「20代の10年間は棒にふっても、世の中を広く見たほうがいい」 という記事について
こんにちは。水口です。
「時間管理」とか「ビジネス」「仕事」とはあまり関係ないのですが、
「仕事観」「キャリア」にちょっと関係ある話として・・・
この記事↓が面白かったです。
小説家の石田衣良さんのインタビュー記事です。
『池袋ウエストゲートパーク』の作家、石田衣良さんに聞く(前編)
「20代の10年間は棒にふっても、世の中を広く見たほうがいい」
| BPnetビズカレッジ:ライフデザイン | nikkei BPnet 〈日経BPネット〉
この記事は、若手フリーライターが「先輩に教えを請う」といった感じの
インタビュー記事になっていますが、石田さんのコメントが面白いです。
まず、物書きとしての話として・・・
(『』内は引用です)
『同業者の作家を崇拝するような人はプロには向いていないの。ファンライター
みたいな感じで誰かの真似で書いちゃう人はいるけど、そういう人はうまくないし
消えちゃうね。』
『若くして作家デビューする人は、サラリーマンの話とかを書けないんです。村上
春樹さんとか村上龍さんを読んでも、そのへんは甘いなあ。川端康成も学生で
デビューしているんですけど、会社員の話を書くときは変ですね。』
(上記記事より引用)
このあたりの話は、ビジネス系の本を書く人にも、まんま当てはまるような気が
します。特に後者が。
自己啓発的な本の中にタイムマネジメント的な話が盛り込まれている場合、
著者の経歴の影響が垣間見えることがあります。やはり、サラリーマン経験の
無い人(あるいは極端に短い人)の本だと、組織の中で働くことの実態を知ら
ずに書いてるなあ・・・と思わされることもあります。たとえば、ちょっと現実的で
ない(実用的でない)タイムマネジメントを推奨してたりとか・・・。
さて、その話は置いておいて・・・
インタビュアー(若手フリーライター)のお悩みに対する石田さんの答えが
面白いです。
『――実際、フリーって怖いです。安定のために就職したいという気持ちもあり
ました。いいところに入ろうとは思わないんですけど。
石田 新卒でいいところに就職しないと、一生落ちこぼれると思っちゃうのは、
社会のゆとりがないからなんだよね。でも、ちゃんと個人としての力があれば、
20代の10年間くらい棒にふっちゃって、世の中を広く見たほうがいい。本当の
仕事を探すのは 30歳でもいいんです。そういうゆとりくらいは若い人にあげた
いと思います。みんな過剰に社会に自分を合わせようと無理している状態なの
で、今の若い子は心配だよね。』
(上記記事より引用)
この話にはしっくりくるところがあります。
ちなみに、石田さんも小説家になったのは30代後半なんですよね。
(私が独立したのもほぼ同じくらいの年齢で、世間的には遅いデビューです・・・)
とはいえ、20代に定職につかないとか、世の中を広く見るとかって、今の世では
リスクの高いことですよね。あえて、自らそうするのは、かなり勇気が必要でしょう。
個人的には、迷ってる人には「まずは就職したら?」とアドバイスすると思います。
逆に、『本当の仕事を探すのは30歳でもいい』という生き方ができるのは、どこか
強さ(あるいは無謀さ?)のある人だけかもしれませんね・・・。
(『ちゃんと個人としての力があれば』と石田さんが言うのがそれでしょう)
ただ、就職した後でも、(その仕事をがんばりつつ)別の道も模索してみる・・・
という生き方なら、そこまで勇気がなくてもできると思います。
私も普通に就職して長く勤めましたが、結果的にそんな感じになりましたし。
『――フリーのままいくか、就職するか、兼業するかいまだに悩むこともあります。
石田 今のままでもいいので、自分の専門分野をひとつ持った方がいいかも
ね。若いんだから時間いっぱいあるでしょ。2、3年かけて集中的になにかの
勉強をしたり、仕事を取り組んだりすれば必ず何か身につくからさ。そういうの
を3つか4つ作っておけば? そのくらいの決意がないと、個人で生きておくの
は難しいよね。ただボーっとしているだけだと滑り落ちていくだけですから。』
(上記記事より引用)
『ただボーっとしているだけだと滑り落ちていくだけ』というのは手厳しいですね。
でも、「個人で仕事をしていく」となると、専門分野が必要だというのは、私も
全く同感です。
それは、(対外的な)営業という面でもそうですし、(自分の中の)張り合いや
モチベーションという面でもそうだと思います。
また、『ボーっとしているだけ』というのも怖いのですが、いわゆる「儲け話」を
あちこち追っかけているだけというのも怖いですね・・・。何にでも手を出すけど、
いつまで経っても積み上げたものがない(「自分ならでは」という分野がない)
というのは私は怖い(リスクが高い)と思っています。
このあたりは、私も自分自身の「キャリア」を考えていく上での、一つの指針
みたいなものとして考えていることです。ちょっと感覚的なものでもあり、
どういう場合にどう判断するかを明文化するのは難しいのですが・・・。
少なくとも「自分の専門分野」というのは意識していくべきでしょう。
特に「いつか独立して仕事をしたい」という思いがある人なら。
今日の記事作成時間は45分でした。
では、また次回!
「人はなぜ働くのか?」という問いの答は?
水口です。
明けましておめでとうございます。
本年もよろしくお願い致します。
今日は、2010年最初にふさわしいと思う話題を
取り上げてみたいと思います。
■ 日本理化学工業という会社
以前にちょっと紹介したこの本↓。
「働くこと」や「経営すること」について考えされられる良書です。
―――――――――――――――――――――――――――――――
働く幸せ~仕事でいちばん大切なこと~
著者:大山 泰弘
販売元:WAVE出版
発売日:2009-07-23
おすすめ度:
クチコミを見る
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この本の内容とも関連する、こんな記事↓がありました。
創造性の育成塾 北の国からのエッセイ 究極の幸せとは
上記の本の著者が経営する「日本理化学工業」を取材した記事です。
主に障害者雇用に関する内容の記事です。知的障害者が多数を占める工場を
どう運営しているか、どんな工夫をしているかが紹介されています。
ちなみに、ここで紹介されている工夫(テレビや本でも取り上げられていました)
は、普通の会社でも行われている工夫(作業性の向上やミス防止が目的)と
基本的に同じもの。
つまり、作業しやすく、ミスしないようにといった工夫を積み重ねていけば、
知的障害者も健常者と同様に働ける、ということが実証されているのです。
私は以前にテレビ(カンブリア宮殿)で初めて見て、驚きました。
興味のある方は、上のサイトも見てみてください。
■ 「何のために働くのか?」
さて、その記事中にあるコメント(上記の本にも同じことが書かれています)を
紹介しておきます。
(『』内は引用です)
『日本理化学工業の社長は、最初は障がい者は施設で暮らすほうが幸せ
なのではないかと思ったという。ところが禅僧から「人間の究極の幸せとは
1.人に愛され 2.人に誉められ 3.人の役にたち 4.人に必要とされること
だ。このうち愛されること以外は、働くことによって実現される」と教わったと
いう。』
(上記サイトより引用)
人の幸せは、
『人に愛され』
『人に誉められ』
『人の役にたち』
『人に必要とされること』
の4つによって得られる。このうち愛されること以外の3つは「働く」ことの
なかで得られる。という話です。
これ、確かにそうですね。
マズローの欲求階層説(↓)にも通じると思いますが、さらに分かりやすいです。
(生理的欲求→安全欲求→所属と愛情欲求→自尊欲求→自己実現欲求)
そして、これは「(私たちはは)なぜ働くのか?」という問いの答でもあります。
もちろん、働くことの主目的は「収入を得るため」「生計を立てるため」なのです
が、それだけではない。その答が上の3つにあるわけです。
たとえば、一生働かずに暮らせるだけのお金があったとしても、多くの人は
働きたがるものです。仮にそれまでの仕事を辞めたとしても、何らかの形で
(ボランティア的なことも含めて)働く人が多い。
それは働くことのなかに「幸せ」を見出しているということではないでしょうか。
逆にいえば、収入面が良かったとしても、
「人にほめられたり、認められることもなく」
「人の役に立っているという実感もなく」
「人から必要とされているという実感もない」
そんな仕事は長続きしない・・・ということになるかもしれません。
これは、リーダー・マネージャーの立場にある人は、頭に入れておいた方が
良いかと思います。
「幸せ」というとちょっと大げさに感じるかもしれませんが、これは「仕事への
モチベーション」という意味でも、同じことが言えると思います。
最近、「職場のコミュニケーション不足」が増えているとよく言われますが、
それがこれらの不足を招いてしまうと・・・離職率の増加や、仕事への意欲
が減退するなど、様々な問題の原因になりそうです。
もちろん、これは自分のことを考える上でも、参考になるはずです。
「自分がなぜ働くのか?」その問いの答はこのなかにあることが多いと
思いますし、「より、やりがいを持って働くためには?」という問いを考える
上でも役に立ちそうですね。
今日の記事作成時間は38分でした。
では、また明日!
キャリア選択のためには「自己分析」は必要? それとも不要?
こんにちは。水口です。
前回「キャリアコンサルティング」の話が出ましたので、
今日もそれに関連した話を。
■ 就職活動での「自己分析」には意味がない?
こんな記事↓がありました。
Business Media 誠:「自己分析」に意味がない3つの理由
(『』内は引用です)
『 いつのころからか、「就職活動は自己分析から」というのが常道になってしま
いました。学生だけではなく、キャリアセンターの職員も一つ覚えのように「自己
分析が大事」と繰り返しますが、これがいわゆるミスマッチや早期退社の原因の
1つになっているように感じてなりません。
私は、就活学生の皆さんに、「自己分析」なんていう大して意味のないことに
力を注いだら、かえって失敗する危険性が高まるよ、と申し上げたい。』
(上記サイトより引用)
おおっ、大胆な意見です。
といっても、この著者は人事コンサルティング会社の方なので、思いつきとか
自分の経験談だけの話ではなさそうです。
この著者が「自己分析に意味がない」と言う理由は、
・ そもそも、就職先(会社)のことだってなかなか深くは分からないもの。
自己分析してもも、会社とうまくマッチングできるかどうかは、実際の
ところ分からないものだ。
・ そもそも、同じ会社の中にも色々な仕事があり、どの仕事の担当に
なるかは会社が決めること。自分の思い通りになるわけじゃない。
・ そもそも、「今の自分にあった仕事」を探そうというのが間違い。
新しいことにチャレンジする気概を持つことの方がずっと重要。
といったところです。
※ 長いので私がまとめてみましたが、ニュアンスが違うかもしれませんので、
詳しくは原典(上のリンクの記事)の方を参照してください。
さて、この意見ですが・・・、
確かに就職活動の中で分かることなんて少ないですし、絶対確実なんてこと
もありません。また、新しいことにチャレンジする気概が必要というのもその通り
だと思います。
また、「自己分析」に頼りすぎるのは、なんだか「自分探し」みたいな感じで、
そればかり考えていると、かえって選択の幅を狭めてしまう気もします。
しかし、上記の発言は「黙って会社についてこい」という感じ、つまり「会社に
とって都合がいい意見」のようにも思えます。
著者は「自己分析」を過信しすぎる学生、あるいは「自己分析」を売りにした
就職セミナー等が氾濫している状況に警鐘を鳴らすために、わざと大胆に
書いているのではないかと思いますが・・・ ちょっと乱暴ですね。
私自身は「自己分析は不要」とは思いませんが、確かに、自己分析ばかり
しているのも何だか気持ち悪いとは思います。難しいところですね。
■ 自分のキャリアを考えるために
私の場合、前の会社の入社時は「自己分析」的なことは、まったくしません
でした(当時はそれが普通でした)。
一方、独立するときには、さすがにいろいろ考えました。自己分析的なこと
もしましたし、「どんな事業をするか」ということも考えました。
自分の仕事を考える上で、よく言われるのは、
「好きなこと (やりたいこと)」
「得意なこと (その分野の能力があること)」
「求められていること (世の中にニーズがあること)」
この3つが重なる仕事が理想。
こう言われます。
私は現在の仕事は、こういう意味で結構いい線いっていると思って
いるのですが、それは「自己分析」だけで得られたものではありません。
「自己分析」と称して「自分」のことばかり考えていては、この3つの
重なりは見つからないと思います。
(好きなことや得意なことばかり考えて悶々としそう・・・)
必要なものではあるけれど、そればかり考えているのも変。ですから
自己分析って、実はなかなか難しいものです。
ということを前提として・・・
社会人向けの「自己分析」として、個人的におすすめしたいのは、
「考える」だけでなく、「実験」してみることです。もし、やってみたい
仕事があれば、まずは副業として始めてみるのもいいと思います。
私の場合、ブログを始めたのが、その「実験」でした。実際に自分が
「書けるかどうか」、ブログに「反響があるかどうか」を見極めたかった
わけです。今思えば、これも広い意味での自己分析だったんですね。
「考える」だけでなく、何かを「やってみる」。こういう自己分析なら、
有用だと思いますし、弊害も少ないと思います。
今日の記事作成時間は48分でした。
では、また明日!
「○○○依存=現状維持への甘い罠」 これを断ち切るためには?
こんにちは。水口です。
今日は「○○依存」という話。
といっても、薬物とかアルコールとかではありません。
こんな記事がありました。
全米初、ネット依存症の治療施設=パソコン抜きで45日間
(時事通信) - Yahoo!ニュースス
「治療施設」が必要なほど、ネット依存症は深刻なのでしょうか?
記事にはこうあります↓
(『』内は引用です)
『インターネット重度依存症の社会復帰を手助けする全米初の本格施設「ヘブ
ンスフィールド診療所」が西部ワシントン州で開業した。創設者で精神科医の
ヒラリー・キャッシュ博士は、ネットで得られる強度の興奮や渇望に対する「自制
心を取り戻し、家族・友人との社交性を回復するのが主眼」と話している。
同州シアトル東郊の2万平方メートル強の広大な森林に囲まれた施設で
「患者」には45日間の「デトックス(=解毒)プログラム」を用意、費用は1万
4500ドル(約140万円)。具体的にはパソコンやネットから完全に遮断された
環境で炊事や洗濯、社会奉仕活動、週末のハイキングなどを通し、「規則正し
い生活」(同診療所)が義務付けられる。
さらに、専属の精神科医による個人面談のほか、患者同士で復帰後の生活
や人生の目標を議論する。「眠りに落ちるまで戦闘ゲームに興じ、欠席日数が
増えていった」という入所者の大学生ベン・アレクザンダーさん(19)は地元
テレビに対し、「生活のバランスが取れるようになった」と快活な表情で語った。
自宅などにこもってネットに耽溺(たんでき)するあまり、学業や仕事に悪影響
が出ている米国の利用者は同国ネット人口の最大1割、2000万人規模に上
るとの試算があり、キャッシュ博士は「放置すれば現実社会で問題が深刻化す
る」と警鐘を鳴らした。 』 (上記サイトより引用)
2000万人規模の「ネット依存症」の人がいる・・・というと確かに深刻です。
日本はどうなんでしょうね? 「ネット人口の1割」というとちょっと多すぎる
気がしますが、数十万人規模ならいるのかも?
(※ どこまでを「ネット依存症」と見るかにもよりますが)
また、引きこもりとも一部関係あるのかもしれませんね。
※ ただし、引きこもりの直接の原因にはネットは上げられていません。
(興味のある方は、こちら↓のアンケートを参照してみてください)
ひきこもり情報|NHK福祉ネットワーク
■ 軽い「○○依存」が自分の時間を奪うことも
深刻なネット依存症とまではいかなくても、ネットが自分の時間を浸食しつつ
あると感じている人はおられると思います。
「自分の時間を浸食する」というのは、たとえば家でやりたいこと(勉強など)が
あったのに、ついネットを見ているうちに時間が過ぎてしまった・・・といった状況
です。
同様に、テレビを見ているうちに・・・、携帯でメールなどしているうちに・・・と
いう場合もあるわけです。
こうした「○○依存」は、日常生活や仕事に支障をきたさない限りは、特別に
問題視する必要はありません。しかし、「自分のキャリア(職業)を変えたい」
「将来のために勉強・スキルアップしたい」という場合には、こうした時間も決
して無視できません。
「仕事に追われない超時間術」でも書きましたが、キャリアアップや資格取得、
あるいは独立の準備などをするのは、一種の「仕事」と見なせます。これまでの
路線上にある仕事とは別の仕事(次の仕事の準備:「作り出す仕事」)をする
ようなものです。
2つの仕事を並行して行うわけですから、そのためにはある程度の犠牲は必要
になってきますし、時間に対して少しシビアになることが必要です。
そういう場合は、「○○依存」は減らしていかなければいけないわけです。別の
言い方をすれば、「○○依存」とは、自分を現状のままとどめようとする「敵」、
あるいは「甘い罠」のようなもの。それを断ち切る意志や工夫も必要です。
■ ○○依存を断ち切るには?
「テレビ依存」を断ち切るためには、「ダラダラ見続けない」と意識することが
重要です。たとえば、「録画した番組しか見ない」というのもその1つの方法。
機械(レコーダー)が進歩したので、これは手軽にできるようになりました。
ネット依存については、たとえば、「定期巡回するサイトを増やしすぎない」、
「調べ物やニュースなどは時間を決めて(計って)見る」などの方法があります
が、テレビよりもやや対策は難しいかもしれません。
携帯依存は、私はあまり経験無いので(携帯メールはそれほど使わないので)
あまり対策が浮かばないのですが・・・。
(※ 他にも良い方法をご存じの方がいたら教えてください)
ひとつ確実に言えるのは、携帯メールを「即返信しなければいけない」ものだ
と思っていると、携帯依存から脱却するのは難しいと思います。
つまり、携帯(特にメール)への依存にならないためには、「即返信しないこと
があってもいい」という割り切りがどうしても必要になると思います。
(そうしないと、どうしてもズルズルといってしまいます)
私の世代だと、「携帯メールは必ず即レス」という人はそれほど多くありません
が、若い方は、「即返信しないといけない」というプレッシャーみたいなものが
あるようで、見ていてちょっと気の毒な気もしてきます。
(もちろん、全員がそうではありませんが)
今の仕事・生活(現状)を大きく変えるためには、何か、多少なりとも犠牲に
せざるを得ない部分が出てきます。これは仕方の無いことです。
軽い「○○依存」であっても、それに使う時間は通算すると膨大になります。
少し考えてみてもいいのかもしれませんね。
私の場合はネットですかね・・・。ブログのネタ探しも兼ねてニュースなどを
見ていると、つい脱線してしまうこともありますので。
今日の記事作成時間は47分でした。
では、また明日!
業界が変わっても通用する「スキル」はこの3つ
こんにちは。水口です。
昨日は、自動車に起こっている変化を例にあげ、もし将来自分の仕事が
無くなってしまったら・・・という話をしました。
ちなみに、私が以前従事していた、自動車の「ブレーキ」は、電気自動車
や燃料電池車になっても存在します。
モーターによる回生ブレーキだけでは急ブレーキが踏めないため、ディスク
ブレーキ自体は無くならない・・・はずです。ただし、ブレーキ部品の消耗は
少なくなりますので、交換部品の売上は下がると予想されます。
そんなわけで、私がいた業界も長い目で見れば、市場は先細りする方向に
はなりそうです。
■ 業界が変わっても通用する「スキル」は何?
話を戻して・・・
もし、自分が従事する産業、業界そのものが無くなってしまうとしたら・・・、
当然違う分野の仕事をしていかなければいけないことになります。
そうすると、その業界の専門的な知識は、あまり役に立ちません。
そんな状況でも応用が利くスキルのことは、「ポータブルスキル」と呼ばれ
ます。「(他の業界にも)持って行けるスキル」ということです。
では、そのポータブルスキルとして、何が「使える」のか? ということが気に
なってくるわけですが・・・、これは人によって意見は分かれます。
たとえば、「会計」の知識が重要だと言う人もいます。
しかし、みんながみんな経営者や会計士になるわけでもないので、個人的
には、そう重要だとは思えません(知ってるに越したことはないですが)。
あるいは、「英語」が重要だと言う人もいます。
しかし、言い方は悪いですが、英語に自信がある方は別として、中途半端な
英語力では大した役に立たないものです。長期的に英語力を上げていこう
とするのは良いことだと思いますが、「ポータブルスキル」として、そう有効な
ものでもないでしょう。
では、何が重要なのか・・・というと、
■ 本当の「ポータブルスキル」は何?
一つは、ちょっと抽象的で申し訳ありませんが、私は
「自分の頭で考える力」
が上げられると思います。業界知識や業界の常識の上で仕事をするのでは
なく、自分の頭で考え、業界の常識を破るくらいの力を発揮する・・・ 本当
の意味での「地頭」と言ってもいいかもしれません。
(※ ちょっと前に流行った「地頭」はパズル的方向に走りすぎでした)
そして二つめに、意外に重要なのが、
「文章を書く力」
ではないかと考えています。自分の考えを文章で人に伝えられる力、そして
それを比較的短時間でやれる力は、自分の力をアピールするための武器に
なると感じます。
自分のことで恐縮ですが、私の場合、現在の仕事をスタートする時点では、
「コネ無し・経験無し・知名度無し」の状態からスタートしています。それが、
「書く」ことを積極的に行うことによって、色々な仕事に発展してきました。
いくら独自のノウハウを高めたとしても、「書く」ことなしに、この状態になる
ことは考えられません。
別に私のように独立しなかったとしても、書く力や、そこから発展したコミュ
ニケーションのスキルは、業界が変わっても力になると思います。
(それだけ「書けない」人が多いことの裏返しでもあります。特に理系の人。)
三つめは、
「時間管理力(もう少し広く言うと仕事力・自己管理力)」
をあげておきましょう。
これは手前味噌ばかりではありません。実際のところ、事務処理能力を
含めてデスクワークの能力、効率は個人差が大きいわけで・・・その能力
が高ければ、他の業界に移っても活躍しやすいのは当然です。
・・・ そして、これらの能力は特別なことをしなくても、「今の職場」で
鍛えることもできるものです。
結局、今の仕事の中で自分の能力を磨くことが大事・・・ということに
なってしまいます。この考え方は絶対正しいとも言い切れませんが、
私は当たらずとも遠からずだと思っています。
逆に言えば、今の職場で自分の能力を発揮しない人、能力を磨かない
人は、いかに他のスキルを追加したとしても、他業界で活躍はできない。
私はそう考えています。
(人によっては)夢がこわされる、身もフタもない話かもしれませんが、
それが真実だと思いますよ。
※ 誤解のないようにつけ加えておくと・・・何かやりたい仕事のために
資格を取得することを否定するわけではありません。自分で考えて
必要だと思ったものなら、取得してみることをおすすめします。
今日の記事作成時間は48分でした。
では、また明日!
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