてしまったため、
目標を上方修正したそうです。そのくらい「文章を書く」ことをしている人にとって
魅力のある製品なんですね。

(こんなやつです↓)
KINGJIM デジタルメモ「ポメラ」 DM10オレ トワイライトオレンジ
KINGJIM デジタルメモ「ポメラ」 DM10オレ トワイライトオレンジ


ちなみに、私は仕事で出るときはほとんどノートパソコンを持って出るため、
ポメラの活躍の場がなく、購入していません。それでも欲しくなる(笑) のが、
この製品のすごいところ。


しかし、そんなポメラも企画段階では、誰もヒットするなんて考えていなかった
そうです。
 (『』内は引用です)
 
『「開発会議でプレゼンしたときは冷たい反応で、賛成者はひとりしかいなかっ
た。でも、社長がやってみようと決断してくれました」
 ポメラの開発にゴーサインが出たのは07年12月3日のこと。同社で毎月行
われる開発会議の席上だった。開発会議は月の初めに開かれ、社長以下、経
営幹部と各部門長など30人前後が集まる。開発会議を通ったプランには予
算がつき、市販化を前提とする開発が許される。開発者にとっては自分のプラ
ンの採否が決まる緊張の瞬間だ。』
          (上記サイトより引用)


『  出席者は模型を手に取りはしたものの、「これ、いいね」といった声はまった
く聞こえてこなかった。会議室は静まりかえったままである。』


「ネットに接続できない」「メールもできない」というデジタル機器が本当に売れ
るのか、出席者も困惑していた。あるいは、はなから「見込みが無い」と思った
のでしょうか。

そのポメラが世に出たのは、開発者の熱意と「私は買う」と言った社外取締役
の言葉(人数は少なくてもすごく欲しがる人がいるということ)があったからの
ようです。(その会議の運びは長くなるので上記サイトを見てみてください)


単純に「ニッチ(すきま)」を狙っただけの商品は、現在は売れるとは限りません。
それだけでなく、その中でこだわりと熱意を持って製品を開発したことや、万人
に受けなくても、「欲しい人は欲しがる」製品を作ったことがヒットの影にありそう
ですね。


■ 会議の場では、発言権は平等に

上記記事は、最後はこうしめくくられています。

『 最後に社長の宮本が会議のあり方について、語ったことをまとめておく。
「当社の開発会議では新入社員でもいきなりプレゼンさせます。会議に出る
以上は新人だろうが、社長だろうが発言権は平等にするのがうちの方針です。
ただし、平等にすると鶴の一声が出てこないから会議は長引くし、意見は分
かれる。しかし、それでも発言権は平等にしていたほうがいい。会議が活発に
なって、いいプランが出てくる可能性が増える。私がやっているのはそれだけ
です」』



会議の場では発言権は平等。これは意外に難しいことです。
企業の中にはそうじゃない会議はたくさんあります。

頭ごなしに発言をつぶす上司もいますし、上司がそうでなくても、下が勝手
に気をつかって、言いたいことを言わない場合もあります。
・・・でも、そんなの「会議」じゃないですよね。


私は最初の会社(前の会社)に入社当時、「会議は議論する場。だから
発言権は平等」と思っていました(単純に大学院時代と同じ感覚で)。
だから、言いたいことはついつい言ってしまうことも多かったですし、
時には空気を読まない発言をして回りを驚かせることもありました(汗)。

その結果、たまに多少の衝突はありましたが、功を奏したことも多数
ありました。そんなわけで「発言権は平等」という考え方は大賛成です。

※ ちなみに、いつもベラベラしゃべってるわけじゃありませんよ・・・。
  どちらかというと口数は少ない方だと思います。元々そうですし。
  だけど、「これは違う」「これはこうじゃないの?」と思ったことは、
  ガマンせずに(ガマンできずに)言ってしまうという感じです。


企業の中にはいろいろな会議がありますから、すべてがこれに当てはまる
とは限りません。しかし、研究開発などの技術的な話や、企画会議のような
クリエイティブ系の話は「発言権は平等」が基本ではないでしょうか。


逆に言えば、発言がはばかられるような会議なら(自分が発言を控えて
しまうのであれば)、その会議は出ても出なくても同じこと。それなら、何か
理由をつけて、会議を欠席した方が時間を無駄にしなくて済みます。
(議事録だけ回してもらえばいい話です)


というわけで、会議は

  「出るなら発言する」
  「発言しないなら出ない」

と考えるくらいがちょうどいい。というのが私の意見です。

(※ 「連絡」が主目的の会議は別として)


こう言うと、「(発言しなくても)会議に出席することが勉強になる」と言う人も
いるのですが、会議は勉強の手段として効率が良いとは思えません。

たとえば、月1回×2時間(就業時間の1%強)くらいなら勉強目的の参加も
いいと思いますが、週1回×2時間(就業時間の約5%)だと時間を使いすぎ
でもったいないと思います。全体の5パーセントも時間を使えるなら、その時間
に他の勉強や仕事をした方がいいのではないでしょうか。




今日の記事作成時間は47分でした。
では、また明日!
  
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Posted by 水口和彦 at 23:55Comments(0)TrackBack(0)

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