3つの「仕事のタイプ」と、時間管理・計画の立て方の関係
こんにちは。水口です。
今日は、昨日紹介した本に関連した話です。
■ 3つの仕事のタイプ
昨日紹介した「仕事に追われない超時間術」では、3つの「仕事のタイプ」別の
時間術を紹介しています。
□ 降ってくる仕事 (依頼される仕事・発生した問題に対応する仕事)
□ 獲りにいく仕事 (自ら進んで取りにいく仕事)
□ 作り出す仕事 (将来のために準備する、勉強する仕事)
今日は、これをもう少しくわしく紹介します。
□ 降ってくる仕事とは?
「降ってくる仕事」というのは、「仕事が向こうからやってくる」タイプの仕事です。
(別名、「ファイアーマン(火消し)型」の仕事です)
少し解説すると、こんな感じ↓です。
頼まれごとや、発生したトラブルの対処など、仕事が向こうからやってくる
タイプの仕事。個々の仕事のゴール(解決すべき問題・課題)は明確なこと
が多い。
たとえば、事務職の多くがこれに該当するが、専門的な職種にもこのタイプ
は多い(エンジニアや医師などにもこのタイプが多い)。
※ ただし、エンジニアを例にあげると・・・研究開発要素の強いエンジニア
の場合は後の「作り出す仕事」が多く、問題解決要素が強い仕事をして
いる場合には、こちらの「降ってくる仕事」が多くなります。
この仕事では「これを解決しなければ」「完了させなければ」という、仕事上の
ゴールが明確なことが多く、「やらなければ」というプレッシャーも高いので、
上手に仕事を整理して、落ち着いて行動することが必要。
(仕事を整理して(計画を立てて)コントロールしていくことが重要)
□ 獲りにいく仕事
「獲りにいく仕事」というのは、誰かにせかされるわけでもない状況で、自ら行動
していく必要のある仕事です(別名、「ハンター型」の仕事です)。
こんな感じ↓です。
自分から進んで動いて、仕事を取りにいくタイプの職種。成果としての目標
(たとえば売上目標)はあるが、具体的なアプローチは自分で決められる。
典型的なのが営業職。他には、仕事に関するPR活動や、人脈づくりや人脈
の維持(定期的に顔を出したり)なども、この仕事の一種と見ることができる。
※ 同じ営業職でも、お客さんから「あれ持ってきて」と頼まれるなどの仕事
は「降ってくる仕事」、自らアポイントメントを取って提案しにいったりする
のが「獲りにいく仕事」になります。
この仕事は、「月末までに売上をあげなければ」のような、区切りの時点で
のプレッシャーは高いが、それを過ぎてしまえば比較的自由なことも多い。
自由なだけにやる気をキープするのが難しいと悩むことも。
(やる気のムラが起こりやすいので、そのコントロールも必要)
□ 作り出す仕事
「作り出す仕事」というのは、将来の仕事のために、先行して何かを行う仕事
です(別名、「イノベーター型」の仕事です)
こんな感じ↓です。
今はこの場にない仕事を作り出すタイプの職種。将来のために事業計画
を立てたりするなど、「社長の仕事」にはこの分野のものが多い。それ以外
にも、情報収集や勉強など、直接的な仕事ではないが、将来仕事に結び
つく可能性のあるものは、このタイプの仕事になる。
典型的なのが事業計画や製品開発、基礎研究などに関わる仕事。ただし、
これらの仕事の携わる人は、日々「降ってくる仕事」にも追われがちなので
100パーセント「作り出す仕事」をやれるわけではない。
※ また、誰もが関わることとして、「勉強」や「スキルアップ」も、同じ
「作り出す仕事」になります。
この仕事は、「今はない」ところに作り出す仕事なだけに、それをやらなく
ても、今すぐに困ることはない。だからこそ、やる気を維持するのは難しく、
他のタイプの仕事の犠牲になって後回しにされてしまうことも多い。
(やる気のコントロール、時間のコントロールが必要)
また、「あれもこれも」と欲張って、結局どれも中途半端ということにも
なりかねないので、方針をしっかり決めることが必要。
と、こんな感じです。
この3つのタイプは、割とイメージしやすいのではないでしょうか。
たとえば、会社の中で言えば、製造部門や経理、総務などは「降ってくる仕事」
が多くなります。また、「獲りにいく」のは、営業や広報などの仕事、「作り出す」
のは経営層や研究開発部門、企画部門などの仕事という感じです。
あるいは、学校での(授業以外の)活動をこの3つで分類すると、
降ってくる仕事 = 宿題
計画を立てて進めていくことが大事
獲りにいく仕事 = 部活動
計画だけでなく、やる気も大事
時にはトレーニングメニュー(行動計画)が本当に
効果的かどうか見直すことも必要
作り出す仕事 = 受験勉強
方針を決めること、時間を確保すること、
やる気のコントロールと、継続することが重要
と分けることができます。
自分自身、独立してからは後者2つ(「獲りにいく」と「作り出す」)の仕事が
増え、「降ってくる仕事」とはちょっと勝手が違うことを感じてきました。
そこで、今回の本は、その考え方の切り替えや、うまく使い分けられるように
なるために役立つことを書きたかったというわけです。
仕事に追われない超時間術
著者:水口 和彦
販売元:中経出版
発売日:2008-12-19
クチコミを見る
―――――――――――――――――――――――――――――――――
ちなみに、本の中で紹介したシートのダウンロードページがこちら↓にあります。
仕事に追われない超時間術紹介ページ
(最後の「著者紹介」ページに書かれているパスワードでアクセスしてください)
降ってくる仕事 = ファイアーマン型
獲りにいく仕事 = ハンター型
作り出す仕事 = イノベーター型
という(右側の)言葉を私は気に入っていて、元々本に入れる予定でしたが、
用語を統一するために、今回は泣く泣く削りました(そういうこともあるんです)。
今日の記事作成時間は56分でした。
では、また明日!
『仕事に追われない超時間術』 発売になりました!
こんにちは。水口です。
2008年も残り少なくなり、忙しい師走をお過ごしの方も多いと思います。
そんな時期ですが・・・、
新しい本が出ました! 私の4冊めの本になります。
■ 今回の本の特徴
私は今まで「時間の使い方」に関連した本ばかり書いていまして、時々
ネタが尽きませんか?
なんて聞かれることもありますが、今のところ切れる気配はありません。
もちろん、基本的な考え方が変わったわけではありませんので、本の中には
以前の本と重複する部分も一部出てくることもありますが、大半は新しい
内容になるようにしております。
このブログでもそうですが、講演・セミナーなどを行った場合にも色々ご質問
を頂いたりしていると、「次はこういうことを伝えたい」と思うことは、何かと
出てくるものですね。
本にするためには、あまりマニアック過ぎてもいけないので、難しいところも
あるのですが・・・、時間の本は、また書くことになると思います。
※ その前に、「時間」と少し違う分野の本の話が、現在2冊進んでおります
ので、まずはそちらが先になります(こちらもできるだけ実践的な「仕事に
役立つ」本にしようとして、現在いろいろ検討しております)。
さて、今回の本↓の話です。
※ amazonなどで表示されている画像は、帯を取った状態のものですが、
店頭に並んでいる状態(帯付き)では、こうなっています。
私の1冊めの本が「超カンタン!時間管理術」でしたが、また「超」の付くタイトル
になっております。このタイトルだけ見ても、どういう時間術かあまりピンとこない
と思いますが、本の主題は、帯に書いてあるように、
仕事のタイプによる時間術
というものです。
私の知る限り、これまでに「仕事のタイプ」別の時間術を示した本はありません
し、そういう意味で初めての本になります。
なぜ、こんな本を書いたかというと、この「仕事のタイプによる時間術」は、
現在、2つの理由で重要になってきている(と考えている)からです。
■ 「タイプ別時間術」が必要な理由: 人の時間術をうまく応用するために
以前(5年以上前)と比べて、現在(特に一昨年から)は、「時間の使い方」に
関する情報は、とても多くなっています。本も多く発売されていますし、雑誌など
でも取り上げられることが多くなっています。
そういう情報をよくチェックしている人は、その中には、正反対とも思えるやり方
が混在していることに気づいている人もおられると思います。
たとえば、「細かくタイムスケジュールを決めた方がいい」という人もいれば、
突発の仕事に対応できるように、ある程度自由にした方がいいという人も
います。中には、タイムスケジュールはできるだけ持たない方が、創造性が
高まっていいという人もいます。
「ノルマ」的に自分にタスクを課する(仕事を増やす)方がいいという人がいた
かと思うと、重要じゃない仕事はできるだけ切っていた方がいいという人も
います。
実は、これらの違いは、そのご本人の性格や行動パターンの違いだけでなく、
どんな仕事をしているかによる影響が表れているものなのです。
ですから、あらかじめ「仕事のタイプ」が頭に入っていた方が、
「この人は自分と同じタイプだから、このテクニックは応用できるはずだ」
「この人は自分とは違うタイプなので、この部分は真似しない方がいい」
といった判断がしやすくなります。人の時間術の「いいとこ取り」をするため
には、「仕事のタイプ」が頭に入っていた方がいいということです。
(自分に合わないやり方を真似して失敗したりするのも防げます)
■ 「タイプ別時間術」が必要な理由: 誰でも各タイプをあわせ持っている
「タイプ別時間術」が必要なもう1つの理由は、誰でも複数のタイプの仕事を
あわせ持っているためです。
ちなみに、この「仕事のタイプ」を私は3つに分類しています。
□ 降ってくる仕事 (依頼される仕事・発生した問題に対応する仕事)
□ 獲りにいく仕事 (自ら進んで取りにいく仕事)
□ 作り出す仕事 (将来のために準備する、勉強する仕事)
この3つです。
そして、現在のビジネスパーソンの多くは、このそれぞれのタイプをあわせ持って
います。たとえば・・・、
・ 会社の中では、主に「降ってくる仕事」を担当している
・ 会社以外では将来のための勉強という「作り出す仕事」も行う
(たとえば、資格試験や英語を勉強するのもその1つ)
こういう人は、以前よりも確実に増えています。さらに、
・ ブログなどで情報発信しつつ、人脈づくりや自分のPRにつなげる
という「獲りにいく仕事」も行う
という人も増えつつあります。
これらは私も経験してきましたが、それぞれの仕事の進め方・管理の仕方や、
やる気の維持方法は少しずつ違います。これを意識的に使い分けたり、自分
の弱点を補強したりするためには、「仕事のタイプ」を意識するのが近道です。
■ 3年越しの考えがまとまりました。
この本自体は、企画のスタートから1年と少し経っていますが、「仕事のタイプ」と
いう考え方自体は、3年以上前(このブログを書き始めた当初)から気になって
いまして、このブログの中でもちらっとそれに触れたことが何度かありました。
その考え方を発展させ、具体的なノウハウと合わせたものが、今回の本です。
また、私が独立前後に経験したことも含め、この「タイプ」をキャリアプランの中
で活かしていくための流れもまとめています。
現在の仕事に追われないように、上手に整理しつつ・・・、将来の仕事のための
「作り出す仕事」や、仕事の幅を広げるための「獲りにいく仕事」を並行して行う。
そんな自立したビジネスパーソンとなるために、ぜひ活用してほしい本です。
大きな書店ではすでに店頭に出ていますので、
ぜひ一度お手に取ってみてください。
amazonなら↓こちらです。
仕事に追われない超時間術
著者:水口 和彦
販売元:中経出版
発売日:2008-12-19
クチコミを見る
ちなみに、本の中で紹介したシートのダウンロードページがこちら↓にあります。
仕事に追われない超時間術紹介ページ
(最後の「著者紹介」ページに書かれているパスワードでアクセスしてください)
今日の記事作成時間は75分でした。
では、また明日!
時間管理術研究所の無料メールマガジンで
モチベーションアップしてみませんか?
Copyright (c) 2005-2014 BizARK Inc. All rights reserved.