2007年12月17日     このエントリーをはてなにブックマークこのエントリーを含むはてなブックマーク

「超カンタン!時間管理術」1章を振り返って


こんにちは。水口です。

今日は、「忘れられない問題」 の話です。


■ あらためて、「超カンタン!時間管理術」の補足です

最近、このブログで何度か紹介したついで、というとなんですが、
超カンタン!時間管理術」を、振り返って読んでみました。

ご存じない人のために説明しておきますと・・・、
この本は、私が最初に書いた本です。まだ独立する前、
前の会社に勤めていた頃に書いたものです。


こういう自分が書いた本は、なかなか客観的に見れないものです。
読んでいると、「ここは、こう書いたほうがわかりやすいのに・・・」
なんて後悔することもあるんですよ・・・。

最近になって、やっと客観的に見られるようになりました。(←遅いぞ(笑) )


この本、いわゆる「ムック」と呼ばれる、B5版の薄い本なのですが、
他のムックをいろいろ見てみても、書き下ろしのムックで、こんなに
内容を詰め込んで書いてある本は珍しいです。
(詰まっているムックは、たいてい雑誌記事の再編集のものです)

  普通は、図解も入れて「短時間でわかりやすく」という狙いで
  作るのがムック本ですから・・・、この本は、本来のムック本の
  狙いからは、ちょっと外れているわけです(汗)

  編集の方から、「内容を減らしてわかりやすくしましょう」という方向の
  突込みがなかったのをいいことに・・・詰めこみました。
  (ページ当たり文字数も、最初の予定よりも増やしてもらってます)


いま見ると、時間管理のノウハウとしては、足りない部分もあるのですが、
当時の思いやノウハウを「濃く」詰め込んだ本ですね。

あらためて読むと、なかなかいいこと書いてるじゃないですか・・・
という自画自賛をしたいくらいです。

一方、「もう少しうまく説明すればよかった」という部分や、
「説明不足だな・・・」と思える部分もあります。

特に、時間管理未経験の人には、わかりにくい部分も
あったのではないかと思います。
(逆に、他の本を読んだりして時間管理の経験があるけど、
 どうもしっくりこなかった人には、強く支持される傾向があります)


せっかくなので、そんな部分を、補足説明する機会を持とうと
いうことで、今日書くことにしました。

考えてみれば、せっかくブログがあるんだから、こういう使い方を
もっと早くするべきだったんですよね・・・。


■ 「忘れる問題」と「忘れられない問題」

この本の1章は、「バタ男」事例から始まります。
(仕事でバタバタしてしまいがちな人の事例です)

その後に、「時間管理は自分のためのもの」というページ(14ページ)
があります。

時間管理がうまくいかないと、2つの問題が起こるという話です。
『』内は引用です)

『 「忘れる問題」

 時間管理がうまくできていないと起こる問題の1つが、「忘れる問題」です。
これは、スケジュールや仕事を忘れてしまうことによる失敗です。

しかし、この「忘れる問題」が重大な失敗につながることはあまりありません。

私たちは「遅刻しちゃいけない」「期限を守らないといけない」というプレッシャー
を、小さい頃からくり返し教えられてきていますから、最悪でも期限ギリギリに
思い出すことが多いのです。

これが「デッドライン・リマインドの法則」が起こる原因です。 』


 ※ 「デッドライン・リマインドの法則」
    期限までにやらなければいけない仕事を忘れていると、
    なぜか期限ギリギリの頃に思い出すことです。
    (その結果、バタバタの残業モードに突入するというわけです)


『 「忘れられない問題」

 しかし、このくり返し教えられてきたプレッシャーは、別の問題を
起こしています。それが「忘れられない問題」です。

これは、仕事の期限を忘れてはいけない、というプレッシャーにより、
忘れたくても忘れられないという問題です。

 「時間管理なんてしなくても、大事なことは忘れないから大丈夫」と
言う人もいますが、本当は、「忘れる」ことよりも、「忘れられないこと」
による問題の方が大きいのです。そして、次の症状が起こります。 』



このあとに、『忘れられない問題』の例をあげていますが、
ここは、もう少し補足しておこうと思います。

『忘れられない問題』というのは、

「あの仕事やらなきゃ・・・」 ということが、頭のなかに心配事として
残っている状態のことです。

その仕事のことを「書いていない」。
だから、「忘れちゃいけない」というプレッシャーを感じる。

という状態です。


  【先に解決策を説明しときます・・・】

  たとえば、明日やれば充分に間に合うという仕事があった場合、
  思い切って、今日はその仕事のことを忘れてしまったほうがいいんです。

  そのほうが、「今日やるべき仕事」に集中できますから、かえって
  仕事の効率も上がりますし、精神的なストレスも少なくなります。

  ただし、安心して忘れるためには、それを書いておく必要がありますし、
  自分が後で「必ず見る」という確信がないと、不安になります。

  だから、『実行日』 のタスク欄に、そのタスクを記入しておくことが重要であり、
  「手帳を見る」ことだけは、確実に習慣にしておく必要があるのです。
  (手帳じゃなくてパソコンの場合も同じです)

  【解決策おわり】


「忘れられない」状態になると、本にも書いたように、
「あれもやらなきゃ・これもやらなきゃ」という焦りが強くなりますし、
仕事が終わった後(プライベートの時間)に、仕事のことをスッキリ
忘れることができません。

机上の話ではなく、実際にそういう人がいましたし、私も体感しました。

「仕事のことがストレスで・・・」 と感じていた人が、この『忘れられない問題』を
解決しただけで、ストレスがだいぶ減ってしまった、という事例もあります。

そんなふうに、私たちはこの『忘れられない問題』の影響を、
知らず知らずに受けてしまっているんです。

そして、それがストレスの原因になっている。


「仕事のせいだ」 と思っていたストレスは、実は
自分のタスク管理の問題だった・・・ということが、
実際にあるんです。

この点は、強調しておきたいと思います。



■ 『忘れられない問題』 に関連した注意事項

若干、話がそれますが・・・
これに関連して、気をつけたほうがいいポイントがあります。


「優先順位のつけ方」の話を、変に解釈すると、
これと似た状態になることがあるんです。

よくある話ですが・・・

  「緊急だけど、重要じゃないこと」よりも
  「緊急ではないが、重要なこと」をやりなさい

という話があります。

理屈の上では正しそうに見えますが、これをそのまま実行すると、
確実に失敗します


「緊急だけど、重要じゃないこと」を置いておいて、
「緊急ではないが、重要なこと」をやろうとすると・・・

まず、せっかく「重要なこと」に取り組もうとしても、
「緊急なこと」を「忘れられない」ので、集中しにくいのです。

緊急なことや、催促されていることは、気になって当然ですよね。
それを先送りしたまま、「重要なこと」に集中しなさいというのは、
無茶な話です・・・ 人間、そんなふうに割り切れないものです。


そうならないためには、「緊急だけど重要じゃないこと」を
「先送りする」のではなく、「やめてしまう」という決断が、
絶対に必要です。(先日書いた話とも関連していますね)

「やめてしまう」ことができれば、忘れても問題ありませんから、
安心して「重要なこと」に集中できます。

もちろん、場合によっては、「決断」できないときもありますよね。
そのときは、「重要じゃないこと」は、先に片付けてしまうに限ります。
そのほうが、心おきなく「重要」のほうに集中できます。


つまり、「緊急だけど重要じゃないこと」は、

  「やめてしまうと決断する」 か、 「さっさとやってしまう」

のどちらかを必ず選ぶべきなんです。

中途半端な先送りは、後で確実にストレスになります。

どちらかを選んでしまったほうが、絶対に、あとで楽です。


この「緊急重要話」、私は結構しつこく取り上げてしますけど・・・(笑)

本当に大きなストレスの原因になる話なので、強調しておくべきだと
思っているんです。


この「緊急・重要」話に限らず、『忘れられない問題』 は、
意外に大きなストレス要因だと思います。気をつけてくださいね。 



  ↓また、補足記事を書くつもりです
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   超カンタン!時間管理術


昔の私は・・・

「パソコンのディスプレイの右下のあたりに貼った
 ポストイットに、大事なこと書いてる」
なんてことを、「忘れちゃいけない」と思ってました。

これも『忘れられない問題』 と似てますね。
そもそも、あっちこっちに貼るからいけないのですが・・・(笑)


今日の記事作成時間は86分でした。
では、また明日!


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Posted by 水口和彦 at 23:54Comments(0)TrackBack(0)

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