「メルマガはもう終わった」「ブログの時代は終わった」・・・それって本当?
こんにちは。水口です。
ネットの使い方や、ネット上のサービスにはいろいろ流行りすたりがありますが・・・
それに関して、こんな記事がありました。
ウィキを支えた無償投稿カルチャーの落日
(ニューズウィーク日本版) - Yahoo!ニュース
(『』内は引用です)
『 2009年の春は、インターネットの歴史の一大転換点だったのかもしれない。
オンライン百科事典ウィキペディアの勢いに、陰りが見え始めたのだ。
03年に10万件だった記事数が現在は全言語版合計で1600万件を突破
するなど、ウィキペディアは急成長を遂げてきた。しかし09年春、創設以来おそ
らく初めてのことが起きた。記事の執筆・事実確認・更新を無償で行うボラン
ティア編集者の人数が大幅に減少したのだ。』
(中略) 一方でフェースブックやYouTubeなど、ユーザーに明確な恩恵を
提供しているサービスは活況だという話があって・・・
『この条件を満たすものを別にすると、インターネットへのユーザーの主体的な参
加を前提とするソーシャルメディアには、このところ元気がなく見えるものが多い。
これまでは、インターネットが比較的新しいテクノロジーで、ユーザーがいわば
集団的な熱狂状態にあった。そのおかげで、オンライン百科事典の記事を書く
ような作業が新鮮で、格好よくて、楽しいものに思えた。
しかし今や、アメリカの全世帯の3分の2がインターネットに接続している時代
だ。「共通の善」のために無償で奉仕するという発想はやや色あせて見え、ネット
上の活動に参加することが退屈に感じられるようになった。』
『 そうした倦怠感はさまざまな場面に表れている。アマチュアユーザーが執筆
するブログは、「誰でも情報発信できる」というインターネットの民主的な性格を
象徴するものとして早い時期に脚光を浴びたが、ここにきて衰退の兆候が表れ
始めている。
ブログ専門検索サイトのテクノラティによれば、プロのブロガーは増えているが、
趣味でブログを書く人は減っている。ブログの約95%は、開設されてすぐに更新
されなくなるという。民間調査機関ピュー財団の最近の調査によると、アメリカの
18〜24歳の層で自分を「ブロガー」と位置付けている人の割合は、 06年から
09年の3年間で半分に減った。』
(『』内を上記記事より引用)
Wikipediaのボランティア編集者が減っているというのは初耳でした。
(日本ではどうなんですかね?)
全体に、何かを解説したり、情報を発信したりする人が減っているということで
しょうか。確かにブログを更新する人は、なんとなく減っている感じはします。
私は「ツイッターに流れたのかな?」と思っていたのですが、この記事のような
見方(「書く」行為自体の新鮮さが薄れ、色あせてきたという見方)もできるの
かもしれませんね。それなりに納得できるところがあります。
(実際Wikipediaもブログも、以前の方がよく話題になった気がします)
ただ、こういう手段やサービスの流行りすたり的なものって、私はそれほど気に
していない・・・というか、あまり気にしすぎるのはどうかと思っています。
たとえば、ブログが流行る前の情報発信の手段として「メールマガジン」があり
ましたが、現在は利用する人が減ってます。「メルマガはもう終わった」と言う人
もいるくらいです。
私はそんな風潮は気にせず、未だにメールマガジンを(週一で)配信し続けて
いますが、そこで気づいたことがあります。内容はやや違うとはいえ、同じ私が
書いたものに対する反応は、ブログとメールマガジンで結構違うんです。
特に、ご感想やご質問を送ってきてくださるのは、メールマガジン読者の方が
圧倒的に多いですし、しかも長文で頂くことも多いです。
(メディアとして、ちょっと質が違うんですかね?)
ですから、私は「メルマガは終わった」とは思っていないですし、当分の間、
発行し続けるつもりです (もちろんブログも書きますが)。
逆に、メールマガジンを新しく(中途半端に)始める人が減っている感じなのは
それはそれで良いかなと思います。結局、流行りすたりはあんまり気にせず、
「続ける」ことが大事なのかもしれませんね。
(※ 流行りに乗っかるのが悪いというわけではありませんが)
ちなみに、メールマガジンは「まぐまぐ」から配信しています↓
http://archive.mag2.com/0000190033/index.html
(「時間管理」「タイムマネジメント」のメールマガジンとしては、読者数最多です)
今日の記事作成時間は32分でした。
では、また明日!
「先送りへの対処」が時間管理のポイント (その2)
こんにちは。水口です。
今日は昨日の続きで、昨日発行したメールマガジン(vol.40)の抜粋を
アップしておきます(一部改訂しています)。
この回は、vol.39の続きで、時間管理を実際に行う上での大きなポイント、
「タスクの先送り」についての話です。
では、メルマガの抜粋です。
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■ 「先送りへの対処」が時間管理のポイント (その2)
________________________________
■ 時間管理での必要悪?「先送り」
前回も述べましたが、時間管理では「先送りをいかに防ぐか?」という
ことが、とても重要です。
しかし、 先送り = 悪いこと とは限りません。
毎日新しいタスクが発生しているわけですから、タスクをこなしきれない
日も出てきます。それをうまく調整するのも時間管理の役割のひとつです。
「先送り」では、次の2つのポイントが重要です。
・どうすれば「先送り」が減るか?
・どんな時に先送りを使うべきか?
これについて考えてみましょう。
■ 「先送り」を減らすポイント 1 ― 「いつまで」を「いつから」へ
一口に「先送り」と言っても、色々あります。どうしてもこなしきれない
タスクを翌日に回すのは仕方ない場合もあります。
しかし、やれるはずなのに、何となく気が乗らず、結局出来なかった、
という場合もあると思います。
こういう先送りを無くす方法について、考えてみましょう。
まず、こういった先送りは、時間管理のやり方とも関係しています。
例えば、タスクを書き出しただけのToDoリストと呼ばれる方法は、
先送りを生みやすい方法なのです。
タスクを書き出すところまではいいのですが、それを「いつやる」のか、
決めていないと、先送りしたくなるのは当然のことです。
通常、ToDoリストでは、タスクを「期限」でしか見ていませんが、
そこに問題があるのです。
「期限に間に合えばいい」だけであれば、今日やりたくないことは明日に、
そしてまた翌日に、先送りしたくなる気持ちに、なかなか勝てないのです。
すると結局、期限ギリギリまで粘ってしまうことになります。
これがToDoリストを使う上での難しさのひとつです。
また、タスクにA・B・Cなどの優先順位を付ける方法も、先送りを生み
やすい方法です。
そもそもタスクに優先順位を付けるのは、先送りすることを前提にした
方法ですから、気乗りしない日に先送りが増えるのは当然のことです。
これらの問題を防ぐために、私が紹介している時間管理の方法では
タスクを「期限」ではなく、実際に「やる日」に書き込む方法を取っています。
「いつやる」という日付を、「第2の締め切り」としているのです。
このように、タスクを「やる」と決めるだけではなく、このタスクを
「いつやる」と決めることが、先送りを防ぐ1つめのポイントです。
(また、書き出したものを何度も見ると、より効果が高まります。)
次に、先送りを防ぐための第2のポイントを紹介しますが、これは
「どんなときに先送りを使うべきか?」という話と一緒に説明します。
■ どんなときに「先送り」を使うべきか?
時間管理では「先送り」をうまく使うことも必要です。
そして、先送りを使う目的は、「今日の仕事」と「明日の仕事」の
バランスを取ることにあります。
「今日の仕事」が思ったよりも手ごわかったり、新しい仕事が追加されて
こなしきれなかった場合に、明日に回すわけです。
ここで大事なことは、「明日の仕事」が今日よりも厳しい場合には、
先送りするべきではないということです。
これは当たり前のようで、見失いやすいポイントです。
つまり、
「今日の仕事量」 > 「明日の仕事量」
という場合は、先送りを使ってもいいのです。そうやって仕事量をならす
ことが出来るのが、時間管理のメリットです。
しかし、
「今日の仕事量」 < 「明日の仕事量」
という場合に、今日のタスクを先送りしてしまうと、明日は今日以上に
大変なことになってしまいますし、明日も必ず先送りが生まれます。
言わば、「先送りの連鎖」です。
こういう「先送りの連鎖」が起こりそうな場合は、特別な事情が無い限り、
タスクの先送りをするべきではありません。
ここでがんばっておかないと「先送り」は無くならないのです。
では、もう一度整理しておきます。
「今日の仕事量」 > 「明日の仕事量」
の場合は、先送りを使ってもいいのですが、
「今日の仕事量」 < 「明日の仕事量」
の場合は、出来るだけ先送りは使うべきではありません。
つまり、先送りをすべきかどうか判断するためには、明日の状況を見ておく
必要があるのです(できれば、明後日以降についても見てください)。
■ 「先送り」を減らすポイント 2 ― 「明日の自分と相談する」
「先送り」を無くすための2つめのポイントは、今日のことだけを考えるのではなく、
「明日のスケジュールと相談する」(明日の自分と相談する)ことです。
明日、大変になることが分かっていると、なかなか先送りはできないものです。
そのためには、明日のタスクやアポイントが見やすい(嫌でも目に入る)
週間タイプの手帳が有効です。
逆に、1日単位でページが分かれている手帳を使うと、先送りしやすくなる
傾向があります(経験談)。
めくらないと翌日が見えない手帳は、つい、明日のスケジュールを確認せずに
タスクの先送りを決めてしまうことになりがちなのです。
人には「明日のスケジュールを見たくない心理」もあるので、自然に目に入る
(嫌でも目に入る)ようにしておく方が良いのです。
1日単位の手帳を使っている方は、これをカバーするために、翌日以降の
ページをマメに見るように心がけてみてください。
■ まとめ
「先送り」について、適切な判断をするためには、
・タスクを「やる」と決めるだけではなく、「いつやる」と決めること
・今日のことだけ考えるのではなく、明日のスケジュールと相談すること
この2つのポイントが重要です。
先送りしてしまいやすいという方は、自分の時間管理の中で、この2つの
ポイントが活かせているか、チェックしてみてください。
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以上が、メールマガジン(Vol.40)からの抜粋です。
昨日も書きましたが、
・むやみに「先送り」することは避けるべき
・しかし、「先送り」を活用することも必要
そして大事なことは、
「先送り」するべき場合
「先送り」すべきでない場合
について、自分なりの基準を持つことです。
まずは、自分の「先送り」について、少し意識してみてください。
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クリスマスっぽくない話でスミマセン・・・(笑)
明日は手帳の話をしようかと思ってます。
では、また明日!
「先送りへの対処」が時間管理のポイント (その1)
こんにちは。水口です。
今日は、先週発行したメールマガジン(vol.39)の抜粋をアップします。
(一部改訂しています。)
この回は、時間管理を実際に行う上で大きなポイントになる、
「タスクの先送り」についての話です。
この話は参照することが多くなりそうなので、
こちらのブログに残しておくことにしました。
では、メルマガの抜粋です。
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■ 「先送りへの対処」が時間管理のポイント
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今日は、昨日行った講演でも多くご質問を頂いた、「仕事の先送り」を
どうコントロールするか? という話をします(今回は前編です)。
■ 時間管理で最も悩むこと? 「先送り」
時間管理は「何を」「いつやるか」決めて「実行する」ための技術であり、
その結果を評価するための技術でもあります。
どんなタイプの時間管理でも、この点については同じですが、私のやり方
では、これらを次のように行います。
「何を」 ・・・ 自分のアポイントとタスクを書き出すこと
アポイント:時間が決まった「やること」
タスク :期限はあるけど時間が自由な「やること」
「いつやるか」・・・それをいつやるか、いつやれるかという観点で
整理すること
アポイントは時間ごとに書き込む
タスクは日付ごとに書き込む
(期限ではなく「やる日」に書く)
※時間管理の手法によって異なりますが、
私は「何を」と「いつやるか」の2つを
同時に考えることをおすすめしています。
「実行する」 ・・・アポイントとタスクを実行する
時間管理の「計画」と「実行」の部分に限って言うと、このように、とても
シンプルなものです
しかし、実際に行ってみると迷うことも出てきます。特に「実行する」の
部分で迷いやすいのが、「先送り」にどう対処するか? ということです。
2つの「やること」のうち、
アポイント(時間指定の「やること」:会議や打合せの予定など)は、
時間通りにやるしかありません。
ですから、一度入れたアポイントを実行する段階で迷うことはありません。
(決める段階での迷いはあるかもしれませんが、決めてしまったら、
後はやるしかないですよね。)
しかし、
タスク(時間が流動的な「やること」:自分1人で作業することが多い)
は、実際に自分が作業する時間は自由です。
期限に間に合いさえすれば、実際に「やる」時間は自由です。
時間が自由だからこそ、ついつい実行を先送りにしてしまい、
期限ギリギリになって、バタバタしてしまいやすいものなのです。
■ 「先送りへの対処」が時間管理のポイント
こういった「先送り」を無くすことが目的で、時間管理を始めようと思った
方は多いと思います。
実際に、私もこの「先送り」に関しては、色々試行錯誤してきましたし、
他の時間管理法でも、いかにこの問題に対処するか工夫されています。
「先送り」のコントロールは、時間管理で特に重要なポイントなのです。
昨日、時間管理についての講演をさせて頂いたのですが、その時にも
「先送り」についてのご質問を頂きました。やはり、関心が高いポイント
なのですね。
では、まずは先送りについての考え方を少し整理しておきましょう。
■ 「先送り」についての考え方
時間管理では、「先送りをいかに防ぐか?」ということがとても重要です。
しかし、
先送り = 悪いこと
とは限りません。
もし、「絶対先送りしない」という時間管理、つまり・・・、
「その日にやると決めたことは、どんなことがあってもやる」
という時間管理があったとしたら、どうなるでしょうか ?
この場合、次のような問題が起こります。
・新しく発生したタスクに対処する時間が無いので、
細かなこともすべて先送りになってしまう。
・仕事時間の長い日と短い日の差が大きくなることがある。
・「やり遂げる」ことが目標になると、段々弱気な計画になっていきがち
今回は、これらの問題点については詳しくは触れませんが・・・、
大事なことは、
・先送りはできるだけ減らした方がいい
・しかし、先送りをうまく使うことも必要
ということです。
タスクの「先送り」という行動は、理由もなく行うべきではありません。
しかし、「先送り」が必要な場合もあるのです。
「先送り」すべき場合と、「先送り」すべきでない場合の見極めが重要だと
いうことですね。
では、次回は
・どうすれば「先送り」が減るか?
・どんな時に先送りを使うべきか?
について考えてみましょう。
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以上が、メールマガジンの抜粋です。
時間管理がうまく出来ていないと、特に「先送り」が起こりがちですが、
時間管理をやっていても、「先送り」になってしまうことがあります。
「やらなきゃいけないことは分かっているけど、明日でもいいか・・・」
と思っているうちに、期限が迫り、追い込まれてしまうという状況です。
そうならないためには、むやみに「先送り」することは避けるべきです。
しかし、毎日新しいタスクが発生している中で仕事をしていると、
タスクをこなしきれない日が出てくるのは当然のことですし、
それをうまく調整するのも、時間管理の役割のひとつです。
つまり、「先送り」を活用することも必要なのです。
大事なことは、
「先送り」するべきなのはどういう場合か
「先送り」すべきでないのはどういう場合か
について、自分なりの基準を持たなければいけないということです。
この次の回(本日正午発行分)では、これについてのポイントを
書きますので、またブログの方でも紹介したいと思います。
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手帳を使いこなすために大事なこと (その2)
こんにちは。水口です。
続いて、先週発行のメールマガジン(vol.36)をアップします。
(一部改訂しています。)
この記事は参照することが多くなりそうなので、
こちらのブログに残しておくことにしました。
では、「手帳を使いこなすために大事なこと(その2)」 です。
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■ 手帳を使いこなすために大事なこと(その2)
________________________________
今日は前回に続いて、手帳の使い方についての話です。
前回は、手帳を使う上で大事なことは「すぐ書くこと」という話でしたが、
今回は、それと同じように効果的な 「すぐ見ること」の話です。
これも、手帳を使う上で極めて重要なことです。
■ 「すぐ見る」とはどういうこと?
手帳を「すぐ見る」というのは、アポイントを取る時には手帳を確認する
ということではありません。
もちろん、アポイントを取る時に手帳を確認するのは必要なことですが、
それ以外の時も、常に手帳を見られる環境を作るようにしてみてください。
先週お話したように、手帳を見なければという意志で「習慣を作ろう」と
するよりも、手帳が目に入る「環境を作る」方が重要です。
「必要な時に見ればいい」というのではなく、「手帳を常に開いておく」
「手帳が目に入る」ことが重要なのです。
では、手帳を見ないと何が問題なんでしょうか?
■ 見ないと起こる問題−1 : 「人は忘れる生きものである」
「人は忘れる生きものである」というのは、先週の「すぐ書く」話でも
出てきましたが、「見る」ことに関しても同じことが言えるんです。
例えば、1日の初めに「今日やろうと思うこと」を確認しても、私たちは
それを簡単に忘れてしまうことがあります。
前回も言いましたが、次のような経験は誰にでもあることです。
何かを取りに行こうと歩きだした時に、誰かに話しかけられたために、
何をするために歩きだしたのか忘れてしまった。
どんなに記憶力がいい人でも、こういうことはあるものです。
そして、仕事の中には私たちの気をそらそうとするものは、無数に存在
します。例えば、メールや電話もそうですし、上司や同僚との話、後輩
からの相談など、色々あります。
もちろん、仕事だけでなくプライベートな時間でも、メールや電話、
ネットやテレビなど、様々なものが意識の中に飛び込んできます。
そして、それらの「ちょっとしたこと」に意識を取られたために、最初に
「やろう」と思っていたことを忘れてしまい、気が付いた時には大幅に
時間を使ってしまっていた、という経験は誰にでもあるものです。
もちろん、重要な緊急事態に対応しなければいけな場合は仕方ないの
ですが、たいして重要でもないことに時間を消費してしまうと、後悔
することになってしまいます。
私たちは、たとえ「ちょっとしたこと」であっても、そちらに意識が集中
すると、最初に考えていたことは忘れてしまうものだと思っておいた方が、
時間管理はうまくいくんです。
そのためには、手帳を「開いて、見る」のではなく、手帳が「目に入る」
ようにしておくといいのです。
■ 見ないと起こる問題−2 : 「手帳を見たくないという心理」
もう1つの問題は、私たちの心理的なことと関係があります。実は、
私たちには、「できれば手帳は見たくない」という心理もあるのです。
手帳に書いたアポイントやタスクは、私たちが「やらなきゃ」と思う
「責任感」の象徴のようなものです。
ですから、忙しい時などは、それを見ることでプレッシャーを感じること
もあります。そして、そのプレッシャーから「逃げたい」と思う心理は
誰にでもあります。
中には、忙しくて大変な時に「手帳を開くのが嫌だなあ」と感じたことの
ある方もいると思います。それがまさにこの心理です。
しかし、「手帳を見ない」というのは一種の「逃避行動」、つまり、
自分が感じているプレッシャーからの逃げなのです。
こういった「逃避」は、後で必ず後悔することになってしまいます。
「もっと早くやっておけばよかった。」という感じです。
こうならないためには、「逃げちゃいけない」と自分に言い聞かせるより
も、手帳を開いておく方が効果的です。
手帳に書いてある「やること」が自然と目に入るようにしておくと、
無意識のうちに、自分の「やること」頭にインプットされるという効果
かあるんです。
私の経験でも、「手帳を閉じていると、モチベーションが上がりにくい」
のは間違いないと感じています。
仕事や勉強に、あまりやる気が出ない時は、あまり手帳を見なくなって
しまうことがあると思います。
しかし、こういう時ほど、手帳が目に入るように心がけ、実際に何度も
見るようにしてみてください。
そうすると、落ち込んだはずのやる気が、だんだん回復してくることが
多いです。
(少し余談ですが)
これは手帳が「手書き」であることとも関係がありそうな気がします。
手書きの文字には、それを書いた時の自分の気持ちを思い出させる効果
が多少あるように思います。
■ 「書くために見る」だけでなく「見るために見る」も
このように手帳を何度も見ることは、「やること」を忘れないためだけで
なく、自分のモチベーションにも影響します。
手帳は「書く時に見る」ものではなく、「見るためだけに見る」のも、
実は大事なことなんです。
デスクでは「手帳が目に入る」環境作りを、そして、移動中や出先では、
意識して手帳を確認する回数を増やしてみてください。これは打ち合わせ
や会議の前の、ごくわずかな空き時間でも出来ることです。
意識して、手帳を見ることが自分の行動を作ってくれます。
試しに1ヶ月、実行してみてください。
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以上が、メールマガジンの抜粋です。
ひとつ前の号に書いた、「すぐ書く」「必ず書く」 ことと並んで、
「すぐ見る」「自然に目に入る」 のも時間管理で重要なことです。
「書くこと」は、
・自分の「やること」を整理すること
・頭から出してスッキリすること
といった役割があるのに対して、「見ること」は、
・自分の「やること」を思い出す
(思い出すきっかけを作る)
という役割があります。
人間は「何もしない」 ことが苦手です。
何もしていないように見えても、頭の中では必ず何かを考えています。
そして、何かを考えるたびに、その前に「やるつもりだったこと」が、
意識の上から消えてしまいます。
※ 完全に忘れたわけではなくても、記憶の中に潜り込んでしまい、
一時的に忘れたのと同じ状態になります。
例えば・・・、
「○○をやろう」 と思っていたはずなのに、
何となくテレビを見ているうちに、結局できなかった。
という経験がある方は多いでしょう。
頭の中で計画していたことは、他のことに注意が向くと、
簡単に忘れられてしまうものです。
このような「計画通りにできない」 という悩みは、
モチベーションの問題と考えられることも多いです。
しかし、本当はモチベーション以前に、記憶のメカニズムを
自覚していないことによる問題なのです。
「計画したことを忘れてしまう」 のは止めることができません。
(止めようとすると、頭の働きを阻害することになりかねません。)
「忘れないようにする」 のではなく、
「思い出せるように、自然に目に入る」 ことが重要です。
それが、手帳を開いて置いておくことです。
「やること」を行動に移すには、
・「やること」を書いたものを持ち歩く
・必ず目に入る場所に開いて置く
ということが重要です。そして、
・どんな「ツール」をどこに置くか
・必ず見るようにするためにどうするか
といったことも時間管理の「仕組み」作りなのです。
例えば、手帳とパソコンを併用してタスク管理を行う場合、
「仕組み」全体として設計する必要があるのです。
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手帳を使いこなすために大事なこと (その1)
こんにちは。水口です。
今回は、先々週発行のメールマガジン(vol.35)をアップします。
(一部改訂しています。)
この記事は参照することが多くなりそうなので、
こちらのブログに残しておくことにしました。
※ メールマガジンのバックナンバーは特別な場合以外は
公開していません。
ブログよりも突っ込んだ話をすることが多いので、
時間管理や手帳の使い方に興味がある方は、
登録されることをおすすめします。
では、「手帳を使いこなすために大事なこと(その1)」 です。
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■ 手帳を使いこなすために大事なこと(その1)
________________________________
今日は、手帳を使いこなす上で一番大事なことをお話します。
あなたは、手帳を使う上で一番大事なことは、何だと思いますか?
もちろん、先週お伝えしたような、情報の「書き方」も重要です。しかし、
それ以上に重要なのが、手帳を「すぐ書くこと」と「すぐ見ること」です。
■ 「すぐ書く」とはどういうこと?
手帳を「すぐ書く」というのは、アポイントが取れた時に、すぐに手帳を
取り出して書き込む。ということではありません。
人との約束などのアポイントだけでなく、仕事中に「○○をやらなきゃ」
と思いついたことは、その場ですぐに書くことが重要です。
これは、最初は意識して実行しないと、なかなか習慣になりません。
仕事の手を止めたくないために「後で書こう」と思ってしまうことが必ず
あると思います。
しかし、後で書こうとするのは2つの問題があると知っておいてください。
■ 書かないと起こる問題−1 : 「人は忘れる生きものである」
1つは、後で書こうと思っていても、仕事に熱中するあまり、そのことを
忘れてしまうことです。
これは、どんなに記憶力が良い人でも必ず起こることです。
記憶のメカニズムから、これを考えてみましょう。
人間の記憶メカニズムは、「短期記憶」と「長期記憶」という、2つの
記憶メカニズムでうまく説明することができます。
先ほどの「○○をやらなきゃ」という例で言うと、
「○○という仕事がある」という情報は、長期記憶として覚えています。
しかし、「○○を手帳に書かなきゃ」という情報は、短期記憶なのです。
この短期記憶は、他の情報が入ってくると簡単にこぼれ落ちます。
例えば・・・、
何かを取りに行こうと歩きだした時に、誰かに話しかけられたために、
何をするために歩きだしたのか忘れてしまった。
これと似た経験は誰にでもあると思います。
この場合、その「何か」を完全に忘れてしまったわけではありません。
その「何か」はあなたの長期記憶の中にはしっかり記憶されています。
しかし、それを「取りに行こう」という短期記憶は、ちょっとしたことで
簡単に忘れてしまいます。
短期記憶に限って言えば、人は間違いなく「簡単に忘れる生きもの」です。
このように、人間の短期記憶はとても忘れやすいものだと自覚することが、
時間管理を行う上で重要なことです。
■ 書かないと起こる問題−2:「忘れちゃいけないというプレッシャー」
もう1つの問題は、「忘れちゃいけない」と意識することで起こります。
「あれをやらなきゃ」という情報が重要なものであるほど、それを忘れて
はいけないというプレッシャーは高まります。
ですから、とても重要な仕事は忘れないで済むこともあると思います。
しかし、それはとてももったいないことです。
「忘れてはいけない」というプレッシャーが強ければ強いほど、その情報
を保持しようと意識しますから、短期記憶の一部が、常にその情報に占拠
されてしまうのです。
しかし、短期記憶は、こういったことだけに使われるのではありません。
私たちがものを考えたりするときにも、必ず使用しているものです。
つまり、忘れてはいけないという「プレッシャー付き情報」を短期記憶に
置いておくと、今やっている仕事への集中力が低下するのです。
あなたが仕事にうまく集中できたと思えた経験を思い出してください。
その時は、その仕事以外のことは頭の中から消え去っていたと思います。
「書かなきゃいけないこと」と短期記憶から出してしまうこと(実際に
書いてしまうこと)が、集中状態を得るために重要なことなのです。
私の時間管理のノウハウを実践してくれた方から「スッキリする」と
いうコメントを頂くことが多いのですが(ありがとうございます!)、
実はそれだけではなく、うまく使えば集中力を高める効果もあるのです。
■ 「すぐ書く」を習慣付けるには?
この「すぐ書く」を習慣にするためにはどうすればいいか? という
質問を頂くこともあるのですが、私は次の方法をおすすめします。
それは、いつも手帳を手元に持っておくだけでなく、
仕事中は常に手帳を開いて置いておくことです。
「必ず書く」ことを習慣にしようとするよりも、「手帳を常に開いておく」
という環境を作る方が、ずっと楽に出来ます。
そして、常に開いていれば、書くことはそれほど苦にならないですから、
自然と書くようになってくるわけです。
「意志の力で習慣を作る」よりも、「環境を作って行動を変える」方が
確実ですし、うまくいきます。これも「仕組み作り」のひとつです。
手帳をお使いの方は、ぜひ実行してみてください。
1ヶ月実行したら、以前とは全然違う感覚で仕事が出来るようになって
いる自分に気が付くと思いますよ。
最初に紹介した「すぐ見ること」にも、実は色々な効果があります。
それについては、次回紹介したいと思います。
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以上が、メールマガジンの抜粋です。
「すぐ書く」「必ず書く」 ことは、時間管理の上で極めて重要です。
また、一度にすべてを書き出そうとするのではなく、
気が付いたときにすぐに書くことが重要です。
※ 一度に書き出すのは、記憶のメカニズム上、
効率の良い方法ではないのです。
時間管理がうまくいくかどうかは、
・すぐに書きやすい「ツール」 を用意する
・すぐに書きやすい「環境」 を作る
という点にかかっています。そして、
・細かなタスクをどこまで書くか
・書かないタスクをどう管理するか
というところを含めた「仕組み」作りが必要なんです。
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