2010年11月29日     このエントリーをはてなにブックマークこのエントリーを含むはてなブックマーク

タイムマネジメント(タスク管理)はタイムマシン発想で。


こんにちは。水口です。

前にも少し紹介しましたが、ダイヤモンド社のサイトの『ダイヤモンド・オンライン』
で、私の記事が連載になっています↓。

24時間じゃ足りないあなたへ 時間貧乏からの脱出法

連載といっても、書き下ろしではなく『王様の時間術』という書籍から抜粋した
ものが記事になっています(元の本はこれ↓)。

世界で一番ゆるい 王様の時間術―これで残業時間はゼロになる



で、(ちょっと前ですが)こんな記事がアップされています↓。

ドラえもんに学ぶ“未来の自分”への仕事振り分け術|
24時間じゃ足りないあなたへ 時間貧乏からの脱出法|
ダイヤモンド・オンライン


「なぜドラえもん?」と思うかもしれませんが・・・
このエピソードは、ちょっと気に入っています。

ちなみに、私自身は特にドラえもんフリークというわけではありません。
私は年代的に、アニメのドラえもんはあまり見ていない世代なんです。
ドラえもんはマンガで読むもの・・という感じだったのですが、たまに読む
くらいの感じでした。

それでも、ひとつ、忘れられない話があって、その話が上の記事の
元ネタになっています。

  書籍で紹介するにあたって、ちゃんと確認しておこうと思い、
  その話を読み直してみましたが、ほぼ記憶通りでした。
  それだけ印象的だったのかもしれません。


というのが、この話↓です。

『』内は引用です)
 
『 私が子供の頃に読んだ『ドラえもん』の中に、時間の使い方について考えさせ
られる、こんな話がありました。「ドラえもんだらけ」というタイトルの作品です。

 その話は、のび太くんが、溜めこんでいた宿題を明日の朝までにやってほしいと
ドラえもんに頼みこむところから始まります。どら焼きに釣られて宿題を引き受け
てしまったドラえもんですが、朝までに宿題をやるのは大変。そこで、タイムマシン
を使って未来の自分を連れてくることにします。大人数(の自分)で取り組めば、
宿題もすぐ終わるというわけです。ここまでは、いいアイデアだったのですが……。

 ドラえもんは2時間後、4時間後、6時間後、8時間後の自分を連れてきて、その
5人で宿題に取り組みます。ほどなく宿題は終わったのですが、そのあとが大変。
安心して寝ついたところに、2時間前のドラえもんが呼びにきます。また宿題が終
わって元の時間に戻ったと思ったら、今度は4時間前のドラえもんが呼びにくる……
というわけで、結局、朝までろくに寝られません。さらに、最後には疲れ切った
ドラえもんが暴れ出してしまいます。これなら、最初から一人で徹夜してやった方
がマシだったのかもしれません。』

                                 (上記記事より引用)


この話、今考えれば、作者が締め切りに追われていたときに思いついたのかな?
なんて気もしますが(笑)、それは置いておいて・・・

この話を、当時の私が読んで思ったのは・・・

 どうせタイムマシンを使うのなら、「2時間後」「4時間後」・・・の自分を連れて
 くるのではなく、「明日」「明後日」・・・の自分を連れてくれば楽だったのに・・・。

という疑問でした。

まあ、本当にそうしてしまうと、マンガとしては面白くないんですけどね・・・(汗)


マンガとしての面白さはさておき、明日以降の自分に手伝ってもらうことが
できれば、無理をしなくても作業は無事完了できるわけです。

お気づきかもしれませんが、これ、タイムマネジメントと似ています。


タイムマシンが使えない私たちは、「未来の自分を連れてくる」のは無理ですが、
「未来の自分に仕事を振り分ける」ことはできます。

これは、タイムマネジメント(の中のタスク管理)とよく似ています。


「タイムマネジメント」というと、沢山ある仕事の中から「どの仕事をやるべきか
を選択すること(優先順位を考えること)」が大事だと、よく言われます。

この優先順位の判断は、簡単そうで実は非常に複雑なものです。
特に、タスクの数が多くなってくると「今抱えているタスク」を洗い出し、
まず、どれをやるべきか考える作業は手間も時間もかかります。

時間的に余裕があれば、それをじっくり考えることもできますが、忙しいとき
にはそこまで考えていられないもの。気の焦りもあって、ついつい目についた
仕事から手をつけていくという状態になりがちです。
(もちろん、そういう状態は決して良くはありません)


一方、先ほどのタイムマシンの話のように、仕事が発生した時点で、その仕事
の内容を分割して(いくつかの作業に分けて)「これは今日」「これは明日」と
振り分けてしまうと、後が楽です。

もちろん、タスクはいろいろあるので、タスクの優先順位を考えたり、ときには
「これはやらない」という取捨選択も必要になります。しかし、あらかじめ、それ
ぞれの日付に振り分けて(書きとめて)あるので、「タスクを洗い出す」作業は
不要ですし、「今週のタスクの中での優先順位」「明日のタスクの中での優先
順位」・・・のように、ある程度絞り込んだタスクの中で考えることができるので、
判断が速くなります。

※ また、日付別に振り分けると「このタスク量だと時間が足りない」という
  ことに気づきやすくなります。


実際、私のタイムマネジメントは、これをやり始めたことで、大きく変わりました。
タイムマネジメント(特にタスク管理)が楽になったし、先の見通しが立ちやすく
なったり、タスクの実行力が上がったり、タスク管理自体を継続しやすくなったり
・・・等々のメリットがありました。

そんなメリットのある方法なのですが、「タスクを実行日別に振り分ける」という
概念が少し説明しにくいもので・・・それで上記のような例え話を思いついたと
いうわけでした。


具体的な行動としては・・・

  タスクが発生したときには・・・漠然とした「あとでやろう」ではなく、
  「明日やろう」「明後日やろう」のように具体的に実行日を決める。
  (「期限」の日付とは別に「実行日」の日付を決めることが重要!)

  ※ 実行日を決める=タスクをその実行日に記入する ということです。
  ※ 時間がかかる仕事は、複数ののタスクに分割して振り分けます。

ということです。


これは、タイムマネジメントを継続しやすくするために(必要以上に手間を
かけずにやるために)大事なことだと、つくづく実感しております。



今日の記事作成時間は45分でした。
では、また明日!
  

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2010年07月29日     このエントリーをはてなにブックマークこのエントリーを含むはてなブックマーク

バタバタしがちな状況における 「タスクのさばき方」の紹介


こんにちは。水口です。

昨日の記事↓で日経WOMANオンラインの記事を紹介しました。
会議は1時間以内に終わらせよう!


この元記事についてもう少し・・・。

まず、昨日紹介した1ページ目に続いて、2ページ目には読者のコメント
(実践していること)が掲載されています。いいことも書いてありますので、
興味のある方はご覧を↓

(その2ページ目はこちら↓)
仕事に追われないタイムマネジメント術
:日経ウーマンオンライン【自分を変える!新☆仕事術】



さらに続いて、3ページ目には私の解説が載っております。

(3ページ目はこちら↓)
仕事に追われないタイムマネジメント術
:日経ウーマンオンライン【自分を変える!新☆仕事術】



■ 忙しい人のための 「タスクさばき術」

ここで紹介しているのは、「時間管理」とはいっても、手帳やパソコンの使い方
(アポイントメントやタスクの整理の仕方)ではなく、主にタスクのさばき方です。

これは、もちろん時間管理にも関係してくる話でもありますし、他の媒体でも
述べているので、既に頭に入っている方もおられるかもしれませんが、復習を
兼ねて紹介しておきます。

ここであげているポイントは4つです。


1. 仕事が発生した時点で
   「すぐやる」「TO DOリストに加える」「やらない」に振り分ける


タスクを「頭で覚えておく」のは、ミスや失敗のもと。人間の短期記憶の容量と
一日にこなすタスクの量を考えれば、これは明らかです。

しかし、すべてをTO DOリストに書く(=あとでやる) とするのは、タスクが溜まり
すぎてしまう原因になりがち。ひどい場合は「リストを見るだけでウンザリ・・・」 
なんてことにもなりかねません。

ですから、すぐに終わる(その場で対応できる)ことは、その場で処理することも
重要。特に忙しくてバタバタしがちな人はそうです。

そこで、

・ 短時間でできるタスクは「すぐやる」。

・ その場でできない・すぐにできないものは書きとめる (後でやる)。
  (普通のTO DOリストでなく、日付別のリストがおすすめ)

・ 「これはやらない(人に振る・あるいは断る)」という判断も早めに

という三択になるわけです。

なかには「できればやる(できればやりたい)」というタスクもでてきますが、
仕事の場においては特に、こういう宙ぶらりんのタスクはあまり作らないの
がおすすめです。仕事の場では「やれること」「やれないこと」を周りに対して
明らかにしていくことも大事(期待させといてやらないのはNG)ですから。


2. 「TO DOリストの項目は少ないほうがいい」と考える

TO DOリストを作り始めると、どんどん書き込んでしまう人もいますし・・・
項目が少ないと「これでいいのかなあ?」と不安になる人もいます。

しかし、(書き漏らしがあるという意味でなく)リストが少ないのは全然OK。
逆に、リストがふくれあがる方が、実は要注意です。


なぜなら、それは「その場でできることを後回しにしている」ことの表れかも
しれないからです。

  慢性的にタスクが多い → ちょっとした頼まれごとや相談ごとも後回し
  → ますますタスクが増える → ・・・ 

という悪循環になっているのかもしれません。

逆に、リストが少なければ、余裕があるので、その場その場で発生する仕事を
さっさと終わらせることもできます。そうすると、必要以上にタスクを溜めこまず
にすみます。先の悪循環の逆で、「余裕があるから、仕事が溜まらない」という
好循環のサイクルです。

というわけで、 「リストの項目は少ないに越したことがない」 と思うくらいが
ちょうどいい・・・ というのは、バタバタしがちな状況のなかで大事なことです。


3. 「いつまでに」より「いつやるか」を意識する

「いつまで(期限)」よちも「いつやる(実行日)」が重要だという話です。
期限を意識するだけでなく、タスク実行日を決めてしまおうということです。

これにはいろいろな効果があって・・・

仕事の先延ばしを防ぐ効果や、タスクを実行するための時間を確保し、
仕事量をコントロールする効果。

さらに、当日やるべきことを素早くつかめる(すぐ行動できる)効果や、
「今日のタスク」と「明日のタスク」を切り分ける効果など・・・。

詳しく語り出すと、時間管理の話全体に波及するくらい重要なことです。
実行日を決めるのと、決めないのでは、大きな違いが生まれるというのは
本当に実感しています。


4. 「降ってくる仕事」のための空き時間を必ず設ける

上記の「タスクは少ない方がいい」という話とも関連しますが、アポイントメント
を含めた仕事量(アポイントメント+タスクの量)で、仕事の時間をすべて使い
切ってしまうのは問題です。ですから、


当日発生する仕事があるので、そのための余裕(空き時間)を持っておく。

というのはとても大事。「時間管理」というと、計画通りに行動するという
イメージがありますが、100パーセント計画通りに行動できるなんてことは、
(普通の仕事では)まずあり得ません。当日発生するあれこれに対応する
余裕を持っておくことは、絶対に必要です。

※ ここを間違えて、タスクを詰め込みすぎた予定を立てると、毎日毎日
   「タスクの先送り」ばかりで、管理するのが煩雑になりますし、何よりも
   気分的にも重苦しくなってしまいます。こういうタスク管理は続きません。



これらの解説↑は、このブログをお読みになる方対象に、やや突っ込んだ
解説になっております。もう少しやさしい解説は、元記事の方にもあります
ので、そちら↓もご参照ください。

(このページです↓)
仕事に追われないタイムマネジメント術
:日経ウーマンオンライン【自分を変える!新☆仕事術】





今日の記事作成時間は43分でした。
では、また明日!
  
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2009年08月20日     このエントリーをはてなにブックマークこのエントリーを含むはてなブックマーク

ルールによる「思考停止」と、権威化による「とらわれすぎ」


こんにちは。水口です。

小難しいタイトルを付けましたが、今日は昨日の話の続きです。
「ビジネススキル」全般にも関係する話です。


■ ルールは何のため?

昨日の話は、「カイゼン」「標準化」についての話でした。これらは、形式として
見れば、仕事のやり方に一種のルールを設けるようなものです。

そのルールを「全員参加で作る」ことや、「改善し続ける」ことにポイントがあるの
ですが、実際に組織の中では、そうはいっていないこともあります。

たとえば、こんな例など・・・
 (『』内は引用です)
 
『 大手の企業は、1993年〜1995年にこぞって、ISO9001(品質面のISO)
の認証取得に取り組んだ。
 ISOの認証に取り組むのは問題ないのだが、ほとんどの企業といっても過言
でないくらい、無理やり認証を取得していった。
 極端に言えば、審査員の言われるがままに、現場の状況を省みずルールを
設定していった。
 ルールだけを押し付けて、その根拠を教えずにISOに取り組んでいった結果、
逆に多くの現場において、ルールが多すぎて守れない状況になってしまってい
る。
 挙句の果てに、ルールがあるから何事も変更はできないなどという中堅社員
が増えた。その逆で、ルールがないからやるべきことをやらないなどと平気で
言う社員も増えている。』


・・・ 「これは、心当たりがあるぞ」という方も多いかもしれませんね。


これは前にも少し紹介した、こちら↓の本からの引用です(121ページ)。
―――――――――――――――――――――――――――――――
なぜなぜ分析10則―真の論理力を鍛えるなぜなぜ分析10則―真の論理力を鍛える
著者:小倉 仁志
販売元:日科技連出版社
発売日:2009-03
クチコミを見る


―――――――――――――――――――――――――――――――


■ 「ルール」の弊害

「ルール」を定めることには、いろいろな目的があります。

品質のための基準を守るという面もありますし、事務処理なども含めて仕事を
効率良く進めるという面もあります。

それが、「ルールがあるから」、「ルールを守るべきだから」というところで思考が
止まってしまい、かえって非効率なことを続けていたり、仕事を放置することに
なってしまったりしては本末転倒も甚だしいわけです。

しかし、上記のような例は、どこの企業にも多かれ少なかれ存在する話です。
(いわゆる「大企業病」というのも、こういう要素があります)


「ルール」があることが、かえって弊害になってしまう・・・
そういう現象は、組織の中で起こりやすいものではないでしょうか。


逆に言えば、昨日の話にも出たように、

  「みんなで作り上げる」
  「少しでも良くなるよう、改善を続ける」

といった原則を「常に持ち続ける」くらいでないと難しい気がします。



■ 自己管理における「ルール」

これは時間管理などの、自己管理的な部分でも同じです。

「ルールを決めずに、気分しだいで適当に・・・」というのは良くないですが、
逆にルールにしばられすぎたり、ルールが複雑すぎるのは良くありません。


時間管理ではよくある話ですが、(たとえば本を読んで)新しい手法を試して
みたら、良い感じだった。でも、結局その手法が長続きしない・・・。なんて
こともあります。これもルール側に問題のあるケースもあります。

――その例―――――――――――――――――――――――――――

たとえば、あるタスク管理の手法では、「やらなければいけないこと」や「やりた
いと思っていること」を、「(時間をかけて)すべて書き出せ」と言います。

確かに、それらを書き出したときには、書き出した満足感と、気分的にすっきり
した感じがあります。こうなると、「この方法はいい!」と感じますし、「続けよう」
と思うのですが・・・・、

その後が問題です。毎週、そのタスクの追加や見直しを行う作業が、負担に
なってしまい(最初ほど新鮮じゃなくなりますし)、継続できず、つまずいてしま
います。

そうすると、最初のイメージが良かっただけに、「こんなに良い手法なのに、それ
を使いこなせない自分はダメだ」と落ち込むことにも・・・。あるいは、あきらめず
「どうすれば継続できるのか?」と努力を続けるも、やっぱり継続できない・・・。
なんてことにもなってしまいます。(そういうお悩みは実際に見聞きします)

しかし、これはちょっとルールにとらわれすぎです。
そんなに継続できないなら、ルールそのものを変えてしまえばいいのに。


もう少し言えば・・・

そもそも、タスクの整理を週1回まとめて行うところに、少々無理があります。
それよりも、毎日の仕事の中で、ちょっとだけ仕事の手を止めて、タスクを
書き出したり、見たりする方が、ルール的にもずっとシンプルですし、習慣と
して継続しやすいものです。

こう言うと、「時間を取って、じっくりすべてを書き出すことが大事なんだ」
「そうしないとスッキリしないんだ」 と言う人もいます。

・・・確かにそれで気分がスッキリするのは確かでしょう。しかし、それよりも
思いついたことは即(その場で)書いてしまった方が、もっとスッキリする
(常にスッキリしていられる)というのが私の実感です。

変なたとえですが、「一週間ぶりにシャワーを浴びると、とてもスッキリする」
からといって、一週間シャワーもお風呂も入らないようなものです。それより
も、毎日シャワーかお風呂に入った方がいいですよね。

実際、私と同様に上記の手法(週1回のやり方)が合わなかったという
ご意見もいろいろ頂いています。

――――――――――――――――――――――――――――――――

何事もそうなのですが、何かの手法を権威付けしすぎると、逆にルールに
とらわれることになりがちです。

試しもせずに批判するのも良くないですが、逆に試してみてダメだったのに
信奉するのも良くないと思うんですけどね・・・。
(最近そういう例が多い気がして、ちょっと気になります)




今日の記事作成時間は56分でした。
では、また明日!
  
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2008年11月03日     このエントリーをはてなにブックマークこのエントリーを含むはてなブックマーク

タスクの所要時間をうまく見積もるポイント


こんにちは。水口です。

今日は先週に引き続き、セミナーで頂いたご質問について
お答えしたいと思います。

※ ちなみに、セミナーで頂いたご質問は、セミナーのご感想・ご質問
   カテゴリーにもありますので、過去の分はこちらもご参照ください。


■ タスクの「所用時間を読む」ためには?

今回のご質問は、

  「タスクの所要時間をどう見積もるか?」

という主旨のものでした。

「タスク」とは、「アポイントメント(会議や打ち合わせなど)」とは違い、基本的
に「自分が行う作業」のことです。報告書や資料の作成、その他もろもろ・・・
すべて含みます。

時間管理では、そういう仕事の所要時間を見積もることが必要ですが、これ
は実際にやってみると案外難しいものです。

「1時間くらいで終わるだろう」と思った作業が3時間以上かかってしまった。
なんて経験・・・私もあります。


この所要時間の見積りがうまくなるにはどうすればいいかというと・・・、
まず、大事なことは、

  実績を知ること

  (時間を計ること。もしくは開始時刻・終了時刻を記録すること)

です。

たとえば、ある作業を行うときに、その作業にかかった時間を知っておくと、、
次に同様の仕事を行うときに役に立ちます。

時間はタイマーなどで計ってもいいですし、あるいは手帳などに開始時刻
から線を引き、終了時刻にそれをチェックすると、所要時間がわかります。

それを毎回細かく集計・計算すれば、より精度は高まりますが、そこまで
やらなくても構いません。毎回記録しているだけで感覚はつかめます。


もちろん、作業の所要時間は、元々なんとなく分かっているものですが、
それを実際に記録するのがポイントです。実際に計ってみると、思ったより
も長い・短いといった差は必ずあるものです。


■ 内容がどこまで見えているか? もポイント

しかし、実際にやっていると、時間の読み通りにいかないこともあります。

たとえば、私の場合、現在は文章を書く仕事も多いのですが、こういう
仕事では、行き詰まってしまうと、時間はどんどん過ぎてしまいます。
普通にいけば、1時間に2000〜3000字書けるのですが、行き詰まって
しまうと、1時間、2時間筆が止まってしまう・・・なんてことはザラです。


では、読み通りにいくか? いかないか? の違いはどこにあるかと
いうと・・・それは

  内容がどれだけ「見えているか」

に左右されます。

「こういう内容で書こう」ということが見えていれば、時間が読めますが、
内容がうまく固まっていないのに無理矢理書こうとしても、うまく進み
ません。

これは、文章を書く仕事だけでなく、私が前職で経験した資料作成や
報告書作成なども同じです。事前に「このデータを」 「こう整理して」
「こういう内容の報告書を作る」 ということが見えていると、すんなり
時間の読み通りにできることが多いです。

これは、

  事前にシミュレーションができているかどうか

と言ってもいいと思います。

もちろん、作業中に考え、気づくこともあるので、100パーセントの
シミュレーションは不可能ですが、6〜7割くらい読めていると時間は
かなり読みやすくなります。

私の場合、事前に簡単なメモに書き出しながら、これを考えることが
多いです。こうすると、「行き詰まる」ことが少なくなりますし、作業の
段取りも良くなりますからおすすめです。


■ 「完璧」を狙わない

もうひとつのポイントは・・・、

  あまり「完璧」を狙いすぎない

ことだと感じます。

所要時間の読みは、うまく当たるに越したことはありませんが、別に
当たったから偉いというわけでもありません。あまり神経質になりすぎ
ないのも時間管理をうまく継続するポイントです。

もちろん、正確であるに越したことはありませんが、たまに長かったり、
短かったりする(多少計画が前後すること)は、それほど大きな問題
ではありません。トータルで大きくずれていなければOKだと考えて
ください。

そのくらいの方が、時間管理を継続していきやすいですし、継続する
ことで、精度は良くなっていくものです。(逆に、精密なスケジュールを
立てようとがんばりすぎて、続かなくなる方が問題です)


ただし、

・ 読みが短いことが多い(=実作業時間が長いことが多い)

・ 読みが長いことが多い(=実作業時間が短いことが多い)

というどちらかの傾向がはっきりしているなら、それは改善が必要です。
 (前者の方がより危険なので特に)

自分のクセ(短く読みがち・長く読みがち)を知り、少し補正することや、
先の「実績を知る」ことを実践していくことで、改善できます。



■ まとめ: タスクの所要時間をうまく見積もるためには

□ 普段の実績を知ること

   時間を計ること。もしくは開始時刻・終了時刻を記録すること
   (続けると、類似の作業の所要時間が予想しやすくなってくる)

□ 事前に作業内容が「見える」ように考えておく
   (事前に作業内容をシミュレーションする)

   実作業を開始する前に(計画の段階で)作業内容を
   メモしながら考えてみると見積りの精度が高まる

□ あまり「完璧」を狙わなくてもいい

   多少の長い・短いは問題ない。トータルで大きくずれなければOK

□ 読みが長い・短いの傾向がはっきりしているなら、
   その傾向(自分の癖)を意識して補正する

   (また、経験の少ない作業も長めに見積もるようにすると安全)

となります。

「完璧を狙わなくてもいい」というのは、意外と思われる方もいるかも
しれませんが、結構大事なことだと思います。もちろん、精密に完璧に
やりたい人は、そうして頂いて構いませんが・・・、そのせいで疲れて
しまって続かなくなるようでは、本末転倒だということです。




今日の記事作成時間は78分でした。
では、また明日!
  
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2008年09月14日     このエントリーをはてなにブックマークこのエントリーを含むはてなブックマーク

ご質問と回答:「自分のペースで仕事ができない場合はどうする?」


こんにちは。水口です。

先週から、「タスク管理」週間として、タスク管理にまつわることがらを
取り上げています。今日は、昨日の続きでタスク管理に関する
ご質問と回答を紹介します。


■ 自分のペースで仕事ができない場合はどうする?

今日のご質問も、昨日と同じく、株式会社アイ・イーシーさんに
提供している通信教材の受講者の方から頂いたご質問です。


□ 頂いたご質問

ご質問は、

  現在、窓口業務がある部署のため、お客様対応をする必要があって、
  自分のペースで仕事ができない。この場合の対応や考え方は?

という意味のご質問でした。


□ 私の回答

以下、回答文を載せておきます。

―――――――――――――――――――――――――――――――――
(以下 回答です)

窓口で対応する仕事と、自分1人で進める仕事の両方をこなさなければ
いけない場合、タスクのペース配分が難しくなります。

窓口業務が多ければ、元々予定したタスクがあまり実行できませんし、
窓口業務が少なければ、予定したタスクが完了しても時間が余ることも
あります。この場合、日によってタスクのために使える時間が変動するのを
前提に考える必要があります。

具体的な対応としては、

・ まず、それぞれのタスクの実行日は、期限に対して充分な余裕を持たせて
  設定してください。

・ その上で、時間が空いたときにタスクを実行していくようにします。

・ 日によって予定したタスクが終わらないこともありますが、逆に時間的に
  余裕のある日も出てくるはずです。

  そこで、タスクが終わらない日には、そのタスクを翌日に回したり、逆に
  余裕がある日は、翌日に予定しているタスクを前倒しで実行してください。

・ このときに、タスクを完了したかどうかのチェック(レ点を打つなど)は、
  しっかり付けておいてください。

このように、日によって実行できるタスクの量が違うとしても、やれる日、
やれない日を平均して、タスクが実行できているようなら、それで構いません。

1週間のスケジュールの中でバランスが取れていれば、それで構わないと考えて
ください。ただし、もし、やれないタスクがたまっていくばかりであれば、タスクの
量を見直すこと(「やらない」と判断する仕事を増やすこと)も必要になってきます。

その日のタスクはその日に実行してしまいたい気持ちは誰にでもありますが、
窓口対応や、突発的な飛び込み仕事が多い人の場合、このように柔軟に
対応することも必要です。

(回答おわり)
―――――――――――――――――――――――――――――――――


こういう状況は、窓口業務に特徴的なものですが、他のデスクワークでも
多少はこれに近い状況があります。

上司に呼ばれたり、電話がかかってきたり・・・という、予定外の仕事は
多かれ少なかれ、誰でもありますよね。それのことです。


このように、「タスクを行なう自分」の稼働時間が変動してしまうなかで、
確実に仕事の期限を達成したければ、稼働時間の変動に耐えられるだけ
の時間的な余裕を持つ必要があります。

ですから、タスクの実行日は期限ギリギリではなく、余裕を持って設定する
ことが必要になってきます。また、新しく仕事を引き受けるときにも、変動
する可能性を踏まえて、納期を交渉する必要があります。

※ もちろん、むやみに余裕を持ちすぎること(=仕事の先延ばし)には
   ならないようにすべきです。


また、窓口対応の多い仕事をしていると、窓口業務が一段落したときに、
ついホッとして、ダレてしまうことになりがちです。
(窓口だけでなく、突発対応の仕事についても同じです)

逆に、空き時間を見つけたら、タスクをやれるものからどんどん実行して
いく積極性を持てるのが理想です。


この理想を実現する一番のコツは、(手帳を使う場合は)手帳のタスク欄
を「見る」ことです。「見て」「タスクを思い出す」ことが、何よりも重要です。

ただし、「忘れずに見なければ」と思っていても、見るのを忘れてしまうのが
人間です。ですから、「見る」ことを意識するよりも、「目に入る」ようにする
のがベストです。

できれば、「手帳は開きっぱなしで置いておく」のがベストです。
それが無理なら、「マメに手帳を開いて見る」ことだけは、外せない
習慣になります。

※ パソコンを使う場合も同じです。できるだけ見る(目に入る)よう
  工夫することがとても重要です。




さて、お気づきの方もいるかもしれませんが、このご質問は、昨日のご
質問とかなり共通点があります。

また、先日書いた↓、「タイムテーブル式のタスク管理」はしない方が良い
という話は、こういう場合の調整のしやすさについての話でした。

「タスクの完全アポ化」をすると、イライラするのはなぜだろう?




今日の記事作成時間は34分でした。
(回答文は別です)

では、また明日!
  
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Posted by 水口和彦 at 23:55Comments(0)TrackBack(0)

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