日本語って難しい? : 「国語に関する世論調査」
こんにちは。水口です。
今日は言葉、「日本語」についての話を。
■ 「破天荒」は「豪快で大胆」という意味ではない・・・そうです。
私はこの記事↓に、「え、そうなの?」と驚きました・・・。
「破天荒」は豪快で大胆?=40代以下、7割超が誤解−文化庁・国語世論調査
(時事通信) - Yahoo!ニュース
(『』内は引用です)
『 誰も成し得なかったことをするという意味の故事成語「破天荒」を、40代
以下の人の7割超が「豪快で大胆な様子」だと誤解していることが4日、文化
庁が発表した2008年度の国語世論調査で分かった。「手をこまねく」などの
言葉でも使い方を間違えている人が多かった。
調査は1995年度から毎年度、面接方式で行っている。今回は3月に実施
し、全国の16歳以上の1954人から回答を得た。
破天荒の意味を正しく選んだ人は16.9%だった。一方、「豪快で大胆」と
の回答が64.2%に達し、年代別では16〜19歳が75.0%、20代から40
代が73.4〜77.2%だった。
何もせずに傍観することを表す「手をこまねく」の意味として、「準備して待ち
構える」を挙げた割合は45.6%。16〜19歳では61.1%で、若者の誤答が
目立った。』
(上記サイトより引用)
私は「破天荒」を「豪快で大胆な様子」でいいと思っていました。
(この言葉、本の中などで使わなくて良かった・・・(汗) )
お金をもらって文章を書くことがあるという立場上、気をつけないと
いけないと、改めて思います。
ちなみに「破天荒」を広辞苑で見ると、
『破天荒
(「天荒」は天地未開の時の混沌たるさまで、これを破りひらく意)今まで
誰もしなかったことをすること。未曾有。前代未聞。「―の大事業」 』
とあります。いや、すっかり誤解していました。
※ 広辞苑の例にあるように「破天荒の大事業」なんて使われ方をすると、
(誤解したままだと)ちょっと違和感ありますね。
こういう誤解って、文章を読んでいる(聞いている)中でできていくのでしょう。
また、言葉、文字のイメージから醸成されるところもありそうです。
たとえば、「宮本武蔵の破天荒な生き様」という文があったとして、それは上記
どちらの意味でも通じるわけです。しかし、字面を見ると「大胆」っぽい感じが
しますし、そういう意味なんだろうと捉えてしまいます。
(多分私はそんな感じで間違って覚えたのだと思います)
※ 「宮本武蔵が破天荒」というのは、私の場合は史実よりもむしろ
「バガボンド」のイメージですが(笑) (←新刊出ましたね)
そしてもうひとつの誤解の原因は、似た表現との混同でしょうか。
上記記事にある 「手をこまねく」の意味を「準備して待ち構える」と誤解する
のは、「手ぐすね引いて待ち構える」との混同じゃないかと思います。
(私はこちらは大丈夫でした)
■ 誤用が悪いと言い切れない面も・・・
そういう誤用も、広がってしまえば一般的な意味として定着するものもあり、
「確信犯」なんかは、すでに広辞苑にも載っています。
『確信犯
(1)道徳的・宗教的または政治的確信に基づいて行われる犯罪。
思想犯・政治犯・国事犯などに見られる。
(2)俗に、それが悪いことと知りつつ、あえて行う行為。 』
広辞苑の(2)の意味は、元々は誤用とされていたものですが、実際かなり
使われています(私もあえてこの意味で使うことがあります)。
それがすでに国語辞典に載るまで一般的になっている・・・そういう例もある
わけです。
そんなふうに、言葉は変化していくものなので、「(元々の意味と)違う意味
で使うのはけしからん」と一概に言えないところもあります。
とはいえ、仕事上の文書で変な使い方をすると恥ずかしいですし、機会が
あれば正しい意味を知っておくことは大事ですね。
※ 原稿料や印税をもらって文章を書く人は、それ以上に厳密に考える
必要があると思います。(←自分にも言い聞かせています)
前も書きましたが、そういう人にはATOK組み込みの辞書が便利です。
ちなみに上記記事にある「調査」はこちらのサイト↓にあります。
文化庁 | 国語施策・日本語教育 | 国語に関する世論調査 | 平成20年度
かなり長いページですが、上記の語句や慣用句についての結果が最後の方
に載っていますので、そこだけでも見てみるとよいかと。
また、「日本語」といえば、こちらの本↓には笑わされ、考えさせられました。
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日本人の知らない日本語
著者:蛇蔵&海野凪子
販売元:メディアファクトリー
発売日:2009-02-18
おすすめ度:
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コミック+一部コラムになっている本です。書店にもよく積んであったので、
お読みになった方も多いかも?
今日の記事作成時間は38分でした。
では、また明日!
ビジネス文書の基本 「一文を短く」 のお手本になる本
こんにちは。水口です。
今日は「文章の書き方」について、私が気をつけているポイントを
1つ紹介しますが、その前に昨日の話の続きから・・・
■ この人の説明は分かりやすい!
昨日の記事で、「プレゼンの参考にテレビ番組を見る」と書きました。
私がそういう見方をするようになったのはこの2,3年のことです。
注意して見ると、いろいろ発見があって面白いです。
特にテレビという媒体は、「わかりやすさ」の面では突出しています。
それは「わかりやすい話しか扱わない」という弊害も生んでいて・・・それが
テレビの物足りなさにもつながっているわけですが、それはそれとして。
なかには、よく考えられた本当に「わかりやすい」内容のものもあります。
特に、池上彰さんの解説は非常にわかりやすいですね。
(↑以前「週刊こどもニュース」のお父さんをされていた方です)
わかりやすい上に、言葉遣いや語り口調なども、とても感じが良い。これ
は実はすごいことだと思います。普通に見ていたら、それほど強い印象は
ないのですが、他の方と比較してみたり、「自分がこうしゃべれるか?」と
考えてみると、すごさが分かります。(私は尊敬してます。本当に)
その池上さんの本↓を最近読んでみました。
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伝える力 (PHPビジネス新書)
著者:池上 彰
販売元:PHP研究所
発売日:2007-04-19
おすすめ度:
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もともと、雑誌の連載をまとめた本だそうで、そのせいか「体系立った」本には
なっていない感じです。ですから、手っ取り早くノウハウを知りたい人、つまり、
「この○つのポイントであたなもコミュニケーション上手!」的な本が欲しい人
には向かないと思います。でも、私は良い本だと思います。
「書く」「しゃべる」ことのレベルアップをはかりたい方に、おすすめします。
また、池上さんが書かれたこちらの本↓や、この前に出ている同じシリーズの
本(世界金融危機編)を読んでみるのもおすすめです。
もちろん、本の内容自体を勉強するのにも良い本です。しかし、それだけ
ではなく、この本は、「文章が非常に読みやすい」ところが特筆ものです。
話し言葉になっている点は別として、この読みやすさはビジネス文書を書く
参考になると思います(ぜひ、そういう目でも読んでみてください)。
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45分でわかる!14歳からの世界恐慌入門。 1929年を知れば、2009年が見えてくる! (MAGAZINE HOUSE 45 MINUTES SERIES)
著者:池上 彰
販売元:マガジンハウス
発売日:2009-05-28
クチコミを見る
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■ 一文は短く!
この本を読んでみると、常に「一文を短く」構成されていることが、お分かり
頂けると思います。
この「一文を短く」というのは、書き慣れていない人にとっては、難しいこと
なんですよね。しかし、これは読みやすくするためにはとても重要なことです。
私もこれを意識しています。これは意識していても、時には難しいです。逆に、
「一文を短く」と意識すらしていない(と思われる)人の文書には、読むに耐え
ないものも多々あります。
【参考に・・・】
この「一文を短く」するメリットを感じて頂くために、上記の文章を一文が長く
なるように書き直してみました↓。 どちらが読みやすいでしょうか?
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この本は、一文一文が短くなるように書かれているが、これは簡単なように
見えて実はとても難しいことであり、短い文で書くよりも長い文で書く方が
実は楽なのだが、長い文で構成されている文章は読みにくいものになって
しまうことも多いので、読み手のことを考えれば控えるべきである。
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※ ↑むりやり長い文にしたので、ちょっと不自然ですが・・・
「一文を短く」と意識していない人が(内容はともかく)このぐらい長い文を
書いてしまうことは珍しくありません。頭に浮かんだことを書きつないでいく
と、きっとそうなってしまうのでしょう。私も以前そうでしたし。
ロジカル(論理的)に説明しなければいけないことも多いビジネス文書では
「一文を短く」することのメリットは多いです。
自分自身もそうですし、たとえば部下の方の文書を指導されるときにも、
とても大事なことだと思います。(社内文書に読みにくい文を書くことは
一種の「時間泥棒」でもあります。読み手の時間をムダに奪うので。)
「一文を短く」書くと何となく淡泊な印象になりますし、長い文を駆使した
方が立派に見えるようにも感じます。しかし、それはほとんどが自己満足の
世界です。ビジネス文書は「一文を短く」するのがベストだと私は考えます。
こういう場面で引き合いに出すのはちょっと気が引けるのですが・・・
ツカサネット新聞というサイト(本当の新聞ではないです)に掲載されている
記事の多くはジャーナリストやライターの方が書かれたものではなく、しかも、
(多分)編集が入っていません。
そのため、探せば「一文が長い」ものを含め、「読みにくい文」の例がいろいろ
あります。文章修行をされたい方は、そういう文を書き直して読みやすくして
みるのもいいと思います。実際、いい練習になりますよ。
長い文を短くするには、単に文章を切れば良いわけではなく、文章全体を
見直すこともあります。ちょっと「パズル」っぽい面白さもあります。
※ 通常のビジネス文書を書くにはそこまでの練習は不要ですが、
文章を書く機会が多い方(多くなりそうな方)は、ちょっとお試しを。
今日の記事作成時間は68分でした。
では、また明日!
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